whisp 2020/05/23 22:47

【収録台本】まいてつ:ポーレット読み聞かせ『犬が言葉をなくしたおはなし』(進行豹

こんばんわです! 進行豹でございます!!!

あやかし郷愁譚の購入特典で
https://www.dlsite.com/maniax/promo/ayakashinostalgia

『まいてつ読み聞かせボイスドラマ』 全7話

が、18作品コンプリート特典としてついてくることになりました!!!

内訳は以下の通りです!

・日々姫 「長靴をはいたネコ」
・ポーレット 「犬が言葉をなくしたおはなし」
・れいな 「炭鉱の白犬」
・ふかみ 「うさぎのもちつき」
・凪 「清柾公(せいしょこ)さんの虎退治」
・真闇 「ネコ岳の猫」
・稀咲 「きつねのみそしる」



というわけで、台本紹介まいりましょう!!!

前回はひーちゃん「長靴をはいたネコ」をご紹介しましたので、
本日はポーちゃん! ポーレット! 市長で社長の雛衣ポーレットさんの、『犬が言葉をなくしたおはなし』をご紹介いたします!


実はこの台本、もう一本、とても短いお話も読み聞かせしてもらえちゃうお得作品でございますので、ぜひぜひお楽しみいただけましたらうれしいです!!


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;ポーレット、わんわんランジェリー抱き枕特典ボイスドラマ
;『ポーレットの読み聞かせ「犬が言葉をなくしたおはなし」』
;進行豹 v100_2016/12/24_v110_161226


;以下、セリフは全てポーレット
;タイトルコール

「雛衣ポーレット、わんわんランジェリー抱きまくら特典ボイスドラマ
『ポーレットの読み聞かせ「犬が言葉をなくしたおはなし」』」


;本編

「今日も一日、おつかれさまでした」

「あ……れいな、もう寝ちゃったんですね。
あのこ、すごく楽しみにしてたんですけど」

「あなたにわたしが読み聞かせするの――
『一緒にききたいですぅ』っていって」

「でも。今夜だけじゃないですからね。
次の夜――早く帰ってこれた夜に、
れいなにも一緒に読み聞かせてあげればいいし」

「それに……ほんとはちょっぴり、
嬉しい気持ちも、あるんです」

「だって、初めてじゃないですか。
あなたがわたしに、
読み聞かせをして欲しい、なんて、おねがいしてくれたのって」

「だから、記念すべき一回目だから。
わたしがあなたに、初めてしてあげる読み聞かせだから」

「最初だけは、あなただけに。
あなたのためだけに読みたいな、って、
ちょっとは、思ってたりしたんです」

「でも――
れいながとあなたが一緒ににこにこしてくれるのも、
すっごくすごく見てみたくて」

「だから、うふふ。
本当はどっちでも、わたし、ラッキーになれちゃったんですけど」

「それでですね、いろいろ、悩んだんです。
読み聞かせするお話」

「わたしが一番好きなのは、あっという終わっちゃうお話なんですよ。
だから、あんまり読み聞かせには向いてなくて」

「あ、でも。あっという間に終わっちゃうから、
本番の前の練習にいいかもしれませんね」

「それじゃあ、これは、練習ですから。
“あなたのための、はじめての読み聞かせ”には数えませんからね?」

「ちょっと、練習いってみます。
わたしが一番すきなお話。
フランクの、とってもとっても短い民話」

「『犬が片足をあげるわけ』」


;以下の『』で始まる部分は、読み聞かせ
;「」ではじまる部分は、その間の会話です

『昔は、犬も言葉を話せたもんだった。
これは、そのころのお話だ』

『オス犬たちが大宴会をやっていた。
みんな大いに飲んで食べ、トイレにいきたくなってしまった』

『近くに手頃な壁があった。
みんな、そこに一斉におしっこをした。
みんなが一斉におしっこをしたもんだから。
壁は崩れて、たくさんの犬が下敷きになった』

『それを悲しんだ犬の王様はいいつけた。
「これからは、壁が崩れて来てもいつでもささえられるよう。
おしっこのときは、必ず片足をあげなさい」』

『だから今でもオス犬は、おしっこのとき必ず片足をあげるのさ!』


「――って、いうお話です。
ね? 本当に短くて、読み聞かせ向きじゃないでしょう?」

「あと、フランクの民話って――わりと、
『めでたしめでたし』では終わらないんですよね。
そもそも『めでたしめでたし』みたいに、
お話を締めくくる専門のフランクの言葉って、ないし」

「ちょっと、感じが違うんですよね、多分。
わたしのパパ――日ノ本人のおとうさんがしてくれる読み聞かせって。
『おはなしはこれでおしまい、おやすみなさい』って感じでしたけど」

「なにか、ちょっと心に残るものがあって、
その余韻を抱きしめたり考えたりしながら、眠る感じで」

「で、ママの――フランクのおはなしは。
『おもしろかったでしょ、ドヤ!』って感じで」

「なぁんにも残らないんですよ。からっぽ。
頭の中をぜぇんぶすっからかんにしちゃって、
それでストーンって眠るみたいな感じなのです」

「ウィット? っていうのかな。わたし、半分は日ノ本人だから、
あの独っ特! の感覚は、なかなかわからないんですけど」

「でも、読み聞かせおわってくれたとき、
あのママが、『おもしろかったでしょ。ドヤ!』って顔してくれるのも含めて、
ほんと、好きで」

「日ノ本のお話の読み聞かせ。
むしろ、わたしがあなたにしれもらいたいかな? っても思うから」

「だから、これから読みきかせするお話。
本番用の、あなたへの、初めてのお話も、
フランクのお話にしてみました」

「フランクの。これも――犬のお話」

「『犬が言葉をなくしたおはなし』」



『大昔、神様は人間に言葉を与えました、
人間は、一番の仲良しの犬に言葉を分け与えました』

『人間と犬とは、同じ言葉を使いながら、
仲良く、けれど別々にくらしていました。
人間には人間の王様がいて、犬には犬の王様がいました』

『犬の王様はミロワール王といいました。
ミロワールは、フランクの言葉で“鏡”という意味です』

『ミロワール王はその名のとおり、
とても公平に犬の国を治めました』

良いことをしたものには良いお返しを。悪いことをしたものには悪いお返しを。
それを続けているだけで、国はどんどん平和に、大きくなっていきました』

『いっぽう、人間たちの国は、
青の国と赤の国とにわかれてしまい、
しまいには、ケンカをするようになりました』

『人間たちは、犬の国にも使者を出し。
「青の国に味方してくれ」
「赤の国に味方してくれ」と、頼んできました』

『「このままでは、
青の国に味方した犬たちと、赤の国に味方した犬たちとが、
犬同士、ケンカをすることになってしまう」』

『争いが嫌いなミロワール王は、青の国と赤の国、両方の国に使者を出し、
「仲直りしてはどうでしょう」といってみましたが、
人間たちのケンカは、ますます激しくなるばかりでした』

『自分だけではどうにもできないと思ったミロワール王は、
知恵ものだと評判の二匹の犬を呼び寄せて、
会議を開くことにしました』

『太陽という意味の名前を持つソレイユがまずやってきました。
とても大きな、白い犬です』

『ソレイユはあいさつもそこそこに、
「ケンカばかりの人間たちをひとつこらしめて、やりましょう」
と言いました』

『「子犬のしつけと同じです。
咬みつく犬は、咬まれる痛みをまだ知らない犬。
一度ガブリとやってやれば、
してはいけないことなんだとわかるようになります」』

『「なるほど、それもひとつの考えだ」
王様は慎重に答えます』

『会議の始まる寸前になって、
小さな黒犬が飛び込んできました。
月という意味の名前を持つ、リュヌです』

『呼び寄せたソレイユとリュヌがそろいましたので
王様は、会議を開くことにしました』

『リュヌは王様にうながされてから、、
ゆっくりと口を開きます』

『「われわれ犬に、言葉をわけてくれたのは人間です。
その人間に、言葉が通じぬわけがありません。
ケンカで熱くなってる頭を冷やしてもらい、
それからまた話してみるのはいかがでしょう」』

『「なるほど、それもひとつの考えだ」
ミロワール王はじっくり考え、言いました』

『「犬同志が争いあって傷つくことを防ぐために、
人間と争いあって傷ついてしまっては仕方ない。
ここは、リュヌの考えをとろう」』

『王様の決めたことなら、絶対です。
ソレイユもすぐに従います』

『「それでは、どうやって人間に頭を冷やしてもらうかを決めましょう」
ミロワール王とソレイユとリュヌとで日が沈むまで話しましたが、
いい考えは思いつきません』

『「我々三匹では知恵がたりない。
人間のことをもっとよく知るものを呼び、
次の会議で決めるとしよう」』


『次の日は、
星という意味の名前を持つ、エトワルが会議に加わりました。
エトワルは、人間と一緒に旅をしたことがある犬でした』

『ソレイユはまた、王様の前に出るなり言いました。
「ケンカをしている頭を冷やすには、やはり水浴びがいいでしょう。
人間の王様たちを、水浴びに誘いましょう」』

『「なるほど、それもひとつの考えだ」
王様は慎重にいいました』

『リュヌはまた、王様に求められてから言いました。
「眠たいときには頭がカッカするものです。
人間の王様たちと一緒にぐっすり眠ったならば、必ず頭も冷えましょう。
誘うのであれば、お昼寝です」』

『「なるほど、それもひとつの意見だ」
王様は慎重にいいました』

『ミロワール王は、新しくきたエトワルに意見を聞きました。
ブチの柄をしたエトワルは、しっぽをふりふり答えます』

『「人間もぼくたちも、おいしいものでおなかいっぱいになったら、
おこった気持ちなんてなくなっちゃいます。
人間の王様たちを呼んで、お食事会をひらきましょう」』

『「なるほど、それもひとつの考えだ」
ミロワール王は、じっくり考え、いいました』

『「ケンカをしている者同士で、水浴びもお昼寝もむつかいだろう。
だが、お食事会ならできるかもしれぬ。
ここは、エトワルの考えをとろう」』

『王様の決めたことなら、絶対です。
ソレイユとリュヌも従います』

『「それでは、お食事の内容を決めましょう」
「どこでお食事会をするかも決めましょう」』


『ミロワール王とソレイユとリュヌとエトワルで、日が沈むまで話しましたが、
これという考えは思いつきません』

『「我々四匹では知恵がたりない。
人間のお食事会のことを知るものを呼び、
次の会議で決めるとしよう」』

『次の日は、
空という意味の名前を持つ、シエルが会議に呼ばれました。
シエルは人間と一緒に長くくらしことがある、年老いた犬でした』

『ソレイユはまた一番最初にやってきて、王様の前に出るなりいいました。
「肉を嫌いな犬はいません。スープが嫌いな犬もいません。
肉のスープを出したなら、まず人間も喜ぶでしょう」』

『「なるほど、それもひとつの考えだ」
王様は慎重に言いました。』

『ソレイユの次にエトワル。
エトワルの次には新しくくわわったシエルが会議にやってました。
会議がはじまる寸前には、リュヌも飛び込んできました』

『「さて、今日の会議の全員がそろった」
ミロワール王は、しっぽをぴいんと立てています』

『「青の国と赤の国とのケンカはひどくなる一方で、
いよいよ戦争になるかもしれん」』

『ミロワール王が言った、まさにそのとき。
いっせいに、みんなが顔をしかめます』

『ソレイユもリュヌもエトワルもシエルも。
それどころか、ミロワール王までも』

『「こっそりおならをしたのは誰だ」
王様が、静かに尋ねます。
けれど返事はありません。
お互いの顔を、ちらちらと盗み見るばかりです』

『「おならが出るのは仕方がない。
だが、大事な会議の最中に、こっそりするとはどういうことだ。
『失礼します』とひとこといって、外に出てすればいいだろう」』

『王様の声が、だんだん大きくなってきます。
みんなはしょんぼりうなだれます』

『「あらためて聞く。こっそりおならをしたのは誰だ」』

『けれども、誰も返事をしません。
王様の声はますます大きくなってきます』

『「もう一度だけ聞く。こっそりおならをしたのは誰だ!」』

『やっぱり、誰も返事をしません。
王様はすっかりカンカンになり、おおきな声で怒鳴ります』

『「誰も返事をしないのだったら、もう言葉などいらんだろう。
おならをしたのがいったい誰かわかるまで、言葉を人間に返してしまおう!」』

『王様の決めたことなら、絶対です。
そのときから、犬は言葉を話せなくなってしまいました。
言葉を話せなくなると、犬の国はあっという間になくなりました』

『犬たちはひどく嘆きかなしみ、言葉を返してもらおうと、
おならをしたのがいったいだれかを突き止めようと、
それからずっと、今日のこの日もがんばっています』

『もしも嘘だと思うなら、公園にいってごらんなさい。
見知らぬ犬と犬とがばったりであったときに、
何をするのか見てみなさい』

『「おならをしたのはお前か?」と、
「そっちこそおならをしんじゃないか?」と、
お尻のにおいを、必ずクンクン、かぎあっていますから!』



「はぁい! これでこのお話はおしまいです!」

「って、わたしいまちょっとしちゃってたかもしれませんね。
『ドヤっ!』っていう顔」

「こういうお話、大好きなんです。
まじめな顔して、ほんっとくだらないこといっちゃうみたいな」

「わたし――ねぇ? 残念なことに、
ウィットのセンスも、ユーモアセンスもあんまりないじゃないですか」

「れいななんて、それこそお箸が転がったって笑うのに――
わたしが、『あ、イケてる!?』って思うこといったりしても、
全然笑ってくれないんですよ?」

「こないだ、しょうが焼き作ろうと思って、
だけど、買い置きしてたつもりのしょうがが見つからなくって」

「それで、れいなに、
『生姜焼きにしようと思ってたんだけど、
しょうががないから、赤ワインのソースで焼くわね』
っていってみたいんです」

「ショウガがないから、しょうがない。
わたし、面白いかな? って思ったですけど、
でも、れいな、くすっとも笑ってくれなくて」

「笑ってるのは笑ってるんですけど、
いつもとおんなじニコニコで、
『赤ワインのソースにも、きっととってもおいしいすよぉ』って、
もう、ダジャレのこと気づいてくれてるのか、くれてないのかもわからなくって」

「わりと……れいなだけじゃなく、
みんな、そういう感じなんです。
――あなたもそうですよ?
わたしの精一杯のユーモアを、すごく、流すこと、多いです」

「だから、わたし、
『人を笑わせるセンスみたいなのがないんだなぁ』って、
しょんぼり思ったりもしてるんですけど」

「でも――お話を読んであげたら、
わたしでも、れいなに笑ってもらえるんです」

「れいな、ほんとに大喜びしてくれるんです。
このお話を読んでげたときも、そうでした」

「けらけらわらって、手足ばたばた動かして。
『おならをしたのはポーレットですかぁ?』って、
お尻の匂いをかぐまねまでして!」

「わたしは……ちっちゃかったころのわたしは、
そこまでの反応、ママにも、パパにもできなかったんですよね」

「感情表現。あんまり素直じゃないのかもです。
どこか一枚、壁をつくってるっていうか……」

「遠慮しちゃうっていうか、様子みちゃうっていうか――
笑わせるのが上手じゃないのも、たぶん、その辺の影響ですよね」

「それがむかしは、すごくコンプレックスだったんです。
思ったことをそのまま口から出しちゃいたい。
考えるまえに動いちゃいたい。
そんなことまで、思ったりして」

「でもね? 今は思わないんです。
だって、わたしが感情表現、不器用で――」

「いっつも礼儀正しくて、
礼儀の鎧で自分をまもって、
本当にわたしの近くには、れいなだけしか来てくれなくて」

「それでも、あなたは、わたしを愛してくれたから。
わたしのこの手を、あなたがとってくれたから」

「大逆転です。
端っこの駒をとって、黒かったのが、ぜぇんぶ真っ白になる感じです」

「そのくらい、嬉しかった。
衝撃的だった。
いままで嫌いだったところも全部、
『それでよかったんだ』って、思えるようになった」

「言葉もね? おつきあいとかしたら、
無理矢理にでも、変えたほうがいいのかなって、思ってんです。
タメぐち、でいいんですよね?
凪ちゃんとふかみちゃんの会話みたいな、ああいう感じの」

「だけど、わたし、ヤなんです。
大好きで、尊敬してて、わたしを大事にしてくれるあなたに――
ああいう、乱暴みたいに聞こえる音で、
わたしの気持ちをつたえるの」

「『ちょっとそこのお醤油とってー』って、そういうの。
夫婦っぽいし、仲良さそうだし、近い感じするし、
素敵って、思う気持ちもやっぱりありますよ?」

「でもわたし、あなたのことが大好きだから。
大好きで、尊敬してて、感謝もしてるから」

「だから、同じことでもこういう風にいっちゃうんです。
『よかったら、お醤油をとってくれますか?』って。
それでいいんだって――いまのわたしは、思えるんです」

「だってあなたは知っているから。
わたしとあなたが、体で、こころで、結ばれてること」

「他の誰にどうみられても、だから、全然怖くない。
わたしは、わたしに自然なことばで、
わたしに綺麗って聞こえる音で、
あなたにこころを伝えるんです。絶対に」

「もちろん、これからもずっとずっと一緒で。
ふたりの関係がもっともっと深く、もっともっと近くなって」

「いまわたしがあなたにもってる、尊敬とか、憧れみたいな
気持ちがもしかして変わっていくのなら――」

「そのときはまた、
つかう言葉も変わっていくのかもしれないですけど」

「変わったとしても、絶対、絶対なくならないです。
あなたへのあこがれも、尊敬も」

「それはきっと、もっと深い気持ちにになるんです。
今のわたしが抱いてるのよりもっと豊かな、
いまのわたしには想像もできない、愛情に」

「だって、実際にそうなってますから。
あなたへの、わたしの気持ち」

「初めてあった幼い日にも、
淡い憧れと知りたい気持ちをはっきり感じて」

「それをわたし、『初恋かな?』って思ってて。
だけどあなたに再会して――
そうしたら、違ったんだって、わかったんです」

「『あんな気持ちは恋じゃない。
今抱いているこれこそが本当の恋ごころ。
だから、今、この瞬間が、わたしにとっての初恋だ』って」

「だからね? きっと――
この先も、何回も、そういう風に変化するって。深まっていくって。
わたし、思ってます」

「だからわたしは――
何回だって、あなたに初恋するんです」

「大好きです。愛してます。
モン・プランス――わたしの、王子様」

;ちゅ=リップ音
「ん……(ちゅっ)」

「ありがとうございます。あの日、わたしと出会ってくれて。
ちいさなわたしと、ちゃんとお話してくれて」

「再会したときも、わたしとまっすぐ向き合ってくれて。
市長とか、社長とか、エアクラ誘致反対派とか、そういうのじゃなく」

「初めて出会ったあのときと、少しも変わらないあなたのままで――
わたしを見てくれて、話してくれて、むきあってくれて、ありがとう」

「わたしの中の恋心を、
はずかしがって、一番深くにかくれちゃってたほんとの気持ちを――
見つけ出してくれて、ありがとう」

「好き、です。大好き。
わたしのこころの全部が、あなたのものです。
わたしのからだの全部が、あなたのものです」

「ふふっ、すごいですね。
ひょっとして、読み聞かせのせいなのかな?」

「こんなに近くで、おたがいの鼓動を感じながら――
ことばを、きもちを、ゆっくりつたえてるおかげなのかな?」

「こどものころだってわたし、
こんなに素直になれたことなかったのに。
おねだりだって、おそるおそるしかできなかったのに」

「なのに、今は――
あなたのことが欲しいって、
あなたにわたしを求めてほしいって――
わたし、少しもはずかしくなく、いえちゃってますから」

「うふふ、たくさんおしゃべりしたのも良かったんですね、きっと。
声が喉から出ていくときの、気持ちのハードル。
いまは、なくなっちゃってるんだって思います」

「だけど――ちょっと、
ちょっとだけ、おしゃべりしすぎちゃったみたいです」

「喉、少しだけガラってする感じがします。
あの……喉の、おくすり――
あなたに、わけて――ほしい、です」

;キス
「ん……ちゅっ――ちゅむっ――ちゅっ――
ちゅう――じゅるっ――(ごくっ)――ん……あ――ぷあっ」

「うふふ、ごちそうさまでした」

「こころも、あなたの腕のなかも、あったかいから、ねむたいです」

「このまま一緒に、ねむってください。
わたしを腕にだいたまま、わたしと一緒にねむってください」

「あなたのお顔――じーって見てから。えいっ!」

「あれれ……残念。
閉じたまぶたにも残像が、って、
お話だと見たりしますけど――まっくら」

「だけどきっと、夢の中でもあいますね?
あなたと、わたしなんだから」

「あえなかったら探しにいくから、、
わたしを、待っててくださいね?」

「それじゃあ、寝ましょう?
もう一回だけ――目を閉じたまま――キスをして」

;リップ音
「(ちゅっ!)」


「うふふっ――しあわせ」

「おやすみなさい」

;了

///////////////////////////////////


ポーちゃんはしっとりしてますね~!!!!

台本だけでも、ねむたいときの、あったかくってちょっとしめったような空気感、ほのお感じいただけるのではないかと存じます!
それに、ポーレットの! 声が! 乗る!!!!

その魅力、きっとご期待以上かと存じますので、もしよろしければぜひぜひお聞きくださいましです!


次回はれいなのご紹介! こちらもどうぞご期待ください!

それでは!!!

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