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捕虜のほう 2024/04/30 19:18

『未だ蕾の勇者様』 振り返り その2 絵の制作とAIとか

どうも、捕虜です。

前回はきっかけについて書いたので、今回は作ってる時に大変だった話なんかを書こうかと思います。

前回のあらすじ。
「エロゲ業界が滅んだけどエロ同人ゲー市場の盛り上がりを感じたから参入した。」

『捕虜と宇宙人』の体制と絵の制作について

捕虜と宇宙人は名前の通り、さじとまらいのす二人だけでやってます。
ゲームのエンドロールに書いてある通り、まらいのすは絵描き、その他全部がさじ、という体制です。

きちぃぜ?(´・ω・`)

ちなみにサークルの方でもチラチラ言ってますが、まらいのすは商業未経験で、元々イラストレーターとかじゃありません。
ただの趣味絵描きでした。
例えば最初の頃のエレノアはこんなん。


たしかこれでも制作2~3ヶ月目くらいの絵なので、今回の絵を描き始める前は完全に素人でした。

でも、他に絵をかける人がいないし、AIで作るとかもっての外なので、まらいのすに描いてもらうしかありません。
しかし流石に今のままでは、AI絵のおかげで無駄にハードルの上がってしまった昨今のエロ同人ゲーの中では見向きもされません。
じゃあどうしよう……?

当然、まらいのすに鞭打つしかありませんよね。(´ω`)

ということで、趣味絵師でしかなかったまらいのすに地獄の特訓を施しました。
出てきた絵に対して


捕虜が赤入れ。

※これは口頭説明ありき。
たしか身体のパーツ毎に向いてる方向がバラバラだから、立体的にイメージして箱(パーツ)同士を繋げて描けとかナントカ。

業界で培った知識と経験を半年くらい掛けてまらいのすに叩きつけてやりましたよ。
えぇ。
結果、まらいのす10回くらい泣きました。

……ドンマイ。(´・ω・`)b

そんな努力のかいもあって、まらいのすの画力も随分と上がってきました。
ですが、まだまだ手放し運転はできなくて、制作速度がまらいのすに掛かってる感じなのが捕虜と宇宙人です。

どうにも立体とか3次元を頭の中で構築するのが苦手な様なのだけど、捕虜は絵師畑の人間じゃないので書き方を教えるとか、自分で修正するってのができないんですよね。
動画とかも見ろって進めてるんですけど、いまいち効果があったのやら。
https://www.youtube.com/watch?v=R1WAunSg4mg
↑個人的には肉感の有る絵はこういう描き方を習得すべしと。

だもんで一つ一つ違和感を突き詰めながら、捕虜なりにおおまか修正して描き直してもらう方式で進んでます。

あぁ~、どっかに無料かつ一瞬でいい感じの絵を描いてくれるスペシャルなツールないかなぁ~???

って事で、外せないのはAIの話なんですが、捕虜と宇宙人では今後も背景とモブ以外でAIを使う予定はありません。
なんでかと言うと、業界で長くやってましたから、もう10年以上前からAIに限らず『デザイン素材を自動生成する技術』の話は知っているし、検証もしているんです。
その上で出た結論が、『少なくともこの先30年くらいは商業ベースで絵の全自動化は無理だろうなぁ』なんです。
昨今では法整備の動きも出てきてAI”絵師”を名乗る人達が淘汰されつつありますが、捕虜的には法律以前に”質”が商業水準に到達する事が難しいと思っています。

もう少し正確に言うと、『最新のAIでも一定以上の質の絵を、”目的を持った状態で統一的に”出力する事は難しい』ので、結局のところ人間に欲しい絵を伝えて描いてもらうほうがコスパが良いんですよ。
だから現段階のAIは何処までいっても、”作業工程を数段肩代わりしてくれるツール”にしかなれません。
この辺は技術的には中国の某ソシャゲ会社がうまいこと使ってますけど、それにしたって法律ができちゃったら壁は超えられないだろうなぁって思ってます。

結局は1次生産者たる絵師が保護されないと、AI自体も学習元が無くなって頭打ちになりますし、AIだけで回し続けると過学習問題から逃げられないので、AI絵師は未来的に成り立たないんですよね。

捕虜は結構大きめのゲーム会社でブロックチェーンもAI技術も評価する立場にありましたけど、どちらも本質的にはゲームに活用できるような代物じゃなくて、余人が想像するような輝かしい未来技術じゃない事は痛感しています。
なので創作活動の主軸にAIを据える様な事は、捕虜が現役のウチは無いはずです。

さてさて、また長くなってしまったので、今回もこの辺にしておきます。

今後もダラダラと綴っていきますので、応援よろしくお願いします!

処女作:未だ蕾の勇者様

捕虜のほう 2024/04/24 18:17

『未だ蕾の勇者様』 振り返り その1 ゲーム業界のアレコレとか

どうも、捕虜です。

以前からたま~に、サークルの方で発信したりもしていましたが、あんまりやりすぎると喋ってるのが まらいのす なのか捕虜なのかわからなくなっちゃうな~と思い、自分のアカウント作りました。
とはいえ、サークルの方で発信すべき情報は今後も向こうで発信しますが、こっちではサークル側で書くような事でも無いこととか、裏話的な事を発信していこうかと思っています。

とりあえず直近では、「未蕾勇者」の制作秘話とか、リリース時から以後のテンヤワンヤを書いていこうと思います。
なお、今回のお話に関しては捕虜の経験を元に脚色を含めて纏めた創作話という事で、エンタメとしてお楽しみ頂ければと思います。

「未蕾勇者」制作のきっかけ

ちょっと自分語りになってしまいますが、僕も一応ゲーム業界の端くれ人でして、大枠ゲーム業界に括られる界隈の動向はエロも含めて眺めて来た経緯があり、というかそれ以前に自分がゲーマーで、かつエロゲーマーでした。
まぁ僕のプロフィールなんて深掘りしても面白くないので、なんとなく界隈を知ってる環境に居ましたって事です。

で、もう15年以上も前からず~っとエロゲ業界が厳しい事は知っていましたが、10年くらい前にエロゲ業界がほぼ壊滅状態になりました。
今も細々と続けてらっしゃるブランドさんもありますし、絶滅という訳ではないのですが、オンラインストアの台頭で円盤メディアが売れなくなり、特典商売でナントカ食いつないでいた中堅どころのブランドさんまでもが一つ、また一つと潰れていきました。
これは世界情勢に起因した輸入とか製造とかの業界のコスト増にも煽りを受けた形で、特典付けても利益が出なくなってきてたとか、色々要因はありましたが、まぁ別の話なのでサラッと済ませておきます。

そんな風にしてエロゲ業界もここまでかと思われた時、7年くらいまえかな?
救世主か、はたまた悪魔のささやきか分かりませんが、途方もない資本力でエロゲブランドを買い上げていく会社が現れました。
食い詰め寸前だったエロゲ業界の殆どのブランドは、両手を上げて身売りをしました。
同様に、身売りしないまでも、今までの業態から大きく転換し、その会社と協業やらなんやらで別ベクトルのエロゲを作るブランドさんも増えて行きました。
そう、エロゲ業界もソシャゲ化の波に逆らえませんでした。
そして何を隠そう捕虜は、この波のソシャゲ業界方面の人間として仕事をしていたりもしました。

まぁエロゲ業界が苦しかったのは間違い無いですから他に手があったとも思いませんが、結果として古い形のエロゲ業界は一度、衰退しきる事になりました。
古き良きゲームを愛するエロゲーマーには氷河期とも呼べる時代の到来でした。
そして現代、今度はソシャゲ業界事態が限界を迎えつつあります。

一方、話を少し戻して6年前くらいから、というかそもそも堅調に伸び続けていて、それくらいの時期から伸びが加速し始めた業界がありました。
そう、エロ同人業界です。
コレについては僕の考え云々を聞くよりも、DLsiteの運営会社であるエイシスさんの決算を眺めた方がわかりやすいです。
同人といえば未だに2次創作が主流と思われがちですが、ことエロ同人ゲー界隈においてはオリジナルがその大半を締めたまま、よい成長曲線を描いていたんです。
これには前述したエロゲ業界の衰退が大いに関係するところではあるのですが、これまた複雑な事情があるので今回は置いておきます。

そういった市場の伸びを感じ取った捕虜は、辟易していたソシャゲ業界から足を洗い、自分が好きだった頃のゲームを作りたい思いで『未だ蕾の勇者様』の制作を開始しました。
ぁ、勿論脱サラしてエロゲだけで食っていこうとしている訳ではなくて、今もゲーム業界の端くれ人として働いてもおります。
勿論こちらで一本立ちしたい思いはあるのですが……ただ、やはり作ったモノが売れないと活動を続けることは難しい。
業界で商売をしていた人間として、実際に作り始めてからもこの現実を痛感しています。
なので、今後もよりよいゲームを全力で作れる様に、作ったものが売れる様に、その上で拝金主義のクソゲーにならないように頑張って行きたいと思います。

さて、長くなってきたので初回はこの辺で。
今後もちょっとした業界裏話を交えつつ、ぼやいていこうと思います。

ぁ、もちろん捕虜と宇宙人のゲームの宣伝もします!
応援よろしくお願いしますね!

処女作:未だ蕾の勇者様

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