【死月妖花】新村美冬キャラクター解説【ネタバレ注意】
祀耀757年12月3日生まれ 女性 血液型O型
身長163cm 体重52kg
新村春花の母親、新村栄一郎の妻。
古郡茜の幼馴染。
本記事は約34000字です。
人物紹介
- イメージカラー:水色
- 趣味:美容
- 特技:料理
- 苦手なこと:散らかった部屋
- 好きなもの:家族
- 嫌いなもの:辛いもの、コーヒー
- 座右の銘:今日が一番若い
経歴
祀耀757年12月3日生 母親死去
祀耀764年4月 元木小学校入学
祀耀770年4月 元木中学校入学
祀耀773年 父親死去
祀耀773年4月 元木高校入学
容姿
祀耀800年四月八日時点で42歳であるが、若者でもかなり勇気のいる服装をしている。
ノースリーブのトップスにミニスカートの姿がメインで、40代の女性にしてはちょっと若すぎる印象のようだ(もちろん、ファッションは個々人の自由であるが)。
古郡なつみ目線では美人で若々しい女性とのことだが、この服装とおばさん臭い立ち振る舞いが痛く感じるらしい。
高校生に入学したばかりの頃は田舎っぽい髪型で猫背だったらしく、雰囲気的にも美人とは言い難かった。
しかし古郡茜のいたずら計らいで思い切ったファッションにしたところ、急にモテだした。このため、素材はかなり良いのだろう。
若さへの執着
このように年齢不相応なファッションを好むのは、死亡した新村栄一郎をがっかりさせたくないからと明徴編『紙人形』にて本人の口から語られている。娘の新村春花でさえも本人に対して苦言を呈すが、先述の理由を述べられるとそれ以上言い返せないようだ。
元々の美貌もあり、祀耀800年時でも彼女に言い寄ってくる男性は多いようだが、再婚の意図は全くなく、ずっと心の中には新村栄一郎が生き続けている。新村春花はそれを悪い意味でも捉えているようで、過去に縛られずそろそろいい人を見つけてほしいとも願っている。
以上の理由から若作りに余念がないのだが元々自己肯定感が低いこともあり、自分の容姿が優れているかどうかはさほど気にしていない。『いつまでも若く美しい自分自身が好き』というナルシストではなく、新村栄一郎に喜んでもらえないと生きていけないという一種の強迫観念によるものである。
髪型
本作の中でも髪型の変化が指摘された人物である。雑談で、新村栄一郎がポニーテールを好むことから若い時期はそのようにしていることが多かったと明かされているが、ある時から(女ケ沢市事件回避ルートでは少なくとも祀耀790年5月頃から)ポニーテールをやめている。
新村栄一郎死亡後もしばらくポニーテールであったことを考えると、何らかの心的変化があったと思われる。いつまでも若作りすることとは矛盾するが、ちょっとだけ過去からの脱却を図ることができたことが、髪型と言う比較的変化させやすい部分に反映されたのだろう(その意味合いは、女ケ沢市事件の有無で変わってくるが)。
表情での見た目の変化
新村美冬はその時々で見た目の評価が異なる。例えば、
- 明徴編『残された謎』
新村春花の主観では、年相応どころか実年齢よりも老け込んだように見える - 詫言編『私が望んだ勇気』
古郡良治の主観では、表情によって美醜や若々しさに違いがある
とのことで、実年齢からかけ離れて肉体的な若さを保っているわけでもないようだ。死月編『不毛』では「いつも元気でいることが若さの秘訣」と述べられており、彼女に限ってこれは真理と言えるだろう(正確には、若い気持ちで元気でいることが秘訣という意味)。
性格
幼少期からの親友である古郡茜によると『極端』とのこと。
低い自己肯定感
少なくとも高校一年生の時期は非常に自己肯定感が低く、何も自分で決められないほどに優柔不断であった。おそらく成長期に古郡茜に依存するような生活が続いており、自分で判断して行動することに慣れていなかったゆえと思われる。
しかしあくまでそれは自己肯定感の話であり、実生活においてそこまで優柔不断と言うわけではなく、実はかなり判断が早い方だ。
少し先の話になるが、詫言編『夢』、リファレンスNo.158『人生のゴール』では結婚にあたり荒田集落の山籠に行くことにほとんどためらいが見られない。「実はこういう風習があるんです」「へえ、そうなんですね。休職の申請してみます」くらいのノリだったと思われる。
それだけ新村栄一郎との未来に魅力を感じていたとも言えるが、普通ならもう少し考えた方がいいことでも即断してしまう。極端である。
強い自己肯定感
30代以降になると、高校時代が嘘だったかのように高い自己肯定感にみなぎっている。女ケ沢市事件回避ルートではその切り替わりが描かれており、髪型と一緒に性格まで変わった。
いつまでも若々しく元気でいることが大事と思っているようで、古郡なつみの視点では「テンションを上げて若さアピール」と受け取られているが、そのアピールは自分自身のためなのだろう。
おそらくこのような性格が切り替わったタイミングは女ケ沢市事件発生の如何により異なるだろうが、少なくとも発生ルートでは「自分だけ老いていくのは新村栄一郎に申し訳ない」という思いから来るもので、精神的にも若くいるために立ち振る舞いも変えていったのだろう。極端である。
家族へのあこがれ
生まれて間もなく母親が死亡、父親も高校1年生の時に他界している。兄弟や親せきもいなかったことから天涯孤独の身であったが、父親が多額の財産を残していたため新村美冬は生活することができた。彼女自身家事スキルが非常に優れているようで、生活自体は問題なかった。
しかしこのことから家族に対して強いあこがれを持つようになり、好きな男性のタイプは家族になれる人と言い切っている。自分でも好きなタイプとしては重たいと自覚しているがこれは譲れないらしく、彼女に言い寄ってきた男性は新村栄一郎以外全員を振っている。
それだけに一度手に入れた家族に異常な執着心を見せ、新村栄一郎はそのことを怖いとすら感じることもあったようだ。おそらく表立って狂気的な執着を見せることはなかっただろうが、毎日顔を合わせる新村栄一郎にとって違和感を覚える会話でもあったのだろう(それで喧嘩になるようなことはなかっただろうが)。
実際に新村栄一郎が急逝すると元木町から新村春花を連れて去ってしまい、以降古郡家に連絡を取ることもなかった。女ケ沢市に新村美冬に合いそうな病院が見つかったこともあるだろうが、新村栄一郎の死に場所から離れたいと思ったのと、死の原因となった古郡なつみから離れることが目的だろう。
その後、新村春花に対する脅威や連れ去りについて警戒しており、ルートによっては殺人すら実行してしまうほどだ。それも弱い相手を狙うのではなく、エデンの桜編『翠眼~~』のように明らかに新村美冬よりも体術に優れた新村茅萱相手にもひるむことなく襲い掛かった(新村茅萱は衰弱していたので新村美冬の優勢になった)。
知性
古郡茜は「甘えん坊で意気地なしだけどバカじゃない」と評している。本作の探偵キャラは五島絵梨奈であるが、五島絵梨奈の場合は事件を解決に向かうための推理力に優れており、一方で新村美冬は事件を起こす方の創造力に優れている。
女ケ沢市事件の画策
新村美冬は新村春花をいじめから助けるべく、いじめっ子2人を殺害する計画を思いつく。
現実問題として子供を殺害するのはそれこそ極端な考えだが、彼女なりに考え抜いた末の結論と思われる。
- 新村春花以外の家族がいない
- 荒田集落には新村春花が16歳にならないと移住できない
- 元木町は悪い意味で思い出深く戻ることは考えられない
- そもそも入院・通院するほどに精神的に弱っている
- 資金的にも追い詰められた生活をしている
など、環境面でも選択肢が非常に限られた状況である。つまり、味方がいない。
唯一、味方と捉えることのできた新村サクラからもこの計画については断られ、考え直すべきだと促される。おそらく新村美冬も考え直す方向でいたのだろうが、
数日後に荒田集落から武器やドローガが送られてきたことで考え直すどころか、当初の計画を遂行することにする。
荷物が到着してから決行までの時間で、彼女はすべての計画を立てた。
- ターゲットとなる子供たちの行動パターンを調査
- 十三回忌を利用したアリバイ工作
- 古郡夫妻を実行犯にする
- 古郡夫妻が断れないよう脅しをかける
明徴編『真っ赤な××』でも独白しているが、上手くいったのが不思議なくらいである。
この計画の危うさよりも、短期間で計画を立てすぐに実行に移す行動力と適応力が不思議なほどに備わっている。
彼女の言うように、犯罪の才能があったのだろうか。
作者目線でも気になるところだ。
元木町皮剥ぎ死体事件
この事件の発生経緯については明徴編『細工』~明徴編『真っ赤な××』に詳細が描かれている。
- 古郡夫妻が新村美冬の監視に耐えかねる
- 古郡夫妻は養子に出した新村春花を取り返そうとする
- 古郡良治が新村美冬に交渉、決裂
- 今後の交渉カードを危惧した新村美冬は、すぐにでも古郡家を皆殺しにすることを思いつく
特に3~4は1時間足らずで発生した出来事であり、女ケ沢市事件の発生と同様、非常に素早い判断によってなされたことが分かる。さらに殺害するとしても、殺害自体が目的ではなく新村春花を自分のそばに置くことが目的である。
事件の経過については明徴編『真っ赤な××』の内容そのままなので解説は割愛するが、いずれにしても要所要所の思考と判断がとにかく早い。
先述のように新村美冬自身は「私にはきっと犯罪の才能がある」と考えているが、
- 素早く適切な判断力(倫理的な面はさておき)
- 目的を見失わない冷静さ
の2点が突出して優れており、これらについては以前解説した五島絵梨奈や新村茅萱を上回ると言っていいだろう。
どうすれば判断力を磨けるのか?
というやや自己啓発じみた話になるが、一言でいえば『判断すべき事象について日ごろから思考をめぐらせているか?』である。
例えば、
- 料理中に足りない調味料があれば、どうやってフォローするか
- 自動車の運転中に地震が起きたらどうするか
- 寝坊したらどんな言い訳が適切か
- スマホをどこかに落としたらどんな行動をすべきか
などである。
これはどんな人にでも起こり得るトラブルで、その各々のトラブルを日ごろから想定し、対策を前もって考えておくことが素早い判断には不可欠である。
あるいは日ごろから想定していなくても、過去の経験から応用を利かせてトラブルを回避できる判断をすることも可能だ。
新村美冬の場合、すべてを即断できるほどの知能を持っているというよりは、新村春花のことを常日頃考えており、トラブルが発生した時にどうするか? を何となくでも考えていたのだろう。
明徴編『真っ赤な××』にて新村春花を返してくれと言われたときは「驚くことでもない」と思っている。このことから、新村春花を手放す事態に陥ったらどう対処するか? を想定したと言えるだろう。
職業
新村美冬はルートによって職業が異なるが、リファレンスNo.92『カンニングペーパー』によると、新村栄一郎が死亡するまでは元木町の企業の事務員として働いていたようだ。どんな企業かは不明であるが、「翌週から1年間休職します」という申請がその日のうちに通りそう」とのことなので、従業員に対して優しい企業なのだろう。
女ケ沢市事件発生ルート
フリー版では描かれていないが、実は新村美冬は入院した病院の伝手で、女ケ沢市内の製薬会社の事務員をしていた。
しかし精神的疾患により正社員ではなくパートタイマーであった。さほど給料が良かったわけではなく、また体調によっては欠勤していた時もあるだろう。
元木町に戻ってからは、リファレンスNo.82『三者面談』にて「仕事を選ばず昼も夜も働いている」と新村春花は述べており、担任教師の谷崎玲には「お酒臭かった」と言われていたので水商売もしていたと考えて間違いない。
そのような客商売をしていたので彼女に言い寄る男は多かったようだが、ある程度の営業的な付き合いはあっても本気で心を寄せることはなかった。
女ケ沢市事件回避ルート
こちらのルートでは懸命に社会復帰しようと奮起し、起業するまでになる。
防犯カメラ関連の会社で、祀耀800年時には東京にも支店がある。この会社の詳細についてはリファレンスにする予定だったが、作るのを忘れていたので、ここで紹介する。
- 社名:株式会社ニュービレッジ
- 創業:祀耀793年
- 設立:祀耀795年
- 資本金:1000万円
- 従業員:10名(祀耀799年3月時)
- 事業内容
防犯カメラ機器の卸販売
防犯カメラ機器のECサイト運営
電気通信工事の業者斡旋
工事部備品の卸売り
ざっくりとこんな感じである。
創業後2年で法人化。卸売販売ができるのでメーカーとも関係構築ができている。
死月編『モトキザクラ様①』にて「いい縁があった」と言っていることから、優良な商品を安く買い取れる商流を獲得できたのだろう。
元木町は人口増加傾向にあったがセキュリティ機器が充実していなかったので、セキュリティ業界からすればブルーオーシャンである。
その市場に早々に目をつけたのが新村美冬であった。またこれによる元木町の設備にも微妙な違いがあり、
- リファレンスNo.24『元木町の少年犯罪』(女ケ沢市事件発生ルート)
祀耀800年時、元木町には防犯カメラがほとんどない - リファレンスNo.130『迷宮入りの予感』(女ケ沢市事件回避ルート)
元木駅の防犯カメラの映像を積極的に使って警察の捜査が行われている
このことから、元木町民の防犯意識も変わっていることがうかがえる。
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