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2017年 11月の記事 (1)

紅差し 2017/11/07 21:36

【本編補足】かつて王子様だったもの 今では閉鎖病棟に篭った無職前科持ち薬漬けの三十歳-中瀬佑樹-

中瀬椿(佑樹)シリーズ第1弾『かつて王子様だったもの 今では閉鎖病棟に篭った無職前科持ち薬漬けの三十歳-中瀬佑樹-』の補足記事です。

※※※本編を視聴されていない方の閲覧はお控えください※※※
ヒロインの感情にも触れていますのでやや注意。


【プロフィール】
名前:中瀬佑樹(本名)
    中瀬椿(バンドマン時代の名義)
年齢:30歳、本編終了時31歳没
誕生日: 12月24日(山羊座)
身長体重:176cm/56kg
出身:東京都世田谷区
学歴:幼稚舎から有名私立一貫校、高校二年で中退。

【家族構成】
父:弁護士。完璧な人生を送ってる自分が好き。子供には才能を求める。
母:筋金入りのお嬢様で元ピアニスト。裕福な生活が好き。男には財力を求める。
兄:官僚。子供の頃は勉強のストレスで佑樹を虐めていた。今も見下してる。
姉:作曲家というていのほぼニートのち、今は結婚して専業主婦。

プライドが高くて性格のキツい家族。
だけど佑樹以外は全員性格のキツさと上昇志向が一致して仲良しこよし。

【ヒロイン】
容姿や設定の画像を参考いただける場合はこちら


【本編以前】
子供の頃から著名な音楽教室に通わされており、とても楽しんでいた中瀬くん。
が、同じ教室に通うクッソ嫌味な奴と事あるごとに比較され、コンクールでそいつが金賞、自分は銀賞となり母にも責められ、を繰り返していくうちにクラシックがどんどん嫌いになっていった。

そんな中学生時代にふと何の気なしに入ったCD屋で手を出してしまったマリリンマンソンとDir en greyに感化され、ストレスで発狂していた事も相まって完全にグレて高校中退。

そして10代後半からごりごりのV系バンドマンデビュー。
見目麗しくパフォーマンスも完璧で、人気はうなぎのぼり。



だけどびじゅある系の世界は狭く厳しく汚い。
やれどの女とヤッただ、やれ性格がどうだとある事ない事をゴシップ掲示板に書き連ねられ、どこもかしこも穴兄弟と棒姉妹というドロドロ人間関係に嫌気が差しつつも、当初は真面目に奮闘していた中瀬くん。
バンド生活の傍らボロアパートで激貧生活を送っていた……が、クオリティを求めるほどバンドへの出費が膨れ上がり、結果当たり前に、貢ぎの女を数人抱える状態に。

そんな貢ぎ女の一人が実は大御所先輩バンドの女。さらには「あたし椿と付き合うから」などと先輩麺をフッて中瀬くんに乗り換えようとしたからさぁ大変。
中瀬くんのバンドは先輩バンド界隈からハミられ、メンバーにも不満が溜まる。

あんなクソくだらない理由からどうしてこうなった、と後悔と苛立ちで精神が疲弊していく中瀬くん。
そしてフェスで先輩バンドと鉢合わせて喧嘩を売られた際に、ついに佑樹がドカンとやらかしてしまう。

マスコミには面白おかしく報道されました。
中瀬くんの罪は執行猶予で済んだけれど、バンドは活動休止。
あれだけ群がっていた女達もすぐに連絡を寄こさなくなった。ファンからの手紙も減っていった。

人間が信じられなくなり、引き篭もった中瀬くん。
それでもやっぱり音楽を捨てきれない。
待ってると言ってくれた人のためにも、俺はまだ音楽がやりたい。

そう勇気を出して1年ぶりに顔を出したライブ会場では、中瀬くんの知らない若手バンドがこれ以上ない拍手喝采を浴びていたのでした。



【本編】

「いつか捨てられる、裏切られる」という恐怖に囚われてしまった中瀬くんと、そんな中瀬くんを愛し哀れみ「一生捨てない、裏切らない」と誓ったナースちゃんの話。

中瀬くんは「佑樹がしつこいからコイツは俺に同情で優しくしてくれてるだけ」と思い込んでしまったり、ナースちゃんはどんな人生であれ幸せになってほしいという思いから「普通に」という言葉で中瀬くんを傷つけてしまったりしたけれど、二人はずっと両想いでした。

本当はクラシックもビジュアル系も大好きだった。本当は立派な人生を送ってナースちゃんを幸せにしてやりたかった。
過去を思っても未来を思っても中瀬くんの精神はズタズタに引き裂かれていってしまうので、全部「もういいんです」と受け止めて中瀬くんを穏やかな世界につれてあげていったナースちゃんは中瀬くんの神様だったかもしれない。

なお、ナースちゃんはきっちり遺書を残していったので、あの後宮森先生が責任を負わされることはありませんでした。ただ病院自体は管理体制を叩かれた。しょうがない。

そしてかつて王子様と呼ばれていた中瀬佑樹は、今や「精神病院で出会ったばかりの看護師と心中」と報道され、第三者から見れば、どこまでも地に落ちて頭がおかしくなった悲惨な人間と成り果ててしまった。

中瀬くんとナースちゃんがどれだけ幸福だったかを誰も知る由は無い。めでたしめでたし。



【BGM】
メインで使わせてもらったのはラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」
先にプロットを立ててから合う曲を探したのですが、この美しい旋律がだんだん重く悲しくなって、でも最後にはまた切なく幸せな曲調が戻って締められるのが最高に理想だったので、一発で決めました。さらに「亡き」は死という意味ではなく「かつて存在したもの」という意味という所も完璧にグッとくる…。


以上こんな感じです!
とにかく今回は一夜愛さんにご協力いただけた事も、いままでで最長のボリュームという事も、見るからに人を選びまくる設定と展開も、何もかもプレッシャーだったのですが、蓋を開ければ好意的な感想を沢山いただけていて、本当に感謝してもしきれないです。
一夜愛さんの演技が凄すぎたのは言わずもがなですが、なんと最後の日記パートは通し収録です。声色を細かく切り替えながらどんどん感情が込められていく様が圧巻すぎて、本当に今回の役をお任せできてよかったです…!

またリスナーさんを何ともいえない気持ちにさせる作品が出せるといいなぁと思っているので、いつになるかは分かりませんが、また続編が出せたら気に留めてもらえると嬉しいです。 本当にありがとうございました。



作業中に流していた曲です。

【黒木渚/あたしの心臓あげる】
中瀬→ナースちゃんでもナースちゃん→中瀬ちゃんでもいい。You are my GOD…

ほか、【マイナス人生オーケストラ/あしたのあたしシアター】【DIAURA/Lily】【蜉蝣/腐った海で溺れかけている僕を救ってくれた君】【奥田美和子/青空の果て】など。

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