猫虎屋 2022/12/01 05:15

【全体公開】温泉旅情

温泉旅情(1)

「どお?貴女も一杯」
湯船の中で一杯やっていたシズクは、後から入ってきたリーランに酒を勧める。


「すみません、まだ未成年でして」
「あらー!ごめんなさいね。てっきり同い年くらいかと」
「いえ。お酌致しましょう。」
「悪いわねぇ~」
温泉旅行に招待されたリーランは、現地でリーチェやシズクなどと再会することになった。彼女たちも同じように招待されたらしい。突然の同窓会にちょっとびっくりしたが、各々、料理と温泉を存分に堪能している。
だが、それが仕組まれた罠だとは、二人も気付いていなかった。

寛いでいた露天風呂に突然ばたばたと何人もの男が入ってきた。
「何事ですか!ここは女湯ですよ!」
己の身体を手で覆いながら、毅然とした態度でリーランは対峙する。

「へへ、俺達が身体を洗ってやるよ。」
「ぶ、無礼者!まずその撮影をやめなさい!」
リーランは電子機器などには疎いが、それが映像を撮影する機械だということは正月にバイパーを見てなんとなく理解していた。
一度撮影されたものはなかなか消すことができないということも。

「ろうしたの~?」
「シズク殿!?」
横にいたシズクがへべれけな情けない声を上げる。この状況をよく理解していないようにも見える。確かにさっきまで酒を飲んでいたとはいえ、急に変わりすぎだ。
「これからAVを撮るんだよ」
「えーぶい?」
「ああ。タイトルは、温泉大乱交-心ゆくまで中出し三昧-さ」

「離しなさい!」
リーランは男に後ろから抱きつかれる。振り解こうと思ったが、思うように力が入らない。咄嗟に陣を展開しようとも思ったが、それもできなかった。
「無駄無駄。さっき入れた入浴剤、緑マンドラのエキスが入っているのさ。ここでは全ての能力は無効化される。」
一刻を束ねる将軍でも、ルーンの力が発揮できないとなると、非力な少女と変わらなくなる。男に簡単に組み伏されてしまう。
シズクが突然酔い始めたのもこれが関係あるのだろうか。

だが、この程度で屈するリーランではない。
「私をただの女と舐めないでください。」
「そうか。じゃあ、あの娘を代わりに撮影しようか。たしかリーチェとか言ったかな」
「リーチェ!」
リーチェはさっきまで一緒にいたが、今は部屋に戻っているはずだ。
あの子はダメだ。育ちが良く、穢れを知らない。純粋そのものと言っていい。こういう目には遭わせてはいけない子だ。
「卑怯ですよ!」
「ま、俺はどっちでもいいんだがな。あっちのほうが撮りやすそうだし。」
「く……!」
ニヤニヤと男が笑う。ここで断ったらリーチェはひどい目に遭わされるだろう。自分を守るために彼女を売るのは、考えられないことだった。

「……早く済ませてください。」
「お、話がわかるね。じゃあそこの石に手をついて、尻をこちらに向けな。」

「らめぇ!らめなのう!」
隣では既にシズクが別の男に犯されていた。思わず目を背ける。
ゴツゴツした男の手で局部を弄られると、背筋にぞわりとした寒気が走る。


ほどなくして、硬いそれがずぶりと中に入ってきた。
「うお!よく締まっていい穴だ」
「……はやく済ませてください」
「こんな名器、じっくり味合わないと損だからな。」
「……んっ!」
男はプロのAV男優だけあって、テクニックだけは確かにあった。
焦らすように浅いところをじわじわと攻めたかと思うと、突然奥深くまでついてくる。小刻みにピストンしたり、大きく打ち付けるように奥まで入れたり、緩急つけて動いてくるので、そのたびに翻弄されてしまう。

「はあ……っ、はやく……終わらせて……!」
「もう少し楽しみたいんだが、あとがつかえてるからな。お望み通り、そろそろ本腰いっとくか。」
男は後ろから腰を鷲掴みにすると、パンパンと音がする激しいピストンでラストスパートを始める。
「ま……、まって、なかは……っ!」
その勢いを感じ取ったリーランは、嫌な予感がして身体をよじる。だが腰をがっちりと掴まれていて、逃げることができない。
「だ…だめ…っ!!」
男のそれがびゅくびゅくと脈打ち、熱いものが体内に注がれるのを感じた。その瞬間、背筋にぞわりとした悪寒が走る。そして全身が震え、力が抜けた。

男が引き抜くと、どろりとしたものが太ももに滴る。そのシーンを撮影担当はドアップで写し込んでいた。
そうだ。今のが撮影されていたんだ。急に恥ずかしさが襲いかかってくる。このシーンを臣下に見られてしまったら……。そう考えると後悔の気持ちがどっと押し寄せてくる。

「よし、交代な。」
リーランの心配など気にもとめず、別の男優が背後に立つ。

温泉大乱交。撮影はまだ始まったばかりだった。

温泉旅情(2)

露天風呂でAVを撮らされたリーランとシズクの二人は、ぐったりとした様子で部屋に戻った。
性交で体力を奪われたのもあるが、長時間湯にあたっていたためのぼせたというのもある。今は部屋でゆっくり休みたい。

だが部屋に待ち受けていたのは、先程の男たちだった。
「あなた達!リーチェを離しなさい!」
リーチェは浴衣を無理やり脱がされかけており、泣きそうな顔をしている。
「約束が違います!」

「別に、こっちの娘を撮らないとは言ってないぞ。」
「卑怯です!」
リーチェに手を出さないという条件で、嫌々ながらも撮影に応じたつもりだ。だがそんな話が通用する相手ではなかった。
「まあ、あんたらがもう一本撮らせてくれるって言うなら、こっちの娘は許してやってもいいぞ。」
その言葉はどれだけ信じられるだろう。しかし、リーチェを守るにはそれしかない。
「く………わかりました。必ず、約束は守ってください…」


二人は浴衣を半脱ぎ状態にされ、横たわる二人の上に跨らさせた。
背面騎乗位で下から突かれているところを、正面から撮影される。
辱めを受けている表情が否応なしに映され、リーランは顔をしかめて抵抗する。
シズクは既にスイッチが入ってしまったようで、腰を自ら落としてされるがままに快楽を受け入れている。

「ど、どうなってるんですの…!?」
事情の飲み込めないリーチェが目を白黒させていた。
大人の行為を見たのは初めてだったのだろう。顔を赤らめながらもその様子を見ている。
「み、見ないで…リーチェ…」
頼れる優しいお姉さんでありたかった自分が、こんな目に遭わされているところなど、できれば見せたくはなかった。だがこれも彼女を守るためだ。

「くううっ!」
男の精がどくどくと注がれるのを感じつつも、リーランはじっとそれを耐え続けた。

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