聖少女という便器
「……ナギへのプレゼントのため、短期間の住み込みでのお仕事ですが、大丈夫。ですよね」
ある日のこと。
マリアはナギへの個人的なプレゼントの購入のため、あるアルバイトに応募していた。
三千院家での給料は十分なものだったが、ナギがそれとなくマリアに伝えてきた、欲しがっているレアなゲームソフトは一般流通していないため高額で、しかもすぐに別の買い手が見つかってしまうようなもののため、2週間後のオークションの終了時刻までに自分が落札しないと手に入らない。そのためには手持ちのお金では足りず、給料が出るまで待っていては間に合わないため、急遽別の仕事をする必要があったのだ。
仕事の内容は、普段の業務となんら変わらない住み込みのメイド業。今の時期は来客も多く忙しく、メイドが不足するためヘルプに入ってほしいということだった。
ただし、雇い主のお眼鏡に叶うような美人限定だったのだが、履歴書を出すとマリアは無事に一発合格。面接もなしで働けることが決まった。
「……容姿だけで人柄も見ないで採用するなんて、よほど好色な方のようですわね……」
マリアは呆れつつも、自分が三千院のメイドであることは相手にも伝わっている。たとえセクハラ親父でも滅多なことはできないだろう、と警戒しつつも楽観して仕事を始めるのだった。
「マリア君、どうぞよろしく頼むよ」
「はい。ご主人様」
その後、マリアは雇い主のことを訝しみながらも、実際に住み込みで働き始めると、その扱いは丁重なものであり、本当に業務で忙しかったため、主人にちょっかいをかけられるどころか、必要最低限は話しかけられることもなく、ほとんどその顔も覚えないままにどんどんと時間が過ぎていった。
「(どうやら杞憂のようだったですわね。こうなってしまうと、逆に雇い主の方に申し訳ない想像をしてしまいました)」
その日も夜まで働き、入浴を終えて与えられた使用人用の部屋のベッドに体を沈めるマリアは、そんなことを考えたりした。
確かにナギの屋敷に比べれば激務ではあったが、自分が使用人だからと不当な扱いを受けることもなく、意外にこういう生活も悪くない、と思ってしまうほど気持ちよく働けていると、最初の好色な人物だという悪印象が恥ずかしくなってくる。
まだ休むのには早い時間だが、心地よい疲れにうとうととしてきてしまっていると、急に扉が叩かれ、主人が呼んでいるということだった。
「ご主人様。いかがいたしましたか?」
「いやね、マリア君。優秀なメイドとは聞いていたが、本当によくやってくれているようでありがとう。……そこで、なのだが」
「はい?」
主人はどこか申し訳無さそうな顔をしている。
「私としては、ぜひ君に正式にこの屋敷のメイドになってもらいたいと思っている。……まだ君の家に話しは通していないが、決して悪い条件は付けないつもりだ。今の報酬の……そうだな、倍は約束しよう。ぜひ我が屋敷の使用人たちの手本となってもらえないだろうか」
「……とても光栄な提案を頂き、誠にありがとうございます」
「では……!」
「ですが、申し訳ございません。私がお仕えするのは三千院家。ナギお嬢様だけでございます。このお屋敷との関係は、今回の雇用契約の期間のみとさせていただければ」
「……そうか。いや、こちらこそ勝手に話を進めようとしてしまい、申し訳ない」
主人は本当に悲しそうにしていたが、それを見て胸は痛むが、マリアに迷いはなかった。
しかし。
「これは君を正式に雇い入れることができた時、贈ろうとしていたネックレスなのだが、せめてこれだけでも受け取ってもらえないだろうか。今のこの屋敷のメイド長も同じものを付けている。残りの期間、君にはメイド長と同様の権限を持ってもらい、それ相応に報酬も上乗せさせてもらおう」
「……ありがとうございます」
これまで拒むのは流石に礼儀に反すると感じ、報酬を上乗せしてもらえるというのなら、悪い話ではない。
そう思ってマリアはネックレスを受け取り、社交辞令として、主人の目の前で身に着けて見せた。
なんと言うのかは知らないが、どこか妖しげに輝く宝石が付いた、銀製の美しいネックレスだ。派手すぎないそれがマリアの清楚な雰囲気によく似合っており、適度な存在感がメイド長としての貫禄のようなものも感じさせる。
「ありがとう。よく似合っているよ」
「こちらこそ、ありがとうございます。それでは……」
『マリア、今夜の夜伽相手をしてくれ』
「……えっ?」
そして、もう下がろうと思った時。主人は予想外の言葉を放った。
その言葉が、まるで耳に届いたのではなく、頭の中に直接響いたかのように、脳内に木霊する。
そして気がついた時。マリアは男の前に跪いていた。
「わ、私は、何を……?」
「自分から私の前に跪くとは、体は仕える気でいるのだな。いいだろう。断ったことは不問にするから、私にその体を差し出しなさい」
「い、いやっ……!そんなの嫌です!ど、どうして……?体が勝手に……いやぁああっ……!!」
すぐにでも逃げ出そうとするマリアだが、口は動いても体は動いてくれない。
そうしている内に、男に抱きかかえられるようにして、立たせられると。
「さあ、まずはその立派なおっぱいを見せてもらおうか」
「ひっ……!?」
男は無遠慮にマリアのエプロンドレスを脱がしていく。
清楚なメイド服が男の無骨な手で荒らされていき、そして、服の中で窮屈そうにしていた乳房がまろい出る。
「あっ、あぁぁっ…………」
「おおっ……!」
ぷるるんっ、と激しく揺れ震えながら溢れ出した、まだうら若い少女でありながら、大人びたシックなデザインのブラに覆われた乳房は、服の上から想像できる以上に豊かで、今まで何人もの少女たちを手籠めにしてきた男から見ても魅惑的に映る。
「い、いやっ!こんなこと、もうやめてください……!」
「ならば逃げ出してはどうだ?私は止めはしないよ」
「う、ううっ……!どうし、てっ……!」
マリアはどうにかこの場から逃げ出そうとするが、体は動いてくれない。そうしている間も、ネックレスの宝石は妖しげな光を帯びていた。
「さぁ、では生おっぱいとご対面といこうか」
「い、いやぁああああ!!!」
男は嗜虐的に、しばらく無意味なマリアの抵抗にもなっていない時間を楽しんでいたが、遂に痺れを切らしてブラに手をかける。
たぷたぷのおっぱいに軽く指が触れるだけで、その柔らかさとなめらかさが伝わってきて、いやらしく微笑む。そして。
「あっ、あぁあっ…………」
ぶるるんっ!
ブラから解放された乳肉は、ぶるんぶるんと激しく揺れ乱れる。
雪のように白い肌に、乳房の大きさに比例して大きいながらも、薄桃色で清楚な乳首や乳輪。
どんな名画家でも描けない穢れなき少女の裸体像に、男の股間のモノは最高潮に勃起していた。
「想像以上だ。マリア。こんな卑猥な体をメイド服に押し込んでいたとはな」
「見ないで、くださいっ……!私にこのようなことをして、どうなるかおわかりですか……!?」
「ふむ。確かに三千院に帰られては困るだろうな。いや、そもそも警察に通報された時点で私はおしまいか」
「そうです……!今ならまだ、戯れということで誰にも言いません。ですから……!」
「だがそれは、君が元の屋敷に戻れたり、警察に電話ができた場合の話だろう?私の目の前から逃げ出すこともできていないのだから、私がそんなことを心配する必要はあるまい」
「うっ…………」
今もマリアは、たとえ屋敷に裸体を晒すことになろうとも、この場から逃げ出そうともがこうとしている。
だが、少しも体は動いてくれず、恐怖と緊張のあまりに呼吸が荒くなり、その不器用な呼吸の度に胸を上下させ、ぷるんっ、たゆんっ、とおっぱいを揺らして男を誘うことしかできずにいた。