猫虎屋 2023/10/22 05:08

秘湯ユートピア

秘湯の島ユートピア。
そこは温泉神の加護により様々な泉質の温泉が湧く、癒やしの島である。
色々な種類の温泉に浸かる温泉オリエンテーリングも盛んに行われている。

戦いの疲れを癒やすためにやってきた一人の冒険家は、とりあえず最初の湯に使った。本来なら効能が書いた看板などがあるはずだが、ここには見当たらなかった。

「こちら、混浴なんですね……。」
湯に浸かってすぐに声がした。反対側の方から一人の女の子がやって来る。どうやら脱衣所は男女別だが、温泉は混浴らしい。
「し…失礼します…。」
遠慮がちにその女の子は同じ湯に浸かる。
とろりとした肌触りの湯。バラのような香りがする。
そういえば彼女はトワといったっけ。どこかで見たことがある女の子だった。あれはどこだったか。
控えめで淑やかさがあり、素敵な女の子だと思った。

しかしまさか混浴だと思っていなかったので少し気まずい空気が流れる。が、それ以上に気まずい状態になっていた。なぜかアレがギンギンにそそり勃ってしまい、タオルでは隠せないレベルになっている。今、湯から上がれば、バレてしまうかもしれない。さすがに女の子の前でそれは…。
だがそれはトワの方も同じだったようで、少し様子がおかしい。
「い…いけません…この湯…は…」
トワは目をとろんとさせて、体をくねらせてなにか耐えはじめた。

ここの温泉は様々な効能があるという。その中にはかなり特殊なものもあると聞く。
危険なものを感じ、タオルを腰に巻いて立ち上がり、湯から上がった。
しかしトワは真っ赤な顔をして、その前に立ちふさがる。どうにも様子がおかしい。さっきまでの落ち着いた雰囲気とは違う。
そしてその視線はひとつのモノにそそがれていた。
「ああ、ケガレがもうこんなに……」
ギンギンに勃ち上がったそれを、うっとりした目で見つめている。
「これは、祓い清めなくてはなりませんね。」

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