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2019年 06月の記事 (6)

レモネードオアシス 2019/06/29 15:40

陰キャラでなにが悪い!6

体育の授業中にお腹が痛くなる悲劇。

はたして千影はトイレに辿り着くことができるのだろうか。

この小説を最初から読む!



●4章目 ブルマで大決壊!




(ふう、昨日は散々な目に遭ったぜ……)




翌日。



千影は何事もなかったかのように登校してきた。



並みの生徒だったらこうして登校してくることなんてできないだろうけど、千影はあまりそういうことを気にしない性格だった。



それにクラスメートたちも、あまり千影のことに触れないようにしている。



だから千影はいつもクラスの隅っこの席で官能小説を読んでいるのだ。もちろん、ちゃんとカバーを掛けて。




(昨日は掃除してくれたの誰なんだろ。できればちゃんとお礼言っておきたいけど)




官能小説を読みながら、千影はそんなことを思う。



いくらクラスから浮いているとはいえ、しっかりとお礼くらいは行っておきたかった。



だけど、漏らしてしまったうんちを綺麗にしてくれた生徒を聞き出せるほどに千影はコミュニケーションが上手ではない。



むしろ、自分でもコミュ障だと思っているほどだ。




(はぁ……。こういうときにもっと自分が明るい性格だったらいいのになぁ……)




とは思うけど、こればかりは生まれついての性格なのだから仕方がないと諦めている。



だけど、せめて一言くらいお礼はいっておきたい――、



そんなことを考えているうちに、慌ただしく時は流れて昼休みになっていた。




(次の授業は体育かー。やだなー)




ただでさえ超インドアで寝不足気味。



しかも昼ご飯を食べ終わった直後に身体を動かすだなんてどうかしている。



このあとの授業のことを考えただけで気分が重たくなるけど、千影は買ってきた焼きそばパンを牛乳で流し込んでいく。



少しでも背を伸ばそうと、最近は牛乳をよく飲むことにしていた。



……今のところ効果は現れていないけど。




(さて、とそれじゃあブルマに着替えますかねぇ)




体育の授業は学校指定の体操服……紺色のブルマで行う。



ギャルゲーでブルマを愛でるぶんには嬉しいけど、自分で穿くのは恥ずかしいからあんまり好きではなかった。



千影は体操シャツとブルマが入った巾着袋をぶら下げて女子更衣室へと向かう。



子供っぽい体型をあんまりジロジロ見られたくなかったし、ショーツもネコさんの女児ショーツを穿いているから、できるだけ一人のときに着替えるようにしているのだ。







ぎゅるるるる~~~。




(おっ、おごぉぉぉぉ!?)




爽やかな春の日差しを受けたグラウンド。



体育の授業中、心の中で苦悶の悲鳴を上げてしまったのは千影だった。



恐らく牛乳を飲んでから走ってしまったのがマズかったのだろう。早くも千影の腹具合はクライマックスだった。




(も、漏れるぅ……!!)




しかもこういう日に限って、長距離走だったりする。



できるだけお腹に衝撃を与えないように走っているけど、それでもいつまで保つか……、それは千影にも分からなかった。



ただでさえいつもぶっちぎりで最下位なのに、今日はいつにも増してスローペースになってしまう。




(も、もうゴールしてもいいよね……?)




なんとか走りきったときには授業は終わっていて、クラスメートたちは帰りのショートホームルームを受けに教室へと帰ってしまったあとだった。



グラウンドでは早くも野球部がキャッチボールを始めているし、校舎からは軽音部の音楽が聞こえてきていた。



完全無欠な放課後である。




「はぁ、はぁ、はぁ……なんとか走りきったぜ……」



『はいはい、ご苦労さん。それじゃあ寄り道しないで帰るんだよ』




体育の教師もあとのスケジュールが押しているのか、千影がゴールした瞬間に校舎へと戻って行ってしまう。



あとに残されたのは、千影一人。




「寄り道するなって言われても……それ以前にっ、ううっ」




ぎゅるるるっ。



ごぽっ、ごぽぽ!




千影の小さなお腹から、不吉な音が鳴り響く。



昨日うんちを漏らしたばかりだというのに――、



二週間ものあいだ眠りについていた千影の大腸は活動期に入ってしまったようだ。




(牛乳か!? 牛乳がマズかったのか!?)




ゴポッ、ゴポポッ!




大腸が捻れそうな痛みに耐えながらも、ゆっくりと、少しずつ歩を重ねていく。



そんな千影が目指しているのは校舎ではなかった。



目指すは、




(旧校舎ッ! あそこなら一番近いし、それに人気もないはず!)




放課後になったばかりの女子トイレは、色々と騒がしすぎる。



そのなかで汚泥を放つのは、いくらなんでも恥ずかしすぎる。




一歩でも前へ――。




千影は、真っ白に焼けたグラウンドを、よろめきながらも進んでいく。



いや、待って欲しい。



このまま旧校舎のトイレに行ったとしても、土足ではトイレに入れないのでは!?



それなら一度昇降口まで行って、そこで上履きに穿き替えてトイレに向かわなければならない。




(あ、危ないところだったぜ……。まだだ、まだ慌てるような時間じゃない……)




慌てずに、焦らずに、まずは昇降口だ。



そこで上履きに穿き替えて、それから渡り廊下を通って旧校舎に行くだけでいい。



たったそれだけのことなのに――。




「おっ、ごぉぉぉぉぉ!?」




ぎゅるるるる!



ぐぽっ! ぐぽぽっ!




千影の小さなお腹から、不穏な不協和音が奏でられる。



だけど、この苦しみもあともう少しの辛抱だ。



千影はなんとか旧校舎へと辿り着いていた。



ここまでくれば、もう勝ちは確定だ。




「あ、あとはぁ……、女子トイレまで角を一つ曲がれば……は、はううううう!?」




きゅるるるるっ!



ゴボボッ! ごぼっ!




ヴリリッッ!




「おっ、おお!?」




お尻から這い出してきた、熱い感触にへっぴり腰になってしまう。



ブルマに覆われたお尻の真ん中が、うっすらと盛り上がった。



ついに千影は漏らし始めてしまったのだ。




「だ、だめぇっ。トイレ、すぐそこなのに……っ」




ブリッ!



にゅるるるる!




一歩歩くたびにショーツのなかか重たくなっていき、ブルマがモリモリと盛り上がっていく。



歩きながら漏らしているのか?



漏らしながら歩いているのか?



それは千影自身にも分からないことだった。




「あ、あともうちょっとぉぉぉ!」




それでもなんとか千尋は廊下を歩き続け、女子トイレへと続く扉へと手をかける。



……が。




にゅるるるるるる!




廊下とトイレを隔てる扉を開けた瞬間、気が抜けてしまったとでもいうのだろうか?



千影のお尻からほんの少しだけ力が抜け、大量のモノがショーツへと放たれてしまう。



もっさりとショーツが重たくなって、ブルマが歪に膨らんでいく。




「あっ! ひっ! ひい! お尻、あっつい、のぉ……!」




※ここにブルマもこもこな挿絵!





もっさりと重たくなったブルマに、千影は腰を後ろに引いてしまう。



そのまましゃがみこめば、和式トイレに跨がるかのような……、そんなポーズだ。



それでも千影は、ゆっくりと足を動かし続け……、




にゅるるるるる!
……メリメリメリ!




「あ、あともうちょっとぉぉ!」




個室へと続くドアを開く。



そこにあるのは、水洗の和式トイレ。



ここまでくれば、もう勝利は目前だが……、




「あっ、あうう!」




ちょこんとある和式の便座を前にして、本能的にスイッチが入ってしまう。




ブリブリブリ!



ブボッ! ブボボッ!




ブルマに覆われた小さなお尻が、モリモリと膨らみ――、



千影は、和式の便座に跨がっていた。



……ブルマを、脱ぐことさえもできずに。

■■■■■■■■■■■■■■■

放課後のトイレで大決壊してしまった千影。
千影の運命や如何に。

陰キャラでなにが悪い!7につづく!


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レモネードオアシス 2019/06/22 15:08

陰キャラでなにが悪い!5

大決壊!~陰キャラでなにが悪い!~の更新です。

ここのところバタバタしていて更新が遅れていました。
楽しみに待っていてくれている人がいるかは分かりませんが、なんとか気持ちを奮い立たせての更新です。

この小説を最初から読む!



「ぁっ、がっ、ごっ……っっ」




メキ、メキメキメキ……。




直腸を無理やり拡張されて、ついに固いものがショーツに当たってしまう感触。



それでも意図しない排泄は終わってはくれない。




(う、嘘……。うんち、漏らしちゃってる……!? 出てきちゃ、だ、だめぇ……)




メリメリメリッ。



ぷすす……。




どんなにお尻に力を入れても、カチカチうんちを止めることはできなかった。



座ったままの失便――。



お尻と椅子のあいだにうんちが溢れ出し、ショーツが少しずつ膨らんでいく。




(ま、前に……、広がってきて……ぁっ、ぁぁぁっ)




メキリ、メキメキメキッ。




千影の小さな身体がうんちによって押し上げられていく。



お尻に広がりきったうんちは、今度は会陰を伝って前のほうにまで押し寄せてきた。



ふっくらとした少女の一番敏感な器官が、忌むべき不浄で穢されていく。



それでも千影にはどうすることもできなかった。




ぷ~ん……。




教室に、饐えた茶色い香りが立ちこめていく。



漏らしている千影でさえも鼻が曲がりそうな臭い。



二週間ものあいだ、お腹のなかで腐敗していたのだ。そのへんの生ゴミよりも悪臭を放っている。




『なんだ? 一階の理科室で硫黄の実験でもしてるのか?』



『玉子が腐ったみたいな臭い……』



『温泉の匂いよりも強烈かも』




まさか千影がうんちを漏らしているとは知らず、教室のクラスメートたちは口々にいう。



固いうんちは、音もなく排泄されていく。



だけどいつまでもカチカチなわけではない。



身体の奥のほうにあるうんちは、まだ大腸に水分を吸われきっていないのだ。



そして、ついに――、




ブリ! ブリブリブリ!




「あっ、がっ、ひっ、ひい!」




千影のお尻から、穢らわしいくぐもった音が教室中に響き渡ってしまう。



この時になってようやくクラスメートたちは、この臭いの原因に勘づくことができたらしい。



一瞬にしてクラス中の視線が千影へと集中した。




「あうっ、ううう! こ、これは……その……っ」




ブリッ! ブリュリュ!



ブボボッ!




必死になって言い訳を考える。



だけどそのあいだにも千影のショーツはモリモリと盛り上がっていき、小さな身体を押し上げていく。



もう、ごまかしようがないほどの大決壊だった。




「お、おかしいな……、勝手に漏れ出して……うっ、ううう!」




ブボボッ!



ブリブリブリブリ! ブポポッ!




柔らかくなったうんちは、穢らわしい音を立てて排泄されてしまう。それも大量に。



スカートの上からでもお尻が盛り上がっているのが分かるほどだった。



千影の穿いているネコさん女児ショーツは、あっという間にパンパンに膨らんでいた。




「ううっ、あううっ、お尻、止まりゃないよぉ。ぱんつから、はみ出してきちゃ、いやぁ……っ」




ブリュリュ!



ブボボボボボボボ!




女児ショーツが前のほうまでパンパンに膨らみきっても、うんちモリモリと排泄されていく。



行き場がなくなったうんちは、やがてショーツの足口からはみ出してきてしまう。




「あっ、あああっ! だめぇ……っ。うんち、勝手に、出てきちゃ……うう!」




ブババッ!



ブボボボボボボッ!



ブリュリュ!




軟便はやがて下痢になって直腸から噴き出してくる。



カチカチだったはずのうんちは、信じられないほどにドロドロで、ほとんどお湯状だった。




「あううっ、お腹……痛い、よぉ……っ」




ブボボッ!



ブジュジュジュジュ!




――ゆうべのエクレアが原因。



だけどそのことが今ごろ分かったところで、千影の大決壊が終わってくれるわけではない。



お湯のような下痢が噴き出してきて、ショーの足口からはみ出してくる。



ぷつぷつと、スカートに覆われているお尻にも斑点状の汚泥が浮き上がってきていた。




「あっ、ついよぉ……。ううっ、あっ、あひっ」




ブビビッ!



ぶじゅじゅじゅじゅ!




穢らわしい音を立ててショーツから下痢が溢れ出してくると、千影の脚のあいだに下痢で土石流ができあがる。




「あっ、ひっ、ひい! おまたに、食い込んで……きて……りゅっううっ」




マグマのような下痢はおまたに食い込んでくると、容赦無く少女の宝石を蹂躙していく。



その背徳的な快楽に、千影の尿道は緩んでしまう。




しゅいいいいいいいい……。




「あっ! ひっ! ひっぐ! おしっこぉ……」




おしっこが勝手に漏れ出してきて、土石流のようなうんちと混じり合って床に落ちていく。




ベチョッ、ベチョベチョッ。




小さい身体の、どこにこんなに溜め込んでいたのか……。



千影自身もビックリするほどの量が漏れ出してきていた。



床に潰れたうんちは、無様にも飛び散っていく。




「ああぁ……す、すぅん……」




ブボボッ!




気泡が混じった炸裂音。



その音を最後にして、千影の大決壊は唐突に終わった。



生み出されたのは、醜悪な悪臭を放つ汚泥――。




『千影ちゃん、おトイレ、行こうか』




最初に声をかけてくれたのは、保健係の女子生徒だった。



お下げを三つ編みにした、見るからに内気そうな生徒だけど、こういうときはしっかりした性格らしい。



女子は千影の手を取って、立ち上がらせてくれるけど――、




ベチョッ、ベチャベチャ!




たった拍子に、スカートの内側にあったうんちがベチャベチャと落ちてきてしまう。



床に飛び散るけど、女子は眉一つ動かすことなく手を引いてくれた。



だけど、ただ立つとこでさえも今の千影にとっては難しいことだった。




「あっ、あああっ」


ぶりっ!



ぶりゅりゅりゅりゅ!




椅子に座っていたから、それだけでもお尻の穴を塞がれていたのだ。



立ってしまうと、それだけでうんちが漏れ出してきてしまう。




「ああっ、ダメ……っ、ぱんつから、は、はみだしてきちゃうっ」




その千影のいうとおり、




ベチャベチャ!




ショーツから溢れ出してきたうんちが床に落ちていってしまう。



千影の病的なまでに白い内股は、もうすでに下痢の滝に塗れている。



それでも保健係の女子は千影の手を繋いで、教室の外へと連れ出してくれた。



そして廊下に出ると、優しく問いかけてきてくれる。




『おトイレにする? 保健室にする?』



「……トイレが、いい」



『分かった。それじゃあトイレに行ってて。私は着替え持っていくから』



「……うん」




千影が頷き、顔を上げる前に女子は教室へと戻って行ってしまった。



どこのトイレに入るか伝え忘れてしまったけど――、



それはすぐにいらぬ心配だったと気づく。



なにしろ、千影のショーツからはうんちがはみ出していて、こうして立っているだけでもぽつぽつと茶色い斑点を落としていたのだ。



それはまるで、千影の足跡のように。







あの後――、



千影はトイレの個室で汚してしまったショーツや制服を軽く洗って、女子が持ってきてくれた体操服とブルマに着替えて早退することにした。



漏らしてしまったモノの掃除のことは……、あまり深くは考えたくはない。




(うう、最悪だよ……)




明日はどんな顔をして登校すればいいのだろうか。



そのことを考えるだけで気が重たくなる。




(風、冷たいし)




春の温かなそよ風は、しかしブルマで剥き出しな太ももにはあまりにも冷たく、心許なく感じられる。



ブルマで下校――、



それは学校でおもらしをしてしまいましたという、なによりもの証拠。



千影は気まずくなって、足早に帰路を急いだ。

■■■■■■■■■■■■■■


楽しんでもらえたでしょうか?
同人誌の感想などいつでもお待ちしています!

陰キャラでなにが悪い!6 につづく!


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レモネードオアシス 2019/06/05 14:52

百合催○スレイブ2

Ci-enの有料記事として『百合催○スレイブ2』を書きましたのでアップしておきました。

無料コミュニケーションアプリの『レイン』を通じて催○術をかけ、幼なじみの女の子に催○をかけておもらしをさせるという内容になっています。

楽しんでもらえたら嬉しいです!

百合催○スレイブ1

百合催○スレイブ2

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レモネードオアシス 2019/06/05 14:21

百合催○スレイブ2

百合催○スレイブの2をお送りします。

百合催○スレイブ
催○術をかけた状態でおもらしをさせて、更にはその場で意識を取り戻すようにした小説~!
と、いうことでリクエストにお答えできるかどうかは分かりませんががんばって書いていきたいと思います!

冒頭部は無料ですが、途中からドクターペッパーコース以上になっていますので、ご注意下さい。


この小説を最初から読む!


百合催○スレイブ~登場人物~

☆鷹鳥伶(たかとり れい)
高校2年の女子高生。
身長170センチ。
母方の祖母が英国系のクォーター。
金髪碧眼。

父が貿易商を営んでいるお嬢様で、学園では生徒会をたった一人で運営する。
純と二人きりのときはベタベタ。


☆瀬尾峰純(せおみね じゅん)
高校2年の女子高生。
身長140センチ。
黒髪を無造作に左右に縛ってる。

男っぽい名前だけどJK。
伶とは小さいころからの腐れ縁。
子供のころは伶のことをいじめっ子から守ってきたけど、背丈を30センチも追い抜かれてしまって、そろそろ伶には親離れならぬ『純離れ』をして欲しいと思っている。


■■■■■■■■■■■■■


それではお楽しみ下さい~。



2章目:最初の命令。





『催○アプリのご使用にあたっての諸注意』

 このたびは催○アプリをDLして頂き、誠にありがとうございます。

1.このアプリは無料コミュニケーションアプリレインと連動しています。
2.レインで相手に命令したいことをメッセージで送信します。
3.催○アプリによって自動的にメッセージが動画化され、その動画を見た相手は元のメッセージに書かれていたことを無意識のうちに実行しようとします。
4.一度再生された動画は自動的に削除されるので、相手にバレる心配がない安心設計!

「はぁ……。なんでこんな胡散臭いアプリ、DLしてるんだろ」

 翌朝。
 いつもの公園で伶を待っているあいだ、純は深いため息をついて
 伶と距離を取りたいからと思って、ゆうべDLしたアプリの使い方を読みながら、改めて胡散臭いものだとげんなりしてしまう。

 ようは命令したいことをレインで送信したら、アプリが自動的に動画に変換し、その動画を見た相手が催○術にかかる……らしい。
 そんな都合がいいことあるんだろうか。

「まぁ、ダメ元で、きかなかったらそれでいい、か……」

 そもそも。
 今回の目的は、あまりにもベタベタしてくる伶に、ちょっとでも距離を取ってもらおう……、それが目的なのだ。
 それにしても……、

「伶とは腐れ縁だよなぁ……」

 と、純自信もため息をつかざるを得ないほどの付き合いになっていた。
 出会いは小学校に入学する前のことだった。

 十年以上も前のあの日――、
 当時は家で遊ぶよりも外で跳んだり跳ねたりすることが好きだった純は、探検ごっこと称して近所を歩き回っていたのだった。
 生け垣に猫が通るような穴を見つければくぐってみたり、草むらがあったら踏み込んでみたり。

 伶と出会ったときは、そんな探検ごっこをしているときのことだった。
 あの日の純は、白猫を追いかけているうちに伶の家の敷地……と、言うよりもお屋敷だが……に迷い込んでしまった。
 それでもすぐに引き返さなかったのは、夏の日差しに青々と茂る芝生に、白亜を思わせる西洋建築は、それだけで幼い日の純の心を強烈に惹きつけたからだった。
 そこでどこからか聞こえてくるバイオリンの音色を追いかけているうちに伶と出会ったのだった。

「おはよ。純ったら、いつも早いんだから」

 昔のことを思いだしていると、いつの間にか時間が経っていたらしい。
 ぼんやりとしていた視界のピントをあわせると、水色のスカートを軽やかに離させながら伶が駆けてきているところだった。
 青空に、ブロンドが朝露をまとっているかのように輝いている。

「なんで待ってるのか、自分でも分からんぞ……」
「純のそういうところ、とてもいいと思うけど」
「そりゃどうも……」

 自分の人の良さに辟易としながらも、純は歩き出す。
 伶も並んで歩き始める。
 これがいつもの二人の登校風景だ。
 伶と距離を取りたいと思っていながらも、実は毎日伶のことを待っている。
 実はこの腐れ縁を心地いいと思っているのは、純自信なのかもしれなかった。

(いやいや、なにを考えてるんだよ、あたし……。伶は、ずっと昔に出会ってなかったら、雲の上のようなハイスペックな美少女だぞ……!? あたしと一緒にいていいわけが……っ)

 将来伶は、きっといい大学に進学して、そして海外に留学したり……、それで自分の進むべき道を選び、邁進していくのだろう。
 そこに純がいたら、絶対に邪魔になってしまうに違いない。

(まずは催○アプリが効くのかを実験しておかないと、な)

 純は人知れず決意すると、ブレザーのポケットに入れてあるスマホを握るのだった。

        ☆

(さーて、問題はいつ催○術を試してみるかだが……)

 催○アプリを試すためにはレインでメッセージを送ればいいだけというお手軽仕様だけど、その手軽さゆえにいつ試すのかなかなかタイミングがつかめずにいた。
 偽物だったら催○アプリなんてやっぱり無かったんだなと割り切ることができるけど、万が一本物だった場合が厄介だ。
 もしも催○にかかっている伶が、予測不能な行動を取ってしまった場合にフォローしきれる自信が無い。
 適当な催○術……例えばペンを落としてみろ……とかで試してみるのも考えたけど、せっかくの催○術を微妙な命令で無駄にしたくもない。

(いつ催○術を試してみる?)

 同じ教室の一つ前の席に座っている伶の華奢な背中を見つめつつチャンスをうかがっていると時間はあっという間に過ぎていき――、
 気がつけば放課後になっていた。

        ☆

(タイミングを見定めるうちに放課後になってしまうとは……)

 純は我ながら慎重すぎる性格に、辟易してしまう。
 子供のころは探検ごっこをしたり活発な少女だったけど、成長するに従って慎重な性格になっていき、いまではすっかり(外見上は)内向的な性格になっている。
 内心ではいろいろ考えているけど、それを口に出すエネルギーと器用さを持ち合わせていない……、というのが純の不器用な性格そのものだった。

(伶は綺麗でいいよなぁ……)

 円卓の上座に座りながら、圧倒的なスピードで事務処理をしていく伶を眺めながら、純は短いため息をついてしまう。
 見目麗しく、更には文武両道を地で行く『シンフォニック・ローズ』
 だがそんな伶も昔は金髪碧眼という外見ゆえに周囲に溶け込むことができず、男子からちょっかいを出されてよく泣いていたものだ。
 いつも泣いていた伶を守ってきたのが純だった。

 そんなお人形さんのように可愛かった伶も、早めの思春期を迎えるとモデル的な洗練された美しさへと変貌していき――、
 虐めていた男子たちも手のひらを返して告白を仕掛けるもあえなく撃沈。
 噂では既に好きな人がいるのだとかいう噂が立っているも、純には知りようのないことだった。
 少なくとも、悪い虫は寄っていないようだが。

(あー、なんて催○術かけようかなー)

 円卓に座って紅茶を啜りながら(伶の足元に及ばないスピードで)事務処理を片付けているうちに、窓の景色は薄暗くなってきて……、

「……んっ」

 ぶるるっ、
 切なげに伶が身体を震わせたのはそんなときのことだった。
 ああ、もうそんな時間か……。
 純は時計を見ながらそんなことを考える。
 伶はいつも夕方の5時になるとトイレに立つのだ。
 もうそろそろその時間というわけだ。
 紅茶を飲んでいるから、それだけ膀胱にはおしっこが溜まっているだろうし、純もよくトイレに立つからその気持ちはよく分かるが……。

(はっ。これはもしかしたらチャンスでは……!?)

 純の脳裏に、閃光のようなアイディリアが煌めく。
 催○術の手始めとして、伶に恥ずかしい目に遭わせる……というのはどうだろうか?
 具体的にいえばこの生理現象……尿意を催したという欲求を、トイレ以外の場所で……ここで発散させてやるのだ。
 もちろん、誰にも見られることはないから伶が漏らしてしまったという事実を知る者は純の他には誰もいない……ということになる。

(それにこの催○アプリが本物かどうか分からないし、効果のほども分からないし、な……。まずは軽いところから試してみることにするか)

 そうと決まれば善は急げだ。
 純はスマホを取り出すと、レインのアイコンをタップする。
 そして伶に気づかれないようにメッセージを入力していく。

《この場でおしっこをしても全然恥ずかしくない。全部、なんの躊躇いもなくおしっこを出し切ってしまう》

 本当にこんなもので催○術がかけられるのだろうか?
 もしもこのアプリが偽物で、メッセージが直接送信されてしまったら、それこそ大変なことになってしまう。
 ――もしも偽物だったら、どうやって誤魔化そうか?
 一瞬だけ躊躇ってしまうけど、それは『送信』ボタンを押してしまってからのことだった。後の祭りとは正にこのことだ。

(……ちゃんと効果あるんだろうな?)

 送信してから数秒後、伶のスマホに短い着信音が鳴る。
 仕事に集中していた伶は、書類に視線を落としながらもブレザーのポケットからスマホを取り出すとチェックすると――、

 ――その碧眼が、スマホの画面を受けて七色に反射した。

(か、かかったのか……!?)

 伶を横目で見つつ、純はグッとスマホを握る。その手は無意識のうちに熱い汗をかいていた。

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レモネードオアシス 2019/06/03 11:48

6月のキンドルアンリミテッド


新しい月に入り、キンドルアンリミテッドのラインナップが変わったので更新しておきます。



キンドルアンリミテッド会員なら無料で読むことができるらしいのでこの機会に読んでもらえたら嬉しいです。





6月は4作品、





生徒会長姉妹を毒電波で堕としてみた





僕と契約して幼なじみ生徒会長に催○をかけよう!




残念お嬢様には俺しかいない




監禁調教だけど愛があるから大丈夫!




以上の4作品が無料となっています。



もちろん他の作品も配信中ですので、読んでもらえたら嬉しいです。





新作も続編も上手くいかない日々が続いていますが、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m



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