絵描きの視点から見たゲーム画像で選ぶべき拡張子
みなさんこんにちは。
苗木堂の若草です。
この記事を見ているゲームを開発しているみなさんは、画像ファイルの拡張子はどれを使うのが一番良いかご存じでしょうか?
ちなみに代表的な画像ファイルの拡張子は以下のようなものがあります。
- bmp
- jpg
- gif
- png
「どれでも同じじゃん」「何か違いがあるの?」
と思った開発初心者の方、しっかり解説するので要チェックですよ!
今回はイラストレーターである若草が実際にイラストを制作してきた経験を基にご紹介していこうと思います。
いきなりですが結論です。
実用上一番使いやすい画像ファイル形式
- png形式
はい、これが一番良いです。
特別な理由がない限りはこの画像形式を選択するのが最良です。
pngの何が良いのかについては、先ほど挙げた他の画像形式の説明をしていく必要がありますので個別に説明していきます。
bmp形式
bmp形式は(Microsoft Windows Bitmap Image)の略称で、ビットマップ形式と読みます。
こちらは画像の情報を一切圧縮しないで表示する形式です。
メリット
論理上一番綺麗に画像を出すことが出来ます。
デメリット
他の画像形式と比べて非常に重くなります。
画像が非常に重たいという使い勝手の悪さから最近ではほぼ見なくなった形式です。
若草もbmp形式で制作・保存している画像はひとつもありません。
jpg形式
jpg形式は(Joint Photographic Experts Group)の略称で、ジェイペグ形式と読みます。
jpeg形式と表示することもありますが、両者は同じものと考えていただいて問題ありません。
メリット
それなりに綺麗な画像を出しつつ、画像サイズも小さく出来るため、広く使用されています。
デメリット
- 非可逆圧縮という技術を用いています。ざっくり言うと、上書き保存するたびにだんだん画像が汚くなっていく形式です。
この性質上、画像にノイズが乗ってきやすいため、ゲーム画像としては適さないです。 - 背景を透明にすることが出来ません。
ゲームを制作している方なら正直このデメリットがあるだけで選ばない方がいいというレベルのデメリットです。
ゲーム画面を想像するとわかりますが、画面にはたくさんの画像データが同時に表示されるため、背景が透明でないと浮いてしまうのです。
使いどころがかなり限定されてしまうことがなんとなく
gif形式
gif形式は(Graphics Interchange Format)の略称で、ジフ形式と読みます。
余談ですが、2012年になってgifの生みの親であるスティーブ・ウィルハイトさんが、「ジフが正しいんだ」と、おおやけに宣言したのでジフが正解です。
ギフ派のみなさんは残念でした。
メリット
- アニメーションに対応している
- 画像データを非常に小さく出来る
- 背景を透明に出来る
デメリット
- 256色までしか使用出来ない。
gif形式も用途によってはゲームに適していますので必要に応じてgif形式も使用するのが良いと思います。
例えばドット絵のアニメーションを作る時などはgif形式を選択すべきです。
gif形式は一時期ライセンス問題で使用料を払う必要の有無でゴタついていた印象と、256色しか使えないという問題点も含め若草個人的にはあまり使わない形式です。
※ 念のため補足すると、現在はgif形式は特許切れになっているので使用料を払わなくてはいけない問題はありません。
png形式
png形式は(Portable Network Graphics)の略称で、ピーエヌジー、もしくはピングと読みます。
gif形式が特許問題によって 自由に利用できなくなったため、「GIF」に替わる新しい拡張子が必要になり、生まれた形式です。
メリット
- 何度保存しても画像が劣化しない(可逆圧縮)
jpgは「非可逆圧縮」な画像形式で、保存し直す度に画質がどんどん劣化する問題があると述べましたが、png形式ではこれを解決しています。 - 背景を透明に出来る
- 画質が綺麗
デメリット
- jpg形式に比べて画像サイズが大きくなる
- アニメーションには対応していない
まとめ
png形式が一番良いが、使用場面(ドット絵かつアニメーションで動かしたい場合)によってはgif形式もアリ
今回は以上です。