依样画葫芦jpn 2021/11/10 19:21

“夫人你马甲又掉了(11話~15話)"摘译

夫人你马甲又掉了

人物紹介

顾西迟
秦苒の盟友的存在の医者。国境なき医師みたいなことをしている。
魏子杭
職業高校の番長で、秦苒の寧海での友達。
绿色的是我看不懂的。(緑色は分からない部分)

011校霸

她戴着耳机打游戏,侧身坐着,里面是白衬衫,隐约能看到锁骨,很白。
彼女はイヤホンをつけてゲームをしながら、横を向いて座っている、
中は白いシャツで、かすかに鎖骨を見ることが出来て、とても白い。
上方显示着顾西迟的电话,她面不改色的挂掉。
上方に顧西遅からの電話が顕示されているが、彼女は顔色を改めずに切った。
对方契而不舍的,又打了一个。秦苒加快速度打完这局游戏。
向こうは懲りずに、もう一度かけてきた。秦苒は速度を上げてこのゲームを終わらせた。
她撑着桌子站起来,起身往外走。
彼女は机に手をつきながら、立ち上がると外に向かった。
随着她的动作,班里班外边儿,所有的人都注视着她的方向。
彼女の動作に随って、クラスの中も外も、あらゆる人が彼女の方向を注視している。
本窃窃私语的班级,忽然寂静。
本はひそひそ私語していたクラスメイトは、忽然と静かになった。
后门边围了一群人。秦苒拿着手机,一手摘下耳机,看他们一眼。
後ろのドアの辺りは一群の人に囲まれていた。
秦苒はスマホを持ちながら、片手でイヤホンを外して、彼らを一目見た。
来自大佬的凝视。“哗啦——”一声,人群让开。
ボスによる凝視。「ざーーっ」と音を立てて、人群は道を空けた。
秦苒穿过人群,直接朝廊尽头卫生间去。顾西迟的电话再度打过来。
秦苒は人群を突っ切って、まっすぐ廊下の突き当りのトイレを目指した。
顧西遅の電話が再度かかってきた。
她找了个隔间,坐在马桶上,按下通话键。
彼女は個室を見つけて、便座に座ると、通話ボタンを押した。
中东。顾西迟刚给一个孩子包扎完,温和地摸摸他的脑袋,
中東。顧西遅は子供に手当し終えると、温和に彼の頭を撫でて、
然后拿着手机走向一边,那张脸风流俊美。
然る後スマホを持って脇に向かった、その顔は風雅でハンサムだ。
给自己点了根烟,笑,“上午不回短信,现在还挂我电话。”
自分で煙草に火を点けると、笑って、
「午前中はショートメッセージに返事せず、今度は電話まで切るんだね。」
“我在学校,”秦苒把玩着耳机线,随意的开口,“有事快说,我要上课了。”
「私は学校だ、」秦苒はイヤホンケーブルを玩びながら、
心のままに口を開いて、「用があるなら早く言え、授業がある。」
“是有件事,”顾西迟吐了道烟圈,接过别人递给他的医药箱,
「用はあるよ。」顧西遅は煙を吐くと、余人が彼に渡した医薬箱を受け取って、
说了声谢谢,继续道:“我查了你给我的资料。”
ありがとうと言うと、話し続けた「君がくれた資料を調べたよ。」
“查到了什么?”秦苒瞥眼门外。顾西迟顿了下,然后声音幽幽地,
「何か分かった?」秦苒はドアの外を一瞥した。顧西遅は間を置くと、声音も幽かに、
“宝贝儿,我找国际刑警查的,可为什么会在国际刑警那看到你的名字?我是看岔了吗?”
「ベイビー、インターポールの調査を探ったんだが、
 何故インターポールで君の名前が見つかるんだい?僕の見間違いかな?」
秦苒沉默了几秒,换了个姿势坐着,“不可能。”
秦苒は数秒沈黙して、姿勢を変えて座りながら、「ありえない。」
顾西迟背好医药箱,咬着烟,似乎笑了一声,声音有些温润的好听,“你还挺自信的。”
顧西遅は医薬箱を背負うと、煙草を銜えながら、一声笑ったようで、
声音も些か温潤に心地良く、「やけに自信があるんだね。」
卫生间门轻响了一声,有人进来。
トイレのドアが軽く響いて、誰かが入ってきた。
秦苒淡淡地“嗯”了一声,然后压低声音,“你到底看到了什么?”
秦苒は冷淡に「ああ」と言って、然る後声音を抑えて、「一体何を見たんだ?」
但顾西迟也不会骗她。“就有你的名单,他们在查你,”
が顧西遅は彼女を騙そうとしない。「君の名簿があった、彼らは君を調べている、」
顾西迟朝递给他一颗糖的小男孩笑了笑,然后眯着眼睛,朝另一个方向走,
顧西遅は彼に飴を差し出した男の子に笑いかけて、然る後眼を細めながら、別の方向に向かうと、
“是不是你帮我查资料的时候,不够干净,泄漏自己资料了。”
「僕のために資料を調べた時に、十分きれいじゃなくて、自分の資料を漏らしたんじゃないかい。」
“这更不可能,不会有人查到。”秦苒站起来,
「それはもっとありえない、誰かに見つかるはずない。」秦苒は立ち上がると、
眉眼微微挑着,她漫不经心地理了下划到额前到头发,“没其他的事儿我挂了。”
眉目をわずかに跳ね上げながら、彼女は額と髪を無造作に引っ掻いて整え、
「他の用がないならもう切るぞ。」

012我祖宗

魏子杭凶名显赫,当年刚转学过来时,地方混黑的头子就被他开瓢了。
魏子杭は凶名赫赫である、転校してきて間もない時に、
地方暴力団の頭目が彼に頭をかち割られた。
都以为他完了,可最后也不了了之。他校霸的名声由此传开。
皆彼は終わりだと思ったが、最後はうやむやの内に終わった。
彼の番長の名声はこれに由って広まった。
一中的传说他无恶不作,背景很大,连黑道的人都不敢惹他。
一中の伝説では彼は作さざる悪とて無く、後ろ盾が大きくて、暴力団すら彼を刺激しないという。
这种人哪是他们普通学生能惹得起的?连林思然这好学生都听说过这凶名。
こんな人のどこが彼ら普通の学生に逆らえるものだろう?
林思然のような良い子ですらこの凶名を聞いたことがあった。
眼下乔声一喊,她拉着秦苒就要拽着她走。却没想,秦苒就跟脚底生根了一般。拽不走。
喬声が叫ぶのを眼にして、彼女は秦苒を曳っ張って逃げようとした。
が思いがけず、秦苒は足の裏に根が生えたみたいに。曳いても動かない。
乔声拿着烟,看见这情况,急眼了,一摸自己的寸头:
喬声は煙草を持ちながら、この情況を見ると、苛立って、自分のスポーツ刈りを撫でた。
“艹,这新校花怎么回事,还想打架?魏子杭可不是那么好惹的,徐少你说一句啊!”
「fuck、この新マドンナはどういうことだ、まだ喧嘩する気か?
 魏子杭はそんなにやさしくないぞ、徐さんも一言言ってくれ!」
*「やさしい」这日本语意思不仅“温和”而且“容易”。
这新校花脾气倒是傲,野得很,当真是初生牛犊不怕虎。
この新マドンナの性質は傲岸で野趣で、当に生まれたての子牛は虎を恐れないというもの。
魏子杭这行人在云城高校名声不好,高校的学生对他都是又畏又惧,他向来无法无天,没人能约束。
*这个“行”不是xing而是hang吗?
魏子杭一行は雲城高校における名声がよろしくなくて、
高校の生徒は彼に対し畏まり怖れ、彼は無法無天で、束縛できる人とてない。
林锦轩毕业后,对方也就稍微忌惮一点徐摇光。两帮人马不对盘,主要交集还是当年一中新生欢迎会。
林錦軒の卒業後、むこうは徐揺光を少し憚った。両グループは反りが合わず、
主な交錯はやはり当年の一中の新入生歓迎会だった。
秦语挺出名的,魏子杭那一行人混进来,
秦語はなかなか有名だったから、魏子杭一行は紛れ込んできて、
最后嘲讽秦语小提琴不好听,徐摇光当即就跟魏子杭杠上了。
最後に秦語のバイオリンは上手くないと嘲ったから、
徐揺光が即座に魏子杭に食って掛かったのだった。
那时候秦语的小提琴八级,这还不好听?所有人都认为他找茬。
その時秦語はバイオリン八級で、それでも上手くないだろうか?
あらゆる人が彼は粗探ししていると思った。
*もしかして、秦苒のヴァイオリンを聴いたことがあったから、下手だと感じたのか?
而徐摇光那时高一,刚转学过来,而魏子杭最后也没招惹徐摇光。
徐揺光はその時高1で、転校してきたばかりだったから、
魏子杭は最終的には徐揺光を相手にしなかった。
自那件事后,乔声这行人就知道巍子杭有一点忌惮徐摇光。
その件の後、喬声たちは魏子杭が少し徐揺光を憚ることを知っている。
眼下秦苒这犟的,乔声极恨不得替她溜,他低骂一声。这么横,不要命了吗?!
目下秦苒はあまりに強情で、喬声は彼女に替わって逃げたくてたまらなくて、
低く一声罵った。こんなに横柄だなんて、命が要らないのか?!
林思然见那校霸下了机车,脸色愈发的白,
林思然はあの番長がバイクを降りるのを見て、顔色も愈々白く、
她颤抖着声音,“秦苒,我们得先快走……我等下再跟你解释。”
声音を顫わせながら、「秦苒、早く逃げないと……後で説明するから。」
她依旧拉着秦苒,手心都是冷汗,抖得不行。
彼女は相変わらず秦苒を引っ張りながら、掌は冷汗まみれ、震えてならない。
普通学生看到传言连黑社会都不怕的校霸,这个反应倒也正常。
普通の学生は暴力団すら恐れないと伝えられる番長を見たら、この反応がむしろ正常だ。
秦苒拍拍林思然的肩,脸上的表情没变,一手散漫的插在兜里,斜斜的睨着他们。
秦苒は林思然の肩を叩いて、顔の表情も変わらず、
片手をぞんざいにポケットに突っ込んで、彼らを斜に睨んでいる。
还是那副大佬做派,既野又狂。
やはりあのボスの風格で、ワイルドでクレイジーだ。
只是林思然没被安慰到,她腿软,有些走不动路。眼前发黑。
けれど林思然は安撫されず、脚から力がぬけて、
些か歩くこともできない。眼前が暗くなった。
为首的少年朝她们走来,
頭となる少年が彼女たちの方にやって来る、
那少年一双凤眸,轮廓清晰,风神清绝,洁白的指间燃烧着烟雾,整个人有种说不出的邪气。
その少年の双つの鳳眸は、輪郭清晰、風情も清く、真っ白い指の間には
煙霧が燃えていて、渾身言い表せない邪気を有している。
见魏子杭竟然要亲自动手,乔声脚步动了动,不远处的那一行人也想,这新学生完了。
魏子杭自ら手出ししようとするのを見て、喬声の足取りが動いた、
遠からざる処の一行も、この新入生は終わったと思った。
徐摇光看着前方,又清又黑的眼眸微变,刚要说什么。
徐揺光は前方を見ながら、清く黒い眸をかすかに変じて、何か言おうとした。
就听秦苒开口了:“魏子杭,你让人把我同桌送回去,她走不动路。”
とたん、秦苒が口を開くのを聞いた
「魏子杭、誰かに私の同卓を送らせてやってくれ、歩けないから。」
场面挺安静的。魏子杭瞥了眼林思然,当即笑开了,
その場はいたって静かだ。魏子杭は林思然を一瞥して、すぐに笑みを見せた、
挺随和的,一点儿也没校霸那种王八之气,
友好的で、一点も番長の王覇の気は無い。
立马转头挑了个看起来有点儿好学生样儿的少年送林思然。
すぐ振り向くといくらか良い子の様に見える少年を選んで林思然に遣わした。
随即又凑过来,他看着秦苒,笑,眸底的惊喜是认真的:
すぐ又やって来ると、彼は秦苒を見ながら、笑って、眸の底の驚喜も真剣に、
不是,苒姐,你怎么来云城也不说一声。”
「すいません、苒姐さん、どうして雲城に来るのに一言言ってくれないんです。」
秦苒拨了拨校服。“临时决定的。”徐校长那封信都给她一年了。
秦苒は制服をはたいた。「臨時に決まったんだ。」
徐校長があの手紙を彼女に与えてからもう一年だ。
魏子杭还是不满,他长得好,五官分明:“那你来了也不找我。”
魏子杭はやはり不満だ、彼は綺麗で、顔立ちが整っている
「でも着いても連絡してくれなかったじゃないですか。」
“我昨天才到。”秦苒跟林思然说了一声,见林思然愣愣的,没反应,
「昨日着いたばかりだよ。」秦苒は林思然に一声かけたが、
林思然は呆然として、反応しない、
她又侧过身,踹了魏子杭一脚,挑着眉稍:“让你这些小弟赶紧滚,吓到我同桌了。”
彼女は又横を向いて、魏子杭を一発蹴ると、眉をやや吊り上げながら、
「舎弟どもをすぐに立ち去らせな、同卓を怖がらせる。」
魏子杭就让他那群小弟赶紧滚。林思然显然没在状态,秦苒准备自己去买书。
魏子杭は彼の舎弟たちをすぐに立ち去らせた。林思然は明らかに
そんな状態でないから、秦苒は自分で本を買いに行くのに備えた。
中午被秦苒打的少年没滚,一头五颜六色的头发耷拉着,要跪了,“老大,她……她是……”
昼に秦苒に打たれた少年は立ち去らず、カラフルな頭髪を垂らしながら、
跪きそうに、「ボス、か……彼女は……」
魏子杭穿着运动衫,碾灭了烟的动作也不显粗鲁,
魏子杭はスウェットを着ていて、煙草を消す動作も粗暴には見えない、
冷冷横过来的一眼都是浪荡,听到问话他稍稍侧眸,勾着唇角笑得邪:“我祖宗。”
冷やかに横切る視線は気ままで、問いかけを聞くと彼はわずかに横を見て、
口角を曲げながら妖しげに笑って「俺の女神だ。」
*「祖宗」は祭祀の対象としての先祖だが、今は大切な女性の事を男が「小祖宗」と呼ぶらしい。とりあえず「小祖宗」をお姫様、「祖宗」は(アキテーヌ家におけるメリュジーヌのような存在と解して)女神と訳しておく。
说完,也不等这些人反应。“苒姐,你去哪?”“买书。”言简意赅的回答。“我陪你去……”
言い終えるや、反応を待たず。「苒姐さん、どこに行かれるんで?」
「本を買う。」簡潔だが要点を抑えた回答。「俺がお供します……」
声音渐行渐远,还杵在原地的林思然没反应过来。
声音はだんだん遠ざかるが、まだ元のまま棒立ちの林思然は反応してこない。
*莫非这个“杵”是“处”的错字吗?
身边她以前怕到不行的校霸的小弟小心翼翼又讨好的道,
身辺で彼女が以前は恐れてならなかった番長の舎弟が
小心翼々また機嫌を取りながら言った、
“姐,您要回学校吗?还是要去吃饭?”
「姐さん、学校に帰られますか?それとも食事に行かれますか?」
林思然脑袋有些空。总觉得自己在做梦。
林思然の頭は些か空っぽで。なんだか自分は夢を見ているみたいだった。

013我不是好人

魏子杭拿着她的书去付钱,顺道翻了翻秦苒选的书,
魏子杭は彼女の本を持って支払いに行き、道すがら秦苒が選んだ本をめくった、
不是学习资料,是好几本国外的原文书,放在书店基本无人问津。
学習資料ではなく、幾冊もの国外の原文書で、
書店に置いても基本的に関心を持つ人はいない。
他知道秦苒喜欢看书,陈淑兰家一整个书房都是她的书,尤其喜欢看原文。
秦苒は読書が好きで、陳淑蘭家の書斎は全部彼女の本で、
中でも原文を読むのが好きなのを、彼は知っている。
魏子杭见过她床头一直摆着原文的《百年孤独》跟《追风筝的人》。
彼女の枕元に原文の「百年の孤独」と「君のためなら千回でも」が
ずっと置いてあるを魏子杭は見たことがある。
他把书放在收银台上,细碎的头发微微垂着,只是一双漆黑深邃的眸子满是锋锐。
彼は本をレジに置いた、細い頭髪がわずかに垂れて、
双つの漆黒の深奥な瞳は鋭さに満ちている。
魏子杭付钱,秦苒也不跟他争。回完信息就将手机塞回兜里,先一步走到外面。
魏子杭が支払って、秦苒も彼と争わない。
返信し終えるとスマホをポケットに戻して、一歩先に外に出た。
魏子杭拿着袋子朝她这边走,另一只手上捏着快要熄灭的烟,准备找个垃圾桶扔了。
魏子杭は袋を持ったまま彼女の方に来て、別の手には
消えそうな煙草を持って、ゴミ箱を見つけて捨てるのに備えている。
“先去吃饭?”魏子杭朝她扬手,微微垂着脑袋,陪笑着询问。
「先ず飯食いに行きますか?」魏子杭は彼女に向かって手を挙げると、
わずかに頭を垂れながら、愛想笑いしながら伺いを立てた。
秦苒摇头,她得回宿舍,还有自习。“给我一根。”她看了他一眼。
秦苒は首を振った、彼女は宿舎に帰らねばならないし、自習もある。
「私に一本くれ。」彼女は彼を一目見た。
“……”魏子杭知道她说什么,往后缩了缩,
「……」魏子杭は彼女が何を言っているのか知って、後ろに縮こまると、
嚷嚷着,“不行,陈奶奶会打死我的。”
声を張り上げて、「いけません、陳お婆さんがきっと俺を打ち殺します。」
秦苒踢他一脚,侧着眸,那双贼好看的眼睛看着他。
秦苒は彼を一蹴りして、流し目しながら、
双つのやけに美しい眼が彼を見ている。
魏子杭不情不愿的,从兜里掏出了一盒烟,
魏子杭はしぶしぶ、ポケットから煙草の箱を取り出して、
抽出了一根递给秦苒,然后又把打火机递过去。
一本抜き出して秦苒に渡すと、然る後又ライターを手渡した。
他的打火机是摩擦式的,秦苒手指又细又长,犹如玉雪,透着健康的粉色。
彼のライターは摩擦式で、秦苒の指は細くまた長く、
玉の雪のようで、健康的なピンク色が透けている。
轻微的“咔嚓”声,幽蓝色的火苗蹿出来。
軽微なカチッという音、幽藍色の炎が跳び出した。
淡淡的烟雾升起,弥漫着不太明显的薄荷味,
淡い煙霧が立ち昇って、あまりはっきりしない薄荷臭が瀰漫している、
秦苒穿着牛仔裤白t恤,外面一中校服松垮的披着。
秦苒はジーンズと白いTシャツを着て、外は一中の制服を崩して羽織っている。
很乖的样子,偏又做着叛经离道的事儿。
大人しい様子だが、偏にまた叛経離道な事をしている。
头发很软,有些蓬松的披在脑后,风吹过,轻轻晃着。
頭髪は軟らかく、些かばさばさと頭の後ろに掛かって、
風が吹くと、軽々揺れている。
她垂着眼眸,漫不经心地靠在墙上,莹润的手指指尖烟雾缭绕,
彼女は眸を垂れながら、無造作に壁に靠れて、瑩潤な指尖には煙霧が繚って、
三分放荡不羁,三分慵懒,三分随意,还有一分平日里不怎么容易在她身上见到的安宁。
三分の放蕩不羈、三分の気だるさ、三分の随意、それから一分の
普段あまり容易には彼女の身上に見出せない安寧があった。
抽烟的姿势也帅得很。魏子杭蹲在路口帮她看人,又忍不住回头看,眉头拧着。
喫煙する姿勢はとても格好良い。魏子杭は交差点に蹲って見張っていたが、
たまらず振り返って、眉を顰めた。
秦苒抽烟是他带的,几年前半夜秦苒敲开他的门,
秦苒の喫煙は彼が導いたものだ、数年前の夜半秦苒が彼のドアを敲いた、
他看到她浑身是血,不知道经历了什么。
彼女が全身血まみれなのを彼は見たが、何を経歴したかは分からなかった。
她的事情他大多不怎么过问,他不会安慰别人,
彼は彼女の事情にあまり口出ししないし、他人を慰めることもしない、
小时候想不开的时候就学会了抽烟,
小さい頃気持ちの整理がつかない時に彼は喫煙を覚えた、
烟对他们这种人来说,大部分是一种心理需要。
煙草は彼らのような人からしたら、大部分は一種の心理需要だ。
那天晚上他陪着秦苒抽了一晚上的烟,才算好。
あの晩彼が秦苒に付き合って一晩喫煙した、それは良いとして。
只是秦苒跟他不一样,她一个月也抽不了几根,
秦苒は彼と違って、一か月に幾本も吸わない、
还是在烦得不行的时候,就会躲在他家里抽。
煩わしくてならない時に、彼の家に隠れて吸うだけだ。
被发现他就被他奶奶打,偏偏她用一双眼睛看着两个老人,
彼は見つかると祖母に打たれた、偏に彼女が双つの眼で二人の老人を見ると、
那俩老人就相信是他骗她抽的。
二人の老人は彼が彼女を騙して吸わせていると信じるのだ。
“抽烟不好。”魏子杭郁闷地探了探头,
「煙草は良くないですよ。」魏子杭は鬱々と頭を突き出して、
看到街口处没人,又收回脑袋,苦口婆心的劝。
交差点に人が居ないのを見ると、また頭を戻して、老婆心から勧告した。
现在他恨不得回到几年前,掐死那个给她递烟的自己。
今彼は可能なら数年前に戻って、彼女に煙草を渡した自分を絞め殺したかった。
抽了一半,秦苒就掐灭,随手扔到垃圾桶。
半分吸うと、秦苒はもみ消して、無造作にゴミ箱に放り込んだ。
她往回走了两步,伸手理了理头发,听到魏子杭的声音,
彼女は二歩戻って、手を伸ばし頭髪を整えると、魏子杭の声を聞いて、
她姿态懒散地瞥他一眼,低低的笑自喉间溢出,尾音似乎带着勾子:“滚吧你。”
姿態もだるそうに彼を一瞥すると、低い笑いが喉から溢れ出し、
尾声が鉤を帯びているかのように「失せな。」
“我每天反省自己好多遍,怎么就带你走上这条歪路。”魏子杭扯了扯衣领。
「俺は毎日何遍も反省してますよ、どうしてあなたを
 この脇道に連れてきちまったのかって。」魏子杭は襟を引いた。
“有什么不好的,”秦苒让巍子杭把书递给她,声音寡淡极了,
「何がまずい、」秦苒は魏子杭に本を手渡させると、声音は極めて淡然と、
眉宇间却又敛着玩世不恭的笑,却很迷离,“我本来也不是什么好人。”
しかし眉間に玩世不恭の笑みを斂め、惑わすように、
「私はもともと善人なんかじゃないんだから。」
“你是好人。”魏子杭极其认真的。
「あなたは善人ですよ。」魏子杭は極めて本気だ。
秦苒拎着袋子往前走,朝魏子杭的方向摆了摆手:“那是因为你不了解我。”
秦苒は袋を提げて歩きながら、魏子杭の方向に手を振って
「それはお前が私を分かってないからさ。」

014因为我真的很有名

晚上校医的上班时间是六点到九点。
夜の校医の勤務時間は六時から九時までだ。
她去的时候,陆照影正在应付一个小姑娘。
彼女が訪れた時、陸照影は正に一人の少女の相手をしていた。
饶是再怎么浪,应付了一天的小姑娘,
いくら軟派であっても、一日少女の相手をしていては、
陆照影也有点儿不耐了,不过还是礼貌的应答着。
陸照影も少々耐え難いが、それでも礼儀正しく応答している。
好不容易请走这位醉翁之意不在酒的姑娘,他一抬头,
やっとこの酔翁の意酒に在らずの少女にお引取り願って、頭を擡げると、
就见中午那个打群架的大佬站在他几米远处。
昼に喧嘩していたボスが彼から幾米の処に立っているのを見た。
秦苒长得好看,两条腿笔直修长,睫毛又长又密,微微垂着。
秦苒は美しく、二本の脚はすらりと細長く、
睫毛は長くて密で、わずかに垂れている。
“同学,你有什么事吗?”陆照影顿时神清气爽。手撑着桌子,笑问。
「きみ、何か用かい?」陸照影はにわかに気分が爽やかになった。
手を机に突きながら、笑って問うた。
秦苒半眯着眼,目光在不是很大的校医室扫了几眼,漫不经心的,
秦苒は目を細めながら、眼光が大きくはない校医室を掃視して、無頓着に、
“请问你们招兼职吗?”陆照影一愣。
「アルバイトを募集していますか?」陸照影は唖然とした。
他看着秦苒。秦苒想了想,然后低声道:
彼は秦苒を見ている。秦苒は考えて、低い声で言った
“打扰了,我挺缺钱的。”嗯,她现在很缺钱。
「お邪魔します、お金に困っているんです。」そう、彼女はいま金欠だ。
陆照影目光落在秦苒身上,对方外面松垮的套着校服外套,
陸照影の眼光が秦苒の身上に落ちた、むこうは外は制服の上着を崩して着て、
里面是一件白衬衫,那白衬衫不知道被穿了几年,有一点点的毛边。
中は白いシャツで、何年着ているのか知らないが、点々と綻びがある。
对比刚刚进来的那个小姑娘,特地脱了校服,穿着漂亮的当季新款裙子,
入ってきたばかりの少女が、わざわざ制服を脱いで、
きれいな今季の新しいスカートを穿いているのに対して、
一向不知道怜香惜玉为何物的陆少爷,目光顿时就变了。
何物の為であれ怜香惜玉を一向に知らぬ陸坊ちゃまは、眼光がにわかに変わった。
陆照影侧过头,看了眼程隽。今天一天,来校医室的女学生都冲着程大公子来的。可他连头也没露一个。
陸照影は横を向いて、程雋を見た。今日一日、校医室に来る女生徒は
皆程大公子目当てだった。が彼は頭の一つも露わにしない。
陆照影自己是想留,校医室也缺人,
陸照影自身は留めたい、校医室は人が足りない、
不过明天京城伺候这位大爷的管家要到云城了。
けれど明日京城でこの旦那様に伺候する執事が雲城に到着する。
“抱……”陆照影还没说出口,
*这“抱”是抱歉的抱吗?
「申し訳……」陸照影がまだ口に出さないうちに、
一声带着些隐秘的笑意从里面低低传来:“会做饭吗?”
声が隠秘な笑意を帯びて内から低く伝わって来た「料理はできるかい?」
声音的主人抬头,好看的桃花眼半眯着。
声の主人は頭を擡げて、美しい桃花眼が半ば細められている。
秦苒看着对方,那双眼染了细微血色朦胧得醉人,她点头:“会。”
秦苒は相手を見ながら、その双眼は微かな血色に染まって
酔わせるほどに朦朧として、彼女は頷いて、「できます。」
“中午和晚上,工资日结,明天开始,可以吗?”“行。”
「昼と夜、給料は日払い、明日から、良いかい?」「はい。」
*“いいです。”这说法可能意思“够了。”“算了。”。请注意。
等秦苒走后,陆照影伸手合上了自己的下巴。
秦苒が去るのを待って、陸照影は手を伸ばして自分の顎を閉じ合わせた。
他向来藏不住话,八卦之心燃起,
彼は向來話を蔵っておけないから、八卦の心が燃え上がったが、
*「八卦の心」ゴシップ好き、好奇心。
可不敢惹程隽,委婉开口,“你忘了明天程管家来?”
程雋を刺激する勇気はなく、遠回しに口を開いて、
「明日程家の執事が来るのを忘れたのかい?」
“让他呆别墅。”程隽懒洋洋的靠在沙发背上,屈指拿了根烟。
「別荘で待たせておけ。」程雋はだるそうにソファーの背に靠れて、
指を曲げて煙草を一本持った。
因为刚醒没多久,他声音还是刻意压低的闷。
目覚めてあまり経ってないため、彼の声音は意識して抑えられている。
陆照影还想问,身上的电话响了。
陸照影はまだ問いたかったが、身上の電話が鳴った。
是京城那边的刑警大队队长,他捂住手机喇叭,
京城の刑事警察大隊長だった、彼はスマホのスピーカーを覆って、
又抬头看向程隽,低着声音:“是郝队,有……”
頭を擡げて程雋を見、声を抑えながら「郝隊です、……」
话还没说完,就被程隽打断。“让他去找帝都大学教授。”
話は言い終わらないうちに、程雋に打ち切られた。
「帝都大学の教授を探させろ。」
程隽没找到打火机,又放下烟。陆照影沉默了。
程雋はライターを見つけられず、煙草を置いた。陸照影は沈黙した。
以前刚跟程隽一起混,他总觉得自己智商不够五十。
以前程雋とつるんですぐの頃は、
彼はいつも自分の知能指数が五十に満たないと感じた。
后来程管家告诉他,程隽韦氏智力测试的结果,
後に程家の執事が程雋のWechsler知能検査の結果を彼に告げて、
陆照影就淡定了。天才的思想跟交流方式,他不太懂。
陸照影は落ち着いた。天才の思想と交流方式は、彼にはよく分からない。

015情书,风云人物

第二天一早,秦苒跟林思然去教室,
二日目の早朝、秦苒は林思然と教室に行った、
时间还挺早。整个校园都几乎蒙着雾。
時間はまだ早い。学校中が霧に包まれているみたいだ。
秦苒侧身坐在凳子上,翘着二郎腿,懒洋洋地去抽桌底下放着的课外书。
秦苒は横向きに椅子に座って、二郎腿をはね上げながら、
気だるげに机の底に入れてある課外書を抜き出した。
啪——好几封浅蓝色的信封掉在地上。
ぱさっ——何通もの浅藍色の封筒が床に落ちた。
信封上还有浅粉色的爱心。秦苒随手捡起来,又重新放回去。
封筒上には浅いピンクのハートマークまである。
秦苒は無造作に拾い上げると、また放り込み直した。
林思然瞪了瞪眼睛,“秦苒,这是情书哎——好几封!”
林思然は眼を見張って、「秦苒、これラブレター——何通も!」
周围的几个学生都朝这边看过来。
周囲の幾人かの生徒がこっちを見た。
班里收过情书的人不少,尤其乔声跟徐摇光那两个,
クラスにラブレターを貰った人は少なくない、中でも喬声と徐揺光の二人、
但才来一天就收这么多封的,可真少见。
が、来てたった一日でこんなに多く貰うのは、本当に珍しい。
秦苒淡淡地嗯了一声,翻开自己的原文课外书,
秦苒は淡々とうんと一声、自分の原文の課外書を開くと、
侧靠在墙上,长睫垂下,漫不经心的翻着。
壁に靠れて、長い睫毛を垂れて、無頓着に翻閲している。
这本原文书很新,看起来就是没看过的。
この原文書は新しく、まだ読んだことがないようだ。
林思然看了一眼,是一本没见过的外文。
林氏然は一目見たが、見たことのない外国語だ。
拿出自己的课本,林思然微侧过身:
自分の教科書を取り出すと、林思然は微かに横を向いて、
“收这么多封情书,你都不激动的吗?”
「こんなに沢山ラブレターを貰って、感激しないの?」
秦苒又翻了一页,随着她的动作,校服宽大的袖子往下滑了一截。
秦苒はまた1ページめくると、彼女の動作に随って、制服の寛い袖が滑り落ちた。
“又不是没收过。”
「貰ったことがないわけじゃないから。」

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