2周年記念詫びSS第1弾!!
ロリこんばんは~~!!
今回は最新作とかではなく、短編小説でございます!!
というのも、2周年記念に10月31~行っていた大型値引き……『既に全作買ってくれた人』にメリットないし、むぅぅってなっちゃうよね、と思ったので……。
既に全作買ってくれていた人限定で、ヒロインやシチュエーションのリクエストを受付け、短編小説を書く……という、私がただただ大変な思いをする企画をやっていました。
結果、応募締め切りまでにリクエストをくれたのは四名!!
選ばれしヒロインは……三人!(つまり、一人は二つSSが供給されるということ……フフフ)
栄えある第一弾ヒロインは……ロリっく人気の立役者!!
発情武人猫ロリ……
ミカドちゃんだ!!!
ミカドちゃんSS『ハロウィンにゃんこ』
若者が熱狂し、奇抜な衣装に身を包んで騒ぎ立てる奇祭、ハロウィン。今日は十月三十一日、まさにそのハロウィン当日なのだが。
男性が帰宅した時、待ち受けていたのは猫耳の同居人ではなく。
「……」
リビング中央にこれ見よがしに置かれている、巨大なプレゼントボックスだった。
それを見た男性は、訝しむことすらなくただ理解した。
――あ、これミカドちゃんが何かやってるな?
と。いっそ確信すらしている。
だって……箱の隙間からチラチラと、可愛らしい尻尾が見え隠れしているのだから。頭隠して尻隠さず、もとい猫耳隠して尻尾隠さず。
何やら企てているようだが、バレバレである。
「……来たか……よし、そろそろ……」
そんな独り言も聞こえてくる。大体察した男性は、あえて箱の正面ではなく後ろ側に回り込んだ。
そうとは知らず、愚かな猫は。
「にゃぁぁぁぁ!」
そんな猫々しい叫び声を発しながら、プレゼントボックスの箱を持ち上げ勢いよく登場!
「引っかかったな愚か者! まさか吾輩が箱に擬態しているとは思わなんだろう? どうだ、驚いたかっ! 観念した、か……って、あ、あれ? いない?」
サプライズに夢中で、背後を取られていることに気づかないミカド。何やらグレーのモコモコしたアームカバーにレッグカバー、太ももとヘソをさらけ出したショートパンツスタイルをしている。それに頭部には、ケモ耳を模したカチューシャを付けて……どうやら狼のコスプレらしい。
キョロキョロと辺りを見回し、こちらの存在に気づいていないうっかり狼。
全く、武人(元)ともあろうものが情けない。平和にあぐらをかき、勘が鈍っているのではないか? どれどれ、ここは一つ稽古を……とおっさんじみた発想でセクハラの理論武装をした後、男性は手を伸ばし――
――がしっ!
と思いっきり、腋肉を両手で摘まんだ!
「ぎにゃっ……く、曲者ぉぉ‼」
その次の瞬間、視界が高速で横にスライドした。自分の身体が浮いている、否。吹き飛んでいる。
そしてそれが、どうやらミカドの回し蹴りによるものらしい――右脚を振り切った態勢で、驚愕に目を丸くしているミカドが見えた――と気づいた時には、男性は既に壁に激突してヤム〇ャしていた。
「に、にに、人間ッ⁉ だ、大丈夫か⁉」
慌てて駆け寄り、男性を抱き起すミカド。ナチュラルに膝に頭を乗せて、優しく頬を撫でてくれる。普段は絶対に認めないミカドだが、こういう自然なスキンシップから、やはり自分たちは恋人であり、婚約者なのだと感じる。
ミカドは目尻のほんのりと涙を浮かべ、尻尾をしゅん……と萎れさせた。
「す、すまん……身体が咄嗟に反応してしまった。暗殺者か道場破りの類かと思ってな、つい……」
うちには国家の要人もいないし、そもそも道場でもないんだけど……という言葉は飲み込み、男性は苦笑して親指を立てた。
――我が弟子よ、いい蹴りだった、お前に教えることは何もない。さっきのはお前を試したのじゃ。
「貴様の弟子になぞなった覚えはない。それになんだその胡乱な詐欺師のような口調は……全く、いつもいつもふざけてばかり……まあ、怪我がないなら良かった。ほら……立てるか?」
そう言って、男性にモフモフアームカバーに覆われた手を差し伸べるミカド。握ると、肉球のようなぷにぷに触感が返ってきた。
モフモフ、ぷにぷに……そうだ。そもそもミカドは、どうしてこんなコスチュームを着て、バレバレのかくれんぼをしていたのだろう。男性はそれとなく、そのことを訊ねた。
「にゃっ⁉ べ、別に……貴様を驚かせて楽しもうと思っただけだ。今日は、あれだ……てれびで見た……はろうぃん? とかいう祭りなのだろう?」
なんだかミカドの顔が赤く、もじもじしているような気がするが……まあいいだろう。
とにかく一連の奇行は、ハロウィンによるものらしい。異世界出身のミカドの目に、人間界の文化は新鮮に映るらしく。
よくテレビを見ては、こうしてすぐ影響を受けるのだ。
「驚かせることに成功したら、確か…………報酬が得られるとかなんとか。貴様にほえ面をかかせて、金品をせしめる……そんな一石二鳥を狙っただけだっ」
ミカドさん、それじゃハロウィンじゃなくて恐喝だよ……。
驚かされた上に金品まで奪われるなんて、散々すぎる。
敗者から小遣いを強奪するポ〇モンバトルじゃあるまいし。
心中で呆れ気味にツッコんでいると、ミカドが顎に手を当て、ふーむと考え込むような顔をした。
「うむ……このまま大人しく負けを認める、というのも癪だな。吾輩にはまだまだ、貴様を驚かせるための策が山のようにある! いいか、貴様も男なら……吾輩の攻撃を全て、受け止めてみろ! いいな⁉」
半ばヤケクソ気味に指を突きつけてくるミカド。突っ走っている時の彼女は頑固なため、言葉による説得は通用しない。
まあ、振り回されるのも恋人としての務めだろう……と悟りの境地で待ち受ける男性に繰り出された、ミカドの刃は――
「ちゅ、注射するぞっ! 眼球にな!」
解雇間違いなしの猟奇的ナースだったり、
「ご、ごご、ご主人……さ……ぅ……おかえりくださいませ……冥途に」
冥途送りしようとしてくるメイドだったり。
「逮捕してやる! 貴様は変態だから、死刑だ!」
その場で死刑執行しようとしてくる特権持ちミニスカポリスだったり。
一言で表すならば……コスプレ祭りだった。
可愛いし眼福だしで得しかないけれど、どうしてこんな手の込んだことを? 男性がそう訊くと、
「……コスプレ衣装が安かったから、大量に買っておいたんだ。か、勘違いするなよ。安かったから、なんとなーく買っただけだ! べ、別にお前の好きな服がどれか分からなかったから全部揃えたとかじゃないぞ!」
ミカドのその返答から、男性は薄々理解した。驚かせるため云々は、方便だな? と。
本当の目的は、このコスプレそのものなのだろう、と。
それを証拠づけるように、ミカドのコスプレはどんどん過激になり、そして十数分後。
「……ち、違うからな。今の吾輩は、ドラキュラだから……貴様の血を飲み干して、殺めるためにくっついてるだけだからなっ……!」
吸血鬼コスというよりは、サキュバスコスに近い、布面積が少ないマイクロビキニ風衣装に着替えたミカドは、今男性の膝の上に乗って顔を近づけていた。
マジでキスする五秒前、対面座位まで二十秒といった距離感だ。
心なしか身体をスリスリと擦り付けて、そのままミカドは――
「はぷっ……かぷっ、んむっ、んく……」
煽情的な声を漏らしながら、男性の首筋を甘噛みした。血が出るほど強くはないが、歯型や――キスマークが付くくらいの勢いで、ちゅぱちゅぱと吸い立ててくる。
イタズラ、というよりは甘えているような糖度を感じる。
そっ、と男性はミカドの肩を抱いた。
するとミカドの頬はみるみる上気して、瞳はトロンと潤み始める。
「……なあ……貴様は、イタズラ……しないのか……?」
ミカド自身、無意識に出てしまった言葉なのだろう。口にした後、ハッとしたように口を抑えていた。
しかし、男性に彼女を茶化すような素振りがなかったからだろう。一度溢れてしまった感情に蓋をするのは困難らしく、ミカドはぽつぽつと今日の奇行、その理由について語り始めた。
「……てれびで、はろうぃんについて見て……その……恋人同士も盛り上がる祭りだと、見たんだ。えと……コスプレを、して……家でパーティをしたり、するって……それで、その……」
続きを口にするのが恥ずかしいのか、男性の耳元に口を近づけて、そっと囁いた。
「そのまま、恋人らしく……触れ合ったり……え、えっちなこと……するんだろう? ……てれびは言ってなかったが……流石に吾輩も、そこまで鈍くない……」
発情時ならばいざ知らず、普段のミカドにしては、だいぶ大胆な言葉選びだ。それでも口ごもりながら、続けてくれた。
「だから、その……か、可愛いコスプレしたら……貴様と、こ、恋人らしいこと、できるかな、って……は、発情に、頼らずとも……ふ、普段の吾輩の、ままで……ぅ……」
勇気を出してくれたのが分かる、震え声だった。それ以上続けさせるのは男が廃る。
男性はミカドの口を塞ぐように、優しくキスをした。
慈しむような口づけにより、両者の間に唾液の橋が架かる。
やがてミカドは、俯きがちに……愛くるしい上目遣いをした。
「な、なあ……はろうぃんには、合言葉がある、だろう? その……トリック、おあ、トリート……イタズラされるか、お菓子か選べ、と……」
やはりミカドは、ハロウィンについて正しく理解していたのだ。脅して金品をせしめる、などと言っていたのは、カップルイベントをリサーチしていたのが後ろめたかったからか。
だがそんな野暮なことは言わない。不器用な恋人が、愛おしいから。
「その……吾輩、は……貴様にされること、全部……お菓子なんかよりも、ずっと、ずっと甘くて……えと……き、嫌いじゃな……いや、す、好き……なんだ。それに、その……変なこと、されるのも……子供みたいな、イタズラ、だって……嬉しい……だ、だから……」
ミカドがか細い声で口にした一言が、男性の理性を奪った。
「トリックか、トリートか……貴様が、選んでくれ……にゃっ……⁉」
そんなの決まっている。どちらも取る。
最愛の恋人を好き放題まさぐるビターな悪戯(トリック)も、お互いを甘やかす、砂糖菓子のようなご褒美(トリート)も。
恋人同士のハロウィンナイトには、そんなワガママが許されるはずだから――
「……馬鹿だな、貴様は……んっ……ちゅっ……ふふっ……この口づけは、トリックかトリートか……どっちだと思う? ふふ……♪」
男性と悪戯猫との甘い夜は、どこまでも、どこまでも幸福に満ちていたのは語るまでもあるまい。
結ばれるまでのストーリーはこちら!
↓ミカドちゃんとロリっく!↓
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聖夜もミカドちゃんと共に
↓サンタミカドちゃんとロリっく!↓
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