詰んでる近未来設定１～３まとめ
詰んでる近未来設定その１ 世界設定
世界全体で人口減少が進み、この話の国はかつて一億人以上いた人口が
3000万人以下にまで落ち込んでいる。
これまで何度となく疫病が発生し、人類の生殖能力が著しく低下した事と
格差が広がりこの国の九割が低所得か無職になった事が要因である。
この世界では結婚して自然妊娠で生まれた子供がいるという事が
最高のステータスとなっている。
その状況を打開するため国はかつて人工授精によって子供を増やそうとしたが
全く成功しなくなっていた。
その後開発実用化された人工子宮による受精と妊娠が成功し、現在では
ある年齢に達した時点で女性は卵子提供し、結婚しておらず子がいない
独身男性の世帯には繁殖用アンドロイドが貸与されている。
だが、これでも年々妊娠成功率は低下し、産まれてくる子供の数は減り続けている。
詰んでる近未来設定その2 アンドロイド
CIRONシリーズ
Eシリーズの廉価版であり単機能のみにしぼった型
現状ほぼ官製の人工子宮搭載の繁殖用のモデルが流通している。
国がアンドロイドによる人口増加政策を打ち出した時に
Eシリーズではあまりに莫大な予算がかかる為に経費削減した結果
生まれたのがこのモデルである。
Eシリーズはほぼ見た目が人間と同じだがこのモデルは関節部など
一部の部分が簡略化されている。
また機能面においてもＥシリーズは人間以上のスペックで
あらゆる作業をこなせるがこのシリーズは繁殖行為以外の
何事をやらせても常人以下であり、またやりたがらない。
一定の年齢に達した子供のいない独身男性に貸与され、安全や防犯等の
理由から登録された相手以外とは性交をしないようプログラムされている。
自然分娩は構造上不可能であり繁殖に成功すると大抵は自身で国の
出産施設に行き、その体は分解され人工子宮が取り出される。
その後新たな体と繁殖相手の状態に合わせたバージョンアップが行われ
再度貸与される。
所有権は国が保持しており、故意の破損や紛失は刑事罰の対象となる。
Eシリーズ
高級アンドロイドでありとあらゆる作業のこなせる民生用モデル
グレードがあり、現在最低のE-3から最高級のE-９まで流通しており
E-９シリーズにおいては人間の数十倍ものスペックを有している
また見た目も人間と相違が無い。
しかしその値段は非常に高価であり、ほぼ全て富裕層がオーナーである。
このモデルは身体構造も非常に頑丈であり、自然分娩も耐えられるため
出産の際には富裕層のパーティーにて出産ショーが行われる。
詰んでる近未来設定その３ 社会と経済
この国のアンドロイドの数は約3億体ほどが稼働しており
第一次産業から第６次産業そして行政に従事している。
彼らは24時間365日働く事が可能であり、また人間と違って
労働基準法も適用されないため生産活動は大幅に増加した。
結果あらゆるモノ、サービスの値段が下がりデフレとなり
社会福祉に関わる費用も大幅に下落したが、代わりに賃金も下がり
格差は絶対的に固定化し以前からの富裕層のみが富を独占している。
ほとんどの人間はもはや働いた金で生活は不可能になった時
国は給付金の支給を決定し、国民はその金で生活を行っている。
最早人間が労働することは社会にとって必須ではないが
男性に関しては一定の年齢以内に人間かアンドロイドと繁殖して
子供が生まれないと税金が5倍になり、年々子供が産まれなくなっている
状況において税金の支払いの為、また国の所有物である繁殖用アンドロイドを
養う為に働きに出かけている。