きりきりまいっ! 2018/06/12 06:10

【魔法少女は強くない】第1話公開

【魔法少女は強くない】第1話

 ―― 大半のホラー映画では、恐怖の発端として最低一人は殺害される。

 因果応報で殺されるケースあれば、不運な遭遇で殺されるケースも少なくない。
 その不条理な法則を、誰もが送る平穏な日常に置き換えたとしよう。
 ちょっとしたトラブルやアクシデントにハプニングはあるかもしれないが、いつもと変わらぬ日常の中で、自分が不条理に殺害される役だと気づく者はいない。

 彼女も、その一人だった……。



 ―― 外灯の点滅が、鞄と真新しい衣服の散乱を、公園の路地に照らしだす。

 白いブラウスはボタンや布地に解れが際立ち、乱暴な剥奪を物語っていた。
 紺のプリーツスカートは強引に引き裂かれた痕跡が窺え、ズタボロだ。
 夜闇に公衆便所が異質な空気を孕む中、茂みの蠢きに引っ掛かったブラジャーが儚げに揺れる。

「……ふっっ! ん゛っ! ん゛ぅ゛っ゛!」

 茂みの“がさっ”“ごそっ”とざわつく奥から、少女の籠った吐息が漏れる。

「ふぅ゛っ゛! ん゛ん゛っ゛っ゛! ぅ゛んっ゛!」

 芝生のベッドにポニーテールを泳がせ、大粒の涙を流す少女の可憐な美貌が、上下のリズミカルな律動に揺さ振られる中、男の右手で口元を塞がれたまま、律動のリズムに呼応するかのように吐息を弾ませていた。

「ん゛ぶっ゛! ん゛ん゛~゛っ゛っ゛!!」

 しなやかな両の細腕は、頭の上で手首を一掴みに自由を奪われており、必死に振り解こうと力を込めるも儚い抵抗といえよう。
 月明りに晒すバスト八十六センチの発育豊かな乳房が、瑞々しい張りと柔らかさを伴いながら、淡い先端の肉芽に円を描いて揺れ弾み、悔しさの涙に濡らす頬を恥じらいに染める。

「ぅんっ゛! ふぅっ゛! ん゛っ゛!」

 茶のローファーを履いたまま右足首に解れたショーツの纏わりつく、あられもない大股開きが、夜空に成す術なく舞い踊っていた。

「ん゛ふっ゛! ん゛ぐぅ゛っ゛!」

 少女の吐息に茂みがざわつき、粘着質な音色に男の荒い昂りがセッションを刻む。

「はあぁっっ! はあぁっっ! はあぁっっ!」

 フードを目深く被ったパーカー姿の男が、ズボンを下ろした股間から晒す肉棒で少女の膣に乱暴な抽挿を叩き込む度、粘着質な音色に鮮血の飛沫が、痛々しく芝生を濡らした。

 どれほどの時間、犯されているのであろうか?

「ん゛ぅ゛っ゛! んぅ゛っ゛! んん゛っっ! ンっっ♡」

 悲痛な吐息は次第に甘い熱を帯び、揺さ振りに弾む豊かな乳房の頂が、“ぷっくら”と膨らむ乳輪に押し出され、官能の翻弄に淡いピンクの乳首が淫猥に芽吹く。

「はあぁっっ! はあぁっっ! はあぁっっ!」

 男は肉棒に激しい抽挿を刻みながら、少女の両手を解放すると右の乳房を鷲掴みに揉みしだく。

「ン゛ン゛っっ♡」

 少女は弾けるように悶え、腰を“ぎゅん”と撓らせて夜空に涙を舞い散らせた。
 咄嗟に男の手首を掴むも、儚い抵抗に他ならない。
 脆弱な抗いに彼はほくそ笑み、揉みしだく乳房の肉芽を“きゅっ”と抓んで責め立てる。

「ン゛ン゛~っっ♡」

 淫らな反応を嘲笑うように親指と人差し指で乳首を“くりくり”と淫猥に弄び、容赦ない指圧で屹立する肉芽を“ブチッ”と押し潰した。

「ン゛ン゛~゛~゛~゛ッ゛ッ゛!!」

 忽ち甘い吐息は凄惨な響きに転じ、仰け反る少女の美貌で瞳が鮮烈に見開かれ、裸身が激痛の悶絶に“ガクガク”と痙攣を刻む。

「はあぁっっ! はあぁっっ! はあぁっっ!」

 それでも男は処女を散らした恥部を突きまくりながら、悲惨に拉げた乳首を手放すと、その乳房の膨らみを乱暴に鷲掴み、爪指を食い込ませた。

「ン゛ッ゛ン゛ッ゛! ン゛グゥ゛ゥ゛ゥ゛~゛~゛~゛っ゛っ゛!!」

 熾烈な圧迫に豊かな乳房が破裂しそうなまでに痛々しく歪み、少女の指が男の手首に爪を立てる。
 その刹那、“ぷつ”と乾いた音色に柔肌の膨らみが鮮血を散らした。

「ン゛っ゛ン゛っ゛ン゛ン゛っ゛っ゛!!」

 少女は戦慄に瞳を見開きながらも“いやっ”“いやっ”と小首を頻りに揺さ振り、口を塞ぐ手を払い除けようと必死の抵抗を繰り返す。
 犯されながら乳首を押し潰され、丹念に磨き上げた自慢の乳房を傷つけられたのだから、今更ながら命の危機を覚えずにいられない。

「はあぁっっ! はあぁっっ! ふぅんっっ!」

 そんな抵抗を嘲笑うように、男の手が鼻孔と口を渾身の力で押さえ込んだ。

「ン゛グゥ゛っ゛!? ン゛っ゛! ん゛ん゛っ゛っ゛!」

 忽ち呼吸を妨げられ、窒息の恐怖に痙攣を刻みながら悶える。
 必死に男の手首を掴む指は力を奪われ、朦朧と染まる意識に白眼を剥き掛けた。

「ぅ゛……っ゛、ぅ゛ぅ゛っ゛、ぅ゛ん゛……っ゛っ゛」

 呻き声は弱々しく変調を来たし、両手の感覚が失われ、芝生に二の腕を力なく投げ出してしまう。

 ―― なにぃ? これぇ……。

 虚ろな意識と裏腹に、膣肉を掻き回す肉棒の抽挿が、少女を官能に誘ってゆく。
 もはや押し潰された乳首の痺れや、爪の食い込みに鮮血を流す乳房の痛みすら、愉悦のエッセンスに変換させられていた。

 苦痛と快楽は紙一重。

 ―― きもちいぃ……♡

 窒息に括約筋が緩み、だらしなく失禁の滴を垂れ流しながら犯され続け、少女は闇に堕ちた……。

「はあぁっっ! はあぁっっ! はあぁぁぁぁッッ!!」

 それでも構わず男は狂ったように肉棒の抽挿を叩き込む。
 痛々しい乳房を鷲掴みに指の食い込む手を戦慄かせた次の瞬間――――。

「おおおぉぉぉッッ!!」

 野獣のごとく吠え、結合部から夥しい白濁の飛沫を弾き散らすと、息絶えた少女の美貌に拳を叩き込んだ……。

◆魔法少女と呼ばれて

 ―― 清々しい朝の登校に、制服姿の少年少女たちが靴音を運んでゆく。

「……はひっ、はひっ、はっ、はっ、はっ」

 北見留萌(きたみ・るもい)はいつもの通学路に軽快なローファーの靴音を鳴らしながら、吐息の弾む切迫の面持ちで疾走の躍動を刻んでいた。
「はっ、はっ、はぁっ、はぁ……っ」
 赤みを帯びたショートヘアの両端で結んだ一房の髪がリズミカルに跳ね、背負ったリュック型の鞄が弾む。
 白い半袖のセーラー服からスレンダーな腰回りの片鱗が愛らしく覗き、黒地のハーフパンツから晒す“むちり”とした太腿の肉感や、しなやかな脚線美が瑞々しい。
 一見、快活そうな少年に見紛うが、制服の胸元で小振りな二つの膨らみが健気に弾み、円らな瞳の愛らしい美貌が、危うい色香で少女であることを主張していた。
 それに、彼女の背後を捉えれば、スカート禁止の校風ゆえに、ピッチリ食い込むハーフパンツ越しに張り詰めながら“ぷりんっ”と際立つ、丸い豊満な尻の起伏が艶めかしい。
「もおっ、なんで目覚ましが鳴らなかったんだろうっ?」
 行き交う通行人に言い訳するかのごとく、困惑の色を浮かべながら独り言を漏らす。両親は早朝に仕事先へ向かっており、誰も起こしてくれる者がいなかったのだ。
 それでも走ることが得意であり、このまま躍動のリズムを刻めば、充分に間に合いそうだった。
「――っ!!」
 生徒たちが校門を潜る光景を捉え、安堵の色に躍動が緩む。いつもと時間帯が違うせいか、気軽に挨拶を交わす友達の姿は窺えなかった。
(朝から調子が狂うなぁ……)
 快活そうな美貌に憂いを滲ませながら校門へ足を運ぼうとした刹那、明らかに生徒と異なる装いの人影が唐突に横切り、留萌の行く手を阻むように立ち止まった。
「えっ? ちょ……っ」
 目深くフードを被るパーカー姿の男が、両手をポケットに突っ込んだまま、少女の目前で右側面を晒して佇む。
 他の生徒たちは訝しげな様子でパーカー姿の左側面から恐々と校門を潜るも、目前で行く手を阻まれた留萌は、長身の男を見上げて呆然と立ち尽くしてしまった。
 フードを被る横顔から風貌は殆ど窺えないものの、異様な様子に否応なく危機感を覚えずにいられない。
 一言で例えるなら、関わったらヤバい相手だ。
 警備員が駐在しない学園なだけに、教師たちが異変に駆けつけるにも時間が掛かるだろう。
「――!!」
 不穏な空気を孕む中、少女は不愉快な色を毅然と滲ませ、男の傍を擦り抜けるように校門へ足を運ぶ。
「失礼します……っ」
 因縁をつけられぬよう一言を告げて背中を晒した刹那、男の手がポケットから抜かれ、留萌の細い首が凄惨な血飛沫を散らして宙を舞った……。

 ―― 大半のホラー映画では、恐怖の発端として最低一人は殺害される。
 いつもと変わらぬ日常で、自分が不条理に殺害される役だと気づく者はいない。
 留萌も、その一人だった――――。

『あぁ、いたいけな少女よ、なんと嘆かわしいっ!』

 闇の中、どこかで聞いたようなフレーズを、清涼感の伴う美しい女性の声音が悲痛な響きで紡ぐ。

(えっ? なにっっ!?)

 全てが漆黒の闇に包まれ、自分の姿が片鱗も見えなければ、声も出ない。さながら眼を閉じてヘッドフォンから女性の声を聞いているような感覚だ。

『あなたは不運にも死んでしまったのです。正確には殺害されたといえるでしょう』

(えっ? 殺された……!?)

 ふと辿る記憶に、不審者の傍を擦り抜けて安堵の吐息を漏らしたことを思い出す。

『あなたを殺害した元凶は“ギャクボウ”と呼ばれる異質な存在です』

(逆棒? なにそれ……棒が逆ぅ?)

 浮かんだ漢字に困惑を抱かずにいられない。
 ちなみに個人的な環境差はあるものの、逆棒は一発変換で表示される漢字であり、将棋では逆棒銀という非常に強力な戦法があるらしい。

『ギャクボウは嗜虐性癖をもつ人間に憑依する禍々しい存在……』

(せっ、せいへきぃ!? まがまが~っ!?)

『ギャクボウに殺害された者は、例外なく禍々しい存在が跋扈する地獄へ堕ちることになるでしょう。なぜ地獄行きが確定されるか知りたいですか?』

(ちょ……っ! 待って待ってっ!! 話が――)

『その地獄が亡者を求めているからです。とくにうら若き少女を欲しています。言わばギャクボウは地獄の使者。あなたは不運にも淫惨地獄に“亡女”として選ばれてしまったのでしょう』

(い、いんざん? そんな地獄知らないんだけど……)

『あなたがた人間は書物に記された地獄しか知りませんが、淫惨地獄は存在します。うら若き少女を犯し、嬲り、蹂躙凌○の限りを尽くす為だけに創られた地獄。亡女は不老不死の存在となり、想像を絶する責め苦に苛まれるのです。信じられませんか? あなたがた人間の書物では、ゾロアスター教の唱える地獄が近いでしょう……』

(な、なにそれっ、すごくやらしいというか、むちゃくちゃ怖いんだけど……)

 知識に乏しい留萌でも卑猥そうな単語の羅列から、躰の芯に警鐘を覚えずにいられない。愕然とする少女には、やたら饒舌な女性の言葉が途中から届いていなかった。

『……ですが安心してください。あなたには死なないチャンスを与えましょう』

 徹底的に陥れてから引き上げる言動は、さながら詐欺師のようだ。

『あなたが魔法少女になって淫惨地獄の使者―― ギャクボウと戦ってくれるのでしたら、人間界に戻してあげましょう』

(魔法、少女……!?)

 なにやら動向がとんでもない展開に進んでいるように思えてならない。

『……あなたが混乱せずにイメージできるよう表現したのですが、天界の魔法少女――“キューティア”として戦ってほしいのです!』

(いや、魔法少女そのままだし……。でも魔法少女ってアレだよねっ♪)

 留萌の脳裏に、最も健全な朝のアニメが浮かんだ。経緯はいかがわしいものの、戦うスーパーヒロインの誕生エピソードといえよう。年齢的にアニメの主人公たちより少し高いけれど、地球を守る為に悪と戦うシチュエーションも似てなくもない。

『さあ、死にたくないのでしたら、このスマートフォンを受け取るのです!』

(そこは魔法のアイテム名っぽく言ってよ……)

 高揚感を一気に阻害される中、丸みを帯びた可愛らしいピンクの携帯端末が闇に燦然と輝く。ちょっと安っぽいというか、おもちゃ感は否めないものの、少女に他の選択肢はなかった。

「あたしは魔法少女キューティアになるっ!!」

 ―― 男の手がポケットから抜かれ、留萌の細首に刃のごとき手刀が薙ぎ振るわれた次の瞬間……!

「ッ!?」
 少女の姿は一瞬に消え失せ、制服や下着の類いが“はらり”と落ちる中、背負っていた鞄が重力に逆らえず地面に鈍い音を漏らして落下した。
「………」
 パーカー姿の男は呆然と立ち尽くし、脱ぎたてホヤホヤと思しき衣類から、まだ子供っぽいパンティーを選んで手指を伸ばす。
「触らないでっ!!」
 少女の声音にパンティーを掴みかけた手指が止まり、眼差しを向ける。
 男の瞳が捉えたのは、パステルカラーの奇抜なドレスを纏い、恥ずかしそうに頬を染めながらも毅然と指差す少女の姿だった。
「て、天界の魔法少女キューティア参上っ!!」
 校風によりスカートを禁止される校庭で、フリフリなミニスカートのドレスは否応にも目立つ。しかもパステルカラーの装いはノースリーブで露出も高く、愛らしいヘソまで晒していた。布地は吸いつくようにフィットしており、起伏に乏しい身体つきが際立ち、危うい色香を否応にも漂わす。
「持ち主のいない合間に落とし物に触ろうなんて、ごんごどーだんっ! 魔法少女キューティアが天罰を下すからねっ!!」
 ノリノリな口上とはいえ、自分の正体がバレていたら、逃げ出したい衝動に駆られたであろう。しかも殺害されずに済んだものの、全ての衣服がその場に放置されるとは聞いていない。

(ギャクボウを倒したら急いで服や下着を回収しなきゃ……っ!!)

「えっ、なにあれヤバくない?」
「演劇部じゃねーの? 変な男いるしさ」
「魔法少女キューティアだってさ☆」
「精神年齢いくつだよw」
「おっ、外でなにやってんの?」
「うわっ、なにこの服っ、なんかエロいじゃん♪」

 登校中の生徒たちがギャラリーと化し、ガヤガヤと言いたい放題にスマホのカメラを向ける。
 三階建ての校舎からもベランダに生徒たちが犇めき合い、騒然と化した。
 一方の留萌―― 否、魔法少女キューティアは、羞恥心から穏やかでいられない。

(どうして異空間とかに移らないのっ!? 校庭とかありえないしっっ!!)

『安心してください。教師を含めた大人の時間は止めています』

 唐突に女性の声が脳に届き、危うく一人で素っ頓狂な悲鳴をあげそうになる。

(もおっ! びっくりしちゃうじゃないっ! 先生たちの時間を止められるなら生徒のも止めてよ~)

『人数が比較になりません。それに大人が知らなければ騒動にならないでしょう』

(スマホでカシャカシャ撮られてんだけど……動画も配信されてるんじゃ……)

『電波の類いはギャクボウによって遮断されています。彼らも敵を増やしたくないのでしょう。尤も、我々のスマートフォンなら影響を受けませんが♪』

 やたら自慢げに聞こえるのは気のせいではないだろう。それにしても――――。

(ねえ? どうしてギャクボウ襲ってこないの? あたしのパンツに触ろうとしたけど……)

『我々の神々しい姿に警戒しているのでしょう。怯んでる今が好機ですよ♪』

(あたしじゃなくて我々なんだ……こっちはすごく恥ずいんだけどっ!)

「あれ、モイ?」

 念波らしき会話に聞き覚えのある少女の声が割り込む。自分のことを“モイ”と愛称で呼ぶのは親しいクラスメイトくらいだ。
「えっ!? “ナエ”ちゃんっっ!? ど、どうして……?」
「どうしてって、こっちが言いたいわよ。なに朝からコスプレしてるの? いや、個人の趣味だから気にしないけど、そこに落ちてるのモイの制服や下着と鞄でしょ? その場で裸になってコスプレしたとは思わないけど、わざわざ学校でなにしてんの? っていうかそこの男だれ?」
 もはや、ナエちゃんの言葉は途中から届いていなかった。
 愕然と立ち尽くす中、美貌の頬に冷たい汗が伝う。
 ギャラリーと化した生徒たちからもヒソヒソと会話が漏れた。

「もい? あのコ、うちの生徒なのかよ?」
「でも、モイなんて名前の女子いたかなぁ?」
「あのコ、アタシ知ってるよ。2-Cの岩見沢苗穂(いわみざわ・なえほ)さん」
「2Cの女子でモイって……留萌さん、かな?」
「あー、ヤバい恰好してたから気づかなかったけど、似てるわ!」

 ―― 似て、る……?

(えっとー、あたし魔法少女に変身してるんだよね? バイザーとかもっと恥ずいからいらないけど、かお、とか? あたしだってバレないように……)

『そのままですよ。髪を装飾で彩りましたが、外見上、紛れもなくあなたです』

 その瞬間、今すぐ死にたい衝動に駆られた。
 ちょっとナエちゃんが頭脳明晰で聡明な美少女で大人びた身体つきから密かに人気があったがゆえに、素性までバレてしまったショックは涙が溢れるほど大きい。
 それもこれもギャクボウに殺されたせいだ。
「ぐすっっ、ぅわああああぁぁぁぁっっ!!」
 全ての恨みを怒りに変え、留……魔法少女キューティアは大粒の涙を舞い散らしながら、ギャクボウに駆け込んだ。小振りな胸の膨らみが躍動に“ぷるんっ”“ぷるんっ”と弾み、男子たちが『おぉーっ!』と感嘆の響きでどよめきをあげる。

「デカくねーけど、悪くねー!!」
「や、柔らかそう……揉みたいっ」
「これぞ微乳ならぬ美乳だっ! こんな逸材がいたとはっっ!!」
「なんでノーブラっぽいのに乳首透けねーの?」
「パンツみえそ♪」

 忽ちキューティアは愛らしい美貌を真っ赤に染めた。
 どうでもいいけど自分に届かない声量で喋ってほしいというか、セクハラで訴えたくなるから黙ってろっ!
 そんな思いを小さな拳に乗せる。
「ぜんぶあんたのせいなんだからあぁぁっっ!!」
 華奢な細腕を繰り出した刹那、地面が揺れるほどの重い打撃音が響き渡った。その凄まじい衝撃の反動を物語るように、ヒラヒラのフリルスカートが翻り、“ぷりんっ”と丸みを帯びた瑞々しい尻肉の際立つショーツが覗く。

「「「見えたっ!!」」」

 その瞬間、男子たちは一斉に身を乗り出し、歓喜の声をあげた。
 Tバックのような食い込みの過激さはないとはいえ、サイズの小さめな薄地のショーツから両の生尻が大胆に食みだすさまは、多感な思春期の少年にとって永久保存に等しく、感涙と鼻血ものの瞬間といえよう。

「げふっ゛!」
 パンチを叩き込んだ筈の少女が、円らな瞳を壮絶に見開き、小刻みに震えながら苦悶の呻きに吐血を散らす。

「「「――ッ!?」」」

 ギャラリーと化した生徒たちは、その光景に唖然と驚愕を弾けさせた。
 少女の小さな拳は男に届いておらず、カウンターブローがスレンダーな脇腹にメリ込んでいたのだ。

「こ、これはリーチの差かっ!?」
 実況さながらに生徒の一人が色めき立つ。
 互いの体躯や背丈を例えるなら大人と子供。
 まして男が長身であれば、小柄な少女の拳が届く確率は極めて低い。

「ぅ゛ぐっ゛っ゛!」
 拳の形に蒼痣を刻む痛々しい脇腹を手で庇い、美貌を苦悶に歪めながらヨロヨロと涙目で後ずさる。苛烈なボディーブローに息が詰まり、呻き声を漏らすのが精一杯だ。

(い゛っ゛た……っ゛! なんでこんなに痛いのっ!?)

『ギャクボウの憑依した人間のパンチで、この程度のダメージなら問題ないでしょう。キューティアに変身していなければ肋骨の数本は折れていますよ?』

(そういえば、あのアニメでも、敵の攻撃が痛そうだっけ……)

『いけません! 早く臨戦態勢を立て直すのです!』

(えぇっ、なに? りんせん……?)

 難解な表現に困惑の思考を巡らす中、目前で男の廻し蹴りが唸る。
「ひゃっ!」
 キューティアは立ち尽くし、咄嗟に両手を翳して受け止めようと備えた。
 次の瞬間、少女の身体が凄まじい衝撃に吹っ飛ばされる。
「―― がッ!!」

 一斉に生徒たちが同じ方向に首を振り、吹っ飛ぶキューティアを眼で追う。
 数多の悲鳴がどよめく中、魔法少女は生徒たちを巻き込みながら校舎の外壁で白煙をあげた。
「ぃたたっっ、イ゛っ゛!?」
 尻餅をついた姿勢を起こすべく後ろ手を突いた刹那、手指に激痛を覚え、美貌に掌を翳す。
「っ!?」
 忽ち円らな瞳を戦慄に見開き、我が眼を疑わずにいられなかった。
「なに、これ……?」
 しなやかな指がそれぞれ有らぬ方向に捻じ曲がり、血塗れだ。
 どうやら蹴りを受け止めた衝撃に弾かれて、複雑骨折したのであろう。
 だが、それだけではなかった。
 地面に触れた際に感じた柔らかく、掌に“ぬるっ”とした肉質な感覚……。
「ッ!?」
 傍を見渡すキューティアの瞳に映ったのは、血塗れの肉塊と化した生徒たちの凄惨な姿だ。外壁と魔法少女の背中に挟まれたのか、四肢は有らぬ方向に捻じ曲がり、欠損や臓器の食みだしまで窺える。
「ん゛ぷっ」
 その惨たらしい地獄絵図を目の当たりにキューティアは頬を膨らませ、堪えきれず四つん這いに嘔吐の飛沫を地面にブチ撒けた。
「オ゛ゲエ゛ェ゛ェ゛っ゛っ゛!! はぁぁっ、はぁぁっ、はぁぁ……」

『はしたない醜態を晒している場合ではありませんよ!』

 女性の声音が警告を示すとおり、男が悠然と近づいて来る。

(でも、ゆ、指が……っっ! あ、あたしのっ、ゆびぃ……っっ!)

『複雑骨折でその程度の痛みなら、ぽきっ、ぱきっと自力で元に戻せば回復します。躊躇の時間はありませんよ? ギャクボウはあなたの弱さに気づき、嗜虐の昂りを漲らせています!』

「自力で……って……」
 小刻みに震えながらも無事な手で、悲惨に折れ曲がった指を掴んで補正する。
 忽ち神経に激痛が迸り、空を仰ぎながら悲鳴を弾けさせた。
「ん゛あ゛あ゛ぁ゛っ゛っ゛!」
 激痛が瞬時に鎮まる。
 それでも残りの指を補正する行為は、地獄の責め苦といえよう。
「あ゛あ゛ぁ゛っ゛っ゛! あ゛ぁ゛んっ゛っ゛!」
 座り込んで仰け反りながら弾けさせる悲鳴は、痛々しくも扇情的に響き渡り、喘ぎにも似た悲鳴に男子たちは“ごくり”と生唾を呑んだ。
「はぁーっ、はぁーっ、ん゛っ゛! ん゛ん゛っ゛っ゛ア゛ァ゛ん゛っ゛っ゛!」
 指の補正を済ませるに連れ、空を仰ぐ眼差しは激痛から虚ろに染まり、荒い吐息を漏らす半開きの唇から、粘液の糸を引いて滴る涎が艶めかしい。

「「「えっ、エロいっっ!」」」

 その瞬間、傍にいた女子たちがドン引く。
 彼らは“アオハル”の終わりをまだ知る由もなかった……。

「ん゛あ゛ぁ゛ん゛っ゛っ゛! かはぁーっ、はぁーっ、はぁーっ」
 漸く全ての指の補正を完了させ、崩れるように四つん這いに転じると、荒い吐息に涎を垂れ流した。熾烈な苦痛を物語るかのごとく、柔肌に珠のような汗が伝う。
 しかし、苦痛の余韻に浸っている余裕はない。
 魔法少女は唇を拭い、膝を“ガクガク”と戦慄かせながらも立ち上がって身構えた。

(ねぇ、魔法少女なんだから必殺技とかあるよね?)

『ありますよ』

(それで終わらせるから、使い方を教えてよっ!)

 アニメの尺というお約束は知ってるものの、これは紛れもない実戦。
 これ以上の被害を出さない為にも、短期決戦が適切といえよう。

『今は使えません』

「なっ、なにいってるの!? このまま二十分くらい戦えっていうの!?」
 思わず念波の会話を忘れ、素っ頓狂な声をあげてしまう。

『あなたこそなにを言っているのですか? 時間の問題ではありません。ギャクボウを必殺技で消滅させるには、ダメージを与えて弱めなければならないのです』

 言われてみれば正論だ。必殺技とアニメの尺は関係ないのかもしれない。

「そんな~、格闘技なんて知らないのに……せめて武器とか……」

『ありますよ。あなたの意味ありげにスレンダーなスタイルから、接近戦の方が得意と判断したのです。スカートに装着されたスマホに触れ、<キューティアーラブリースティック!>と叫ぶのです』

「えっっ!?」
 大勢の生徒がいる中で、それは恥ずかし過ぎる。もはや恥辱の○問といえよう。
 しかし、羞恥に苛まれている猶予はない。
 魔法少女は沈痛に目を瞑り、涙を散らした。

 ―― さようなら、希望に満ちたスクールライフっ!
 ―― ようこそ、いぢめに満ちたスクールライフっっ!

「き、キューティアーっラブリースティーック!!」
 スマホのディスプレイからパステルカラーのスティックを颯爽と引き抜く。その得物は先端に大きなハート型のピンクに輝く宝石が施され、両端に生やす天使の翼のような装飾が恥ずかしいほど天界の戦士を誇張していた。
 キューティアは生徒たちの失笑を聞くまいと、悲痛な雄叫びをあげながら男に挑む。
「たあああああぁぁぁぁっっ!!」

 “ブンっ!”“ブンっ!”“ブンっ!”

 躍動に薙ぎ振るう奇抜なスティックが、男の体捌きに、くうを切る。
 如何なる武器であろうと、当たらなければ意味がない。
 それでも一部の男子には、充分に意味のある躍動といえよう。

「えいっ! たぁっ! はぁっ!」
 スティックを薙ぎ振るう度、ミニスカートの翻りにショーツが“ちらり”と覗き、胸元の小振りな膨らみが“ぷるんっ”と揺れ弾むのだから、たまらない。
 だが、欲情を煽る虚しき猛攻は、一瞬に途絶えた。
 その驚愕を生徒が勝手な実況で吠える。

「おぉーっとぉっ! 男が少女の手首を掴んだーっ!! これではラブリースティックで攻撃できないぞおぉっ!! どうする魔法少女キュ――」

 息巻く生徒の実況が半ばで詰まる。
 その刹那、男の拳が唸り、突き出す少女の手指を弾きながら顔面にメリ込んだ。
「ぶっ゛!」
 殴打の衝撃に小顔の美貌が拉げ、大輪の鼻血を咲かす。
 涙と共に血染めの前歯が宙を舞い、広範囲のダメージを物語っていた。

 ――っ!?

 ギャラリーと化した生徒たちが唖然と大口を開け、ドン引かずにいられない。
 たとえ敵とはいえ、愛らしい少女の顔面を容赦なく男の拳で殴ったショックは、鮮烈な瞬間といえよう。

 男の拳がゆっくりと引き戻され、キューティアの痛々しい顔面が晒されてゆく。
 その容貌は拳大の蒼痣に歪み、瞼の腫れに窪んだ瞳が虚ろに染まる中、豚のように拉げた鼻孔から鼻血を垂れ流しながら、上唇の捲れに歯欠けの口を呆然と開いた。
「かふぁ゛ぁ゛っ゛っ゛」
 今にも崩れそうな様相で、弱々しい呻き声を漏らす。
 魔法少女はスティックを振り下ろす寸前の手首を制されたまま、倒れることも許されず、男の剛腕で支えられた。
 もはや自由な方の手腕すら力を失い、戦意の喪失が色濃い。

「も、モイ~~~っっ!!」

 必死に絞り出すナエちゃんの震える声音が届き、遠退く意識を呼び戻す。
 その刹那、男の殴打が唸り、キューティアの頬肉に抉り込んだ。
「ぶぼお゛っ゛!!」
 拳の衝撃に頬肉が波打ち歪み、突き出した唇から鮮血と奥歯を散らす。
 男の剛腕から繰り出す拳に打ち抜かれ、魔法少女の頬が蒼痣に腫れた。
「ゃ゛ぁ゛め゛ぇ゛……っ゛」
 悲痛な哀願を打ち消すように、三度目の殴打がキューティアの顔面を壊す。

 鈍い打撃音が“ズゴッ”“バキッ”“ゴギュッ”と漏れる中、魔法少女の影が悶絶のダンスを刻み、生徒の誰もが戦慄の沈黙に息を呑んだ。

「ぶぢゅ゛ぅ゛っ゛」
 キューティアの顔は蒼痣に塗れながらボコボコに腫れあがり、崩壊に留萌の面影もなく醜い変貌を遂げる。もはやこれ以上の殴打は無意味といえよう。
 そう思われた次の瞬間、男の拳が小振りな胸に叩き込まれた。
「ぎゃ゛あ゛ぁ゛っ゛っ゛!」
 激痛に絶叫をあげる中、殴打の衝撃に胸元の布地が爆ぜるように弾け散り、蒼痣の滲む白い乳房が“ぷるんっ”と揺れた。
 小振りとはいえバスト七十三センチの乳房を剥き出しに晒され、瑞々しい柔らかさと張りに美乳の膨らみが際立ち、小粒な乳輪に淡いピンクの乳首が、男子を昂らせずにいられない。
「―― ひゃ゛ぁ゛っ゛!?」
 苦痛に悶えていた少女は、剥き出しの乳房を外気に撫でられ、暫く晒したあとで咄嗟に手腕で庇って恥じらう。

(ち、ちょっとぉっ、なんでパンチ一発で服が破けるのよっ!?)

『服が…………度なら…………えるで…………キューテ…………っていな………あな…………乳腺……死……れた………黒………陥……抉れてい…………』

 さながら女性の声音が受信障害のように途切れて聞き取れなかった。

「な゛ぁ゛い゛ゆ゛え゛り゛ゅ゛ひゃ゛、ぅ゛あ゛ら゛ら゛い゛お゛ぅ゛……」
 唇の裂傷や腫れと痛みで、虚ろな声音の呂律が回らない。
 そんな中、女子生徒たちが悲鳴を弾けさせた。

「「「きゃーーーーーっっ!!」」」
「「「いやあぁ~~~っっ!!」」」

 顔を背けて恥じらいに眼を瞑る少女がいれば、両手で顔を覆う少女も少なくない。

 男が徐にズボンのベルトを解き、一糸纏わぬ下半身を晒したのだ。
 剥き出しの股間で猛々しい肉棒が勃起に脈打ち、卑猥な巨根のフォルムに誰もが戦慄とショックを覚えた。
「ひぃ゛っ゛!?」
 それは苦痛に悶えるキューティアとて例外ではなかった。とくに目前で晒されたのだから、否応にも貞操の危機を覚えずにいられない。
「はあぁっっ、はあぁっっ、はあぁ……っっ!」
 男は今にも蒸気を吐きそうなほど息を荒げ、背中を丸めて剛腕を振るう。
 掬い上げるような平手打ちが繰り出され、少女の股間に弾けた。
「ひぐぅ゛ぅ゛っ゛っ゛!!」
 熾烈な炸裂音が“バチィンッ”と響き渡り、衝撃にミニスカートが捲れるように翻る中、曝け出されたショーツが爆ぜるように薄布を散らす。
 その衝撃波は股間を突き抜け、丸い臀部を包む繊維すら一瞬に吹き飛ばした。
「ぅ゛ぁ゛っ゛っ゛!」
 キューティアは尻を突き出すように前のめり、“ガクガク”と悶絶を刻む。
 平手打ちの衝撃が陰唇を押し広げ、小粒なクリトリスから膣孔まで露に曝け出されていた。敏感な性器を初めて刺激され、苦痛と違和感に慄かずにいられない。

 ―― どうしてあたしがこんなめに……っっ!

 大勢の生徒の面前で、泣きたくなるほど恥ずかしい衣装の魔法少女として現れたものの、敵を倒すどころか暴力に生徒たちを凄惨に巻き込み、ボコボコになるまで殴られたばかりか、異性に見せたこともない乳房はおろか恥部や尻まで晒してしまった現状を、嘆き恨まずにいられない。
 だが、彼女の恥辱は、まだ幕を閉じた訳ではなかった。

「はあぁっっ、はあぁっっ、ふぅん……っっ!」
 男はキューティアの手首を掴んだまま、もう一方の手腕で彼女の膝裏を抱え上げる。忽ち片足立ちの大股開きを強いると、乳房を庇う手を恥部に伸ばすより先に、股間の猛々しい肉棒を叩き込んだ。
「ひぐぅ゛っ゛っ゛!」
 容赦ない衝撃が剥き出しの膣孔を“ズン”と抉り、秘めやかな粘膜を苛烈な圧迫に突き揺さ振られ、呻きが詰まる。次の瞬間、薄い膜が“プツ”と裂けるような感覚が脳天を貫き、熾烈な激痛が迸った。
「ギャ゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ー゛ー゛ー゛ッ゛ッ゛!!」
 キューティアは自由な手で男を払い除けようと胸元を押しながら絶叫に仰け反り、大粒の涙を散らして痛烈に身悶える。小刻みに震える片足立ちの内太腿に鮮血が伝い、破瓜の証を物語っていた。

「「「――!!」」」

 女子たちは悲惨な処女喪失を目の当たりに涙を浮かべ、顔を両手で覆う。暴力で抵抗力を奪い、前戯もなく太い肉棒で貫かれた激痛は想像を絶するほど熾烈に違いない。
 男子たちもリアルな強○を目の当たりに、大半の生徒は愕然と息を呑んだ。性感の片鱗も窺えない凌○は、トラウマに等しい光景といえよう。まして少女の愛らしかった美貌はボコボコに腫れあがって醜い変貌を遂げているのだから、よほど特殊な性癖でない限り、股間が昂るほどの欲情を覚えやしない。

「い゛ら゛ぁ゛っ゛っ゛ぃ゛ッ゛! ぬ゛っ゛、ぬ゛い゛れ゛え゛ぇ゛っ゛!」
 必死に男の胸元を押すも微塵も引き剥がせず、呂律の回らない声音で苦痛を訴える。だが、嗜虐性癖のギャクボウにとって、悲痛な哀願の旋律は官能の調べといえよう。
「はあぁっっ! ふぅんっっ! ふぅんっっ! ふぅん……っっ!」
 男は哀願に構わず、抱え上げた少女の太腿と自分の腰でキューティアを肉棒の抽挿で突き揺らす。膣の粘膜をペニスに掻き回され、破瓜の鮮血が粘着質な音色を刻んだ。
「ぎゃ゛あ゛っ゛っ゛! ひぐぅ゛っ゛っ゛! ぅ゛あ゛っ゛っ゛!」
 腰を撓らせて仰け反ったまま、見開く瞳孔を涙で濡らしながら呻きが悶絶に弾む。その狂おしく漏らす響きは、さながら刃で刺されているように凄惨だ。
 片足立ちが激しい揺さ振りに惑う中、校庭の地面を鮮血の飛散が染める。
「い゛あ゛っ゛っ゛! ぬ゛い゛っ゛っ゛! れ゛ぇ゛っ゛っ゛!」
 どんなに哀願を重ねても、男の抽挿は止まらない。
 そんな中、男子生徒が驚愕を弾けさせた。

「お、おいっ! 服が……っっ!!」
「透けて……いや、消えているのかっ!?」
「う、うそでしょっ!?」
「処女を散らしたから、魔法の力がなくなったってことっ!?」

 ―― えっっ!?

 激痛の苛烈な刺激に悶える中、届いた言葉に戦慄を弾けさせずにいられない。
 粘膜を抽挿で突き揺らされながらも恐々と自分の身体を見下ろした刹那、少女は目の当たりにする光景に“びくん”と戦慄き、悲鳴を弾けさせた。
「い゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ー゛ー゛ー゛っ゛っ゛!!」
 生徒たちが言うとおり、魔法少女の衣装が光の粒子を散らしながら、消失しようとしていた。このままでは全裸と化し、辛うじて衣装で庇われる乳房やミニスカートから覗く恥部と尻を生徒たちの面前に晒すことになってしまう。
「ゃ゛ぁ゛あ゛あ゛っ゛っ゛! み゛ら゛い゛れ゛え゛ぇ゛っ゛っ゛!!」
 咄嗟に胸元を手腕で庇おうとした刹那、男は抱え上げる太腿を手放し、キューティアの手首を掴むと乱暴にペニスを引き抜いた。
「ぎゃ゛はあ゛ぁ゛っ゛っ゛!」
 悲鳴の悶絶に揺らぐ足元の地面を、破瓜の鮮血が凄惨に濡らす。
 粘膜を掻き回す肉棒から解放されたとはいえ、乱暴な男根の引き抜きは、苛烈な刺激を見舞った。
「や゛あ゛ぁ゛っ゛っ゛! ゆ゛ぅ゛ぢれ゛え゛ぇ゛っ゛っ゛!!」
 両手の自由を奪われ、切迫の色で必死に振り払おうと抗うも、魔法の衣装が消失寸前の状況では、儚い抵抗に他ならない。まして膣内を犯されたばかりだ。足を動かすだけでも粘膜が“ズキ”と痛み、四肢に力すら入らない。
「………!!」
 男は無言のまま腕力で捻じ伏せ、少女を揺さ振りで翻弄すると、さながらダンスのごとく振り回して瞬く間に背後を取った。
「ん゛あ゛っ゛っ゛!!」
 後ろ手に両腕の自由を奪われ、力任せに前屈みを強いられてしまう。制された両腕を後ろに引き上げられては、抗う術がなかった。
 スレンダー身体つきに際立つ八十三センチの丸いヒップが“くんっ”と無理やり突き出しを強いられた次の瞬間、再び血塗れの肉棒が背後から膣孔を抉る。
「ん゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛っ゛っ゛!!」
 さながら後背位の立ちバックの様相を呈する中、少女は前屈みのまま腰を“ぎゅん”と撓らせて悲鳴に悶えた。そんな悲痛な訴えに構わず、男が肉棒に抽挿を刻む。
「ひぐぅ゛っ゛っ゛! ん゛あ゛ぁ゛っ゛っ゛! あ゛ぅ゛ん゛っ゛!」
 今度は後ろから突き揺らされ、悲鳴が衝撃の反動に否応なく弾んだ。
 もはや魔法衣装は消滅寸前に透けており、生徒たちの視角次第では男根が膣孔に抽挿を刻む淫猥な光景はおろか、尻孔の窄みまで、文字どおり無修正で見えたであろう。
 前屈みの立ちバック状態で後ろ手の両腕を引っ張られる体勢は、小振りな乳房を余すことなく晒し、激しい抽挿の度に少女の臀部で“パンっ”“パンっ”と股間の打ちつけ合う淫猥な炸裂音に呼応するかのごとく、桜色の乳首を振って“プルンっ”“プルンっ”と揺れるのだから、多感な年頃には刺激的過ぎる光景だ。
 そんな公開後背位青姦の様相を呈する中、男子生徒が色めき立つ。

「おいっ! 顔の腫れが……っっ!?」
「えっ? うそでしょっっ!?」
「治り、掛けてる……?」
「顔だけじゃねぇっ、腹の痣も――」
「おっぱいの痣の消えてくぞっっ!!」
「えっ? じゃあアノ子、どんなに怪我しても治っちゃうってことっ!?」
「そうか! これは魔法少女キューティアの傷を治す為に衣装を代償とした全裸治癒魔法なんだ!! 素っ裸になることで地球上の四大精霊魔法粒子を取り込み、治癒されているに違いないっ!!」
 尤もらしい力説に拳を滾らせる眼鏡男子だったが、周囲からオタク認定されたに違いない。とくに女子たちの眼差しが生温かく、ちょっとヒキ気味だ。

 しかし、真相は定かでないものの、キューティアの傷は完治しようとしていた。
 ボコボコに腫れた醜い変貌は、愛らしい顔立ちを取り戻し、殴打に陥没した腹部や、乳房の蒼痣も消えてゆく。
 それでも公開後背位青姦の様相は変わらず、惨たらしい陥没の痣や腫れが消失した分、その淫らな痴態は官能的な危うい色香を放った。

「はひっっ♡ んあっっ♡ あんっっ♡ はぁあんっっ♡ ぃあんっっ♡」

 気のせいか、涙を散らす痛々しい悲鳴も熱っぽく聞こえてしまう。
 もはやキューティアの面影はなく、女子生徒の北見留萌に他ならない。

 ―― ゴク……ッ。

 数名の男子が目前で繰り広げられる凌○の痴態に固唾を呑む。
 犯される少女が同じ学園の女子と意識した途端、股間の逸物に滾りを覚えた。

「す、すげえ、モロだぜ……っっ」
「留萌って子供っぽいと思ってたけど……エロイな」
「よく見えねぇけど、まんこツルツルじゃね? すげえ背徳的で興奮するっ」
「あの乳首、勃ってるよな? 小さくても揺れるとエッチだっ」
「ピンクの乳首とかリアルで初めて見たぜっ!」
「身体は細いのに意外とデカいケツが逆にエロいな」
「喘ぎ声エッロっ!」
「俺にもやらせてくんねーかな?」
「あんなにガンガン突かれたら、やっぱイクのか?」
「イクとこ見てえな……」

 感染するかのように男子たちの劣情が、周囲を淫らに侵食してゆく。

 廊下で擦れ違ったこともあるかもしれない女子が、素っ裸で犯されているのだ。
 普段は制服に包まれているだけに、幼い身体つきであろうと興奮を禁じ得ない。
 立ちバックという屈辱的ともいえる姿勢で、両腕を引っ張られながら後ろから激しく肉棒で突き捲られる少女の姿は、悲惨ながらも官能的といえよう。

「ぬいぃっっんあっ♡ もぉ突かなっっぃれえっ! あんっ♡ やあっ!」

 涙を散らしながら細眉を“ハ”の字に瞼を伏せる愛らしい美貌の頬は仄かに染まり、小振りとはいえ激しい衝撃の反動に、淡い桜色の乳首を際立たせて柔らかそうに“プルンっ”“プルンっ”と乳房を弾み揺らし、スレンダーながらも幼さ色濃い起伏の腹部や腰つきも扇情的で、後ろから突かれる少し大きな尻の“ぷりんっ”とした丸みも、エロ可愛らしくてたまらない。
 まして留萌は美少女とはいえないものの、女子にも好かれそうな可愛らしい顔立ちだ。学園の内外で好意を抱く者がいても不思議ではない。そんなキュートな少女が一糸纏わぬ裸身を晒されて、成す術なく喘ぎ悶えているのだから、日常を逸脱した異常な光景も相俟って、男子たちを淫らに刺激していた。
 そんな危うい空気は女子にも広がり、留萌に同情しつつ頬を紅潮に染め、興味津々に眼差しを注ぐ。

「あ、あんなに太くて大きいのが、入るものなんだね……」
「漫画でも痛いのは最初だけっていうけど、あのコの悲鳴? なんかエッチな感じだよね……」
「あんな姿勢で激しくされて、気持ち良い訳ないじゃんっ! あんな激しく……」
「でもバックって奥まで入るっていうよね……?」
「全裸で校庭とかマジありえないしっ、あのコもう学校に来れないんじゃね?」
「写メ、撮っとく? こんなの普通じゃないし、レアじゃん?」
「は、はしっ、はしたないですわっっ!」
「モイ……っ」

 いわば、留萌を被検体とした淫らな公開実験会。
 自分たちに被害が及ぶことのない他人事であり、他人の不幸に蜜の味を覚える生徒もいたであろう。
 誰もが異常な状況だと気づきながらも理性や道徳心で動けなかったのは、淫らな好奇心を孕んだ集団感染の影響であり、ギャクボウの放つ嗜虐の波動に侵されたせいかもしれない。

 ―― っ!?

 留萌は屈辱的な姿勢で背後から激しく突き揺らされながら、数多の食い入るような視線が不快に突き刺さる感覚に、涙目の眼差しを向けた。
「ぃゃぁ……」
 生徒たちの視線は好奇心を湛え、まるで檻の外から珍しい動物を観賞するかのように生温かい。気のせいかもしれないが、嘲笑が届きそうな錯覚すら覚えた。

「裸を皆に見られながらエロい声だして、気持ち良いのかぁ?」
「留萌、チクビ勃ってんぞー」
「こんな恥ずかしいポーズで犯されて感じるとか、マジ変態じゃん」

 ―― 違う……気持ち良くなんて……。

 忽ち羞恥心に苛まれた刹那、乱暴に突かれる粘膜が“きゅん”と緊縮してしまう。
「ひっアァンっっ!!」
 途端に凄まじい刺激に貫かれ、明確な喘ぎ声を弾けさせて身悶える。
 男根を締めつけたまま敏感な粘膜に抽挿を刻まれ、自分でも信じられないほどのエッチな声が止まらない。
「アゥっっ♡ やっっ♡ ちがっっンっ♡ ハァンっっ♡ アァンっっ♡」

 魔法の影響か、引き裂かれそうな激痛は固く瞳を瞑っているうちに消失していた。その直後から意識が虚ろに蕩け、突かれる度にフラッシュのような煌めきの刺激を覚え、躰の芯に“ピリピリ”と痺れを感じたのは確かだった。
 耳にはお尻に打ちつける“パンっ”“パンっ”“パンっ”と響く音しか聞こえず、朦朧とする意識の中で絶え間なく突き揺らされ、周囲の状況を気にする余地はなく、ただ初めて感じる不可思議な刺激に身を委ねていた。  
 彼女にしてみれば仕方のない状態といえよう。
 男に引っ張られる両腕に力が入らず、今にも崩れそうな小刻みに震える膝を支えるのが精一杯で、頭の中が真っ白になって何も考えられなかったのだ。
 激しい律動に汗が滲み、外気が裸身を撫でるに連れて“ゾクゾク”した感覚に見舞われたことは覚えている。
 そんな最中で、生徒たちの奇異な視線に苛まれたのだ――――。

 ―― ッ゛!?

 留萌は唐突に込み上げる衝動に涙を散らして瞳を見開き、切迫の色を弾けさせる。
(な、なにっっ!? オシッコ……っっ!?)
 エッチなことに疎い少女は、それを絶頂の兆候と知らず、尿意のような衝動に慄く。
 裏腹に膣肉は肉棒を“きゅん”と絞り、乳首や躰の芯に痺れを覚えた。その刹那、男の突き揺さ振る抽挿の律動が激しいアップテンポを刻む。
「ハヒィッ!? ンアンッ♡ アンッ♡ ハァンッ♡ はげしっっくぅンッ♡ しらいれぇッ! ェンッ♡ アンッ♡ アンッ♡ イィアンッ♡」
 呼応するかのごとく熱を帯びた喘ぎが甘く弾け、切迫の訴えに呂律すら回らなくなる中、一際高い嬌声を舞い揺らす。
 その変調にギャラリーと化す生徒たちは固唾を呑んだ。

「い、イクのかっ!?」
「すげえ、マジのイクとこ見れるのかよっ!!」
「えっ、うそでしょっ!?」
「いくって……えっ? えぇっ!?」
「犯されてイクとか、マジ変態じゃん……」
「ヘンタイていうか、淫乱?」
「イクわけないでしょ、男だけブザマに出して終了だよ」
「それってナカだしだよねっ!? 妊娠しちゃうのっ!?」
「ロリ淫乱とか、漫画だけと思ってたぜっ」
「いーけ! いーけ! いーけ!」
「やめなって、かわいそうじゃんw」

 一人の男子が手拍子と共にコールをあげ、咎める女子が笑う中、その異常な歓声は、瞬く間に広がった。

「「「「「イーケ! イーケ! イーケ! イーケ! イーケ!」」」」」

「ぃやぁっアンっ♡ みらいっ゛ぇアンっ♡ ハヒっ♡ ンアっ♡ ィアっ♡ いやああああぁァンっっ♡」
 耐えかねるように固く目を瞑り、“いやっ”“いやっ”と頻りに小首を振り乱しながら、涙を散らして悶え喘ぐ。

 絶頂コールが響き渡る中、留萌の込み上げる衝動は止まらなかった――――。


■次回選択

【1】後日、不良に脅されて
 魔法の力で生徒たちの記憶や写した画像は消去されるも、何故か校内一不良のスマホにだけ画像が残ってしまい……。
傾向(R18)(脅迫)(リョナ)(凌○)

【2】新たな魔法少女登場!
 颯爽と二丁拳銃を撃ち捲るクールビューティーな魔法少女が乱入するも、やはり魔法少女は強くなかった……。
傾向(R18)(新たな餌食)

【3】実は岩見沢苗穂も魔法少女だった!
 留萌の危機に魔法少女となって戦う苗穂。しかも強い!
傾向(健全)(新たな展開の箸休めw)

【4】優しい支配
「キミのことは誰にも言わせないし、僕たちが守るよ。だから――」
 男が立ち去ったあと、数名の男子が生徒たちを言葉巧みに言い包めて、同志と共に留萌を護るが、その代償は淫らな調教の始まりだった……。
傾向(R18)(無理やり合意)(輪○)(調教)

【5】淫惨地獄編
 絶頂の果てに殺害された留萌は、亡女となって異世界地獄に召喚されてしまう。
傾向(R18)(ファンタジー)(○問)(異種姦)


◇物書きより

 お読み頂き、有り難うございました☆
 楽しんで頂けましたでしょうか?
 次回からは『Subscription Member』略して“SM”wの方が読めます。
 次回選択から希望【番号】をコメント欄に入力お願いします。
 ご感想ご意見を添えて頂けますと励みになります♪
 お伝え頂いた希望番号の続編は全て執筆いたします。
 ちなみに今作の完成まで約七日間でした。

 留萌が如何なる運命に誘われるのか、導いて頂けますと幸いです☆

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索