「聖女のラブニング」⑤

「それでは、街へ行きましょうか」

　にっこり微笑んで、フィルは言った。小屋に一泊した翌日だ。これから街の方へ向かうらしい。少し大きいが靴も用意してもらい、パコパコさせながら歩きはじめる。街はどんなところだろう。まずは服が欲しい。特に下着。ズボンやシャツの感触がダイレクトに届き、落ち着かない。特に胸元。私はちらりと確認する。シャツが擦れてしまうため、どうしたって乳首が立ってしまう。私は顔を赤くする。……気にしないようにしよう。

「聖女のラブニング」④

　シャワーからお湯が出て、私の身体を濡らしていく。恥ずかしくてたまらないが、温かくて気持ちが良い。

　フィルが手に持つシャワーによって身体全体が濡らされる。全身を一度濡らすと、今度は性器にシャワーを当てられ、もう片方の手で割れ目を擦られる。

「聖女のラブニング」③

　男からもらったローブのようなものを羽織りながら、二人で大きな岩に座る。こういうものがあるなら、もっと早く渡してほしかった。私は前をしっかり押さえながら、身体を隠す。男は眉を下げて、私を見つめる。声も仕草も、優しそうな人という印象だ。

「聖女のラブニング」②

　私がいるのは森の中のようだ。小さくなりながら周りを観察する。木々が生い茂っていて、先が見えない。どこへ向かったらいいのだろう。そもそも私は今裸だ。誰か人に会って助けてもらいたいが、会いたくない。

　複雑な気持ちがぐるぐると頭を巡っている。どうしてこんな場所にいるのだろう。何か身体を隠せるようなものはないだろうか。周りを見ても草木しかない。さすがに草を編んで服にするのはやり方もわからないし現実的じゃない。しかしこのまま夜になるのを待つのが危険だろうというのはわかる。

　私は身体を隠しながら、歩き出した。

「聖女のラブニング」①

「もう、最悪」

　仕事を終え帰ろうとしたが、もう終電はなくなっていた。しかし疲れ果てた身体は、一刻も早く休みたいと言っている。タクシーを使ったり、ホテルに泊まったりするお金の余裕もない。どうしたものか、と駅の周りをふらふら歩いていると、ネットカフェの看板が目に入った。これだ。私は早足で向かった。