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2024年 08月の記事 (1)

これを読めば配信の応援方法がわかっちゃう!


●れいでぃお、再開

 大きな神社が中心に立ち、その周囲に豊かな自然が広がる【神域セントラル】。
 その一画、手書きの【れいでぃお】と書かれたプレートが下げられた扉の奥。そこに狐神【アヤメ】と【シオン】が開く、れいでぃお専用の部屋があった。彼女たちはここで、様々な情報を発信してきたのだ。
 ぺしょっと床に潰れるように倒れ、アヤメはだらけている。尻尾は力なく垂れ下がり、大きな胸がむにゅりと床に押し付けられていた。
「暑いのじゃあ……なんで、今年の夏はこうも暑くなっておるのじゃ!? 冷夏は、冷夏は来ぬのか!」
 がばっと起きて喚くアヤメを、本を読みながらシオンはちらりと見るとまた本に視線を戻した。少し流れる汗が首筋を流れ、鎖骨を通って絶壁の胸に落ちるが、特に気にしていないらしい。
「暑いっていうから余計に暑くなるんです。心静かに落ち着けば、気にする程でもないですよ」
「それはそうじゃが! 暑いものは暑いのじゃああ! ええい、服なんぞ来ていられるかぁ!」
 しゅばっと起き上がると、アヤメは来ているやたら露出の高い巫女服を脱ぎ捨てた。たわわな乳房がたゆんっと揺れる。綺麗な乳首や、股間まで丸見えである。
 全裸となったアヤメは扇風機の前に座ると、ふいいいっと情けない声を出しながら風を全身で浴びていた。
 そんなアヤメの姿をシオンは白い目で見ている。恥じらいを持て、ということなのだろう。
「アヤメ、またあなたはそういうはしたないことを」
「暑いんじゃから仕方ないじゃろ。そういえば、宣伝があったのではないか?」
 アヤメにそう言われたシオンはハッとして本を閉じる。どうやら彼女も忘れていたようだ。
 フリップを出し、テキパキと準備を進めていく。
「さて、では少々宣伝を。【17LIVE】にて【あきフィニ】によるゲーム配信が再開されました。時間は朝から開始となります」
「ゲームは、ゾンビゲームの【7 Days to Die】や【モンハン】をやっていくんじゃったな。モンハンはわかるが、ゾンビの方はどういうゲームなんじゃ?」
 アヤメの言葉にシオンはささっとフリップを出す。そこにはゾンビに襲撃される拠点が描かれていた。タワー上の建物がゾンビに襲われている。
「7日ごとに襲ってくるゾンビの群れを撃退しながら、崩壊した世界を探索、拠点を強化し様々な武器やトラップで戦うゲームですね。まずはやってみるのがいいでしょう」
 パシンっとシオンが手を叩くと、アヤメの視界が揺れる。
 次の瞬間、見たことない荒廃した町の郊外にアヤメが全裸のまま立っていた。人は誰もいないようだ。
「シオン、わし、全裸なんじゃが!?」
「最初はそうです。木や草から素材を得て、服と道具を作りましょうか」
「そんな所から自分でやるとはの。どれどれ……この草と、木を」
 適当な草と木、石を集めるとアヤメは石斧、粗末な服、木材ブロックを数個作った。
「まさに初期装備って奴じゃな。で、このブロックは言われるがままに作ったが……何に使うのじゃ?」
「それは建築ブロックですね。拠点はそれを重ねて作るんですよ。有名なマイクラと同じ方式ですね」
 ぐあああっという叫び声に気が付き、振り向くとそこには腐れたゾンビがいる。ふらふらとアヤメに向かって歩いてきているようだ。
 アヤメは高笑いしながら手をかざす。
「はーっはっはっは! わしに挑むとは無謀な奴じゃのう。消し炭してくれるわ!」
 しかし、手からは何も出ない。普段であれば火球とかビームとか出る筈である。
 困惑しているアヤメにゾンビは襲い掛かった。振り下ろされる腕を避けながら、アヤメはゾンビをこん棒で殴る。だが中々倒れない。
「おかしいぞ! 力が使えぬ!?」
「ええ、能力はロックしてあります。あくまでゲームの体験なので。頑張って対処してくださいね」
 思いっきりこん棒を振り回すアヤメだが、ゾンビはしぶとくまだ倒れない。
「はあはあ、振り回すのも疲れるものじゃな……じゃが、わかったぞ! 距離を離しながら殴れば、早々恐れる相手ではないわ!」
「あ、そんなに適当に殴ると……」
 こん棒でゾンビをぼこすか殴っていたアヤメだが、突如としてゾンビの眼が光った。するとゾンビはアヤメ目掛けて猛然とダッシュする。のろまという速度ではない。まさに陸上選手とでも言えばいいだろうか。
「むぎゃあああああ!? は、走らんのではないのかぁ!? や、やめ、か、かじるなぁぁ!? ひぎゃあああーー!?」
 もぐむしゃあっとアヤメはゾンビに食われ、世界は崩れる様にして元のセントラルの部屋へと戻った。アヤメは床に倒れている。勿論、傷はない。
「ひ、酷い目にあったのじゃ……なんじゃ、あの走るゾンビは!?」
「殴っていると一定確率で走るんですよ。ああ、夜には更に早く走る様になりますよ、全てのゾンビが最初っから」
「じ、地獄か!? そんなもん逃げられんじゃろ!?」
「だから拠点を作り、迎撃したりするんです。これは探索と迎撃を繰り返すゲームなのですから」
「ふむ……ハードなゲームじゃのう」
「攻撃力が数発で此方を倒すように上がったり、ゾンビの耐久力がカチカチになったり、夜は全力疾走だったりするのが、あきフィニがプレイしている難易度【狂気】ですね」
「あ、あやつら……凄まじい世界で遊んでいるのじゃな」
 フリップを片付け、笑顔を見せるシオン。隣ではアヤメが服をごそごそと着ている。
「17LIVEの配信では、コメント、無料ギフトなどお待ちしていますのでよろしくお願いしますね?」
「ぬしらの送ったコメントやギフトが応援ポイントという物になるのじゃ。30分視聴で出来るフルエールも効果的じゃぞ」
「エールの仕方が分からない、無料ギフトって何と言った場合などは、配信で聞いていただければあきフィニが教えてくれると思いますよ」
「複雑なシステムじゃからな、聞くのは恥ではない。後は、ながらでも良いから長く見てくれるとよいのう。まあ、定期的にコメントしてくれぬと配信側からはいるかどうか、わからんのじゃがの」
 深々と礼をしてアヤメ、シオンは締めの挨拶に入ったようだ。
「皆様のお力でいただく、応援ポイントによって一日ごとにグレードポイントがプラス1されるか、マイナス1されます」
「プラスが3つ貯まるとホワイト、ブロンズ、シルバーと言った具合にグレードアップ、逆にマイナスが3つ貯まるとグレードダウンじゃ」
「グレードが上がると時給がアップ、下がると時給がダウンするのでお給金に直結する感じですね。下げないように皆様の計測的な支援があると大変助かります。配信のモチベーションにも繋がりますからね」
「そうじゃな。じゃが、無理して有料ギフトなぞをドカっと投げんでも、毎日コツコツ無料ギフトを投げたり、葉信を視聴してエールをするとかしてくれた方がありがたいのじゃ」
「一日ごとのグレード審査がありますからね。昨日はたくさんもらっても、翌日から数日間何もなしだった場合、グレードは下がりますので」
 閉めようとしたアヤメだが、何か連絡が来ていることに気が付く。PCの画面をつけるとそこにはアヤメたちを同じ狐神の白狐たちがいた。それぞれが地方の神社を管理する狐神たちである。
「お願いなの! 応援を、継続的な応援を!」
「応援されないと、おやつが! 私たちのおやつがぁぁぁ!」
「肩身も狭いのぉ! お願いだからイラストに登場できるようにみんなの力を貸してぇーー!」
 そこまで言って映像は途切れた。どうやら白狐たちの嘆願のようだ。
「あやつら、なんじゃったんじゃ? 応援をお願いと言っているのはわかるのじゃが」
「彼女たちは出来高制ですからね。結果を出せない者には、セントラルはおやつを支給しませんし」
「そうじゃったのか……わし、貰っとるぞ?」
「アヤメは、まあ適当な性格で、やることなす事、適当な感じですが、結果は出してますので」
「なるほど……ってなんかディスっておらんか!?」
 騒ぐアヤメを制し、シオンはにっこりと笑う。
「では、今日はこの辺で。皆様の応援を心待ちにしておりますよ。応援がある程、R18イラストも捗ると思いますのでよろしくです」
「配信は朝頃、締め切りがない限りはほぼ毎日やっておるからの! コメントしてくれるだけでも応援ポイントは入るのじゃから頼むぞ、皆の衆っ!」

 こうして、久々のアヤメ、シオンのれいでぃおは幕を閉じるのだった。
 果たして白狐たちはおやつ再開なるのか。
 全ては皆様のお手に掛かっております。

◆17LIVE【あきふぃに】Vライバーの配信はこちら
https://17.live/ja/profile/r/18009748

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