水曜日
五月の朝日がさしこむぬるい部屋で目を覚ます。一週間の中で水曜日が一番嫌いだ。学科の必修だから仕方なく出席しているだけで、九時から始まる一時間目の講義なんて誰が出たいんだ。不真面目な大学生なら誰でもこんな時間から怠い体に鞭打ってまで出たいと思わないでしょ、と思いながらも髪を撫でつけて朝食をとるわたしは偉い。
昨日の夜は家に帰ってきてから急いで部屋の掃除をした。それも偉い。別に部屋が特別汚れているということはないけれど、見栄かはたまたプライドか、やっぱり人を呼ぶなら掃除された綺麗な部屋がいい。おかげで少し眠いけれど、今日は残念ながら昼寝をする時間もない。
クローゼットから適当に選び出したシャツはcalifornicationのジャケットが印刷されたものだった。折角かっこいいんだからたまにはおしゃれしたらいいのに、とうららは言ったけれど、大学に行く程度で毎日化粧もドレスアップもしていられない。靴も靴下もあんまり好きじゃないからできる限りビーチサンダルでいたいし、適当に選ぶTシャツは全部好きなバンドやカートゥーンのプリントでお気に入りだから着たいし、となると必然的に適当な服装になってしまう。だからオタサーにいても違和感がない人間が出来上がるんだよな。
教科書だけを詰め替えてバックパックを背負う。今日は人が来るから原付じゃなくて電車で登校しなくちゃいけない。鍵の束を持つといつも通り乗りたくなってしまうけれど、家の鍵を閉めたら外のポケットに入れっぱなしのICカードを確認しながら駅へと向かう。イヤホンから流れる音楽はTシャツに合わせてレッチリにしよう、元気が出るから。
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