快鳥童子シーガルマン八戸夜話 第二回
このお話には、倫理及び医療技術的に問題のある表現が多く含まれます。
上記についてよくよくご承知の上、一創作作品としてお楽しみいただければ幸いです
作:伊角茂敏
八戸の郊外、市の中心部から南に十数キロほど向かった地点の周辺を山林に囲まれた静かな一帯の中に、鉄筋コンクリート製の4階建ての古びたビルディングが1軒、人目をはばかるようにしてひっそりとたてられている。
時折積雪も見られる冬真っただ中の、1月のある日の午後3時、このビルは珍しくささやかな喧騒に包まれた。1台の黒ずくめのワンボックスカーが整備の行き届いていない道路を越えて現れ、ビルの所在する敷地内に侵入し停車した。
停車した車の中からは移動式の寝台が1台と、それを囲むように数名の黒ずくめの男が飛び出すと、それらはあわただしい様子で、ビルのほうへと進んでいった。
黒ずくめの一団の1人が重い鉄製の扉を開けると、残りの数名が寝台をビル内におしすすめた。静かなビルの中にはガチャガチャとした金属音と数人分の物音が響いた。
男たちは叫びこそしないものの、その全員の挙動にはところどころ焦りのようなものが見て取れる。一団はそのような調子のままビルの中を、寝台を押してなおも進んでいった。
この建物、外から一見すると廃墟一歩手前といった様子の古ビルであるが、その実態は八戸市を拠点とする巨大企業グループ、パーシアスエンタープライズが密かに所有している生命工学の実験施設であった。
パーシアスエンタープライズが生命工学に関して先端を行く技術研究を行うべく、秘密裏に設立したこの研究所には多くの研究室が存在し、人間の遺伝子治療から遺伝子改造、生物兵器の製造といった技術群の研究開発が合法・非合法を問わず日夜続けられている。
そうした研究施設の中の一画に構えられた実験室にこの時、一人の男がいた。白衣を着て不織布マスクをつけた中肉中背と言った風貌のその男は、目の前にある水槽を眺めながら深いため息をついている。男の目線の先には、動かなくなったラット(主に動物実験に用いる大型のシロネズミ)の死体があった。
男は袋に詰めたラットの死体を大事に抱えると、実験室を出た。
同じフロアのエレベーターに乗り、地下に向かった。ビルの地下には、疫病等の発生を防ぐため、動物実験系廃棄物を厳重に保管するための施設がある。男はすっかり慣れた様子で保管施設を進むと、その一画にある1台の冷凍庫の制御パネルを操作して必要な情報を入力したのち、冷凍庫の中にラットの死体を納め、冷凍庫の扉を閉じた。
そして最後に、男は閉ざされた冷凍庫に向かって姿勢を正すと、静かに手を合わせた。
「ここにいたか、杉浦。」
「杉浦」と呼ばれた男は、自身を呼ぶ声の方を振り返った。
「すみません所長。このあと死んだラットの報告書を作ります。」
杉浦は振り返ると自身に声を掛けた中年男性に言った。
「今回は病原駆逐用のナノマシンの研究だったか。」
「ええ。ある程度こちらからの制御を受け付けるのですが、騒音でちょっと手元が狂いまして。」
「…今更だけど変な男だね、君は。」
所長と呼ばれた中年男性は杉浦を奇妙なものを観察する様子で見ながら言った。
「はあ。」
「これで今月107匹目。君くらいだよ、ここまで熱心に実験をやってるのは。」
「そのために雇われてるんです。当然でしょう。」
杉浦はそう言いながら歩き出した。
所長も杉浦に並んで歩きながら会話を続ける。
「でもその割に、君くらいだよ。…ここまで実験動物を手厚く扱うのは。」
「こちらの手前勝手で殺した動物です。せめて手を合わせるくらいのことは当然でしょう。」
2人はエレベーターにのり、地上へのボタンを押した。
なおも会話は続く。
「確か、もともと君は医大にいたのだったね。」
「はい。一応は。」
「医者志望で?」
「ええ。最初は。」
「最初は?」
「途中で性に合わなくなりまして。」
「それでマッドサイエンティストの道を選んだわけだ。」
「…マッドサイエンティスト…。」
「…おっとすまない。失言だった。」
所長は若干冷や汗をかいたようだ。
「でも悪いことじゃない。今の世の中医者よりマッドサイエンティストの方が希少だ。」
「マッドサイエンティストが何の役に立つんです。」
「立ってるとも。少なくともこの研究所はそれで遅れを取り戻せているし、ここで生まれた技術は必ず誰かの役に立つ。」
ここで、エレベーターの扉が開いた。
2人はエレベーターからビルの1Fに降りると、廊下を歩き始めた。
「…それはそうとだ。人間についての医療知識はしっかりとあるわけだよね?」
「一応。一通りは。」
「それは助かった。杉浦、君にお客様だ。」
「私に?」
「ああ、もう応接室でお待ちになっている。」
杉浦は所長に連れられビルの1Fの応接室に通された。
応接室のソファには既に件の来客がいた。
死んだような目をした黒ずくめの服のその来客は、杉浦を一瞥すると所長に言った。
「所長。その人がお医者様か?」
「はい、彼は―」
「―只の研究者ですが。」
杉浦は、返答しようとした所長を遮って答えた。
来客は不機嫌そうな表情で。所長の顔を見た。
「所長。」
「いえ、スミスさん。彼は医師免許を持っています。」
「それで、腕の方は?」
スミスと呼ばれたその来客は、低い声で所長を問い詰めるように言った。
「彼は国立の医大に9年半いました。」
「9年半つったって、途中で何年も浪人してるなら意味ねがべ。」
「それは…。」
所長は返答に窮した。
「留年したことはありませんし初期臨床研修は終えてます。専攻の途中で辞めはしましたが。」
杉浦は所長の様子を見かねたように自身の経歴を端的に述べた。
「それが何だかワはわがんねぇけども、人は治せるんだべな?」
※ワ 青森県南部地方の方言で、私、Iを指す言葉
「経験はあります。」
杉浦は堂々と答えた。
「…この研究所で一番医者に近いのは彼になります。」
所長はスミスの目を見据えて言った。
「…わがった。失礼なこといって悪ぃがっだな。」
スミスは杉浦に軽く頭を下げた。
「杉浦、ひとまずかけてくれ。」
杉浦は所長に促されソファに座った。
「改めて、スミスさん。こちらは当研究所の研究員、杉浦重倫(シゲノリ)です。」
「どうも。」
杉浦はスミスに軽く頭を下げた。
「杉浦、こちらはジーン・スミスさん。以前は本社の警備部の主任で、今は市内の警備会社でマネージャーをされている。」
「ああ、聞いたことがあります。今はフロント企業で本社の火消しをしてる人たちでしたっけ。」
「杉浦!」
所長は先ほどから無礼な態度の杉浦をなだめた。
「所長、構わねぇ。」
スミスは所長を制した。
「それで、そんなお方が私になんの御用です?」
「んがに治してほしい患者がいる。」
※んが 青森県南部地方の方言で、あなた,Youを指す言葉。正確には、「い」と「ん」の中間といった発音である。
「はあ。」
「うちの協力者の一人なんだけどもな、昨日現場でばったり倒れちまって。」
「それで私に?」
「ああ。」
「…お断りします。」
「…理由は?」
「ここは病院じゃない。私は医療の現場から離れてずいぶん経ちますし、設備だって不十分だ。とても患者を助けられる状態ではありません。」
「設備が無ぇってんだら、本社の附属病院からさでもかき集めてくる。」
「なら、附属病院に連れて行けばどうです?あそこなら十分な設備もありますし優秀なスタッフもそろっている。お宅の仕事上のプライバシーも守れると思うんですが。」
「いや、あれんどじゃあいづは直せねんだ。」
※あれんど 青森県南部地方の方言で、彼ら,
theyを指す言葉。「んど」は複数形を指す模様(いがんど:あなた達、あれんど:あの人たち)、その時の文脈、人による発音の癖によって、「ありゃんど」に変動する
「それはどうして?」
疑問を浮かべる杉浦に対し、スミスは無言で一枚の封筒を渡した。
「読んでけろ。」
杉浦は封筒の中に入っていた分厚い資料に目を通した。
金属製のマスクと厚手のコートを装着した奇妙な格好の人物の写真から始まり、
以下数十ページで構成された資料をぱらぱらとめくりながら杉浦はその内容を把握した。
「…冷凍人間。」
「あいづは只の人間じゃねぇ。普通の病院じゃ治せねんだ。」
スミスは頭を低くし、どこか縋るような様子で杉浦に話しかける。
「頼む先生。コールダーを治してけろ。」
スミスは遂に、応接テーブルに額をするようにして杉浦に懇願した。
この時、杉浦の心は揺れ動いた。
その大部分はスミスへの哀れみだったが、それに加え「冷凍人間」という情報に
ほんの少しの好奇心が湧いたのだ。
「…分かりました。お引き受けしましょう。」
「…ありがとう。」
そういうとスミスは、杉浦の手を取り強く握りしめた。
「それで、件の患者は?」
「部下が別の部屋さ運んだ。」
「早速お会いしても?」
「頼む。」
杉浦とスミスは所長を残して応接室を後にすると、患者が運び込まれている仮設の病室へと向かった。
「ここさ間借りさせてもらった。」
「…ここですか。」
スミスに連れられた杉浦が行き着いた場所は、本来被験体の適応能力を探る実験に使用されていた、特殊な空調実験室であった。
「リーダー。一先ず装備の解除は終わりました。」
実験室の前には、黒ずくめの服を着た男が2名直立しており、スミスと杉浦を出迎えた。
「ああ。」
スミスは不織布マスクを装着すると、杉浦を伴って実験室に入った。
入室後まもなく、杉浦は額を汗が落ちる感触を覚えた。
「…暑い。」
「言い忘れてたけんど、室温は摂氏70度ささせてもらってる。」
「…確か装備がないと凍死してしまうんでしたっけ。」
「ああ。んがは熱中症さ気を付けてけんだ。」
「ええ。」
杉浦は空返事を返しながら、白衣のポケットに放り込んでいたハンカチを取り出し汗をぬぐうと、実験室に設置された寝台と、そこに寝かされている一人の人間を見た。
杉浦が初めて目撃した冷凍人間は、資料に添付されていた写真とは打って変わり、
全ての装備が外されている。あの金属製マスクとコートの下にいたのは、
青い肌と銀色の髪の毛に華奢な体格をした、まるで少年のような男だった。
口元には武骨な呼吸器が装着され、弱弱しく呼吸をしている。
どうやら意識は無い様子だ。
「彼がその冷凍人間ですか。」
「ああ。よろしく頼む。」
こうして、研究員杉浦による冷凍人間コールダーの治療は開始された。
杉浦がコールダーの主治医になってから数時間が経過した。既にスミスと彼の部下である黒ずくめの男数名は杉浦に後を託しビルを去っている。
杉浦はひとまず、スミスから渡された資料を元に、手段は限られるもののコールダーへの検査を行い、現在は実験室隣の事務室で、得られた情報を簡単な診療録に纏めるべく、古びたパソコンに向かっている。
「さて…彼は何故倒れた、か。」
杉浦は診療録のデータを元に、コールダーの容体についていくつかの仮説をまとめる。
1.彼が冷凍人間にされた際の実験の後遺症。
2.冷凍人間としての能力が彼の身体に密かに負担を掛けた結果。
3.常人と変わらぬ病気
etc...
「普通に考えれば1か2が妥当なところだけども...。」
『-コン、コン。』
「ん?」
杉浦が事務室の椅子に腰かけ、独り言のように呟いていると、
誰かが事務室のドアをノックした。
「はい。」
杉浦は事務室のドアを開けた。
ドアの前には、20代に満たない程度の手提げかばんを持った若い青年がいた。
はて、この年代の人間が出入りするような研究所だっただろうか。などと杉浦が考えていると青年は口を開いた。
「あの、コールダーがここにニューインしてるってきいたんだけど。」
「…彼の家族か?」
「あー、なんつーの?ともだちかな!」
「…友達…。」
面会を許可するには微妙な間柄について、杉浦は少し迷った。
一方の青年は能天気に話を続ける。
「スケルトンはいいって言ってたぞ。」
「スケルトン...?」
「ほら、なんか目が死んでる」
杉浦は自分にコールダーの治療を託した不愛想な男の事を思い出した。
「ああ、スミスさんか。」
「そうそう!スミススミス‼」
「それじゃあ君も彼の仕事仲間?」
「ああ!」
青年はえっへんとでもいいたげに胸を張った。
「そうだなぁ…。」
「やっぱ会えないのか...?」
杉浦が青年に対し少し歯切れの悪い返答をすると、
青年は途端にしょんぼりした様子を見せた。
「分かった。でも少しだけだぞ。」
いたたまれなくなった杉浦は青年にマスクを渡すと、実験室のほうに案内した。
マスクをつけた青年は、勢いよく実験室のドアを開けた。
「おっすコールダー、ゲンキか!」
「元気だったらここにはいない...。」
杉浦はぼやくように青年の第一声に突っ込みを入れた。
「ジョーダンだよ。これがコールダー?」
「ああ。」
「こんなかおしてたのか。」
「そうみたいだな。」
「わりといいかおしてるな。」
「そうかもな。」
杉浦は青年のコメントに対し適当なコメントを返しながら、ついでにコールダーのデータを採る準備を始めた。
「なあセンセイ。しばらくそばに居てやっていいかな。」
「…暑くないのか?熱中症になるぞ。」
「いつもテツのアーマーきて海にもぐってるからなれっこだよ!」
「…私はしばらく彼のデータをとる。直接触れたりしなければその間はいてもいいよ。」
「…ありがと!」
青年は笑顔で杉浦に礼をいうと、コールダーの横に座った。
「さてと。とりあえず体温と心拍数の測定から初めて―」
杉浦はブツブツとコールダーの周辺の医療機器(もちろん、耐熱型の特別仕様である。)をいじり始めた。
青年は眠り続けるコールダーに話しかける。
「コールダー、きょうはいいものもってきたぞ!」
青年はそういうと、持っていた手提げかばんから一冊の冊子を取り出した。
「たのしいたのしいカミさまのほんだ!」
「…絵本かい?」
杉浦は医療機器の操作をしながら青年の様子を伺って聞いた。
「小さいころオレがカゼひいてねこんだときに、しんだじいちゃんがよんでくれた本なんだよ。コールダーがよろこぶかとおもって!」
青年は懐かしそうな様子でそう言うと絵本を開いた。
一方の杉浦は機器の画面に目を向けると、表示されるグラフとの睨めっこを開始した。
「よーし、カミさまのはなしのハジマリハジマリ!」
青年はゆっくりと絵本の読み聞かせを始めた。
「むかしむかし、あるところにカミさまがいました。」
「ん…?」
杉浦はコールダーの生体情報を示すグラフに違和感を覚えた。
「いいかコールダー、これからカミさまがせかいをつくるんだ。たのしみにしてろよ~!」
「…これは…。」
杉浦が確認したグラフは、それまで乱高下が激しかったものが、青年が読み聞かせを開始するのと同時に、穏やかなものに変動していたのである。
「…センセイ、どうかしたのか?」
「…君の読み聞かせが何故だか彼に効いているらしい。」
「マジで!?もしかして本でコールダーなおるのか?」
「すまないが、続けてみてくれないか?」
「よし!まかせろ‼」
杉浦は早くもこの変わった患者を治療する手がかりをつかみ、真剣な顔で医療機器の画面に向かった。
「そのひ、カミさまはうちゅうをつくりました。」
「…よし、いいぞ。」
グラフの挙動はコールダーの容体がさらに安定していることを示している。
「それは、カミさまがおおざけをのんだあとのことでした。」
「…ん?」
杉浦は、青年が読む絵本の内容に若干の違和感を覚えた。
「さいしょにつくったのは山と、山にはえる木と、ひとりのこびとでした。」
青年は読み聞かせを続ける。
「そして、カミさまはながいあいだ、そのパスタでできたしょくしゅで、みんなのしんちょうをおさえていました。」
杉浦はグラフの挙動よりも青年の読み聞かせの内容が気になって仕方なかった。
「ですが、にんげんがたくさんふえてしまったので、かみさまはみんなのしんちょうをおさえられなくなってしまいました。…きいたか?コールダー!きっとウミネコ野郎はカミさまに見はなされてるんだぜ、きっと‼」
「…。」
こころなしかベットの上のコールダーはうなされ始めているようである。
「カイゾクはカミさまにえらばれたひとたちで、じんるいのごせんぞさまなのです!そしてかせいだお金は、ヒンコンをなくし、ビョーキをなおし、ヘイワにいきて、もえるようにあいして、デンワのつうわりょうをさげるためにつかいましょう。」
青年は奇妙な創造神話の読み聞かせを続ける。
しかし、杉浦が見ているコールダーの生体情報モニターのグラフは突如乱高下が始まった。
「…何!?」
「そらとぶスパゲティモンスターのかみさまは、いつもわたしたちそばにいるのです。ぜんじんるいにさちあらんことを。ラーメン。」
「…ゴボッ」
昏睡状態のコールダーは、盛大に咳き込んだ。
「これでかみさまのおはなしはおしまいだ!コールダー、どうだった?」
「…。」
「…バイタル安定。」
杉浦が見ているモニターのグラフは、青年の話が終わるのと同時に再び安定した。
杉浦はデータを印刷し、立ち上がってハンカチで汗を拭うと、青年の肩に手を置いた。
「よし、今日はここまでだ。これ以上は私らも危ない。」
「…わかった。コールダー、またな!」
そして汗だくの2人は実験室を後にした。
事務室に戻った杉浦は部屋の暖房の設定温度を下げると、備え付けの冷蔵庫からスポーツドリンクを2本取り出して片方を青年に渡した。
2人はものすごい勢いでスポーツドリンクを飲み干した。
「サンキューセンセイ。のどかわいてたんだ。」
「…だろうね。」
「なあ、オレあしたもきていいかな。」
「…いいよ。彼の容体も君がいるとある程度安定するようだし。」
杉浦は青年と会話しつつ、事務室の収納スペースからタオルと除菌用アルコールを取り出した。
「…よかった!!」
「ただ..。」
杉浦は会話を続けながら青年にタオルを渡し、アルコールを出して青年に手のひらを出すようジェスチャーで促した。
「ただ?」
青年は首をかしげながら両手のひらを差し出した。
「空飛ぶスパゲティモンスターの話以外で頼む。どうやら今の彼には少しショックが大きいみたいだ。」
杉浦は青年の手のひらを消毒しながら申し訳なさそうに話した。
「そうなのか?まあいいや。オッケーだ!」
青年は手のひらに消毒液を塗りたくった後、片手でOKサインを出した。
「…ところで、名前を聞いてなかったね。」
「いそ...いや、スチルシャークだ!!」
青年は、一瞬つまりながらそう名乗った。
「スチルシャーク...そうか。本名は言えないわけだ。」
「…ごめんな。」
「構わないよ。私は杉浦だ。」
杉浦は自身も消毒した手をスチルシャークに差し出した
「スギウラセンセイか‼…よろしくな!」
スチルシャークは差し出された手を握り返した。
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