一宿一飯の恩義

龍族同士の生殖行為において、その懐妊率は限りなく100%に近く、里が豊かではない現在、むやみに同族を増やすことは禁じられており、故に年に1度だけしか許しが得られなかった。(龍族に避妊という概念はない)
里の住人は表向きその決まりを受け入れていたが、あらゆる種の雄において、遺伝子レベルで組み込まれた子孫繁栄のプログラムは、龍族の雄においても同様であり、ルールを守る事で秩序を守りつつ、一方でそれが性的な欲求不満となってたのも事実であった。
結果的にそれが村の秩序を壊す原因にもなり得、村の識者の間において、常に危惧されるべき事象として、警戒されていたのだった。
そんな折、変身前の龍族とほぼ同一であった為、時折欲求不満解消の策として、専用の雌を買い入れて来るか否かといった議論の渦中であった種族であったため、街に出稼ぎに出ていたニーナが、人間族の雌を連れ帰ったとの一報が入るや否や、識者の数人でこの人間族の雌に一晩だけ龍族の雄の相手をしていただきたいと、懇願に訪れたのだった。
ジャンヌと言う人間の雌は、当初龍族の申し出にひどく驚き困惑していたが、何やら祈りを捧げた後、その願いを受け入れ、当日夜通しで雄たちの相手をしたのだった。

明朝、識者が様子を見に行くと、雄たちはもうおらず、その代わり小屋の片隅に雄たちの体液まみれになり呆然と横たわっている人間族の雌の姿があった。

普段は優しい龍族の雄も、生殖行為の際にはひどく独りよがりになり、一方的に種付けをする傾向があったので、恐らくこのジャンヌという雌も、相当酷使されたに違いがなかった。昨晩だけで、恐らく30人近い雄たちの体液を注がれただろう。。
何でも以前は聖女と呼ばれたいたのだとか。。。自己犠牲の精神に感謝である。