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小説の記事 (1)

sweet.X.T.C 2021/04/01 16:54

【王子だけど魔術手に入れたからモブ全員メスにしてやった件】(小説)

 <こちらの小説はエイプリルフールに合わせて書き起こしたものです>

 ある日の夜半過ぎ。女の家から帰宅途中のことであった。

「カルロ様……、カルロ様……」

 黒いフードを目深く被った老人が城内の廊下で話かけてきた。
 しわがれた声からして、かなりの高齢と思われる老人は、杖をつきながらゆっくりとカルロに歩み寄る。カルロは自分からは近付きはぜず、老人がこちらへ来るのを面倒臭そうに腕を組みながら待っていた。
 老人の服装をよく見ると、着古した黒いフードは色褪せており国章も見当たらない。どうやら宮廷魔術師へ支給されている品ではないようだ。明らかに城勤めの人間ではない。
 
 何か怪しい……。もしや、刺客か、と訝しんだが、貧相な年寄り一人に何が出来ようか。
 老いぼれ一人に騒ぎ立てるのも如何なものかと思うも、警戒心は持っておくことにした。亀の歩みであった老人が漸く傍まで寄ってくる。

「ああ……、カルロ様。母君譲りの金糸の髪に青い瞳。肌理の細かい白磁の肌、ほんのりと色付く桜色の唇、ああ、全てが美しい! 直にお姿を拝見させていただける日が来るなんて、まるで夢のようで……」
「用は何だ」

 容姿を称える言葉は聞き飽きている。冷めた視線を向け話を遮った。すると老人はまだ話足りなかったのだろう、皺だらけの口許をあからさまに下げてみせた。

「そうでした……。カルロ様、カルロ様……、近々、貴方様の御身に危険な事が起こります……」
「危険な事だと……?具体的には」
「ははぁ……、近々、貴方様は城内の獣達にいいようにされてしまうのです……」
「……は?おい、年寄り。抽象的な表現はやめろ。はっきりと言え」
「ははぁ……、下僕達に強○されてしまいます」
「女にか?」
「いいえ、男です……」
 
 そんな馬鹿みたいな話があるか。僕は男で、しかもこの国の王子だぞ。仮に僕に邪まなことをしようものならそいつは即、打ち首にしてやる。

「それが無理なのでございます……」
「何……?」

 老人が心を読んだことにも気づかずにカルロは会話を続けていた。

「貴方様は魔術師達に魔術をかけられ淫乱化してしまうのでございます。魔術をかけられたカルロ様は抵抗もせず、自ら男共のチ●ポ……、いいえ失礼いたしました。性器を受け入れてしまうのです」
「は……っ。益々胡散臭い話だ。おい、年寄り。何が目的か知らないが、そんな作り話、僕が信じるとでも思っているのか」
 
 すると老人はわざとらしく微笑んで、ケケケ……、と不気味な声で笑った。途端にカルロの身体に寒気が走る。
 それは老人の口から見えた黄ばんだ歯のせいではない。老人が笑った瞬間に空気が澱み、城内に一匹もいない筈のカラスの鳴き声が薄気味悪く響いたからだ。
 今まで高圧的な態度をとっていたカルロであったが、謎の悪寒のせいでみすぼらし老人が急に怖ろしくなった。

「貴様……、何者だ」

 女を抱いた余韻で僅かな火照りが残っていた身体は一気に冷えていく。
 焦りと不安で性行為以外では滅多にかかない汗がこめかみを伝った。

「名乗るほどの者ではありません。ただ、この老ぼれはカルロ様の御身を案じているのでございます……。さあ、これを……」

 骨と皮だけの手の平に小瓶が乗っていた。ガラス製の透明な瓶の中にはカルロの好む色である青い色の液体が入っていた。

「これを飲めば、貴方様で性欲を発散しようとする、いかがわしい輩達の正体がわかります。カルロ様に卑しい気持ちを持つ者の尻が、ホタルのように光るのです」
「なんと嘘くさい。そのような話を信じろと言うのか」
「言葉よりも実際に飲んでいただければおわかりいただけると思います……」

 素性の知れぬ年寄りの言うことなど到底信じることは出来ない。
 しかし、この老人の言うことがもし本当ならば、女たらしであるカルロの沽券にもかかわる大問題だ。それにこの国が強国としてあり続ける理由は軍事力もさることながら、他国よりも魔術が発展しているからでもある。魔術の使い手達にかかれば、訓練もせず遊び呆けているカルロなど、いとも簡単に毒牙にかけることが出来るだろう。

「……、おい。本当に貴様を信じていいのか」
 
 老人はゆっくりと頷いた。カルロは意を決し、皺くちゃの手から小瓶を受け取りきつい蓋を開けると、少しの逡巡の後に怪しい青い液体を一気に飲み込んだ。

「う……っ、何だこの味は……っ」

 子供の頃、風邪を引いた時に無理矢理飲まされたシロップタイプの薬の味がする。甘いようで独自のくせのある味が舌や喉に張り付く。不快な味を流し込もうと唾液を必死に飲むが、それでも薬に似た味は消えず眉間を寄せるが、それと同時に身体の底から熱い感覚が湧き上がってきた。

「カルロ様、早速、薬が効いてきたようですね。それでは図書室へ行ってみてください」
「図書室……?そこに僕を陥れようとしている奴がいるのか」
「左様でございます。そやつは夜中に調べ物をしているふりをして、王室アルバムに載っている幼少期のカルロ様を見て一人で楽しんでおります」
「な……、気持ちの悪いことを」
「仰る通りでございます。まずはそやつから懲らしめてみてはいかがでしょうか」
「そうだな…、本当に貴様の言う通りなのか確認してみよう。しかし、嘘だった場合は容赦しないからな」
「かしこまりました。煮るなり焼くなりしてくださいませ」
「ふん……」
 
 青い液体を飲んだことで、自分の舌が、かき氷のブルーハワイを食べた時のように真っ青になっているのにも気づかないまま、カルロは図書室に向かっていった。その後ろ姿を腰の曲がった老人はほくそ笑みながら見つめていた――





 ――夜も深いというのに、図書室では勤勉な魔術師達が勉学に励んでいた。一人で調べ物をしている者もいれば、会議テーブルで議論を交わしている者達もいる。カルロが遊び耽り女の隣で寝ている間でも、この国の魔術師達は日々、己の腕を磨くため、または新しい魔術を作るために切磋琢磨している。その光景を目にしてもカルロは一切の感心も持たなかった。今の目的はただ一つ、カルロに淫乱化の魔術を掛けようとしている輩を探しだすことなのだから。

「……? ……? ……カ、カルロ様っ!?」

 一人で魔術書を読んでいた者が予想にない第四王子の出現にひどく驚き思わず大声を上げた。周りにいた魔術師達も本から顔を上げカルロの顔を見ると皆一様に動揺し始める。

「な、なんでここにカルロ様が……」

 騒がしくなると探している人物が逃亡してしまう可能性もある。口許に人差し指を当て静かにするようにと合図をすると魔術師達は小さく頷き従った。
 王族のアルバムは人通りの多い入り口付近の書架にあるが、ここにいる殆どの魔術師達は自分の勉強に夢中で呑気にアルバムなど見ている者はいなかった。しかし、棚の四段目、主にカルロの写真を収めている段に丁度、アルバム一冊分の空きがあった。

「……まさか」

 謎の老人が言った通りなのだろうか……。カルロは緊張の面持ちで棚の空洞を見つめ、魔術師達も滅多に訪れなることがないカルロの動向を固唾を飲んで見守った。

「どこにいる……っ」

 静かに呟き広い図書室を探し回る。勉学に励んでいた者も議論を交わしていた者達までも第四王子の行動が気になり、ぞろぞろと揃って後ろをついて歩いた。一階の隅々まで見回ったが尻がホタルのように光っている者など見当たらない。いつの間にかついてきていた魔術師達を伴って二階に向かうと、室内の隅っこの方で丸くなりながら分厚い本を読み耽っている者を見つけた。

「な……っ!? あいつは……!」
 
 尻が光っている……!
 
 フードを着込んでいるが、その男の尻は布越しでもはっきりとわかる程、青く光っていた。

「はあ……、カルロ様、カルロ様……。あと少しで貴方様を……、ぐふふ」

 間近にいる本物のカルロの存在にも気づかないまま、男は幼少時のカルロの写真を愛おしげに見つめ気味の悪い笑みを浮かべていた。その姿を見て背筋に寒気が走ったが、なぜか下半身はどくどくと血液が集い始めていた。

「おい、貴様……」

 冷めた声色で話かけると、自分の世界に入り込んでいた男は漸く顔を上げた。

「何だお……、うるさいなぁ……、って、カルロ様っ!?」

 驚いた拍子に男はアルバムを落とした。
 開いた状態で落ちたページには、幼少のカルロが水着姿で水遊びをしている写真が収められていた。それを見たカルロは沸々と怒りが湧いてくる。握った拳に力が入った。

「貴様か、僕にいかがわしい魔術を仕掛けようとしていたのは……!」
「ヒイ! お許しを……!」
 
 男は咄嗟に逃げを打った。見物していた魔術師達を掻き分け走り去ろうとする。

「待て……っ! 逃がさないぞ…!」
 
 怒りに任せ力強く握った拳を逃げる男の方へ向け開く。すると男の行く手を阻むように氷の壁が突如として現れた。男は聳え立つ氷の壁に勢いよくぶつかると、派手な音を立て床に倒れた。

「な……、何だこれは……っ」

 自分が放ったであろう魔術にカルロ自身が一番驚いた。カルロも一応は魔術を使えるが、お世辞にも褒められた術ではなかった。しかし、今、放った魔術は訓練を重ねた者ではないと出せない代物だ。自分の手のひらを見つめ呆気に取られていると、様子を見ていた魔術師達もカルロの魔術に驚きどよめいていた。

「……っ、痛い……っ」

 氷の壁にぶつかった男は激痛が走る身体をゆっくりと起き上がらせ再び逃走を計ろうとしていた。

「逃がさないぞ……!」

 すかさず男に乗り掛かり動きを封じる。男はカルロの下で尻を光らせたまま、じたばたと暴れる。

「は、離してください……! ど、どうか、どうか、お許しを……!」
「うるさい! 貴様はこの僕に魔術をかけ、ふしだらな行為をしようとしていたんだろ!」
「ヒイ……! そのようなことは決して……っ」

 男が下でもがき暴れるほど、カルロの下半身も熱くなる。男に抵抗され続ける度にスラックス越しでもわかるほど、カルロの性器はなぜか隆起していった。

「貴様に犯され慰み者にされるくらいなら、僕が貴様を犯してメスにしてやる! 覚悟しろ……!」
「あ~れ~っ!」

 衣服を剥ぎ取り男の尻穴を晒す。小さい蕾はヒクヒクしており、まるで挿入されるのを待ち望んでいるかのようだった。カルロは勃ち上がった性器を男の入り口に当てがうと、間髪入れず尻穴の奥にまで挿入した。女性の性器よりもキツい肉壁を無理矢理突きまくる。男は初めこそ痛がっていたが、元よりヤリチンであるカルロの腰つきにすぐに魅了され、魔術師達が見守る中、歓喜の声を上げまくっていた。

「あぁ……! カルロ様! どうか中に出してください……!」
「この僕におねだりするなんて口が過ぎるぞ……! 処女のくせになんて淫乱な奴だ! どうしようもないクズマ●コめ……っ! このこの!」
「あぁ……! すみません、すみません……! でも、もうイってしまいます、ああぁ……!」
 
 ビクビクと身体を痙攣させながら男は初めて尻穴で達した。
 普段から自慰ばかりしているのだろうか、男の精液の色は薄かった。男が爆ぜたのを追いかけるようにカルロも体内で絶頂を迎えた。カルロの精液は今晩、女性を抱いていたにもかかわらず、しっかりと濃い白濁であった。

「ふあぁ……、カルロ様」

 快感の余韻に浸る男から性器を抜くと、魔術師達から一斉に拍手が起こりカルロは首を傾げた。中には二人の様子を見ながら自慰をしていた者もいた。ズボンのファスナーを上げようとした時に、一人の魔術師からハンカチを差し出された。どうやら、これで陰茎を拭いてくれとのことらしい。ハンカチを受け取り、濡れた性器を拭くと魔術師に返した。

「カルロ様、いつの間に魔術の腕を磨かれたのですか」

 魔術師は性器を拭いたハンカチを大事そうにポケットに仕舞いながら尋ねてきた。
 多分、あの奇妙な青い液体のせいだろう。液体のことを話せば、ここにいる魔術師達はカルロの身体を調べ、廊下で出会った老人のことも探し出すだろう。確かにあの謎の老人の正体は気になるところだ。しかし、老人の纏う妙な空気を思い出すと、簡単には言ってはいけないような気がした。
 カルロはハンカチを貸してくれた魔術師のことを無視し、次のターゲットを探すことにした。

「おい、ここ以外にも魔術師がいる場所を教えろ」

 魔術師達は、一斉に手を挙げた。
 ある者はカルロの魔術見たさに、ある者はセッ●ス見たさにと各々の欲望を満たす為に仲間のいる場所を伝え続けた。魔術実験室、宿舎、厨房、etc……。カルロは上げられた箇所、全てに赴き尻の光っている魔術師を見つけ次々と犯していった。その度に魔術師達もついてくる。メモを取ったり、性行為を模写したり、自分達の研究や勉強も忘れひたすらカルロについて回った。

「次はここだな……」

 各場所で尻が光っていた男達を10人程犯した後、最後に中庭に赴いた。
 庭師の手により綺麗に手入れされているこの場所は、城内で働く者達の憩いの場だ。
 季節の花達は月の光を浴びながらが朝日が昇るのを静かに待ち、小鳥達は身を寄せ合い鳥小屋で気持ち良さそうに眠っている。しかし、カルロは静寂が包む中庭を、尽きることのない性欲と怒りのまま、勝手についてくる魔術師達を伴い力強く歩いた。

「……どこだ、どこにいる……っ」

 石畳を道なりに歩きベンチや噴水広場を見回っても姿はない。標的をすぐに見つけることが出来ない苛立ちに、整った相貌が眉間を寄せる。

「クソ……、おい貴様! 確かに中庭にいるんだろうな!」
 
 中庭を提案してきた細面の魔術師に当たり散らす。細面の魔術師はカルロの迫力に圧されセッ●スを模写していたスケッチブックを落としてしまった。

「……全く、僕の性行為を描くだなんて、貴様、それをどうするつもりだ。まさか自費出版して売るつもりではないだろうな?」
「そ、そんな滅相もございません……! 同人誌にして売ろうだなんて、そんなバチ当たりなことは微塵も思っておりません……っ」
「貴様……! さては図星か……! ……ん?」
 
 怒りに任せ大声を張り上げたが、木陰から聞こえる物音を聞き逃さなかった。

「そこか……!」

 狙いを定め巨木に向け氷の矢を放った。矢は見事、太い幹に突き刺さり同時に野太い男の声と複数の猫の叫び声が上がった。猫達は一斉に逃げ出す。中にはちゃっかり魚を咥えたまま逃げていった猫もいた。

「おい、出てこい。そこにいるのはわかっているんだぞ」

 すると木陰に隠れていた男は観念しカルロの前に姿を現した。
 上背の高い男だった。背は高いが素朴な顔立ちに少し猫背気味な姿勢もあって大人しそうな印象を受けた。片手には猫缶を持ち気まずそうにカルロを見ている。しかし、尻はしっかりと光っていた。

「貴様、城に入り込んだ野良猫に餌付けしているのか」
「申し訳ございません……。野良猫を見ると、実家の牛舎に住み着いた猫達を思い出して放ってはおけないんです……」
「……、……で?」
「え……? え、えっと……、俺の田舎は王都から馬車で二日程かかる酪農地域でして、実家も牛飼いをしていて、牛乳を搾って生計を立てているんです。俺は一人っ子で跡取りなんですが、どうしても魔術師になる夢を諦めきれず、両親を説得して魔術学校に入り、夢だった宮廷魔術師になったんです。ですが、今だに王都の空気に慣れなくて、みんなが夜中まで勉強をしている時間にこっそりここへ来て、猫達に癒しをもらっているんで……」
「貴様の長い自己紹介など知らん! 尻が光ってる奴は問答無用で犯してメスにしてやる! ぬおおおお!」
「ひぃ…!? お助けをーーっ!」
 
 男の上着を剥ぎ取り、スラックスと下着を一緒に脱がす。すると高い身長に見合った、いや、想像よりもずっと立派な陰茎が瞳に飛び込んできた。

「な……! なんだこのチ●ポは……!」

 鎮まったままでも質量の感じられるずっしりとした性器だった。色は濃く大人しそうな雰囲気の男の物とは思えない程、凶暴な出立ちをしている。これが勃起したら、先端が臍にまで届いてしまうのでは、いやそれ以上かもしれない。

「こ、こんな恐ろしいチ●ポがこの世に存在するか……っ」
「あ、あまり見ないでください。恥ずかしい……。大きいばかりで、役には立たないんです」
「そんな訳があるか。狂気すら感じるこのチ●ポ、さぞ沢山の女達を泣かせてきたんだろうな」
「い、いいえ……、とんでもございません……。貴方様だけです、俺の陰茎を気に入ってくださったのは……」
「なんだと……? 貴様、何を言って……」

「今だ! かかれー!」

 訝しんでいる隙に、後をつけていた魔術師の一人が叫ぶ。すると魔術師達は一斉にカルロに飛びかかった。

「な……! 貴様ら……! 何を……! うわぁっ!?」
「カルロ様、どうか私のことも犯してください、もう我慢できません!」
「いいや、俺が先だ! 愛しのカルロ様、俺にチ●ポをぶっ刺してください!」
「同人誌を描く為にも実体験しておきたいんです! はあはあカルロ様! 私の尻にどうか……!」

 大勢の魔術達が群がり我先にと尻を出す。しかしカルロはどの魔術師にも興味を示さず、猫に餌付けしていた凶暴な性器の持ち主だけしか眼中になかった。

「クソ……! 貴様らどけ! 貴様らの尻には興味がないんだ……! 餌やり男はどこへ行った……! 田舎出の餌やり男待てー!」

 いくら氷の矢を放っても、鬱陶しい魔術師達はバリアを張りカルロから離れようとはしない。魔術師達は一人一人で動いていても埒があかないと連携し始め、カルロの肩や腰を協力して押さえ完全に動きを封じようとする。

「クソクソクソ! 離せ……! 貴様らに用はない……! あの男……! 田舎育ちの跡継ぎ一人っ子凶悪チ●ポ野郎はどこだーっ! ひぎっ!?」

 細面の魔術師の尻がカルロの勃起を飲み込もうとする。カルロはありえない光景に瞠目し、喉が張り裂ける程叫んだ。

「嫌だー! 僕は男には興味がないんだー! やめろー! 男なんてやだー! やだー……っ!」


「――……っ!? はぁはぁはぁ……!」


 カルロはベッドから飛び起きた。
 何だ今の夢は……! 気色悪い……!
 滅多に汗を掻かないのに、ブロンドの髪も濡れそぼり、全身びっしょりと汗で濡れていた。シーツには大量の汗シミが広がっている。
 悪夢を忘れるようにサイドテーブルにあるデキャンタを取り赤ワインを一気に飲み干した。気味の悪い夢の印象が酒の力を上回りちっとも酔えやしない。

「……っ、一体何だというのだ……!」

 濡れたシーツを無理矢理に剥ぎ床に投げつけた。癇癪を起こしても気分が紛れるどころか余計に憤りは増すばかりである。抑えられない気持ちのままパンツ一丁で広い部屋を歩き回る。

「あーっ! このむしゃくしゃした気持ちを僕はどう鎮めたらいいんだ……! ……ん?」

 ふと机を見ると卓上カレンダーが目に入った。今日は四月一日、エイプリルフールではないか!

「……、……、いい事を思いついたぞ」

 汗ばんだ身体をタオルで拭きガウンを羽織ると部屋を出た。向かった先は犬猿の仲である第五王子の元だ。
「貴様のお気に入りである城下町の人妻を手篭めにした」と嘘を吐いたらどんな顔をするだろう。あいつの荒れ狂う顔を見れば、悪夢で苛立った気持ちも少しは落ち着くかもしれない。
 その後、第五王子の発狂を見て、次の日に女を夜通し抱くとカルロは悪夢の事などすっかり忘れていた。
 一ヶ月後、夢の中の怪しい老人が予言した通りになるとも知らずに――

≪END≫

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こんにちは、sweet.X.T.Cです。
エイプリルフールになると、色々な企業さんのエイプリルフールネタを見るのが楽しみで、私も何か出来ないかな、と考え今回は小説を書いてみることにしました。

小説をお披露目するのが初めてのことなので、拙い文章で申し訳ない気持ちと恥ずかしい気持ちもありますが、楽しんでいただけたら嬉しいですっ。
小説の中で、カルロが中庭で出会い猫に餌をあげていた魔術師や、第五王子のこと等は、こちらで↓

「王子だけど魔術かけられて淫乱メス化した件」1000DLありがとうございます!
https://ci-en.dlsite.com/creator/5338/article/213367

ちょっと書いています。カルロの生い立ち等も書いています。
誰や!そいつら!と思われた方もいらっしゃると思いますので、よろしければ↑も確認していただけると幸いです。「王子だけど魔術かけられて淫乱メス化した件」のネタバレがあるので音声、未視聴の方はご注意ください。

小説を書いている間はとても楽しくて、また何か文章に出来たらいいなと思っております。取り組むのが遅いので、気長にお待ちいただけるとありがたいです。

それでは、ここまでお付き合いいただきありがとうございました!
またお会いしましょうっ。

sweet.X.T.C

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