今週の進捗
○ほぼ日刊制作記録所
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今週のトピック
先週は思い切って休暇を多く取ったので今週の進捗と合わせての記事になっています。
休暇中はおうちカフェを開いたり、ケーキを作ったり、漆喰塗ったり、山へ鳥を見に行ったりしました。
また夫のおすすめアニメをこれでもかというほどたくさん見ました。
やはり芸術は面白いと思うと共に、中でも妻が特に国宝級の稀有な作品であると感じたものがいくつかあったため以下で感想を書きます。
多分来週にも続きます。
ひぐらしのなく頃に
雛見沢の舞台「白川郷」へ8年通い続ける夫
妻お気に入りセレクション1作目は「ひぐらしのなく頃に」シリーズです。
夫はなんかすごい旅が好きです。
妻にはよく分からないのですが「人の手の入った自然が面白い」などと供述しており、学生時代は日本一周とかしていたらしいです。
中でもひぐらしの舞台である白川郷と高山は「第二の故郷」と特に慕っており、八年間毎年通い続けています。(今年はコロナで行きそびれたのでコンボが途切れました。)
毎年白川郷に行って何をするかと思えば、「羽入コスプレおじさん」なる人物が夫と同様毎年そこへ現れ彼の羽入フォルムである写真を絵馬と共に神社に奉納するので、その生存を確認して帰るらしいです。
最初聞いた時は夢の話か何かかと思いましたが、妻も一緒に行ってその絵馬を見ているので現実の出来事で間違いありません。
夫(と羽入おじさん)を狂わせたひぐらしのなく頃にというコンテンツは一体何者なのでしょうか。
今クールアニメ「ひぐらしのなく頃に業」の放送をきっかけに一気見し、今まで不思議に思っていた夫のことが少し分かったような気がしました。
啓蒙なんぞ人間のエゴだ(以下ネタバレ注意)
主観の強すぎるあらすじ
「ひぐらしのなく頃に」を妻の言葉で要約すると「己の状態をちゃんと言語化して他人に伝えようね」という話でした。
村全体に「雛見沢症候群」という特定の条件下で猜疑心が強くなりすぎる病気が蔓延しており、仲が良いものの言語化能力に欠けた子供たちは次第に疑心暗鬼になり殺人を犯していきます。
…という状態から最終的に言語化能力を獲得し、猜疑心の存在を仲間内で共有する事を覚え彼ら自身の未来を変えるまでに成長します。
バランス調整神じゃね?
まずこの作品が最も素晴らしいのは、中高生感性を持つキッズたちを釣りあげた上で人間は組織社会の一員であるという世界観に引き込み、いつの間にか彼らにその正論を受け入れさせる仕掛けを巧妙に施した点だと思っています。
人間を啓蒙しようとする意思を感じるコンテンツは数あれど、実際にここまで高い精度でそれを成功させていると感じる作品は浅薄ながら今まで見たことがありませんでした。
またあえて記号的に印象付けた上で徐々に現実味のある人格を明かしていくキャラクターの表現手法は2000年代初頭当時のサブカルの流れを想起させるとともに、描き方として脚本家との根本的な相性の良さを感じさせてくれます。
特に主人公の圭一は何も考えずに配置すると「何だこのクソ雑魚」と思われかねない危うげな楽観性を持っているのですが、脚本家パワーで移入型男主人公系としても飛び抜けて魅力的な人物に仕上がっています。
小此木くんのような脇役の口調でさえ妙に田舎民のリアルを突いてくるので、森に住み森と共に生きるエルフであるこの妻はもうメロメロです。
啓蒙なんぞ人間のエゴだ…そんなふうに考えていた時期が私にもありました
中高生が感じる社会からの疎外感が詰まった前半パートと急にリアル田舎ハートフル路線に切り替わる後半パートを、キャラクターという強力な接着剤で繋ぎ合わせキッズを自発的に成長へ向かわせる豪快にして的確なバランス調整はまさに国宝級。
日頃夫が啓蒙がどうのとか言っている理由はこれかと思い当たると共に、持論を揺るがす存在の実物に触れ色々考えさせられた妻にとっても思い入れのある作品になりました。
大切に、本当に大切にキャラクターの人格そして見せ方を考えていることが読み手に伝わってきて非常に美しいですね。
長文を書いて疲れました。
もう一作国宝級の稀有な作品がありその感想も書こうと思ったのですが、今日はここまでにします。