猫虎屋 2023/09/16 04:56

潜入メイド

武器商人をしている主人の屋敷にノアが潜入してから、一ヶ月が経とうとしていた。
ノアの任務とは、その武器商人が隠し持っているという秘密兵器の設計図を奪い去ることである。

だが主人は非常に警戒心が強く、厳重にセキュリティが敷かれた屋敷では、決して外からの侵入者を寄せ付けない万全な警備網が張られている。
唯一取り入る隙として、その主人は無類の女好きであったため、何人ものメイドを雇っていることである。屋敷にいるのは主人を除けば全員が若い女性である。
とりわけ主人の身の回りの世話をするメイドが7人おり、運良くノアはその8人目に加えられることになった。

しかし屋敷には常に人の目があり、その中で隠された設計図を探すというのは簡単ではない。主人の寝室の金庫にあることは概ね見当がついていたが、ご主人様の部屋に入れるのは夜と朝の2回のタイミングしかなかった。しかもご主人様から指名してもらった場合に限る。

ノア達ご奉仕メイドのすることといえば、ご主人のお世話をすることだけなので、呼ばれない日は何もすることがない。だから皆、いつ自分が呼ばれるか首を長くして待っていて、なんとか指名してもらうために着飾ったり美容に力を入れたりする。そして指名されると嬉しそうにするのだった。
ノアはその気持ちが理解できない。とくに夜伽はできればやりたくない。だがご主人様の部屋に入るためには自分も指名されなければならず、ノアもまた彼女たちと同じようにご主人様に媚を売るしか無かった。

何度か指名されて気付いたことだが、夜伽のほうが時間が長い反面、ご主人様が常に部屋にいるので、実際は何もできないということだった。ベッドの横で寝ているときも僅かな物音で起きてしまう。

一方で朝のご奉仕の方は、それが終わると寝室を出ていくので、掃除担当のメイドが来るまでのわずかな時間に部屋の中を漁ることができる。
そうしてついに鍵と金庫の暗号を入手し、あとはもう一度だけ朝のご奉仕に呼ばれれば、その設計図を手に入れられるまでの段階が整った。

そしてついに朝に呼ばれる日が来た。

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