『魔族堕ちした幼馴染』100DL記念SS
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アルカ・ステラ 2024/02/08 00:18
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アルカ・ステラ 2024/01/19 22:35
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アルカ・ステラ 2024/01/17 23:42
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アルカ・ステラ 2023/12/31 23:50
お久しぶりです。アルカ・ステラです。
活動を始めてから初めての年越しとなってしまいました。
4ヶ月近く、なかなか記事や作品が投稿できず申し訳ありません。
長らく休眠状態になってしまいましたが、今年公開した敗北した元勇者シリーズの2作へのコメントや評価は拝見させておりました。
気がつけば『敗北した元勇者は魔族堕ちした幼馴染に執着孕ませレ○プされちゃいました』も100DLを突破いたしましたので、ささやかですが記念SSを近々こちらに投稿させていただこうと思います。本当にありがとうございました!
来年は勇者シリーズの続編や、短編なども投稿していければと思いますので、暖かく見守っていただければと思います。
さて、前回執筆中とお伝えした短編小説がやっと形になりましたので、お知らせしたいと思います
このセイレーン、人間を下等生物と見下しているのでヒロインにも傲慢な態度で接しますが、あることをきっかけに執着を見せてきます。しかしヒロインには好きな人がいるのが面白くなくて無理矢理自分の番にしようとしてきます。セイレーンと人間。違う種族の2人が迎える結末を是非見届けていただければと思います。
発売日などは後日お知らせいたします。
皆様、良いお年をお迎えください!
2024年もどうぞよろしくお願いいたします!
アルカ・ステラ 2023/08/03 08:09
『敗北した元勇者は魔族堕ちした幼馴染に執着孕ませレ○プされちゃいました』100DLを超えていました!ありがとうございます!後日、記念のお話をこちらに掲載予定ですのに暫しお待ちいただければと思います。
そして、大変お待たせいたしました。『敗北した元勇者は魔族堕ちした騎士様に溺愛子作りレ○プされちゃいました』の100DL記念のお話です。
本編の後日談的なお話になりますのでお楽しみ頂ければと思います。
俺は親の顔を知らない。グローリア王国のとある孤児院の前に、生まれたばかりであろう俺が置き去りにされていたらしい。おくるみに文字らしきものが書かれていて、そこから「シキ」と名付けられた。
孤児という存在は名前以外自分のものを持つことができない。食べ物も、服も、本も、何もかも、それらは全て『みんなのもの』だった。
でも、俺には名前以外にもう一つ、自分だけのものがあった。
それは、夢。
孤児院の先生がよくみんなに読み聞かせていた物語に出てくる騎士。悪者を倒し、囚われていた姫を救い出し、二人は永遠の愛を誓う……
そんな正義の味方になりたいと、あの時は思っていた。
当時、孤児という出身である時点で王国では騎士になることができなかった。騎士とは、貴族たちが自分の権威を高めるための。お飾りの称号に過ぎなかったから。
それでも俺は衛兵となって地道に武勲を立て、ついに平民として初めて騎士の称号を手に入れ、グラディウスというサーネームも与えられた。
当然、貴族連中からのやっかみはあったが、それも魔王復活の折にグローリア王国に攻めてきた魔族達を追い払って見せてからは手のひらを返したように賞護へと変わった。俺はついに名実ともに騎士となったのだ。
しかし、あれだけ焦がれていた騎士になれても、なぜか心が満たされなかった。
空虚な心をごまかすように、俺はひたすら鍛錬に明け暮れ、魔族を殺し続け、王国一の騎士と呼ばれるようになってもついぞ心は満たされなかった。そして幼き日の夢など記憶の彼方へ消え去っていこうとしていたそのとさ、勇者に出会った。
今までそれなりに平穏に暮らしていたにも変わらず、神に選ばれて勇者という称号と剣を持たされ、外へ放り出された女。
人並みにかわいそうだとは思った。俺は信心深い方ではない。表立って神の存在を疑うような事を口にはしないが、剣を握ったこともない女に世界の命運を託すなど、どうかしていると思った。
そのうち根を上げて逃げ出すだろう。その時は俺が代わりに魔王を倒せばいい...そう思っていた。だがあいつは、決してあきらめなかった。かつての俺のように鍛錬を重ね、名実ともに本物の男者になっていったのだ。
そのひたむきな姿はいつしかかけがえのない、俺の光となっていた。
ああ、そうか。
俺はそこでようやく自分の夢を思い出した。
俺が欲しかったのは騎士の称号じゃない。自分が生涯をかけて…いや、永遠に守り、愛したい、大切な存在…お前だったんだ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ここは黒い枯れ木と荒地が広がる魔界の中でも珍しく、暗闇の中でも淡い光を放つ青い花が咲く小さな花畑だった。ここを見つけてからは必ず姫を連れてこようと決め、今日、姫を連れ出してここを訪れたのだ。
青色に咲く光に囲まれて、黒いドレスを纏った姫が佇む姿は俺が今まで見てきたものの中で1番美しい光景だった。
姫の前に跪き、その小さな傷跡が残る愛しい手の甲に口付けを落とす。ぴくり、と震える指先。彷徨う瞳、うっすらと赤く染まる頬。
堪らなくなって、俺は姫を押し倒した。こんな外で女性を押し倒すなど騎士のする事ではないと分かっていても、我慢できなかった。恥ずかしさに身をよじらせる姫を(嫌がっているようにも見えるが気のせいだろう。姫は俺のことを愛しているのだから)キスで宥め、愛の言葉を囁き続ける。
俺達は中途半端に服を脱いだ姿で互いを貪り合った。姫が寒くないように俺のマントを地面に敷いてやる理性はあるくせに、交わる事は我慢できない自分に自嘲する。でも、止められない。姫の声を、匂いを、温もりを、全て俺のものにしたい。
自分にこれ程までに底なき欲があったのかと驚く。魔族の血を取り込んだ影響なのか、それとも自分に元々そういったものがあったのが表面化したのかはわからないが…
そんな俺の小さな疑問は快楽の中へ溶けていく。姫と心も体も繋がることが、俺の幸福なのだから。
そして俺達は思う存分交わった後、抱き合ったまま心地よい快楽の余韻に浸っていた。姫の意識が無くなってしまったのは残念だが、啄む様なキスをして姫を労わる。
そして、暫しの別れの時間が来てしまった。
あぁ、もう時間かと俺はため息をついた。姫との時間は一瞬で終わってしまう。もっと一緒にいたくても己が職務を放棄するわけにはいかない。
……もういっそ、このまま姫と一緒に逃げてしまおうか。
そんな甘い夢を何度見たことか。だが、今の俺にそれはできない。魔王の力は強大で、奴の意に反して姫を連れ出そうものなら俺はすぐに殺されるだろう。
姫は……今でこそ俺の元にいるが、魔王は俺が任務で姫の元を離れている間、姫の元に足を運んでいるらしい。
姫に魔王と何をしているのかと聞いたところ、魔王は自分と話をしにくるだけで、他には何もせず帰っていくらしい。俺たちを魔王軍に迎え入れたことといい、勇者だった姫を殺さずにこうして俺たちと過ごさせる事といい、更にルーチェから頂いたブレイブソードも俺が管理しろと命じたりと、奴の狙いがわからない。それが不気味だった。
俺たちは魔王に逆らえないし、それを承知で奴の血を受け入れた……だが、このまま首輪をつけられたままでいるつもりはない。俺は姫に相応しい騎士…魔王すらも凌ぐ力を持った騎士になる為に俺はこれからも戦い続けよう。姫がいる限り俺は何度も負けても、どれ程の辱めを受けようとも、力をつけ、魔王を倒して本当の意味で姫を手に入れる。
そう考えているのは俺だけではないだろう。姫と共に戦った戦士達。姫は俺のものになったというのに「たかが最初に姫と交わった程度で適当なことを言うな」と抗議してきた挙句、いまだに隙を見ては姫を口説いているらしい。
どいつもこいつも姫の愛を請う厄介な奴ばかりだ。だが…魔王を倒すためには仲間達の手を借りる事も視野に入れなければ。自分と姫以外に信頼できるものといったら苦楽を共にしたかつての勇者パーティの連中しかいない。姫の1番は譲る気などないが、万が一の事も考えておかなければ。
そんな事を考えながら、姫を抱えて城へと向かう。
いずれ、もう一度戦うと決めた宿敵がいるであろう、城の最上階を睨め付けながら。