先週末、こんな絵を描きました。
(モチーフは百万里須リカ子さんです)
で、描いたはいいんだけどいまいちピリッとしませんでした。
自分としては結構課題に挑戦して頑張ったつもりだったのですが(例えば髪とかいつも逃げちゃうところをやってみたり、ディティールをつめてみたり)
どうにもでした。
イラストを描いてSNSなりに投稿すると、その瞬間から気になるところが無限に出てきますね。
(X(旧twitter)に絵をアップすると忖度なしのお絵かきレベルが数値化されるので、自分の絵の下手さを客観視できてありがたい。)
それはそれとして
お絵かきで確実なことがひとつあって、それはこの絵をここで終わらせて次に新しい絵を描いても、出力されるものは結局この絵のレベル感のものにしかならないということです。
同じレベル感の絵を描きつづけていても、描くスピードが早くなるだけで進歩がないので、今回はこの絵とまったく同じモチーフ、同じ構図で再度描きなおしてみようと思います。
なぜそんなことをするのか
単純に同じ絵を2度描くと1枚絵よりうまく描けるからです。
昔ナポレオンズのボナ植木さんがマジックの助手として客前で前屈したあと、演者に魔法をかけてもらったら前よりより屈めるようになって不思議だという話をしたら「いや最初に一度練習させてもらったからだろ」とパルト小石さんにツッコまれてたことを思い出します。
1枚目の絵がまるまる2枚目の練習になる。
それに1枚目の時点で時間をかけた
1.モチーフに対する調べ物(色や設定)
2.構図の検証
みたいなものはクリア済で描けるので、前回手を付けられなかった課題に挑戦できるのも大きいですね。
課題の抽出
まずは今の絵を見て気になるところを書き出してみます。
とりあえずはこんな感じです。
それを踏まえて改善案を出してみたのですが…
まずは身体のバランス調整とお顔の調整が必要だと思い、
まずはお顔まわりを詳細に描いて見たのですが、それだけでかなり締まった印象になりました。(眼鏡を描き直すだけで相当印象が違いますね)
(お顔だけ調整したものを絵に移植しました)
そして上記レシピ通りに体のバランスを調整したものを書き出したのですが…
うん…うん…???
なんか…全然変化がないような???
作業しているときは「めちゃ変わった!」と思ったのですか
いざ絵として起こしてみると全然印象が変わりません。
特にお顔。かなり詳細度を上げたつもりだったのですが
いざ絵に合わせてみると
髪の印象が強すぎてその印象に上書きされてしまったように感じます。
とりあえず設計図と実際に出力された絵をモノクロ化して
印象の違いを見てみたのですが、設計図どおりの印象にならなかったようです。
髪の線と色が重くてお顔の印象がぼけた?
とりあえず1手前に戻ってみて、
今度は髪と手、そして胸部分を詳細化してすっきりさせた上で
目立たせたいところはガッツリ明るくしてみようと思います。
※情報量ではなく詳細度を上げるため
ペン入れ(なるべく細かく)→レイヤー分け→彩色をやり直しました。
※髪はブルアカっぽく、めちゃ明るい、めちゃ暗いの2色で分けて
明るい部分のディティールはなるたけいれないようにして重さをできるだけ
軽減しています。
髪に丁寧に影を落としていこうとするとどうしても重くなってしまうので
こんくらいシンプルにして、あくまでプロポーションやシルエットで見せたほうがいいのかも。
一通り塗りをつけた状態(左) そして髪のディティールをなるべくシンプルにしつつ整えた状態(右)です。
お顔まわりがシンプルになったのではないでしょうか。
一旦書き出してみますよ。
最初の絵(左)と最終的に書き出した絵(右)です。
全体的にモッサリしていた左から随分整理された気がします。
最終的な出力はこちら。
あとはここにデザインを乗っけたりなんかすると
同人誌の表紙っぽくなる気がします。
(試しに以前のデザインをくっつけてみた例)
こういう本作ってみたいわねえ…。
おわりに
(リメイクしたものをSNSに放流した結果)
イラストをセルフリメイクした感想ですが
これは明らかに効果があると感じました。
特に1度目では手につかなかった技法とかを試す余裕ができるのは大きいですね。
ふだんのイラストはともかく同人誌の表紙は一度描き直すだけで明らかにレベルが上がるということが分かったので、積極的にやっていきたいですね。
まあ同人誌を作ってる時ってだいたい余裕がないのですが。
終わり