【製作者向け】iPadOSについての個人的レビュー
こんにちは!おくらマリンのおくらです!
この記事はクリエイター向けです。と言ってもおくらがそんなにクリエイターらしいクリエイターではないのでプロ向けではありません!注意ね!
iOSからiPadOSへ!
ついに来ましたね!iPadOS!マウスが使えるなどといっぱい色々出来るんでしょ!と期待した方も多かったのではないでしょうか?
そんなiPadOSをなるべく早く体験してみました!実は追加された要素は少ないのでいくつかお絵かき向きの要素と、「向いてるだろう」と予想されていたものに絞ってお届けしますね。
1,ホーム画面の改修「今日の表示」
iPadOSの顔、ファーストインプレッションといえばアイコンが右側にあり、左側にアプリの通知が表示されているあの画面ですよね。発表会を見て割と「ええやん」と言ってました。
これが思いのほか良くて、まだまだ改善の余地はあれど一部の使い方にはいくつか便利な機能を設定できます。
例えば私は「Wunderlist」というタスク管理アプリを使っているのですが、その「今日」を表示できるのです!そう、「今日の表示」って「今日」のことしか表示されないんですよ!
なので優先的に片付けるべきことを寝る前とかにセットしておくと、iPad開いて作業する際にバン!と表示されるわけですね。iOSではなかなかできなかったですよね~。「無知っ娘イルヴィナ」のエロステ=メニュー画面みたいな感覚です。
後はよく「Kindle」で参考書を買って読んでいるのですが、読んでた本が表示されたりもするわけですよ。ワンタッチでいいのが売りなアプリアイコンが全体的に小さくなったので地味に嬉しい機能です。後は「メモ」で「最近追加したメモ」とかね!
他にも「Dropboxで今日アップ・共有したもの」とか、アプリが対応していて「今日」のものであればピックアップできるのは時短になるし、わかりやすくていい!
2,パフォーマンス向上
体感して分かる範囲だとアプリの移動のもっさり感が軽減されてスムーズになりました。iPhoneだとある程度「俺はスタイリッシュさ…」という演出のために多少のアニメーションを入れてたところがそれを捨て去った、真のスタイリッシュさを掴んだ感じがします。
3,マウスが使えるようになったよ!
使わんけどな!!
「設定」→「Bluetooth」→対応しているBluetoothマウスを接続 or USB-Cで直接有線マウスを接続(要USB-A→USB-C変換アダプタ)
「設定」→「アクセシビリティ」→「タッチ」→「ssistiveTouch」→「AssistiveTouch」をオン
これで使えるようになりますが、感度をいじれでマウスカーソルが出るようになったのにも関わらずWacomデジタイザのようにカーソルがPencilに追従しない(表示されない)んです。なかったりホイールが(Windowsの感覚だと)反転してたりします。ノースタイラスの処理自体が異なり、リアルタッチが楽しめる分デジ絵を書いてる人には慣れない理由がこの変だと思う。
トPC的に使いたいならオンでも良さそうですが、疑似ホームボタンは常に表示されます。
4,フローティングキーボード
クリスタでレイヤーの名前を変える時、Bluetoothなどでキーボードを接続してない人は画面の約半分が仮想キーボードで埋まった記憶があるかと思います。その心配がなくなりました!
なんと仮想キーボードをピンチして見ると小さくなる!浮く!iPhoneの表示みたいに使えて片手で操作できる!便利!
「これ、もしかしてずっと表示しておけば左手デバイスの代わりになるんじゃね…?」そう思ったあなた、ご安心ください。そこは天下のAppleクオリティ!
文字入力の場面でしか仮想キーボードが出ません。ズコー
そ、それでも画面の邪魔をしないだけでめちゃくちゃ嬉しいけどね!!
5,マルチタスク
Split ViewとSlide Overの強化によってフローティングしたタブなどにタブを追加できるようになりました!つまりフローティングしたタブを切り替えながら作業が可能に!クリスタ上にKindleで表示した参考書を見ながら絵の練習をしたり、逆に参考書を見ながらフローティングしたノートアプリにApplePencilで直筆メモが取れたり…!最高じゃん!
そう言いつつタブレットを2コ用意するけどね。といってもその用意が面倒だから今後はこっちでマルチタスクしそう。そのレベル!
で、結局iPadでお絵かきへの影響どうなの?
結論:さほど変化を感じない。
いや、キーボードが小さくなっただけでもかなりストレスは減ったんですが、他にも
「Slide Over」でドックからドラッグしたアイコンをアプリ画面上で離すことでフローティングし、Dropboxなどのクラウドアプリからクリスタへファイルをドラッグして~とかがそもそも便利なので…!これ、フローティングしたアプリはアプリで別なタスクに入るのでこれはこれで活用のしがいがあるんですよ。
ペンへの影響は若干で、ちょこっとだけ軽くなった(リアルタッチに近づいた)かなと感じます。もとより画面が120FPSで動くのでレイヤーやページ(EXのマンガ機能)を多数使用していないのであれば塗りにも使えるのでは?という感じですね。
そもそもiPadはお絵かき向きなの?
これで仕事をしている人ももちろんいます。いますけどPCでの板タブ作業や他の液晶タブレット作業に慣れてたらiPadの役割は「ラフ」か「仮塗り」くらいです。
「液タブ高いしタブレットなら他にも使えるし」で考えるならProじゃなくてもいいですけど、普通のiPadはメモリが2018年モデルで2GB、2019年モデルで3GB。Pro(2018)は4GBと1TBモデルだけ6GBなので、iPadなら「ラフだけ」、iPadProなら「塗りも行ける」くらいだと個人的には思います。
そうか、デメリットからかけば早いな!という事で、購入意欲を阻害しかねないですがリアルなデメリットを紹介すると
1,左手デバイスが使えない
クリスタのタブメイトは新も旧も使えません。「クリスタが対応していない」です。
まぁ、使えないこともないものはいっぱいありますが、テンキー以外は基本上級者向けです。
2,根本的にメモリが少ない
お絵かきはグラフィックが優先されそうですけど、ペンの処理が一番重要視されており、その処理は搭載メモリとコアに依存します。現にクリスタはQuadro搭載のMobileStudioでは3Dモデルを表示しない限り、Quadroの使用率は0%です。
まぁ、ページ数の多いマンガやレイヤー数の多いイラストを描かないならiPadProあたりですべて完結は出来ると思います。
3,ペンが太い
第1世代、第2世代は共通のペン先を使用しています。2の方は最新のiPadProのみですが、使いやすいっちゃ使いやすい反面、タップスイッチの反応が良くて勝手に消しゴムに変わっててイライラする事もある。
でも、それ以上にスタイラスとしてペン先が太いんです!利点なんですが、俗に言う美少女イラストを描くには太い。故に「ラフに使う」っていう人が多いんです。
他社製スタイラスは使えますが、これ以上に重いペンなので疲れは出てきます。
(基本、Wacom以外は電池が入っているので重い。)
はっきりいって、精密な線を書くのには向いてないです。油彩タッチとかはいいのかもしれないけどね!
Pencil(鉛筆)ではなくApple Pen(ペン)が欲しい。
ん?なんかキラキラした衣装とサングラスのおじさん思い浮かんだね?
それじゃあいいところはないの?って思うかもですが
1,アクセサリーが豊富
ペン1つとってもカバーが豊富だったりするので困ることがないくらい選択肢が豊富です!逆に品質が悪い商品を掴まされるデメリットはあるかもですが…。
あと、ペーパーライクシートも通常の荒いモノ(個人的に育てるタイプだと思ってる)から、育てる必要のない、目の細かい「ケント紙タイプ」などシート自体も様々です!
なんとペン先まで保護するグッズがある。すごいね…!
2,携帯性の良さ
私は11インチのiPadProですが、持ち運びが凄まじく楽!
普段はワードで文章打って、ときにお絵かきをして、疲れたらベッドに持っていってKindleで参考書に蛍光ペンを引いて勉強する。アイデアが思いつけばペンで2回画面をタップするとメモが起動するし、メモアプリも豊富だし…。
Bluetoothとクラウドの時代なら面倒な作業が要らないし、その身とペン(欲を言えばキーボード付きケース)だけで足りる。携帯性では正直どこよりもすごいと思う。
なんなら、iPadで使えるApplePencil第1世代丸いボディだからひとりでにコロコロ転がってどこかへ走り去るんだ。携行する以前に移動しているんだ、便利だろ?(皮肉)
3,デザインの良さ
「無駄にiPadに寄せにいっている」、「Surfaceっぽい」など、後を追ってきたり先を行っていたりするタブレットと違って一定の格好の良さもある。
仕事のときにさっと取り出すとみんな羨ましそうに見てくるよ。気持ちがいいよ。
アクセサリーの多さはここでもメリットとして出てくる。特にアイロンの熱風で貼り付けるタイプのシールとかもあるから、ケース嫌いの人でも端末に擦り傷つけなくて済むし!
4,わりかし安い
2018年から、性能と比較すると一番コスパ良いんじゃない?って思う安定度のある立ち位置になったので手も出しやすいし使いやすいし。
例えば、別タブレットや現在使用しているMobileStudioでも「Windows10はパームリジェクションの効きが弱い」と感じていて、私はWindows10の毒牙にかかっていないWindows8.1のSurface Pro2でイルヴィナちゃんの絵を描いてきました。こうしたOSの更新で性能が弱くなる場合もありますし、Androidタブレットでは筆圧対応すらしてないので、iPadOSになったiPadは一定の安心感を買うことができます。
そういう点でもコスパが良い。そしてApple製品あるあるなんですが、最新機種が出る度「前のほうが良かった」という声が出て中古品需要が高まるので値段が一定以下より下がりづらいんです。ね、魅力的でしょ?
今の所の個人的な点数
iPadOSになったiPadPro(2018年11インチ256GBスペースグレイ)のお絵かき目線での点数はこちら!
デザイン :★★★★★
処理速度 :★★★★☆
機能や性能 :★★★☆☆
携帯性 :★★★★★
バッテリー :★★★★☆
ディスプレイ:★★★★☆
携帯性の高さや処理速度は値段帯から見ると個人的には高評価!
iPadOS実装での影響はわからないけど、ペンは軽くなったかな?という印象です。
でもまだiPadOSもiPad周りのアプリも調整や探り探りが多くて、安定しているようで安定していない感じ。今回コアユーザーからはではあまり好印象でないiPadOSなのですが、一気に色々改修できないのにはアプリとの兼ね合いがあるからなんだろうなぁ…としみじみ感じるくらい、はっきり言うとマイナーアップデートでした。
純正スタイラスペンである「Apple Pencil」は先が太く、故に鉛筆なのだという今後の伸びしろはあれど技術的にテコ入れするなら他を良くするだろうという個人的予測もあるので、ペンがどうにかならない限り将来性が見えない。サードパーティに頑張ってもらいたいね!
Pencilについて気になることといえば、AssistiveTouchでマウスカーソルが出るようになったのにも関わらずWacomデジタイザのようにカーソルがPencilに追従しない(表示されない)んです。スタイラスの処理自体が異なり、リアルタッチが楽しめる分デジ絵を書いてる人には慣れない理由がこの辺だと思う。だからペン入れに使われないんですよ、この子。
バッテリーは現状困ることがなく、ApplePencil第2世代も常に70~100%を保っている状態です。モバイルバッテリーでUSB-Cに対応している規格の合うものを用意するとスマホとも併用出来るし便利!
どうやらバッテリーの持ちも良くなったみたいですけど、どうなんでしょうかね~。切らしたこと無いからわからない!
ディスプレイは小さい子の超高筆圧にも耐えたくらい現状何の不満もないけど、OELの未来を見据えて一個減らした感じです。まぁ、綺麗ってより色味を重要視したいけどね!
クリスタのタブメイト問題はMFi認証の観点から難しいため、評価には加えておりません。
最後に
なんだかんだ「コスパで選ぶならiPadPro11インチ!」と言える性能ですし、ラフ描きだけならiPadでも十分。
そこに専用OSを加えたということですから、Appleが未来を見て作っているデバイスなんだなと思います。
もちろん、Wacom製品のように日本のイラストレーター向けとして出ているものではないので慣れによる「慣れない部分」は出てきますが、ここからデジ絵を始める人にはまぁ良いんじゃないかな?
とはいえ、クリスタは買い切りじゃないのでコストは掛かりますけどね!
というわけで今回はiPadOSとそれを実装したiPadProのレビューでした。
気になることがあればお気軽にコメントでどうぞ!買うものを他機種と悩んでいる場合などの参考になれば幸いです。