緊縛の視姦室 2021/07/25 00:00

【連載】淫悦に堕した兄嫁~憧れていた義姉が牝隷になるまで#03

#03 義弟のベッドで淫らな告白

 画面のなかの紗月は、宗治のパンツの生地を口に咥えていた。それを器用に躯を屈めさせ、脱がしていった。と、モザイクのかかっていないペニスが、現れた。

 通隆も、他人のペニスと自分のものを見比べたことがないのだが、宗治のペニスが普通のものとは異なっていることには、気づいた。前戯の際に、鈴口の一部がパンツから覗いていたのは通隆も目にしてはいたが、そのすべてが姿を現すと、驚きに言葉を失ってしまった。
 ペニスは淫水灼けというのだろうか、全体に黒光りしていた。パンツからペニスの尖端が覗いていたのだから、長さは相当なものだった。男子平均からしても、飛び抜けているはずだった。
 肉竿の幹の太さはそれほどでもないが、血管が浮き出ており、ごつごつとしている印象があった。亀頭はかなり大きく、えらが大きく張りだしていた。

 男の通隆が目にしても、こうなのだから、女性がそれを目の前にしたら、どのような感想を洩らすのだろうか。紗月がそのペニスをはじめて目にした時の反応を想像すると、嫉妬で頭がどうにかなりそうだった。
 紗月が足もとまで、パンツを脱がしてしまうと、ペニスに自ら、顔を近づけていった。唇を半ば開き、アイマスク越しに、ペニスにうっとりと見入っているようだった。

「あ……あぁ、す、すごい——おとこの臭い。この臭いを嗅いだだけで、は、孕んでしまいそう」
「おいおい、種付けセックスは明後日なんだぞ。まだ、早いだろう」
 跪いている紗月の顔を撫でながら、宗治が言った。
「でも——あぁ、ご主人様。すごい、すごいのぉ」
 これから与えられるだろう肉の悦楽を想像しているのだろうか。双乳の周りを縄で縛られた美麗な上半身を悶えさせながら、紗月が言った。

「さ、ひとりで満足していないで、おれを悦ばせてくれ」
「は、はい。紗月の口でどうか、ご主人様のペニスを可愛がらせてください」
 言うと、紗月はまず、宗治のペニスを味あうように、肉茎に舌を這わせた。
「あ、ん……んフン、はぁ、はぁ」
 画面越しに、紗月の荒い呼吸の音が聞こえてきていた。喘ぎながら、紗月は舌で宗治のペニスを舐めあげていった。それはテクニックというよりも、宗治の精臭で興奮してしまっているのだろう。夢中になって、フェラチオを続けていた。

『紗月は、快楽を得るためなら、平気で夫や弟を裏切る淫らな牝です』
『通隆くん、ごめんなさい。こんな姉で、ごめんなさい』

 先刻、紗月が電話や画面を通して言われた言葉が、道隆の耳によみがえった。
 今の紗月はまさしく、宗治の性奴として扱われ、そして、そのことに紗月自身が悦びを見出しているようだった。恋人として、互いに愛し合っていることの確認として、快感を共に享受しよう、という態度では決してなかった。
 紗月は宗治の玉袋を口に含むと、吸い上げながら、舌を淫らに動かして歪なボールを愛撫していた。
 それは道隆の目には、肉の悦楽を求めるためなら、どんなことでもする痴女のように写った。浅ましい——そう思うのと同時に、色に狂う紗月のその姿を、美しいと道隆は感じていた。

「おぉ、いいぞ」
 宗治が言葉を洩らした。それに、紗月は目を細めた。
「あぁ……ご主人様。ご主人様ぁ」
 宗治の褒め言葉にも、紗月は愉悦を感じている——そう思うと、道隆の胸に痛みが走った。思わず、唇を噛みしめてしまう。
 呟きながら、紗月は今度は舌先を伸ばして、肉竿を弾くようにして、舐め上げていった。画面からはしばらくの間、ぴちゃぴちゃという淫らな水音と、ふたりの呼吸の音しか、聞こえてこなかった。

 ――あ……ああ、紗月さん。
 モザイクなしのペニスを、紗月が汗だくになり、緊縛された姿で必死になって、フェラチオをしているのを、道隆は唇を噛みしめながら、見つめていた。
 ジーンズを膝まで降ろし、トランクスを下から突き上げているペニスは、これまでないほど勃起しているというのに、道隆は触れようともしなかった。

 もう、想像の中では何度も何度も紗月を犯してはいるのだが、画面を通してとはいえ、紗月が乱れ狂うのを見ながら自慰をするのは、彼女のおんなとしての美しさを汚してしまうような気がして、できずにいた。
 そう思いながら、道隆はどうして紗月がこんなにも快楽に墜ちていってしまったのだろうか、と考えていた。
 兄夫婦と同居していた道隆は、誘惑に負けて何度か、兄と紗月のセックスをこっそり、覗き見たことがあった。が、夫婦が今、宗治としているような、性行為をしていたことは、一度もなかった。

 もともと、紗月に快楽墜ちしてしまうような欲動が眠っていたのか、それとも、兄以外の別の男に躯を開発されたのか、それはわからない。
 道隆には、宗治のように紗月を性奴のように扱うことなど、できはしないが、彼女の性の嗜好が、普通のセックスでは満足できないものだとしたら——。
 快楽は、自分ではコントロールできないものだ。何らかの原因で性感を得られないのならまだしも、健康的な男女が快楽を自らの意志で絶つ、ということは聖人君主でもない限り、決して叶わないことに違いなかった。

 通隆は、紗月のことを兄嫁としてではなく、ひとりの女性として愛してはいる。が、彼女と結婚できないことはおろか、つきあうこともできないのは、よくわかっていた。
 今は同居を続けているが、近い将来、この家からも出て行かなければならないことも。だからこそ、卒業までの短い、この期間を愉しんでいたのだが。
「ご主人様、か。紗月、お前も随分と変わったよな。以前はおれのことを相当、嫌っていたはずだが。セックスだって、嫌々だったじゃないか。それがこんな風に、俺のちんぽを嬉々として咥え込むなんて、思いもしなかっただろう」

 紗月は亀頭をぺろぺろと舐め、舌先を蠢かせて、雁首の溝に滑り込ませていた。ペニスが激しく、上下に揺れるほど、愛撫をし、それから、先端から呑みこんでいった。
 宗治のペニスは相当、長いはずだったが、紗月は涙を流しながら、口のなかにすっぽりと収めると、「んッ、んッ」と鼻を鳴らしながら、抽送をはじめた。唾液を絡めさせ、首を振りながら刺激を与え、朱唇を幹に擦り合わせて、フェラチオに集中していた。
 それは、昨日、道隆が見たアダルトビデオの女優の行為と変わらず、浅ましいと思いながらも、同時に美しいと見とれてもいた。

「あぁン、あ、あの時は、紗月はどうかしていたんですゥ。ご主人様が深い官能を与えてくださるのに、そんなことを思いもしないで――本当に、紗月は愚かでした。こんな世界があることを、紗月に教えてくださって、感謝しております」
 紗月がペニスから口を外し、肉茎に舌を這わせながら、そう言った。
「だったら、態度でそのことを示さないとな」

「は、はい。もちろんです。ご主人様」
 紗月はちろちろと鈴口を舌先で舐め上げていった。すんすん、とペニスの匂いを嗅ぎ、舌で上向きにすると、裏筋に唇をつけた。唾液をなすりつけ、今度は口に咥えずに、舌で上下に幹を舐めあげていった。
 宗治はそれに、低い声でため息をつくと、縄がけをされた隙間から覗く乳房を揉んだ。

「あフン、だ、駄目ェ。フェラチオ、で、できなくなっちゃう」
 道隆が聞いたこともない、甘えた声で紗月は言うが、宗治は聞く耳を持たなかった。乳房を握り込むと、乳首を指先で摘まんだ。
「あぁ! やッ、んフン」
 紗月は乳首が敏感のようだった。ペニスから口を外し、眉間に皺を寄せた。
「紗月。フェラチオを続けるんだ」
 怒ったような口調で宗治が言うと、紗月は肢体をびくりとさせた。
「は……はい。ご、ご主人様。フェラチオを中断させて、も、申し訳ありません」
 そう言う紗月の声は、歓喜に震えているみたいだった。

 道隆は、それを聞いて、紗月がマゾであることを思い知らされた。憧れの女性の真の姿を見せつけられて、道隆はこのDVDを送りつけてきた相手を、本当に恨んだ。
 パソコンから目を外さないまま、道隆は遂にトランクスを一気に脱ぎ捨てた。もう、限界だった。
 画面が切り替わった。どうやら、ふたりを撮影しているカメラは一台ではないらしい。斜め上からベッドを見下ろしているアングルになり、そのベッドの上に宗治が横になっていた。それを見て、通隆はどきりとさせられた。

 ——ここって……この場所って。
 先刻まで、ちっとも気づかなかったが、ふたりが淫らなことをしているのは、今、通隆がいるこの部屋ではないだろうか。
 ベッドのシーツの色やサイドテーブルの形、壁紙などをつぶさに比較して、そうに違いないという結論に至った。
 紗月が宗治と、道隆の部屋でセックスをしていた、という事実に、打ちのめされた。

 一体、どこまで——紗月は墜ちていってしまったのだろうか。こんなことを平気で許すような女性では、決してなかったのに……。
 通隆の座っている椅子の左手にあるベッドで、紗月と宗治は互いの頭と足の向きを逆にした、シックスナインの体位で抱き合っていた。
「さぁ、フェラチオをしながら、オナニーをするんだ」
 宗治が言うと、
「はッ、はぁい、ご主人様ァ」
 紗月はためらうことなく、返事をすると、後ろ手に縛られた状態のまま、宗治の右の脚を跨いだ。その時、紗月の秘苑がカメラの前に露わになった。

 陰毛は割と深めで、宗治の命令なのか、あまり手入れはされていないようだった。陰唇の二枚の肉びらはくすんだピンク色をしていた。興奮しているからか、肉びらに間はわずかに開き、そこから淫液が滴っていた。淫裂はやや小さめだろうか。それだけに、肉びらの大きさが目立っていた。陰唇の切れ目の尖端にあるクリトリスは長めで、包皮に包まれながらもひくひくと震えていた。
 紗月は股間を跨がった宗治の脚に、擦りつけた。まんずり、と呼ばれる行為で、口唇でペニスを愛撫しながら、腰を動かしていた。画面からは、にちゃにちゃという淫らな水音が聞こえてきていた。

「あァん、ご主人様のちんぽ、素敵ぃ。も、もう、咥えているだけで、い、逝っちゃいそうですぅ」
 宗治がそれを聞きながら、紗月の双臀をつかんだ。しとどに濡れている紗月の女芯を、両手の親指で押し開いた。
「あハァ、さ……紗月のおまんこ、どうですか」
「いやらしく、蠢いているぞ。今日の朝からずっと、こうだったんだろ」
「はい。そうです。朝からずっと、ご主人様と淫らなことをするのを、考えておりました」
「ローターをおまんこに入れたまま、弟くんの世話をしながら、か」

 宗治が、紗月の膣に指を差し入れた。赤い柔肉を搔き混ぜるようにして、それを動かした。
「そ、そうです」
「弟くんの目の前で何度か、逝ったのか」

「い、逝きました」
 告白しながら、興奮したのか、紗月は淫靡に腰を揺らしながら、言った。
 ローターを挿入れたまま、自分の目の前で逝った——。
 紗月の言ったことを、通隆は信じられない思いで聞いていた。
 紗月が本当のことを言っているのか、それとも、宗治を悦ばせるために、嘘をついているのか、道隆には判断がつかなかった。

 画面に見入りながら、道隆は二日目の朝のことを、思い出していた。
 あの朝は、紗月と会話をしながら朝食を摂り、他愛ないことを喋りながら、予備校へ行く準備をして、出掛けたのだった。その間、紗月がローターを秘苑に忍ばせ、道隆に気づかれないように、数回逝った——そう想像しただけで、ペニスを擦りたてている腰から悦楽の波が生じ、頭頂部へと突きぬけていくかのようだった。

「弟くんに抱かれたいと思ったことはあるか」
「え?」
 思ったこともないことを訊かれたのか、紗月はしばらくの間、宗治のペニスを愛撫するのも忘れ、口を閉ざした。
 通隆は、急に自分のことがふたりの話題にのぼったので、心臓をどきどきさせながら、聞いていた。

「んフン、はァッ、あ……」
 ペニスに口をつけ、舌を肉茎に絡みつかせながら、紗月は言葉を選んでいるようだった。
「み、通隆くんに——そんなことを、考えたことは、あ、ありません」
「噓をつけ。ここは、お前の口よりも、正直だぞ」
 宗治が二本にした指を抽送させながら、言った。
「それは、ご主人様が——指をい、入れるからぁ」
「そんなことはないだろう。弟くんのことを言ったとたん、締めつけがきつくなったぞ」

 紗月はしばらくの間、黙ったまま、宗治のペニスを口には入れず、顔を上下に動かして肉茎に沿って舌を這わせていた。
「どうしても——言わなければ、あぁ……いけませんか」
「言わなければ、ここまでだ。性奴○は、紗月、おまえだけではないんだからな」
 焦らし文句を口にすると、宗治は紗月の女芯から、指を引き抜いた。

「あぁン。わ、わかりました。……通隆くんが、どんどん、男らしくなっていくのを見て、意識するように、なりました」
「それは、いつからだ」
「夫が……亡くなってからです」
「亡くなって、すぐにか」
「すぐでは……あ、ありません」
 宗治が再び、指を膣に差し入れた。襞をなぞるように、指を抜き差しさせると、紗月が深い吐息を洩らした。

「風呂上がりの半裸姿を目にした時や、通隆くんの下着を畳んだり、お部屋を掃除してあげている時に、おとこを感じることは、あ、あります」
「弟くんで、オナニーをしたことは——」
「それは……」
 そこで、紗月は言い淀んだ。亀頭を呑み込み、顔を動かしてフェラチオをした。
「あるんだな」
 宗治が、指の出し入れを激しくさせた。淫水が膣から溢れ、宗治の胸もとに滴り落ちていった。

「……あります」
 短い答えだが、それに通隆は衝撃を覚えていた。
 ネグリジェ姿の紗月が、裸の道隆を想像しながら、自らのおっぱいを揉み、淫水を掻き回す勢いで、おまんこに差し入れた指を激しく、出し入れさせる——その姿が一瞬、目に浮かんだ。

「気づくと、夫と通隆くんを見比べておりました。背も通隆くんのほうが高いし、体格も夫は文化系でしたが、通隆くんは陸上部で活動しておりましたから」
「ちんぽのサイズはどうだ。夫と比べて」
「それは——わかりません」
「わからないが、想像はしたことがあるだろう。弟くんのちんぽにおまえのまんこが貫かれたら、どうなってしまうんだろうってな」
「は、は……い」

 具体的な紗月の告白を聞いて、それが決して宗治に言わされているのではないことを、宗治は確信した。
「だが、弟くんのことは愛していないんだな」
「はい。わたしが愛しているのは、宗治さま、ただおひとりです」
 紗月のその言葉を聞いて、道隆は天国から地獄へ叩き落とされたような気分に陥った。が、通隆のペニスは萎えることを知らなかった。逆に、ますます熱(いき)り立つかのようだった。
「本当だな」
「ほ、本当です。紗月は、ご主人様のど、どんな命令にも従う、牝奴○です」

「では——種付けセックスから帰ってきたら、弟くんを誘惑できるか」
「え……そんなこと、できません!」
「できない、じゃない。するんだ。紗月、お前はおれのどんな命令にも従う牝奴○、だったよな」
「それは——」
「思えば、お前はもともとは身持ちの堅い女だったよな。それを、おれがお前の真の姿を引き出してやったんだ。四六時中、セックスのことしか考えられない、淫らな牝にな。それを感謝している、とまで言っていたよな。だったら、できるはずじゃないか」

「そんな——宗治さま以外の男に抱かれるなんて」
「もう、お前は何人もの、おれ以外のちんぽを、咥え込んでいる。それに、おれがいいと、許すと言っているんだ」
 聞き捨てならないことを、宗治は口にしたが、道隆は黙って、パソコンから流れる音声に耳を澄ませていた。
「で、でも、あ、あの……わ、わたし、は——」
「返事は『はい』だ。言ったら、ご褒美に口のなかに射精してやる。だが、言わなければ、二日後の種付けセックスも、取りやめだ」
 それでも、紗月はすぐには答えなかった。フェラチオもせず、ただじっと、口をつぐんでいた。宗治は膣から指を引き抜き、代わりに乳首を弄った。ゆっくりとした動きで、乳輪をなぞり、指先で乳首を繰り返し、繰り返し、弾いた。

「……わ、わかりました」
 たっぷり、三十秒ほど、躊躇っていたのだろうか。ようやく、紗月が喋った。
「わかりました、とは? 具体的に言ってくれ」
「……宗治さまの牝奴○である、さ、紗月は、種付けセックスを終えた後、弟くんの通隆くんをゆ、誘惑致します」
「誘惑だけじゃ、わからないな。どんなプレイをするつもりなんだ」
「夜○いをします」
「……ほう」

「お風呂上がりに、それとなく誘惑してみますが、襲ってくれなければ——というか、通隆くんはそんなこと、し、しないと思うので、夜に彼の部屋に忍び込んで」
 宗治が片手で乳首を摘み、もう一方の手で陰核を弄りだした。その愛撫に紗月は耐えながら、言葉を続けた。
「部屋に忍び込んで?」
「あ! ……そ、そこは——んッ、へ、部屋に忍び込んで、眠っているところを強引に、迫ります」
「拒否されたら、どうする」
「そんなこと、はぁッ——」
「そんなことはない、か。おまえに恋心を抱いている弟くんが、拒絶することなんて、考えられないか」
 紗月はそれにすぐには答えず、宗治のペニスを口にした。肉茎を吸い上げ、唇でキスをしながら、舌を絡めていった。

 ——そんな……。
 紗月たちの会話を聞いて、道隆は自分のペニスを扱(しご)く手を止めた。
 紗月に、道隆の思いを知られてしまっていることと、それが宗治にも伝わっていることに、二重にショックを覚えていた。
 紗月が好きなことは、自分では、それなりに誤魔化してきていたと思うのだが、まったくの筒抜けだったらしい。
 が、今となっては、それも当然のことだったのかもしれない。
 目は口ほどにものをいう、と昔から言うし、紗月を女として見つめていたことに、もしかすると、気づかれていたのかもしれない。

 視線が合い、紗月にそれとなく、問い詰められる、とまではいかないが、際どいことを訊かれたことも、あった。
 そういう意味では、あまりにも道隆は幼かったのかもしれない……紗月と釣り合わないほどに。
「どちらかというと、紗月のことなど眼中にない相手を誘惑するほうが、面白かったのだがな」
「そんな――面白いだなんて」
 はじめて、紗月が非難めいた口調で、宗治に言った。
「とりあえず、旅行から帰ってきたら、弟を誘惑するんだ」

「……わかりました」

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