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2019年 11月の記事 (1)

クモと召喚士 2019/11/06 16:27

サポート魔術師の特別な補助魔法

「……」

「ぴぎぃ!ひげぇっ!」

華麗な一閃に、魔物の肉体が真っ二つに斬れる。
これくらいの相手ならば全くに容易いことだ。

「……」

「ひえ、ひえ、つ、強い…うげぇっ!」

勝ち目なしと逃げようとする魔物もいるが、逃がさない。
人に仇をなす魔物は一匹残らず仕留める。それが僕の信条だ。

「……」

「そ、そんな、この軍勢が、たった一人に…! ぐがっ!?」

そして最後に残った一匹の首を斬り落とす。
ようやく終わり。歯応えはあまりなかったが、数だけは随分と多かった。そのせいでだいぶ時間を食ってしまったな。

「ふぅ…」

一息を吐いて空を見上げると、薄らと星の光が見え始めていた。
ここに来た時はまあ陽が昇ったばかりだったから、かなり時間が経ったようだ。
肉体的な疲労はあまりなかったが、途中から作業のようになっていて精神的に疲れた。

僕は剣についた穢れた血を払うと、街の宿へと帰ることとした。
これでここらへんの魔物もなりを潜めるだろうし。ひとまず依頼は終わりと言ったところか。

適当に大将らしき、大型のオークの首を拾うと袋に入れて持ち帰る。
全部倒したのでそんな必要ないのかもしれないが、一応証明として首があったほうが便利なのだ。

「ふあぁ…」

終わったと思ったら、なんだか眠くなってきた。
これを依頼主に突き出したら、すぐに風呂に入ってから寝よう。

僕は袋をぶんぶん振り回しながら帰路につく。足下がべちゃべちゃするせいで、歩きにくいが、適当に骨を蹴りながら街へと向かった。



「……あれが、噂の勇者ね」
「ずいぶんと並外れた力を持ってるじゃない…」
「こりゃ、普通に戦っちゃ勝てないわね」

「……やっぱり、アタシのやり方でやらせてもらうか——♡」





宿で一晩寝てから起きると、僕は英雄になっていた。

「さすが勇者様!」
「あの大量の軍勢をお一人で倒すなんて…!」
「万歳!勇者万歳!」

僕にとってはあまり手応えのない相手だったが、街の人にはずいぶんと脅威だったようで、泣きながら讃える人もいる。まあどれだけアイツらが悪さしたかってことだな。

「あ、あの、勇者様…」

一人の少年が近づいてくる。手には小さな花を持っていた。

「こ、これ、お父さんの仇を討ってくれて…あ、あり、ありが…」

どこか緊張した様子。そんなに緊張しなくてもいいんだけどな。そんな英雄みたいな柄でもないし。
僕はしゃがみ込むと、少年を目を見ながらそのまん丸頭を撫でた。

「ありがとう。これ、もらっていいのかな」

「…! う、うん!」

少年はえへへと笑いながら、花を渡してくれた。こういった笑顔を見ると気持ちがすーっとしてくる。血生臭い戦場で、血生臭い奴らを延々と斬り付ける作業は、正直言ってつまらないの極みだが、この少年のような笑顔が見られるのは嫌いではなかった。

「勇者様、がんばってね!」

「ありがとね、頑張るよ」

見送りの人たちに手を振りながら、街を後にする。
少年は最後までぶんぶんと手を振って、僕を見送ってくれた。ううむ、覇気が出るというものだ。次の街まではまた遠いが、しばらく頑張れそうだ。

というわけで次の行き場所は、山を越えた先にある小さな村か。
何やら鳥人の群れに襲われていると聞く。一月に一度大群がやってきて、子供を連れ去っていくとか。まあともあれ厄介な事件が起きているということだ。

一般の村人の力では鳥人を倒すのは難しい。だから僕の役目というわけだ。
生半可な剣こそ素早い身こなしで躱すのだろうが、僕の剣までは避けられない。倒したら鶏鍋にして食ってやろう。いや、一応鳥「人」だからやめたほうがいいのか? まあいいや。

そんなことを考えながら、先へと進んでいく。気がつくとさっきの街はだいぶ遠くに見えていた。そろそろ旅人モードに切り替えないとな。

旅の途中にはまあ色々な事故がある。
魔物の襲撃に、盗賊・山賊の来襲、何者かが仕掛けたトラップなどなど。
どれもこれも僕にとっては大したことがないが、それでも油断をすればキツい目を見るときもある。特に腕のいい盗賊は、全く気づかないうちに有り金全部持っていくからタチが悪い。
ともあれ、旅人モードの時は、街の中にいるときほどボーッとはできないということだ。

飛び出してくる魔物を蹴散らしながら道を進んでいく。そろそろ山道にさしかかる頃合いだ。ここからは大きな岩がごろごろ転がっていて、隠れ場所がたくさんあるから、なおさら賊には気を付けなければいけない。人間相手だから簡単に殺すわけにもいかないし。

そうしてやや警戒心を強めながら道を進んでいくと、唐突に悲鳴が聞こえた。

「だれか、助けてェ!」

女の声だ。僕は剣を取ると、声の方へと駆け出す。
距離はそう遠くない。すぐのところだ。

「いや、こわい…やめて!たすけて!」

現場に到着すると、魔道士風の格好をした女性がスライム数匹に襲われていた。

「やだ、来ないで、だれか、だれかぁ!」

僕は一気に駆け抜けると、今まさに女性に襲い掛かろうとせんスライムを細切りに斬り刻む。複数の斬撃はスライムの核を確実に破壊して、一瞬で消滅させる。

「大丈夫かい?」

「あ、ああ、ああ…!」

女性は僕の姿を見るや否や、その表情に安堵と喜びの混ざったものを浮かべ、こちらに飛び込んできた。

「うわあああん、怖かったよぉ!
 ありがとう!助けてくれて、ありがとう!」

「むっ…」

女性が抱きつくと同時に、その割りかし大きな乳房が僕の顔を埋める。
女性らしい品のある香水の匂いがぷんぷんとしていて、頭がクラクラする。

「ああ、本当に怖かった…
 もう食べられちゃうかと思ったよぉ…」

ぐすぐすと涙ぐむ声が聞こえるが、それよりも乳房に挟まれてなんだかへんな気分になってくる。早く離してほしい。

「あ、ごめんなさい…! 私ったらついこんな…」

僕の意を察してくれたかは定かではないが、女性は少し恥ずかしそうにしながらようやく離れてくれた。だけど思いっきり抱きしめられたせいで、乳房の感触と香水の強い匂いまでは消えてくれない。胸がドクンドクンと鼓動を打つ。

「ぴきぃぃ〜〜〜〜〜!!!」

「きゃっ!」

放置されて腹を立てたのか、スライムが叫び声をあげた。身体をグルングルンとひねらせていて、ご機嫌斜めな様子をありありと表現している。そんなに嫌だったのか。

「ともかく、まずはこいつらを倒しますよ」

剣を握り直し、スライムの方へ突っ込もうとする。
が、それを女の声に止められる。

「待ってください! 実は、私はひよっこですが魔術師なのです!
 勇者様お一人に任せられません! 私にも戦いを手伝わせてください!」

いや、ううむ。
スライムごとき助けの必要はないのだが…
まあいいか。おそらく自分も戦闘に参加をしたいのだろう。襲われたのは彼女自身なのだから。

「私はサポートをします! 勇者様を強化しますので、お任せください!」

「わかった」

僕は改めて剣を握ると、スライムをキッと睨みつける。
そして、煽るように青い身体をうねうねしている魔物と距離を詰めると、その剣で一気に細切れに——

「ん〜〜〜〜《チャームキッス》♡ チュパッ♡」

瞬間に、視界に大きな桃色の唇が埋め尽くした。

「あ、うあ、ああ…!?」

その唇はん〜っと唇を尖らせると、僕の顔に吸い付く。同時に甘い恍惚感をもたらして、頭をぼんやりとさせてくる。
そしてンフフと色っぽい声が聞こえると、唇は大量のハートマークを散らばらせながら消滅した。

「あ、あ、あ…?」

甘いキスの感触に、力が入らなくなってくる。
あれ、今僕は何をしてたんだっけ? えっと戦闘をしていて、いやお姉さんが襲われていて、それで——

「ピキィィィィ!」

「うわ!?」

グーの形状になったスライムのストレートパンチを躱す。
危なかった。もう少しで喰らうところだった。
スライムごときの力量ならば、仮に受けてもほとんど痛くはないとはいえ、こういう油断をするのはよくないことだった。

「…」

というか…今のはなんだ?
目の前に現れた唇。どう考えても補助魔法のそれではない。むしろ妨害魔法の類に入る気すらする。

「ああ、勇者様、大丈夫ですか!
 お怪我はありませんか!」

心配そうに叫ぶ女性。キミの魔法のせいで怪我しそうになったんだけどね。
ま、まあ、ともあれまずはスライムだ。
謎の補助魔法については後で問いただせばいい。ともかくスライムくらいなら瞬殺して——

「そうだ、お怪我を癒さないと…えい、《乳魔の揺り籠》♪」

 ぽわわわ〜〜〜ん

「うぇ!?」

今度は目の前を肌色の乳房が埋める。しかもとんでもない巨乳だ。

「あ、うわ、やめ、そんな、むぐぅ!?」

謎の乳房は色っぽい喘ぎをあげながら、僕の顔をすっぽりと収めてしまった。その巨乳は僕の頭部よりずっと大きくて、頭が完全に呑み込まれてしまう。

「んぐ、むぐ、うぐぐ…」

呼吸が苦しい。頭がおかしくなる。
吸う息は全部がミルクにたっぷりとハチミツを入れたような甘い匂いで満たされ、一呼吸するだけで恍惚感が全身を満たしていく。
しかもそれが頭部全部を覆っているせいで、逃げることも叶わない。
無茶苦茶な乳房の海の中で、強○的に溺れさせられる。

「ん、んぅ、んぐ…」

しばらくすると、もうなんだか抵抗する気もなくなってきた。
ずっとこの乳の中に溺れていたい。永遠にこの中に閉じ込められていたい。そんな気持ちが芽生え始めてくる。なんというか母の抱擁を受けたような安らぎに、意識を委ねたくなる。

「んん…おかあ…さ…」

「ああ!! 勇者様、危ない!」

そこでようやく意識が覚醒する。
目の前ではスライムが弾丸のように発射され、僕の腹へと飛び込んできていた。

「うぐっ!」

ぼんやりとした天国から一転、唐突に引き起こされた痛みに、思わず呻いてしまう。
完全にモロに受けてしまった。久々に受けた痛みのあまり、少しうずくまってしまう。

「勇者様!!」

女が近づいてくる。いつのまにか乳房の幻影は消えていた。
だが、あれがこの女の引き起こしたものだということはわかっていた。

「ああ、そんな…勇者様、勇者様!」

「…ねえ」

心配そうに声をかけてくる、女に冷たい視線を向けた。

「ど、どうされましたか…?
 そんなこわい顔で睨みつけて…」

怖い顔をするのも仕方ないことだ。今までの二つの補助魔法。どう考えてもこちらの妨害だ。それも割とタチの悪い。

「ずいぶんと変な補助魔法を使うんだね…
 逆に邪魔された気分だよ」

「そ、そんな…私はあくまでよかれと思って…」

それにこの女、落ち着いて見るとどこか胡散臭い雰囲気がある。
そもそもスライムにすら勝てない魔術師が一人で旅するのも違和感あるし、僕が通りがかったところで悲鳴をあげるのも偶然に過ぎる。
そして何よりも…

「ねえ、僕って勇者なんて名乗ったっけ」

「え…」

僕は勇者だ。
だけど、顔まで広く知られているわけではない。
あくまでイメージ図がみんなにあるだけだ。むしろこの小さな身長のせいで、勇者ではなく子供と間違えられる時があるくらいだ。僕を見たことがない人間が、勇者と気付くことはない。

「そ、それは、さっきの街で勇者様をチラリと見かけて…」

「それにしては僕よりもずいぶんと先にいるね。
 僕の旅の速度もかなり早いと思うけど」

「え、えっと、それは私の方が先に出て…」

「昨日今日の出立者は僕の前はほとんどいなかった。
 今まで魔物の大群がいたからね。関所で確認済みだよ」

「……」

ついに女は黙りこくってしまう。
だがそこには追い詰められた表情ではなく、むしろなんだか気味の悪い笑みが浮かんでいて。

「うふ、うふふふ、だからなんだっていうんですかぁ?♡」

出てきた声は、あざとさたっぷりの猫撫で声。聞いただけでゾワゾワとするくらい甘い声だ。

「ねぇぇ? 今、私と勇者様はお仲間さんなんですよぉ?
 悪いスライムを倒すために、二人で共闘♡
 だからそんなこと、どうでもいいじゃないですかぁ♪」

細められた目からは、悪寒を感じるほどの加虐癖を感じた。
人を人として見てないような目。魔物たちの目だ。

「おまえ——っ」

危険を感じ取って、剣を握ろうとするが、その前に頬を掴まれる。
早い。剣が間に合わない。

「うふふ、ほら強化の魔法ですよ〜♡
 《愛欲のディープキッス》♡」

「ん、んぅぅ!」

一瞬で唇を奪われる。同時に舌が挿入されて、乱暴に舐め回される。
しかし乱暴なのにどうしようもなく気持ちがいい。全身をかき回されているようだ。

「んちゅぅ、ちゅぱっ♡ これはぁ、私と勇者様の絆を強化する、ちゅぅぅ〜♡
 とってもエッチな魔法ですよぉ〜♡ ん〜〜〜ぶちゅっ♡」

「これでもうラブラブですねぇ♡ うふ、もっとチューしたげる♡ むちゅっ♡ ちゅぅ〜〜〜♡」

気がつくと頬に触れた手は首に移動し、ガッチリとホールドされていた。
舌が喉奥まで舐めまわしてきて、彼女の味を満遍なく味わわせてくる。

耐えられない。恍惚が身を焼く。
こんなにエッチな気持ち、初めてだ。おかしくなる。早く逃げないとまずい…

「んんぅ〜、れぇ〜♡ 勇者様、すき♡ ちゅっ♡
 颯爽と助けに来てくれる勇者様かっこよかった〜♡
 もう一目惚れしちゃった♡ だからお礼のディープキッスをたくさんあげる♡ ぶっちゅぅ〜♡」

いよいよ手に力が入らなくなってくる。気持ちよさ過ぎる。
なんだこのキスは。こんなの。こんなの、だめ。おかしくなる。おかしくなる。

「うふふ、おしまいに——《恋人の誓い》♡ むちゅっ♡」

女は赤い唇を尖らせると、唇に軽く口づけをしてきた。
ほんの小さなキス。だけど、それはどうしようもないほどの快感と、経験したことのない恋心を湧き出させて——

「あ、あっ、そんなっ、だめッ!」

「あ゛あ゛、う゛あッ…ああっ…!」

僕は、失禁するように射精してしまっていた。

「あはあ、イっちゃいましたねえ♡
 恋人キッスしながらおちんちんぴゅっぴゅするのはどうでしたか〜? と〜っても気持ちよさそうでしたよ〜♡ あはは♡」

「あ、うぐっ、うぅ、ふぅ」

ゾクゾクとした快感が蠢いて、うまく喋れない。
かなりやばい状態だ。頭もぼんやりとしていて働かない。

「キスされたり、ぱふぱふされたりで、もうかなりエッチな気分になってましたもんね〜♡
 そんなところに恋人お姉さんに、いっぱいチューされたらもう射精して当然♡
 可愛かったですよ、勇者様♡」

「はぁ、はぁ、うう、はぁ…」

見下すような視線を受けながら、なんとか呼吸を落ち着かせていく。
今のままではとにかくまずい。いったん体勢を整えないと、呑まれてしまう。

に、逃げないと…

「あは、どこに行こうっていうんですか?
 まだ戦闘は終わってませんよ〜?」

「ほら、またキョ・ウ・カしてあげる♡ 《淫魔の香水》♡」

お姉さんがピンク色の吐息を吹きつけてくる。それと同時に、僕の頭の中も真っピンクになる。

「あ、あ、ああああーーー!!」

一気にペニス膨張し、我慢ができなくなる。理性とかそんなものが働く間もなく、ペニスを取り出すと、思うがままにしごき始める。

「な、な゛にこれぇ…! きもち、あ、ああ゛!」

今まで一度だってそんなことしたことなかったのに、もう我慢できない。おかしい。おかしい。なんでこんなに気持ちいいんだ。おかしくなる。シコシコ気持ち良すぎておかしくなる…!

「うふふ、そのバフ魔法はね、エッチなサキュバスの体液をつけてあげるの♡
 どんな生物だってすぐに発情させちゃう魅惑の魔法♡ 勇者様だってもう猿みたいに発情しちゃってるね〜♡」

「そ、そんな、そんな魔法、なんで、ふせげな゛、ああ!!」

おかしい。だって僕は勇者だ。
その印だって持っている。状態異常を防ぐ由緒正しいお守りだ。
だから今まで戦えてこれたし、危険な目を見ることも少なかった。

なんで、こんな、明らかな異常を、防げないんだ…!

「不思議? うふふ、とっても簡単なことよ♡
 そ・れ・は〜」

あ、お姉さんが近づいてくる。だめ。今はだめ。わかっている。ここで逃げないとおかしくなるって。でもシコシコ気持ち良すぎて止められない。逃げられない。

「お姉さんが、キミの仲間で、恋人だからだよ♡
 ほら、《チャームブレス》♡ ふぅぅ〜〜〜♡♡♡」

「ひき゛…っ」

耳に吐息を吹き込まれると同時に、どぷどぷと射精してしまう。
まるで脳の中に直接媚薬を入れられたような快感に、もはや声すらもでない。

「ほら、しこしこしこしこ♡最後まで気持ちよく射精しようね〜♡
 お姉さんもいっぱい手伝ってあげる♡ 《恋人の唇》ちゅっ♡
 《スウィートブレス》 ふぅぅ〜♡♡」

「あ゛、あ゛、あ゛」

歯止めが効かないまま、最後までしこしことしごいて射精してしまう。
いけない。虜になる。こんな気持ちのいいことがこの世にあったなんて。頭が馬鹿になってしまいそうだ。

「うふ、最後まで気持ちよくぴゅっぴゅできたね♡
 おつかれさまでした♡ ちゅっ♡」

「うっ…」

耳にキスを受けただけで背筋が震え上がってしまっている。
自分で、このお姉さんの快楽に調教されつつあることがわかった。お姉さんの一挙一動に抵抗できない。

「おちんちんもだいぶがんばったね〜♡ そろそろ、おやすみ——って、ああっ!」

お姉さんはわざとらしい声をあげて、向こうを指差した。そこにはスライムがぐじゅぐじゅとうねって、今にもこちらに飛びかかってきそうな様子をしていた。

「大変!スライムに攻撃されちゃう!」

「あ、うあ、うう」

剣は——地面に落としていて届かない!ならば避けないと。
でも身体が重い。痺れる。だけど僕は勇者だ。これくらいのハンデなら、避けれる…っ

「勇者様をサポートしなきゃ♡ 《精力増強の吐息》♡
 お顔に向かって、はぁぁ〜〜〜♡♡♡」

「うああ…っ」

だがいきなり真正面から濃厚な吐息をかけられる。
さっきの甘ったるいものとはまた違う匂い。雌の濃い部分の匂いを凝縮したようなフェロモン刺激臭は一瞬で頭を真っ白にすると。

「うあ、そ、そんな…っ」

瞬く間にペニスを勃起させてしまった。
何日間も性欲を我慢していたような昂りに、ペニスがビクンと脈動する。

「あは、この剣でスライムを倒しちゃって、勇者様♡」

「そ、そんなアホなことあるわけ、ひゅぎぃっ!!?」

いきなり股間に滑った感触が襲う。ネバネバした冷たい感触はペニスを一気に呑み込むと、まるで舐め回すようにぐじゅぐじゅとうねる。

「ま、まさか…!」

そこにはスライムがべったりと張り付いていた。
何度も身体をうねうねと蠢かして、僕のペニスを犯している。

「な、なんで、スライムが、どうして…!」

取り外そうと手を伸ばすも、気持ちよさすぎて力が入らない。
むしろペニス全体を舐めしゃぶられるような快感に、喘ぎ声が漏れてきてしまう。

「お゛、こんな、スライムに…なんで、あッ」

隣ではお姉さんがニマニマと笑っている。
僕を馬鹿にしたような目に、なぜか余計にペニスが勃起する。

「あはは、さきかけてあげたでしょ?《淫魔の香水》♡
 あれは人だけじゃなくて、魔物でも興奮させるの♡
 今、勇者様はどんな生物だって発情させるすっごい匂いしてるんだよ?♡」

「そんな…ッ、う、だめ、そこはダメ…!」

スライムは自由に形を変形できることをいいことに、尿道にまで入り込もうとしてくる。
それはまずいと振り払おうにも、やっぱりまるで効果がない。たちまちに尿道にまで侵入してきて、強烈な快感が襲い狂う。

「あ゛、あ゛、ああ゛…!」

ダメだ。こんなの知らない。こんなの聞いてない。
そんな尿道責められて、こんな気持ちよくなるなんて知らなかった。無理だ。耐えられない。もう我慢できない。

「あは、イっちゃうの? スライムに纏わり付かれただけで?
 よかったね〜♡ 気持ちよくなれて♡」

煽るような声すらも、快楽の材料となる。もう止まらない。精液が昇ってくる。ために溜め込んだような性欲が一気に爆発へと向かう。

「あは、それじゃスライム大好きな勇者様に特別サービス♡ それっ♪」

お姉さんが指をくるりと回すと、スライム尿道を責め続けたまま、うねうねと形を変えて、筒状の姿へとなった。
そうしてペニスをぎゅっと締めつけてきて…

「うふ、これ、なんだかわかる?」

今までそんな経験は一度もない。それでもわかる。これがいったいなんで。どういうものを模しているか。それを理解しそうになるだけで、快感が喉から飛び出しそうになる。

「これはね、私の魔法である部分を真似させたの♪
 そして、それはもちろん〜♪」

耳に唇を寄せられる。ダメだ。そんな卑猥なことを言われると、イッてしまう。いやだ。こんなスライムに。こんなスライムごときにイかされるなんて、そんなの絶対…!

「私の、お・ま・ん・こ♡」

「あ゛あ゛あ゛〜〜〜〜〜っ!!!!」

同時に尿道の深い部分にスライムを差し込まれ、ぎゅっと締めつけられる。
射精限界をはるか遠くに超えて、爆発するような射精が訪れる。

「あ゛、あ゛、あ゛ーーーー……あ゛ーーーー〜〜〜」

射精している。精液がでている。気持ちいい。こんなの絶対にクセになる。こんなの覚えちゃったらダメになる。
でも逃れられない。尿道をこすられるたびに、どうしても頭が真っ白になる。すごい。すごすぎる。

「あは、射精しちゃったね〜♡ 童貞卒業&初生中出し成功おめでとう♡
 これから初めてのエッチの相手を聞かれたら、スライムっていうのよ♡ うふふ♡」

お姉さんの女性器を模したスライムに、最後まで射精してしまう。
もうスライムとかどうとかどうでもよくなっていた。こんな気持ちいいの。すごすぎて、もうどうでもいい。

「うふふ、最後までぴゅっぴゅできてよかったね〜、って、あら?」

あ、意識が、やばい、暗くなって、これは、

「もしかして初セックス(笑)で疲れちゃったかな〜?
 おやすみしちゃう?」

意識が、暗転する、まずいとわかっていても、もう、だめだ。

「ゆっくりと眠ってね、勇者様♡
 あとのことは『仲間』の私がしっかりとしておくから♡」

そして最後に手に暖かな感触が与えられた。お姉さんに握られていると気づいた頃には、もう意識はかすかになっていて、そのまま僕は闇の中に沈み込んだ。

「おやすみなさい勇者様♡ 起きたらまた冒険しましょうね♡」

ちゅっ♡

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