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R-18Gの記事 (3)

SAOMAN 2018/04/16 17:03

ご注文はゼリー化ですか?

いつもと変わらない下校になるはずだった。
 チノ、マヤ、メグの3人は他愛のないおしゃべりをして、途中で分かれて、そしてまた明日も同じように登校する。当たり前の日常は、ただその男とすれ違っただけであっけなく終わった。
 会話の流れでマヤが満面の笑みで大げさに手を振りあげる。
「あはは! だからさー、こうドーンって!」
「えーそれはどうなんだろー?」
「まったくマヤさんは……」
 その瞬間、マヤが青になった。
 マヤのイメージは青だ。青色の髪に青を中心とした服装。青っぽいのがマヤと言ってもいい。
 しかし違う。青『に』なったのだ。
 髪と同じ鮮やかな青。半透明の透き通った青色。マヤの顔はその色に染まっていた。
 顔だけではない。
 大きく上げた細腕、ハーフパンツから伸びる太もも。マヤの肢体が青になっている。おそらくは服の下も同様であろう。マヤの肉体は青色になって動かなくなった。
 あからさまな異常が起きていたが、チノもメグも悲鳴を上げることなく、不思議そうにマヤを見つめていた。
「急に黙ってどうしたんですかマヤさん」
「動かないなら置いてっちゃうよ~?」
 友人がおかしなことをしている。その程度にしか認識していない。
 すべてはその男の力だ。
 男が木組みの街を訪れたのは本当にたまたまである。何気なく目をやったら美味しそうなラーメン屋があったので入ってみた。その程度の動機にすぎない。
 これから起きることは、男にとっての日常である。
「やあ、こんにちは。このかわいい子はマヤちゃんって言うんだよね?」
「はい……あの、あなたは?」
「ん? 僕は通りすがりのふつうの人だよ。ゼリーにした女の子を犯しながら食べるのが好きなだけのね」
 男が青く透き通ったマヤをつつく。ぷるん、と全身がわずかに震えた。それは人体ではあり得ない感触。
 マヤの肉体は青いゼリーになっていた。
 はじけるような笑顔のままゼリーに変えられてしまっていた。
 男の周囲で発動した術はチノやメグはもちろん、道行く人々にも作用し、異常な状況を気づかせない。認識が歪んでいる。
 歪んでいないのは、最初から歪んでいるその男ぐらいだ。
「ゼリーにはシロップが必要だよね」
 その言葉とともに、マヤの全身が濡れた。
 服もバッグも溶けて、ねっとりとした透明な液体に変わっていた。顔に垂れている蜜は髪だったものである。青くさらさらしたショートヘアは消え、つるりとしたゼリーの頭が見えている。透明なシロップが光を乱反射してきらめいていた。
 当然、下着も溶け、大事なところも露出してしまう。
 ところがそこはゼリーになっていなかった。
 毛も生えていない未成熟な下腹部。若々しい白い肌。そこだけは粉うことなく生身だった。
「ああ、こっちのほうも美味しそうだ」
 男はうっとりとした表情で、マヤの可愛らしいオマンコに指を這わせる。
 感じているのだろうか、生身の下腹部がわずかに震え、ゼリーの体を揺らす。マヤがマヤの意志を表せるのは、いまやマンコだけであった。
「それじゃ、食べるとするかな」
 いつのまにか男の股間からは勃起した陰茎が伸びていた。これからすることを期待するかのように脈動している。
 男が次に取る行動が何か言うまでもない。
 万歳をした快活なポーズのマヤを、男の手が持ち上げる。そして一度も進入を許したことのない中学生マンコを、いきり立つ男根にあてがうと、一気に挿入した。
 衝撃にゼリーの体が波打つ。
「はあっ、マヤちゃんの膣内、キツキツですごくいいよ……!」
 深く挿入したまま、感嘆の声を上げる男。そしてマヤの体を抱き寄せ、マヤの顔を自分の顔に近づけると、
「パコパコする前に一口食べようっと」
 口を信じられないほど大きく開け、男はゼリーマヤの左顔面にかぶりついた。
 笑顔だったマヤの左半分が消える。後には男の歯列に沿った溝が残った。
 えぐりとられたゼリーはいま、男の口の中で賞味されている。
「んぐ……ん……ふぅ」
 そして細切れになって男の喉を通り過ぎていった。
「清涼感のあるさわやかな味だなぁ。シロップも甘すぎないし、マヤちゃんはさっぱりした女の子だったんだね。とっても美味しいよ」
 味の感想を言いながら、男は腰を引いた。陰茎がぬるりと引き抜かれ──再び挿入された。
 男が本格的にセックスを始める。肉と肉が弾ける音とともに、ゼリーの体が美味しそうに震える。
 そして再び男の口が開き、万歳をしたマヤの右手がかじり取られた。男の腰はその間も止まらない。マヤの膣内を肉棒でえぐりながら、マヤの体を食べ進めていく。
「おいしい、おいしいよマヤちゃんの右腕! 早く左も食べたいよ!」
 男根の形に広げられていくマヤの膣。対照的にマヤの体は失われていく。右ひじがかみ砕かれ、右肩が咀嚼され、左手が飲み込まれ、左ひじが男の喉を通り過ぎていった。
 手も足も口も顔も動かせないマヤは膣で意思表示をするしかない。それが男を喜ばせるだけだとしても。
「あぁ、マヤちゃんを食べるたび、マンコがきゅうきゅう締まるよ。マヤちゃんも僕に食べられてうれしいのが伝わってくる」
 反応を都合よく解釈した男はさらに大口で一口食べた。
 マヤから顔が消失した。
 笑顔の右半分が男の口に入ってしまった。
 輝くような笑顔はもう見られない。歯ですりつぶされて、男の胃へ落ちていったから。
「おっ、おお……締まりがさらにキツく、いいよっ射精る、ロリマンコに射精す……!」
 衝動に任せ、男は肉棒を深く突きこんだ。子宮口に亀頭が密着し、熱い白濁液が一気に流れ込む。
 激しくけいれんするマヤの下腹部。ぶちこまれた快楽にクリトリスが起き上がってしまう。残り少ない生身の肌を精液の熱が火照らせ、さっきまで下着だったシロップと浮き出た汗が混じり合う。
「ふぅー、マヤちゃんのナカ気持ちよすぎて、いつもよりいっぱい射精しちゃったよ」
 しかも、と言って男はマヤの左腕──二の腕と肩口──にかぶりついた。
「マヤちゃんゼリーのおかげで、チンポはまだまだ元気さ。何発でも射精せそうだよ」
 肉棒が再び突き上げを開始し、小さなマンコに入りきらない精液が結合部の隙間から漏れ出す。こすれあう肉の音に、リズミカルで卑猥な水音が加わった。
 男の腰は止まらず、食欲もまた止まらない。
 がぶり。がぶり。顔と髪を失ったマヤの頭を着々と食べていく。
 とうとう首までなくなって、マヤの上半身が四角く整えられてしまった。
「おいしいなぁおいしいなぁ! やっぱり美少女ゼリーを食べながらのセックスは最高だ!」
 高揚の声をあげながら、男は再び射精した。失った頭部を埋め合わせるように、マヤの下腹部がぽっこりと膨らむ。子宮は男の精液で満たされ、外へと拡張していく。
「ふぅ、このへんでちょっと味を変えようかな。そこの赤い髪の子、ちょっと来てくれる?」
「わたしのこと~?」
 突っ立っていたメグがとことこと男の元へ歩み寄る。目の前で親友が食べられ犯されていることなど全く気づかない。その異常に気づくことができない。
 男の右手が何かを握ったかのように空をつかむ。次の瞬間、その手の中にはスプレー缶が握られていた。スプレー缶のラベルに描かれていたのは『奈津恵クリーム』という文字列と、メグのふやけたような笑顔。
 マヤの体を肉棒一本で支えながら、男がチノのほうへ手招きをする。不思議そうな顔で寄ってきたチノに、
「ちょっとマヤちゃんを持ってて。よいしょっと」
 と言うと、マヤの体を肉棒から引き抜いて上下にひっくり返し、チノの手に抱えさせた。
「あの、これって何をしているんでしょうか?」
 小首を傾げて訊ねるチノ。男の術で認識がおかしくなっているチノは、自分が何をしているのか分からない。頭と両腕の欠けた親友ゼリーを逆さに抱えているというのに。生身のマンコから逆流した精液が湧き出ている光景を目にしているのに。
「とてもいいことをするんだよ。美少女2人のコラボ……どんな味がするかなぁ」
 弾んだ声をあげる男の指がスプレーノズルの上にかかり、ぐっと押し込まれる。スプレーの噴射口にはマヤの裸足。
 魂が抜けていくようなか細い音とともに、柔らかなピンク色のクリームがゼリーを覆っていく。まるで靴下でも履かせたみたいに両足がふわふわのクリームに包まれた。
 そして食われた。
 ぷるぷるゼリーになったマヤとふわふわクリームになったメグが口の中で溶け合い、男に幸福な充足感を与える。
「はあ、あ。すごく相性がいい……イチゴ味の甘酸っぱいクリームがこんなに合うなんて、二人はとっても仲良しだったんだね」
 こんな形で仲の良さを褒められてもうれしくない。そう抗議するように、逆さマヤマンコから精液が弱々しく噴き出した。
 男はそれに全く気づくことなく、たっぷりクリームを吹きつけては足ゼリーにかぶりつく。ふくらはぎ、膝、太もも。成長期の健やかな脚がみるみる形を失っていく。元気よく駆けていたあの頃はもう戻らない。
 やがて男の口は鼠蹊部まで到達し、ついにマヤから五体が食い取られた。残りはゼリーの胴体と生身の陰部のみ。
「おっと、ちょうどクリームも空になったみたいだ。ごちそうさま、奈津恵ちゃん」
 と言って、男はスプレー缶を両手で上下から潰してしまった。円形の金属となったメグ缶が地面に落ちて、哀れなほど軽い音を立てた。
「2人分食べてチンポも金玉も元気いっぱいになったし、もう一回だけ抜こうかな」
 男は、だいぶ縮んでしまったマヤをチノの腕から取り上げ、精液のあふれるメス穴へ再び肉棒を挿入した。そしてマヤの体を上下に動かし、陰茎をしごき出す。その有り様はもはや大きめのオナホでしかない。
 精液をかき回しながら膣内を前後に蹂躙する肉棒。亀頭は子宮口へ何度もキスを繰り返す。容赦のない突きに耐えきれず、子宮口が緩んでいく。
「おおおっ、射精る、さっきよりたっぷり射精すよおおおおおっ!」
 咆哮とともに、男がマヤの体を一層深く押し下げた。肉棒が子宮口をこじあけ、子宮内に直接精液をぶちまける。
 その瞬間、マヤの人間だった部分が完全に消失した。下腹部もマンコも膣も子宮も青いゼリーに変化してしまった。
 勢いよく噴出される白濁の奔流が子宮を飛び出し、ゼリーの胴体へ流れ出す。透き通ったゼリーの中を精液が白い蛇のように浸食していく。精液はへそに続き、乳房のない胸の下を通って、首のあった場所から噴き出した。
「さ、最高だ……こんなに射精したのはいつぶりだろう。この街に来てよかった……うっ、まだ射精るっ」
 マヤゼリーの中へ精を吐き出し続ける男。マヤの首跡から湧き水のように白濁液があふれて側面を流れていく。青いゼリーが白に染まっていく。
 悪夢のようなその様を、魅入られたように見つめるチノ。ふらふらと歩きだし、変わり果てた親友の残骸に近づくと、精液シロップたっぷりのゼリーにかぶりついた。小さな歯形が残される。
「ん……んぐ…………お、おいしいです……! こんな味はじめて……もっと食べむっ」
 しゃべるのすら我慢できなかった。チノは目を輝かせ夢中で口とアゴを動かす。ハムスターのように頬が膨らみ、みるみるうちにマヤの体が減っていく。
「美味しいかい? キミの友達と僕の精液のコラボは。僕はもうお腹いっぱいだし、残りは全部あげるよ」
 男はそう言って、ゼリーと化したマンコを肉棒から引き抜き、チノに引き渡した。
「あ、ありがとうはぐっ、ございまっんぐぅ……」
 服や口まわりが汚れてもお構いなし。普段のクールさとはかけ離れたワイルドさでゼリーを平らげていく。
 その途中、チノはなぜかマヤと遊んだ記憶を思い出していた。
 けれど食欲は止まらない。すでに胸は飲み込まれ、へそのあたりまで食べ進められた。大量のゼリーを飲み込んだチノの腹はぽっこりと膨らみ、妊婦のようになっている。
 親友の原型がなくなっていく。残っているのは精液がたっぷり詰まった下腹部だけだ。チノはそれを両手でつかんで口の中に押し込む。
 口から精液をあふれさせ、汁をすする音をたてながら、チノはマヤを飲み込んだ。
「ふわぁ……なんて美味しいゼリー……」
 とろけきった恍惚の笑みを浮かべ、満足感にひたるチノ。ゼリーのかけらが口の周りできらめいている。
 と、急にその体が跳ねた。
「あ……? か、体が熱い……! 服を着ていられません……っ」
 顔を火照らせたチノが、はぎとるように服を脱いでいく。あっという間に未熟な裸体が露わになった。ゼリーのたまった腹は不自然に突き出ている。
「熱いときはがに股ダブルピースをするといいよ」
「はぁ、はぁ……そ、そうですね」
 男の訳の分からないアドバイスに従い、大股を開き、バンザイするように腕を直角に曲げてピースを作った。
 すると、恐ろしい唸りのような音がして大きな腹が引っ込んでいき、
「おっ、はぁ……!? な、なにか出るっ、出ちゃううううっ!」
 無様なポーズで全裸をさらすチノから出た声が町中に響きわたる。と同時に、チノの乳首から白いミルクが噴き出し、広がったマンコからは豪雨のように愛液が地面へと降り注いだ。
「んおおっ……おへええぇ…………! あっ、出るっ、何か大事なものが出てるぅ……あひっ、ほおおぉ……」
 アヘ顔で不規則にけいれんしながら、悲しそうなアクメ声を上げるチノ。呆れるほどの量の汁が、あたりに脱ぎ散らかした服に染み込んでいく。
 男はその様子をほほえみながら眺めていた。


 ふと気づくとチノは町中で一人突っ立っていた。
「あれ、私は何を……ひゃっ!? な、なんで服がびしょ濡れに……早く帰って着替えないと。先に──」
 帰っています、と言おうとしてチノは口を止めた。いま私は誰に呼びかけようとしたのだろう? 私はいつも『一人で』帰っているのに。
「そうだよ。キミが食べたものを全部出しちゃったからね。もう覚えているのは僕しかいない」
 耳元でささやく男の声はチノには聞こえなかった。
 どこか釈然としないものを抱えたまま、チノはその場から走り去った。

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SAOMAN 2018/04/16 17:01

ご注文は食品化ですか?

その時間のラビットハウスは一人の客もなく、チノ、ココア、リゼの3人は暇そうにしていた。
 だから入口のドアが開いたとき、張り切って迎えたのだ。
「いらっしゃいませー!」
 その、災厄を。
 男はとくに変わった格好をしているわけではない。
 けれどチノはぎょっとした。
 入ってきた客の男はその右手に、緑色の布にくるまれた黒く短い棒状のものを持って舐めていた。
 その緑の布はどうやら着物らしい。
 チノはその柄に見覚えがある気がしたが思い出せない。
 視線を感じたのか、男がミニ着物にくるまれた棒状のものを軽く振り上げる。
「これ? さっき寄った甘兎庵ってとこの店員さ。おっとりしてかわいい子だったから、美味しい羊羹になってくれたよ」
 男が意味不明なことを言いながら、それをチノの鼻先に突きつけた。甘い香りが鼻孔をくすぐる。
「ひっ……!?」
 棒を見て後ずさるチノ。
 男が舐めていた先端の形状は、驚愕の表情を浮かべる女の子の頭部だった。
 それは紛れもなく宇治松千夜の顔。
 千夜を模した手持ちサイズの羊羹に着物を着せているのだ。
 なぜこの男はこんなものを持っているのか。
 不安が胸から湧き上がってくる。
 なのに羊羹から目が離せない。
「……っ?!」
 チノが息をのんだ。
 男が羊羹の頭をかみちぎったのだ。
 そのとき、チノは何か取り返しのつかない喪失感を覚えた。
 これは作り物のはずだ。本物の千夜であるわけがない。
 それでも、首を失った千夜型羊羹の有様はたとえようもなく不気味だった。
 チノは思わずカウンターに待機していたリゼとココアのもとに駆け寄る。
「リゼさん、ココアさん……あのお客さん、何か変です……!」
「変、って……ふつうの人にしか見えないような」
 リゼが怪訝な顔で客の方を見やる。
 羊羹を食べ終えた男が、入れ物代わりの着物を投げ捨てていた。
 ヒラヒラと落ちたミニチュア着物の中には、ほんの少し羊羹のかけらがへばりついている。
 男のマナーの悪さを見てココアがムッとした顔になる。
「悪いお客さんだなぁ。よーし、お姉ちゃんの見せ場だね! 私が注意してきてあげる!」
 勢い込んで男の前へ向かうココア。
 その後ろ姿が遠ざかっていく。
 ……遠ざかっていく? 大して広くもない店内で?
「あ……え? コ、ココアさんが小さくなってます……!」
 ココアが男へ近づくにつれ、そのサイズが縮小されていく。
 だがココア自身はそんなことに全く気付かないように、男の下へ進んでいってしまう。
「おい、戻れココア! 何かおかしい!」
 リゼの叫びもむなしく、20センチほどに縮んだココアが男に背を向けて棒立ちになる。
 すなわち、チノはココアの顔を見ることができた。
 笑っていた。
「ココアさん!」
 次の瞬間、男の足が勢いよくココアを踏み潰した。
 惨劇がチノの脳裏によぎる。
 だが男の足の下には、何か厚みのある円形の物体があるだけだ。
 男はそれを拾い上げるとテーブルの上に放った。
 黄金色に輝くふわふわのパンケーキがそこにあった。
 表面にあったのは、潰される直前の優しい笑顔。
 もう動くことのない、固定された笑顔。
「ひ……!? い、いやああああああああああっ!?」
 チノの絶叫が響き渡る。混乱と恐怖で頭の中がかきまわされそうになっていた。
「そこを動くな貴様! いったい何者だ!?」
 一喝。
 いつの間にかリゼの手には銃が構えられていた。
 冗談でやっているのではない。それは緊張した表情から伺える。
 しかし男の方は何でもない様子で、右手を上げると、空中で何かをつかむ仕草をした。
 それだけで、チノの隣からリゼの姿が消えた。
 ごとん。持ち主の手から離れた拳銃が床に落ちた。
 一方で、男の右手にはホイップクリームのたっぷり詰まった絞り袋が収まっていた。
 チノがへたり込んでしまう。
「あ……ああ……そんな…………!」
 クリームが充填された小さな絞り袋の形は完全に、直立した姿のリゼだった。
 豊満なバストもよく再現されている。
 男は絞り袋をパンケーキになったココアの上へ持ってくると、その手にぐっと力を込めた。
 足裏にあたる部分の口金から勢いよく白いクリームが押し出されていく。
 まるで魂が抜けていくみたいに。
 クリームが絞り出されるにつれて凹んでいく絞り袋。
 少しも余さず絞り出そうと、上の方からぐしゃぐしゃに押し潰していく。
 凛々しい顔も豊満なバストも、めいいっぱい潰されて紐みたいになってしまった。
 最後には上の方から口金の方までぐるぐると畳んで、絞り袋の中身を全部、外へと押し出した。
 パンケーキには山盛りのクリーム。
 その下にあるはずのココアの笑顔はもう見えない。
 目の前のパンケーキに夢中な男は、何も考えていないかのように、ごく自然に絞り袋の残骸を投げ捨てる。
 丸まったゴミが、チノの足元に転がってきた。
「リゼさん……、リゼさん…………」
 うわごとのように呟きながら、チノはそのゴミを拾い、なんとか元の形に戻そうとする。
 無駄なあがきだった。
 潰されて折り畳まれたビニールを拡げたところで、しわくちゃなままに決まっている。
 けれど、たった一人であの男と同じ空間にいるなんて耐えられなかったのだ。
 そんな必死さを男は気にも留めない。
 クリームを挟むようにパンケーキを丸め、それを手にもって口へ運ぶ。
 大口を開けてかじっていく。
 ココアだったものとリゼだったものが、まとめて男の胃に収まっていく。
 丸い生地が半月になり、三日月になり、やがて何もなくなった。
 男は口の周りのついたクリームを左手親指でぬぐって、舌でねっとりとなめとった。
 そしてその左手をチノの方へかざした。
「ひ……あ……! ああああああああっ!?」
 絶叫はとても小さかった。
 男の右手の中には、手持ちサイズに縮んだチノが収まっていた。 
 チノの目から涙がこぼれる。
 黒い涙が。
 口がひとりでに大きく開き、顔が天井を向く。
 まるでプルトップを開けた缶みたいに。
 喉の奥から苦い味がこみあげてくる。それは慣れ親しんだコーヒーの味。
 体の自由はすでに利かない。
 水色の制服こそそのままだが、肉体は銀色のスチールになっていた。
 チノの形をしたコーヒー缶の口に、男が唇をつけ中身を一気に飲み干す。
 ファーストキスを奪われた形のチノ。だがもはや、そんなことを気にすることさえできなくなっていた。
 男の喉が動くたびに、チノの中から液体がなくなっていく。
 そして缶はすっかり軽くなった。
「あー、美味しかった。ここはいい店だ」
 誰もいなくなった喫茶店に男の声だけが響く。
 そのまま帰るのかと思いきや、男はいきなり下半身を露出した。
 男根は完全に勃起し、陰嚢は不自然にうごめいている。
 陰嚢の表面にはわずかな盛り上がりが4つあった。
 光の加減だろうか。それらは人の顔にも見えた。
「うん、みんな僕の精子になってくれたみたいだね」
 その様子を眺め、満足そうにうなずく男。
 スチール缶チノがまとった小さな青い制服をはぎ取って、自らの男根を覆う。
 裸の少女の形をした空き缶はその辺に投げ捨てられ、快い音を立てた。
 そして男は男根をしごきはじめた。
 男根を包む青い制服が先走り汁に染められていく。
「おっ……! 射精るっ!」
 その瞬間、男は発射口へ青い制服をティッシュのようにあてがい、その中へ精液を吐き出した。
 4人の少女を消化吸収して生成された大量の精子が、チノの青い制服にたっぷりと染み込んでいく。
 やがて射精し終わると、男は精液でずっしりと重くなった布切れをその場に放り捨てる。
 白濁にまみれた青い布切れが床に落ちて、鈍い水音を立てた。
「ふー、やっぱり女の子を食べた後のオナニーが一番気持ちいいなぁ」
 罪悪感のまるで感じられないあっけらかんとした口調で話しながら、男は無人の喫茶店を後にした。
 振り返りもしなかった。


 その男は何の特徴もなく、誰の気にも留まらない。
 男は壁に貼ってあるチラシを眺めていた。
 そして、無邪気につぶやく。
「フルール・ド・ラパンか……美味しそうな女の子がいそうだなぁ。行ってみよっと」

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SAOMAN 2018/04/16 16:59

紅魔館壊滅

紅魔館の玉座には堂々たる風格のヴァンパイア少女が鎮座し、目の前の男を睥睨していた。傍らには冷たい目つきのメイド長が懐中時計を手に直立している。
「咲夜、ちょっと聞きたいのだけれどーーそこのニヤついた男は今日のおやつかしら?」
「いいえお嬢様、あのような不遜な人間を供すぐらいなら私はこの場で自害します」
「今日は悪食の気分なの。咲夜、瞬く間にあれの五体をバラして持ってきなさい」
「御意に」
 メイドと主の会話が終わった。それは死刑宣告と同義である。
 コンマ秒すら経たず、男は為す術なくバラバラ死体になる運命にあった。
 そのはずだった。
「・・・!?」
 突如、咲夜の体中を耐え難い違和感が駆け巡った。
 この場の「何か」が絶対にあり得ない変化をしたのだ。
 その正体を見極めようと硬直していた咲夜だったが、眼前の奇妙な光景にすぐ我に返る。
 いつのまにか男が何かを体の前で抱きしめ、それを上下に動かしていた。
「お前のご主人様はなかなか使い心地がいいな」
 呼吸を荒くしながら男が口を開く。
 咲夜がけげんな表情をする。こいつは何を言っている?
「貴様、いったい何を・・・っ?!」
 嫌な予感がした咲夜が振り向くと、玉座にいたはずのレミリアの姿が消えている。
 咲夜は慌てて男のほうに向きなおり、男が動かす物体を子細に観察する。
それは人形のようだった。
 だが、人形には服が着せられていない。着せ替え人形の素体と言えばいいのか。露わな肌は透き通るような白だった。
 そして通常の人形とは明らかに異なっている部分がある。四肢がないのだ。腕は肩の部分で、脚部は鼠径部に沿って、大理石の床のように滑らかにカットされている。
 鼠径部の間、つまり陰部には男の肉棒が出し入れされ透明な液体を飛び散らせている。
 思わず眉をひそめた咲夜だったが、人形の顔のほうへ視線を向けるとその顔がこわばった。
 青みがかった銀髪に深紅の瞳。開いた口からは小さな牙が見える。表情が消え失せていることを除けば、それは咲夜が最もよく知る顔だった。
 何が起きたか理解した咲夜の目が大きく見開かれる。いや、実は最初から分かっていたのかもしれない。認めたくなかっただけで。
「あ、あ、そんな、いやあああっ!」
 十六夜咲夜が忠を尽くす主、紅魔の気高き吸血鬼レミリア・スカーレットがオナホに成型され、チンポをしごく道具にされているとは。
 咲夜の顔が恐怖と怒りに歪み、悲鳴混じりの声で男を問い詰める。
「お嬢様に何をしたッ!」
「おっ射精るっ。・・・ふぅ。ちょっと締まりが悪くなってきたな」
「この、話を――!?」
 瞬間、咲夜の視線の先の男が消えた。咲夜が即座に振り向くと、男が玉座に座っている。その手は相変わらずレミリア型オナホを上下させていた。
「ああ、イス借りてるよ。流石にずっと立ちっぱなしでは辛いからな」
「ま、また――ひっ、一回でどれだけ出してるんだ貴様!」
 咲夜が軽蔑したような悲鳴を上げて後ずさる。
 玉座からは白濁液が滝のように流れ落ちている。座席部分も白く染まっていた。レミリアの口からはドボドボと白濁液が湧き出している。
「1回?いや、かれこれ100回は出しているが・・・?」
「ひっ、100回だと!?そんな時間が経っているワケが・・・そうか、貴様、時間操作能力者か!」
 相手を指さし、敵の能力を宣言する咲夜。だが男は怪訝な顔で首をかしげている。
「時を、止める・・・?すまん、ちょっと意味が・・・」
「とぼけるな!一瞬でこんなことができるわけない!いや、あるいは時を飛ばして・・・?」
「ん・・・?あ、あーあーあー!そういうことか!そうだったな!」
 シゴく手を止めて考え込んでいた男だったが、いきなり得心がいったように大声を上げた。
「君らにとっては時間は操作しないと扱えないんだったな。4次元の常識とは違う」
「な、何を、バカげたことを・・・?」
 咲夜の顔が蒼白になる。男の言うことが理解できない。だが彼女はわかっている。何もかも台無しになると。
「立体パズル、わかるだろう?アレと同じだよ。私は時間を自由に組み替えられる。当然、因果も自由だ。」
 咲夜の表情が絶望に凍り付く。文字通りの別次元の存在。時間を操る程度の能力では太刀打ちできない。歯をカチカチと鳴らして全身を震わせる。何をされるのか?何もかもされるのか?何が起きるか分からない圧倒的な恐怖が咲夜の頭からつま先まで浸潤していく。
「おいおい大丈夫か?顔が青ざめているぞ?もっと血色のいい顔をしなきゃあ」
 男がニヤニヤしながら咲夜の頭を軽く小突いた。
「あぶっ・・・はぶぁ!?」
 咲夜の美しい銀髪が丸ごとばさあっと落ちると同時に、頭頂部から包茎を剥くように表皮が顔のパーツごとずるりと下へたるむ。そして包皮が剥かれた後にはピンク色の艶めく巨大な弾頭が出現した。
 頭部を亀頭にすげ替えられた咲夜の体はなにが起きたのか分からず、顔があった場所を手でペタペタと触っている。
「お気に召したかメイドくん?ってああ、しゃべれないよなスマンスマン」
 男は楽しそうに笑うと、また「何か」をした。
「な、なにも見えない・・・いったい何が・・・!」
口を失ったはずの咲夜の声がどこからかくぐもって聞こえてくる。
その声が漏れる場所は、いつのまにか男の手の中にあった咲夜の懐中時計の中。
「いま見せてあげるよ」
 男が懐中時計のフタを開ける。その中身は当然文字盤ーーではなくそこにあったのは縮小された咲夜の顔だった。
「え・・・?は、わ、私の体、ひ、顔が、え?顔、あ、ああ、なんで、なに、いっいやあああああああーーーーっ!?」
 咲夜の表情が混乱の極みに達し、懐中時計から悲鳴が上がる。頭部が亀頭化した咲夜の体がナイフをめちゃくちゃにばらまく。
「うわ、あぶないな。メイドならもっと慎みをもつべきだろうに」
 しかめっ面をした男が呟いた直後、亀頭化咲夜の控えめな胸部がボンと大きく膨らみ、メイド服をはちきれさせる。さらに首が太くなったかと思うと、槌を振り下ろすような勢いで一気に床まで伸びた。通り道にあった胴体が真ん中から裂け、どこかへ飛んでいってしまう。
 乳房は伸びた首の先端とともに床に着いていた。
「あ・・・ああ・・・!からだ、体が・・・」
 咲夜が絶望的な声を上げる。咲夜の目に映るのは、さっきまで自分の体だった、床から天井へそそり立つ陰茎。そしてその根本に寄り添うのは、金玉袋をイメージさせる肥大化した乳房だった。
「うん、これこそ淑女の態度だ。お嬢様もそう思うだろう?」
 淑女とは全く離れた男根に作り替えておいて、男が物言わぬレミリアにしゃあしゃあと語りかける。
「なんなんだ・・・貴様は、何が目的で、こんな・・・っ!」
 体を巨大な男性器にされ、顔を懐中時計にされ、主を生オナホにされた咲夜が涙を流してにらみつける。咲夜の言葉に男はちょっと眉をひそめて、残念そうにため息をついた。
「意味や目的か。うらやましいな、そんな概念を問えるとは・・・」
「ふざけるな!まじめに答えろ!」
 咲夜の剣幕に男が鼻白んだように渋面を作る。
「ではこうとでも答えておこう。ひまつぶし、だ」
 言い終わった刹那、レミリアが巨大ペニスの先端にはまっていた。体が亀頭の形にぽっこりと膨らんでいる。
「へっ? んあっ、んほおおおおおおおっ!?」
 男の手中にある懐中時計の顔が一瞬固まった後、決壊したように快楽の叫びをあげる。
 レミリアの体内は菊門から咽頭までをまっすぐな一本のトンネルにされており、その壁面は伸縮性があり、膣壁のように柔らかなヒダで埋め尽くされていた。
 男根を撫で揉みしだき気持ちよくするためだけの穴。そんなところに挿入すれば無様なアヘ顔を晒すのも当然であった。
「気持ちいいかな、君のご主人様は」
「おへえええええっ!ナカが、うねってぇ!あっあっイくっイくうううううううううっ!」
 絶頂の叫びとともに男根が射精し、レミリアの口から勢いよく白濁液が噴き出す。床へ放出された精液があっという間に湖を作った。
「なんか足りないな・・・なんだっけな」
 男があごを撫でながら思案するそぶりをする。やがてあきらめたように首を振ると、
「とりあえず石化しとくか」
 その一言で、挿入するレミリアごと巨根が灰色の石像と化した。しかし射精は止まらず、レミリアの口はマーライオンのように精の水を放出し続ける。
「でりゅっでりゅううぅしゃせーさいこおほおおおおおおぉっ・・・」
 狂ったように射精の快感を喚く懐中時計の咲夜も間もなく石になり、二度と声を上げることはなかった。
「・・・はぁ、次いくか」
 男はどうでもよさそうに言うと、石になった懐中時計を床に溜まった精液の池に放り投げると、跡形もなく消えた。
 白濁の中に落ちた石の表面には幸せそうなアヘ顔が刻まれていた。

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