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キスマークの記事 (5)

クモと召喚士 2023/01/30 13:36

ゲーム公開

 elin体験版公開、steam版ruinaの予告とフリゲ好きには嬉しいニュースがあった今日この頃ですが、ギリギリ無事に生きています。

 1年以上放置してしまって申し訳ありませんでした。
 特にその間も支援してくださった方々には感謝しかありません。本当にありがとうございます。

 久々の更新となりますが一つゲームの製作を進めていました。

※結構なバグが想定されます。
 ご報告いただけると大変ありがたいです。
 また、開発版のためゲーム性もゲームバランスも皆無です。ご了承ください。

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クモと召喚士 2019/09/08 22:25

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クモと召喚士 2019/07/21 08:49

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クモと召喚士 2019/07/21 08:12

とある館での戦い(過去作)

赤いじゅうたんに敷き詰められた大きな部屋。
天井には幕が垂れ下がっており、
シャンデリアの幻想的な揺らめきのほかに明かりはない。

そのほの暗い空間の中で、少年がじっとたたずんでいる。
青いマントに整った美しい顔。
首には金製のペンダント──勇者の勲章がかけられている。
そう、彼はまだ幼いが勇者である。
勇者である彼がこの館を訪れたのは国の命によるものだった。

この館には、悪の女が住まうという。
女は人を惑わし私利私欲のために戦乱を巻き起こす大罪人だ。
多くの国々に大きな損害を与えている。

少年はこの女を討つためにここに来たのだ。

「………」

少年が闇の向こうをじっと睨みつける。視線の先に件の女がいた。
女は邪悪な笑みを浮かべ少年を見つめている。
その女は幼き少年の目から見ても非常に美しかった。
青紫のアイシャドウに真っ赤な唇。緑がかったブルーのロングヘアは光沢を帯びていてツヤツヤと光っている。
豪華なドレスと銀のティアラを身につけており、その姿はまさにお姫様のようでもあった。

「くすくす…♥ ようこそ勇者よ…♥
 そなたのようなかわいい子を待っていたぞ…♥」

少年は目の前に立っただけで魅了されそうな心地になっていた。
 『これは危険な敵である』
歴戦の経験がそう彼に訴えていた。

「さあ、そなたを妾のものにしてやろう…♥」

煌びやかなピンクのドレスを引きずって白肌の女が少年の元へと近づく。
赤い唇がテカテカと光沢を放っており、まるで少年を誘っているようだった。
「………」
少年はゆっくりと剣を構える。
相手が何をするかはわからないゆえ、警戒心が強くなる。

「………♥」

女は少年の瞳をまっすぐ見たまま、無言で近づいてくる。
藍色の瞳がいやらしく揺らめいた。
少年はまだ動かない。

「………!」

…違う、動けないのだ!
少年は女が一歩近づくごとにその強大な力を感じ取っていた。
大きな恐怖が少年の筋肉を硬く縛り付けているのだ。

「………♥」

ついに目の前まで女がやってくる。それでもまだ少年は動けない。
少年の全身から冷や汗が噴き出す。

「……♥」

美しいサファイアの瞳が少年を覗いている。
少年は目を離すことができない。剣がカタカタと震えはじめる。

「…それでは…♥」

「!!!」

恐ろしい気配を察知する。
瞬間、少年は剣を振りかぶっていた。
今までの難敵との戦闘経験が、幾度とも乗り越えてきた死線での成長が、
少年を襲う恐怖を打破させたのだ!

「やああああ!!!」

幼いとはいえど勇者。
幾多もの戦いはその剣技を成長させ、動きに一切の無駄はない!



──されどそれは無意味なことであった。

「…ふふ♥かわいいやつめ♥」

女と勇者の間には深いレベル差が存在していたのだ。
剣よりもさらに素早い動きで、女は少年を抱きしめる。
「な、ああ!」
男殺しの抱擁が幼き勇者を包む。濃厚な匂いが肺を侵し、精神を大きく揺さぶる。
「あ、うああ…」
少年は抵抗するということも忘れ、快感の嘆息を漏らす。
剣を握る掌から力が抜け落ちる。
それほどまでに女の抱擁は心地よいものだった。

少年の緩んだ顔を確認すると、女は顔を近づける。
唇を耳に寄せて熱い吐息を吹きかける。ただそれだけで、少年は絶頂したように身体をこわばらせる。
女は吐息をかけながら、喘ぐ少年に囁く。

「抱擁だけで顔を赤らめるとは初い奴よ♥
 ほれ、顔をよくみせよ…♥」

美しい顔がゆっくりと近づく。
目蓋は閉じられ赤い唇が突き出されている。
あまりに淫靡な光景であった。
少年はじっと見つめることしかできない。
それが何を意味するかを知っていても、抱擁の快楽が抵抗を封じる。
そしてついに諦めたように目を閉じてしまう…

「ちゅぅ…♥」

額にとろけるくちづけを施される。
それは魔性の唇であった。魅惑の魔法が少年を蝕み、身体から一気に力が抜けていく。

「あ、ああ……」

口から甘い嘆息が漏れ出し、快楽の嬌声をあげる。それは幼き少年の経験したことのない、尋常ならぬ魅了の快楽だった。
女は邪悪な笑みを浮かべ、少年に気味悪いほどに優しく声をかける。
「ふふ…♥どうかな?妾のくちづけは…? 心が蕩けて夢心地であろう…♥」
「あ、ああ……」

少年の額には真っ赤なキスマークがこびりついていた。
剣が手から抜け落ち、甲高い金属音を響かせる。

「さあ、妾のものになるといえ♥
 そしたらもっと気持ちのいい思いができるぞ♥」

それは今の少年には恐ろしい問いかけであった。
少年の身体がガタガタと震えだす。葛藤ゆえであった。
勇者としての使命と魅了の快楽。この二つが心中で争っているのだ。
「むぅ?どうした? 妾のものになりたくないのか?」
「う、ぐぐ…うぐぐ…」
もう喉のところまで言葉が出ていたが、少年は勇者の矜持で押しとどめていた。
口にすればどうなるかは分かりきっている。それだけは防がねばならなかった。

されど人を惑わす悪の女にとって、
勇者の決死の努力も子供のかわいいあがきでしかなかった。

「ほぉ…?妾のくちづけを受けて耐えるか♥
 面白い♥さすがは勇者ということか♥」

真っ白な肌の掌が勇者の顔を包む。
女はいつの間にかに少年の眼前に迫っていた。

「それでは次は口にしてみようかな?
 光栄に思うがいい♥ 妾と接吻できるものはそういないのだから♥」
「……!」

少年に魔性の赤い唇が近づいてくる。
それは確実な魅了を与えるもの。
禁断の赤い果実である。
しかし少年は抵抗することができない。
両頬に感じる掌の柔らかさと鼻腔をくすぐる香水の匂いが、少年の心を縛り付ける。

「さあ、そなたに褒美だ…
 悦んで受け取るといい…♥」

ついに勇者は禁忌を○す。
ちゅぅっと音がして、赤い唇が接吻を与えたのだ。
幼い身体に魅了の魔力が急激に流れ出し、鍛え上げられた肉体が討つべき女のものへと変わっていく。

「あ…ああ…」
「さあ、言うがいい♥ 妾のものになると♥
 そうすれば妾の寵愛を与えてやろう♥」

少年は勇者であり、あらゆる困難を超えてきている。
ゆえにその精神も並の大人よりずっと強靭であった。

されど女の接吻はあまりに強力だった。
いくら強靭な精神を持つ勇者といえど、全身を蕩かす魅了に抗うことは不可能だった。

「は…はい…なります…
 僕は…あなたのものに…」

瞳の奥にハートを浮かべたまま嬉しそうに返事をする。
少年の唇にはくっきりと赤いキスマークが付着していた。それはまさに女のものとなった証である。

「よかろう…♥
 では一つ命を与えよう。
 そなたの愛する妾の討伐を命じたもの。
 その全員の首をとってこい。さすれば今夜一晩中かわいがってやろう♥」

「はい、わかりました…」

「それと…おまえの懐にあるものを出せ
 …うむ、その勇者のペンダントだ♥」

「これをな…んうぅ…ちゅぅっ♥」

金のペンダントを受け取ると、上から唇を押し付ける。
そこに真っ赤なキスマークが残されてしまう。

「これは…勇者が妾のくちづけに堕ちた証だ♥
 しっかりと身につけるがいい♥」

少年は再びペンダントを受け取る。
それはもはや勇者のペンダントではない。
悪の女のキスマークの施された堕落のペンダントだった。
「それでは行くがいい♥
 良い報告を期待しておるぞ♥」
少年は恍惚とした笑みを浮かべ豪華な館の外へと出ていく。
額と唇には真っ赤なキスマーク。女の寵愛を受けた証であった。

少年は躊躇なく命を果たすだろう。
彼はもはや勇者ではない。女を愛する下僕の一人に過ぎないのだ。

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クモと召喚士 2019/07/16 22:52

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