今年10月のインボイス制度開始に伴い同人作品が値上がりする見込みです。
恐らくは今年10月、遅くとも来年度には殆どの商品がインボイス制度によって値上がりする見込みなのです。
まずは某同人卸売りサイトから引用した下記の表をご覧ください。
①(今までの価格)の表に対し②以下の表が値上がりしている事が確認できると思います。 これは同人業界に限らず、他の業界でも同じ結果となるでしょう。
また②の表を見るとインボイス登録さえすれば値上がりしても製作者は減収しないように見えますが、インボイス登録すると消費税を別途税務署に納税する必要が出るため確実に減収となります。(今までは売り上げが1000万未満の業者は消費税を納税する義務がなかった)
この問題については声優さん達の中にも「インボイス制度によって日本のアニメ業界が壊滅する」と警鐘を鳴らしている人がいらっしゃるので、ご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
インボイス制度が実質増税となる仕組み(難しい話になるので、ついて来れる方のみどうぞ)
一言で言ってしまえばインボイス制度とは、「貧富の格差拡大政策」あるいは「増税」です。
以下の動画(TOKYO MXで放映中の番組です)が分かりやすいと思いますが、僕が理解している範囲で説明します。(勘違いや間違いがあったらすいません)
https://www.youtube.com/watch?v=zhOF2-JoX_I
今までは消費税を売り上げ1000万未満の者は納税する必要はありませんでした。(現に私も今まで一度も税務署に消費税を納税しておりません)
そして、インボイス制度とはインボイス登録を行う事によって売り上げ1000万未満の者でも消費税を納税するようになる仕組みです。よってインボイス登録さえしなければ今までどおりとなる筈なのですが、そこに大企業の思惑が絡みます。
インボイス制度により個人事業者・中小企業が消費税を納税するようになったのなら、大企業は取引のある中小企業が払った分だけ消費税を納税する必要がなくなります(消費税の二重取りになるため)。つまり大企業側とすれば取引のある個人事業者・中小企業にインボイス制度を利用して消費税を押し付ける事が可能となるという事です。
当然大企業は自分に有利なように個人事業者・中小企業に対し圧力をかけるなり、インボイス登録を前提とした新たな契約を結ぼうとするでしょう。
そして今までより利益が出なくなる分、個人事業者・中小企業は値上げもしくは泣き寝入りをするしかなくなるという訳です。
「日本のアニメ業界が壊滅する」と言われる理由もここにあります。日本の中小企業の多くが危機に晒されるでしょうし、円安を利用して外資に乗っ取られる事も今から予想されます。(外資に乗っ取られた日本企業が、今まで通り日本の消費者第一の姿勢を貫くかどうかは、想像に難くないでしょう)
ちなみに日本企業の8割以上が中小企業です。
なんでこんなに複雑なんですかという話
インボイス制度に反対されたくないからです。反対されたくないからわざと分かりづらい制度にして、仕組みを理解できる人をなるべく少なくしたいという思惑があります。
そもそも”消費税”という言葉は諸外国では”付加価値税”と呼ばれています。しかし日本で”付加価値税”を作ろうとしたところ、自分達がターゲットにされると悟った事業者達が反対運動を起こしたため名称を”消費税”に変えて”1000万未満は払わなくていい”と条件を付け加えて施行したのです。
また小売店では値札に消費税が明記されていますが、これも財務省の指導によるものであり、今まで収入1000万以下の事業者は税込み表示があろうがなかろうが消費税(付加価値税)を納税しておりません。
そしてなぜ反対されたくないかというと、反対されるとインボイス制度が予定通り開始できない可能性があるからなのです。ですからインボイス制度の実態について知る人が増えれば、もしかしたら値上げが回避できるかもしれませんね。