めかぶ亭 2019/11/01 23:45

ジェミニマンを観てきた話

月末乗り越えてちょっと余裕ができたので、先日公開された『ジェミニマン』という映画を観てきました。

できるだけ映画観て、感想まとめてみたいなのはやっていきたいなと思うので、ちょっとだけ感想書いておこうと思います。

ネタバレを含む話なので、これから観る方は読まれないほうがいいかなと思います。


率直に点数つけるなら、どうだろう、個人的には70点くらいかなと感じました。


アクション映画としてはほぼ期待通りのデキで、余程に高望みしてなければこの点で裏切られる人は少ないかなと思います。
ただ、思ってたよりは緊迫感が薄く、スリラーやサスペンスというよりは頭を空っぽにして観る娯楽映画としての色が強いです。


ウィル・スミスの演技も相変わらず素晴らしく、娯楽映画として観るなら80~90点くらいはあるかなという感じです。


ただ、個人的には宣伝とか見る限りもうちょっと陰謀めいたサスペンスな展開を期待していたので、その期待値から見ると70点くらいかなー、と思います。
面白いんだけど期待してたのとちょっと違かったっていうアレですね。


実際のところ、アクションは申し分ないですし、陰謀により『自分』に襲撃されるという点で、広義としてはサスペンス要素も含まれるわけですが、良くも悪くも観客を裏切るような要素がなく、どちらかというと『もうひとりの自分』を通じて自分の生き方を見直すような、アクション+ヒューマンドラマ的な要素が強いです。


組織にハメられて暗殺されかけるっていうのはまさにサスペンス的な要素ですけど、ただ原則として、こいつ悪者だなと感じた奴は悪者ですし、いい奴はいい奴ですし、たぶんこうなるんだろうなっていう憶測通りの展開で話が進むので、これといってハラハラするような要素は無かったですね。



ここからちょっと本格的なネタバレになるのですが.....



まず、もうひとりの自分に襲撃された時、その正体が『もうひとりの自分』だと気付くのがめちゃくちゃ早いんですよね。


でもって、アイツが俺なら俺と同じ良心があるはず、という性善説に基づいて話が展開し、襲撃してくる『もうひとりの自分』も、割と初っ端からいい奴っぽいオーラ醸し出してくるわけです。


加えて、観客はこの時点で『もうひとりの自分』を誰がどんな目的で送り込んでるのか把握できてる構成なので、『俺と同じくらい強いあの男は一体何者なんだ』とか『奴は何をかんがえているんだ』『もうひとりの自分と本当に戦うべきなのか』みたいな疑問の余地は、少なくとも観客側には殆どない感じです。


私はまさに、そういう疑問や葛藤がメインの作品であることを期待して鑑賞したので、最初に『もうひとりの自分』に襲撃されるシーンを観た時点で、あ、これ自分の期待してた感じとはちょっと違うなと悟りました。


ですが、前述したように私の見込み違いではあったものの映画としては普通に面白く、そして『もうひとりの自分』を通じて自分の生き方を振り返るというヒューマンドラマの要素を取り入れる上で、早々に敵の正体や心情が観客側に明らかにされる構成も妥当なのかなと思います。


ただ、娯楽映画として観た感想でも、主人公と『もうひとりの自分』の心を通わせるペースがちょっと速すぎるなっていうのは気になる所です。


何度かガチで殺し合いしながら次第に心を通わせる流れならいいなと思うのですが、性善説に基づいて双方が急接近していってしまうのでご都合主義感がかなり強く、『お前は俺なんだから本当はいいやつだ!』『クシャミも4回続けて出るだろう!』みたいなやり取りが観ててちょっと白けてしまうのが難点です。


サスペンス的な要素は殆どない娯楽映画だということを前置きした上であれば、他人様にもオススメできる映画だなと思います。



.....さて、実は先月、忙しさの合間を見て『ジョーカー』も鑑賞したのですが、あれは思ってた以上に米国の(あるいは現代社会の)社会問題に切り込んだ内容でした。

鑑賞してはじめて、あー、米国で公開される時あれだけ警戒されてたのも納得だなぁ、と感じたのですが、それ故に感想を書くとなるとアレが警戒される背景、つまりは社会問題にも触れていかなくちゃいけなくて非常に長い文章になりそうなので、「闇の深い映画だった」という一言で表現するに留めておこうと思います.....

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

月別アーカイブ

記事を検索