初めましての方、読んでくださっている方、ありがとうございます。
M.C.制作話の10回目、今回で最後となります。
最初の頃に2回か3回で終わるとか、どの口で言っていたんだ? という感じですね。すみません。
しかも、最後にするつもりで分量を押し込んだので、いつもよりもぐだぐだと長い感じになっています。
では、さっそく――と行きたいところですが、昨日、新作を発表したばかりですので、宣伝(強調)からいきたいと思います。
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DLサイトさんで作品登録をしている方はご存じかと思いますが、一度、値引きをした後は、一定期間はできなくなるので、今回を逃すと次の機会は少し先になると思います。
この機会にぜひ、お買い求めください!
ふう……。今回の本題は終了ですね。
……いや、本題はM.C.の制作話、最終回ですよね。忘れていませんとも。
では、最後の一回、よろしくお付き合いください。
コミケは目前、最後(?)の問題をかかえて、右往左往していたところからですね。
CDプレスをどうするかという心配ごともありましたが、それよりも重要な「ゲームの完成」がまだでした。
最後の追い込みのために、defineスタッフ各人がスクリプト作業に邁進していました。
完成しなければCDを複製することさえできませんので、当然ですね。
そして、残り時間を考えると、完成してから“手焼き”をして、予定枚数のCDを作成する予定でしたが、不可能です。
当時は連想式のCD複製機器(※注1)など、手元にあるわけもなく、ここで手を打たなければ、どんなにがんばっても3~400枚くらいが限界です。
作業も佳境へ。
なんと、おかしなスケジュールとしかいえない状態でしたが、M.C.は完成しました。
死屍累々な状態のdefineスタッフ。
しかし、完成しただけで、世の中に出ることなく終わっては、何のためにやってきたのかわかりません。そして、報われません。
次の段階、コミケで頒布できる形にする、という作業があります。
ですが、しつこいくらいに繰り返していたように、手焼きしていては、もう間に合いません。
そこで、defineのメンバーが考えた最終手段。それは――。
できるところに丸投げ。
そうです、自分達にできないのなら、できるところにお願いすればいい。
CDプレスを依頼する時に連絡した会社全てに、さっくりと断られていましたが、何か他の方法があるはず! とネットの海へダイブです。
……いえ、限界いっぱいまで作業していたので現実逃避をしていたわけではありません。
そこで、すばらしいサービスを見つけることになります。
当時、秋葉原にはプレスではなくCDを持ち込めば複製をしてくれるというサービスをしている会社がありました。
複数台のPCを使用し、同時に複製をもりもり作ってくれるところです。
残り時間がないので割高ではありましたが、自分達でできないのならば、お願いするしかありません。
とはいえ、そちらでもギリギリなので良い顔はしてもらえません。
残り時間(※注2)がほとんどない中で、とある一社に、どうにか残りの数百枚のCDを作成してもらえることになりました。
……今、思えば、かなり無茶の依頼ですが、よく受けてもらえたものです。
翌日、秋葉原へと用意されているはずのCDを受け取りに向かいます。
なんということでしょう。ちゃんと、必要枚数が用意されていました。
これで行ける! とHAREは喜び、CD複製会社の方には「あはは、寝ないで作業したよ」と、爽やかに言われて、財布ががっつりと軽くなりました。
制作したCDを入れるプラケースはネットで発注済です。部屋を圧迫するように段ボールが積み上がっていきます。
さらには、プラケースに封入するパッケージ絵の用意(※注3)も終わり、プラスチック絵を入れる透明な袋(?)も、購入済です。
ちなみに、年末だったので、明日には店じまいだよ? みたいな状態のところに滑り込みで用意をしたものばかりです。
そうです、これで準備は完了です。
……違いました。コミケに出る準備をするための準備が終わったというべきでしょうか。
この時点で、コミケまで残り2日(だったはず)です。
あとは、外部に依頼していない分のCDのレーベル部分に絵を印刷しつつ、自分達で用意する分のCDを手焼きしながら封入していくだけです。
これで一安心です。
……今までの経緯を考えれば、一安心など、すべきではないことは明々白々なのですが。
それぞれ、一度、自分の家に戻って風呂にはいって、少し休息を取ったりと、優雅(?)に過ごし、再び集合をします。
さあ――後はコミケに持って行く分の残りの制作をするだけです。
パッケージを印刷した紙をCDケースに入れ、用意したゲームCDをケースにはめ込み、外袋に入れて、シールを剥がして、丁寧に閉じる。
ただ、これをくり返すだけです。たったの、一人あたり数百回ずつほど。
しかも、この時点でコミケは明日に迫っていました。
16時間後くらいには会場が開場です。シャレではありませんし、シャレにならない状況です。
4人で手分けしつつ、延々と単純作業を進めていきます。
家内制手工業です。人力です。
まさか2000年台になってから、機械による自動化がいかにすばらしい発明なのかを、身をもって体験することになるとは思いもしませんでした。
わずかな休息は挟みましたが、ゲーム制作で睡眠時間は削れ、体力はともかく、気力は削れまくっている状態でした。
そんな中で、ひたすら単純作業を繰り返していれば、当然のようにミスも増えます。
ミスをすればやり直しです。
完全に手が止まらないように、一人は仮眠(※注4)、一人は食事、二人が作業。
……というようにローテーションを組んでやっていましたが、仮眠と食事以外は延々と作業です。
経験者はわかると思いますが、刺身にたんぽぽを乗せる作業や、流れてくるケーキに苺を載せるだけの作業や、中華まんに食紅で印を着けるだけの作業(※注5)に似ています。
defineのメンバーの一人は、途中から
「帰りたい」「帰らせて」「眠りたい」「休ませて」としか言わない物体となっていました。
そして半日ほど作業を続けた後は、「もう許して」、「俺、なんでこんなことしているんだろう」と、誰かに謝罪をしたり、哲学っぽい呟きをし始めていました。
……もっとも、他の3人(HARE含む)も、似たり寄ったりな状態でしたが。
紆余曲折もあり……というか、それしかありませんでしたが、いよいよ準備は整いました。
そして迎えた出発の時間(※注6)、初参加という喜びを感じる余裕もなく、家からコミケ会場へと向かいました。
おかげさまで、制作した会場分は持ち込んでから3時間かからずに完売。
ショップの分も、すぐに予約で埋まり、追加で制作をすることになりました。
嬉しい悲鳴と、不足分をさらに家内制手工業することが確定したdefineスタッフの哀しみの悲鳴が響きます。
……最初から、CDプレスをしていれば……と思わずにはいられません。
苦労の何割かは回避できたはずです。
とはいえ、今、思い返せば、楽しい……うえええええええ(嘔吐)
楽しい……おえええええええええ(嘔吐)
……とっても楽しい想い出だったと言えるでしょう。
ここまで色々と書いてきましたが、教訓は一つだけです。
ゲーム制作は計画的にね!
……どの口が言うのか、と思われそうですが、体験と実感です。
M.C.2の制作をしていた時にも、開始から計画が破綻するようなことがあったりと、色々とあるのですが、その辺りは機会があれば、その時にでも。
10回分(※注7)もの昔語りにお付き合いいただき、ありがとうございました。
さて、次の更新ですが、一応、考えてみました。
ずばり、HAREなりに催○(ゲームか小説)について、ぐだぐだと語ってみる、です。
あと、有料プランに入ってくださった方がいらっしゃいますので、催○物短編小説(原稿用紙5~6枚くらいの)を作成しようかな、と。
小説なので、今までよりも少し更新ペース(5~6日に1回くらい?)が落ちる予定です。
そちらは、短編連作形式にして、終わったら、いつかどこかで公開するかもしれません。
それ以外ですと、ASMRの1、2作目のラフの公開とかも考えいます。
引き続き、よろしくお付き合いいただければと思います。
※注1
一回の操作で、4~6枚程度、同じCDを作り出す装置です。
※注2
残り時間は本当になく、3日もあれば~と言われたのに、無理を言って間に合わせていただきました。
※注3
書いているウチに思い出しましたが、ジャケットのことをさっくり忘れていました。defineメンバーの一人が作成、キンコーズに持ち込み印刷、カットまでしてもらって事なきを得ました。
最初は、手作業(カッター)で、全てを切るつもりだったなんて、無謀もいいところでしね。機械の力すごいです。
※注4
1時間30分くらいだったと思います。そして、仮眠回数は1回だけだったはず。
※注5
よく単純でキツい仕事などの話の時に出てくる、都市伝説のようなバイトの例です。もっとも、HAREが昔バイトをした、とあるお菓子会社の工場は、負けないくらいにキツい感じでしたが。
※注6
当然ですが、defineメンバーは、ほぼ眠っていません。メンバーの一人と、HAREはほぼ二日徹夜です。
今はもう、あんなことはできません。睡眠、大事。寝るの、最高。
※注7
テキストをまとめてみましたが全10回で55KBを超えています。
原稿用紙で60~70枚分くらいでしょうか。
ASMRなら、2時間を超える作品の分量です。
……過去を振り返る話で、過去(書いたテキストの分量)を振り返るのはやめようと思うとは、皮肉な話ですね。