サークルSBD 2011/09/07 23:30

『シリアルスカンク』 突発的外伝

3匹目(軽)→ 子リスのチャックル
3匹目(重)→ 子リスのチャックル


シリスカ・突発的外伝   こうひー・著


「おい。例の被験体、見つかったか?」
「ああ、631番か・・・今も探しに行ってはいるんだが・・・」


慣れない穴掘りに、そのペンギンは四苦八苦していました。
「フゥ・・・フゥ・・・
へへ・・・ボロ配管のせいで、地盤が緩んでて助かったぜ。
研究所だか何だか知らねぇが、俺様をあんな檻の中に閉じ込めやがって・・・
あんな連中のところで朽ち果ててたまるかよ!俺は誰ともつるまねぇ。男は無所属、これ」

などと言いつつも弛んだ土を掘り進んでいたペンギンは、徐々に土が固くなってきたのに気がつきました。
「ちっ!これ以上は無理、か・・・
まぁいい、もう研究所からも十分に離れただろうし、そろそろお日様も恋しくなってきたしなぁ」
ペンギンは掘るのをやめると、ぐっとトンネルの天井を睨みつけました。鳥目だけど。


ミシエルはそろそろ「我慢」できなくなっていました。
「は・・・ぅぅ・・・ふぅ・・・
どこかに可愛い男の子でもいないかなぁ・・・
えへへ、こんな気分の時って、すっごくいいニオイ・・・させちゃうんだよね。
ぁ・・・ダメ、ちょっと休憩」
ジワジワと込み上げる疼きに耐えられなくなって、ミシエルはけもの道の真ん中にへたり込みました。

「あれ?」
ふと地面を見ると、何やら下から盛り上がってきているのが分かりました。
「あ~・・・ふふ、モグラさん・・・かな?こないだ愛してあげたばかりなんだけどなぁ。
あの子、可愛かったなぁ。最期あんなに嬉し泣きしちゃって・・・あん、思い出しただけでお尻が・・・
どうしてあげよっかなぁ。お顔出したところにカウンターパンチ!ってのも面白そうだけど、まずはご対面っと」

ボコッ

眩しいお日様を予想していたペンギンは、目の前に現れた獣に目を見張りました。
「な・・・・・・!?」
(な、何だコイツは?黒地に白の毛皮?いい趣味してやがるな)

一方、モグラの登場を期待していたミシエルも、地面から顔を出した変な鳥に首を傾げました。
(・・・何?体の色は似てるけど、仲間・・・じゃないわよね?でも目元とか、なんか可愛いかも~♪)

しばらくそのまま見詰め合っていた1匹と1羽でしたが、先に沈黙を破ったのはペンギンのほうでした。
「・・・よし。お前は何も見なかった―――」
ヒョコヒョコと翼(?)をばたつかせながら、彼は出てきた穴の中に消えていきました。

一瞬きょとんとしたミシエルでしたが、すぐに口の端に妖艶な笑みを浮かべて背中を向けると、
ペンギンの戻っていった穴の入り口をその大きなお尻でのっしりと塞ぎました。
「――うふふ・・・見逃してなんか、あげないんだから」

ペンギンは他の適当な場所に出口を空けようと、トンネルを戻ろうとしていました。
「何だか分からんが、いま誰かと関わり合いになっても面倒くさいからな。
面倒くさ・・・くさ・・・

「くっせえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?」

ぷすぅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ

「ふふ・・・ほらほら、ど~お?」
ミシエルの肛門からゆっくりと漏れる気体に追いつかれて、ペンギンは臭さの余り七転八倒していました。
「ふおおぉおぉぉぉぉ!?何だごれは!何ばぼれわ!?」
恐ろしいホッキョクグマの口臭よりも、研究所のアホ飼育係が出した腐った魚よりも酷い臭い・・・
いまだかつて嗅いだ事の無い激臭に捲かれたペンギンは転げ回りつつ、掘り進んできたトンネルを逃げ戻ろうとしました。
「臭ぇ臭ぇ臭ぇ臭ぇ臭ぇ!!は、やく、逃げ・・・・・・っ」

どさ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「ぎぃやぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」

ペンギンの目前で無情にも土砂崩れが起きて、彼の逃げ道を塞いでしまいました。

涙目で振り返ったペンギンの見たものは、今や唯一の出口と化した地上への穴を塞ぐ、大きなお尻。
そしてその真ん中で息づく、ピンク色の蕾でした。
(尻!?じゃ、じゃあこの臭いは・・・屁ぇ!?じょ、冗談じゃねぇ!一体何者なんだよあいつは!?)

「うふふ、いいでしょう?
もうちょっとしたら出してあげる・・・そしたらもっともっと、愛してあげるね」
ミシエルはエモノを虜にする瞬間を想像しながら、オナラガスの噴射を続けました。

すぅ~~~~~~~~~~~~~~~~ぅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「くおお・・・ぉ~~~・・・・!!」
(く、臭えぇっ!うう・・・このままじゃアイツの屁で嬲り殺されちまう・・・
悠長に穴掘りなんかしてらんねぇし、こうなったら・・・強行突破しかねぇ!!)


ミシエルはふと、肝心なことに気づきました。
「あ、そっか。来た道も塞がないとダメなのよね・・・どうしよ?」
彼女が首だけ振り向いたその時、

ずんっ!!

「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!?」

ミシエルの女の子の部分に、強烈な衝撃が走りました。


出口を塞ぐミシエルのお尻に、決死の突撃を企てたペンギンでしたが、柔らかくて弾力があるその大きな肉塊を跳ね除けることは
出来ませんでした。
今や彼のクチバシはミシエルの秘めたる部分を刺激するように食い込み、さらに噴射口が文字通り目と鼻の先に迫っていました。
(お、終わった・・・・・・)
ペンギンは観念しました。

「はぁ・・・はぁ・・・今の、なかなか、よかった、わ」
ミシエルは快感に乱れた息遣いを整えつつ、お尻の下の「お相手」に語り掛けました。
「今度は私から、あなたにお礼。じっくりと楽しんでね。いくわよ・・・」

ペンギンの目の前で、ピンク色の蕾が花開きそして――

ぷぶしゅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!
ぼぅふぅうっ!ぶぅぅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!

「ピッギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

ペンギンのくぐもった悲鳴が、ミシエルの尻肉を揺らしました。
ミシエルは悪臭に震える彼を彼女自身で味わいながら、ますます力強くガスを噴射しました。

ブブウゥッ!!
プウウウウウゥウウゥウゥゥ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッ!!

熱い彼女の香りがペンギンの流線型のボディを撫で回し、強烈な臭いをその短い毛皮一歩一本に刻み込んでいきました。
そしてその行き着く先はことごとく、あわれな犠牲者の鼻腔へ・・・・・・。


ひょっこり道から湧いて出た、見たことも無い白黒の鳥。
強烈なスカンクの香りですっかり染められ、それでもかろうじて息のある彼を見下ろして、
ミシエルは「まいったか!」とばかりに満足げに微笑みました。
「ふふん。どうだった?私のキモチ、受け取ってくれた?」
ペンギンは霞む目をかすかに開いて、枯れかけた喉で答えました。
「俺・・・の負・・けだ・・よ。姐・・さん。奴らの、し、刺客・・・なのか?」

ミシエルは知らないわ。と首を振りました。
「あなたが何を言ってるのかわからないけど。私はあなたと愛し合っただけ♪それ以上でも以下でもないわ」

「変なヤ・・ツ、だな。あんた・・・。
そう、だ、俺・・・俺の名・・・・・はブッ!?」

ミシエルは再び、地面に埋まったペンギンの顔にお尻を押し付けて言いました。

「もういいわ。だって・・・私は何も見なかったんだもの」


プゥゥゥゥぅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~・・・・・・

ばたばたばたばたばたばたばたばたばたばたばたばたばたばたばたばたばたばたばたばたばたばた

ペンギンはもう、断末魔の叫びすら上げることもできず、地面の下でぜんまい仕掛けのオモチャのように、
翼を羽ばたかせていました。
(臭っっっっっっっさあああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ぁ!!)
もはやミシエルのオナラの威力以外、何も考えることが出来なくなった彼は、ただひたすらに天国へと羽ばたいていくのでした。

ばたばたばたばたばたばたばたばたばたばたばたばたばた ばたばた ばた

・・・・・・・・・・・・・・・ぱた

「さよなら、クチバシのお兄さん♪」

ぎゅむっ ぎゅむぎゅむぎゅむ ・・・プゥゥ~~~ッ ざくざく

事切れた彼をお尻で穴の中に押し込み、最後にガスと土の中に埋葬して、ミシエルはすっきりした面持ちで
旅を再開するのでした。


ゴム長靴の足音が近づいてきました。
「お~い、631番~。ペンギン~。どこ行った~~~?
・・・まぁ呼んで出てくるなら苦労はしねぇな。
しっかし臭ぇなー。また下水管がぶっ壊れやがったのかなー。
早く帰りてーな~・・・ちきしょう、どこ行きやがったんだよ・・・。

折角、ラヴィワクチンの鍵になりそうな被験体だったのになぁ・・・」


ミシエルは至福の時を過ごせた一方で、運命の大きなすれ違いをしてしまったようでした。
でも、ゴム長靴の足の下、澱んだガスの中、虚ろな目で眠る631番と呼ばれたペンギンには、もう何の関係も無いことでした。


外伝・終

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