投稿記事

小説の記事 (11)

MOMOKA。(柚木桃香) 2023/05/28 22:57

【小説】PlatonicAngels洗脳プロジェクト外伝 DarksideMoon前日譚 前編

***5月29日3時23分更新に修正版に差し替えました💦挿絵もつきました!***
*挿絵はAIになりますのでご容赦下さい(o*。_。)oペコッ💦

皆さんこんばんは!MOMOKA。です。
PlatonicAngels洗脳プロジェクト、楽しんで頂けましたでしょうか??
今月発売しました『ご褒美編』も既に6500DLを突破しました💕
こちら、他のPAシリーズが20%offになるクーポンがついているのは
5月30日まで
ですので是非お早めにご購入下さい°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°🌟

今月から『PlatonicAngels洗脳プロジェクトー前日譚ー』を
今年の11月まで
連載させて頂くことになりました!

今回は『ご褒美編』そして『全ての始まり』を描きます…!
計画的にはこんな感じ…↓↓

5月 DarksideMoon編 前編(今回)
6月 DarksideMoon編 後編立花ハルカ編 前編
7月 立花ハルカ編 後編+ 水瀬さやか編 前編
8月 水瀬さやか編 後編+ 望月りん編 前編
9月 望月りん編 後編 + 宝硝あやめ編 前編
10月 宝硝あやめ編 後編早乙女ユキ編 前編
11月 早乙女ユキ編 後編+ 最終話(11月1日アンコール発売)

もちろん、あくまで計画ですので長くなったり短くなったりするかもしれません…!
ですが、頑張って執筆致しますので是非楽しみにして頂ければと思います!

なお、私は中学生~大学生くらいまで趣味で一人で小説を書いていましたが、一人でもくもく書いていただけの人なので、プロの人に見てもらったりアドバイスをもらったり…等ということは全くありません💦
なので、完全素人の書くものという認識で読んで頂ければと思います;;
(あまりこう…普通に書籍で売ってるプロのライトノベル作家の方みたいなのを期待されるとなんかアレなので一応言っておきますwwwwww)

なお、小説は基本縦書きだと思うのですが、Ci-enの仕様上横書きになってしまいちょっと(結構)見づらいので、DL版で縦書きPDFのものをアップさせて頂きます!
推奨はこちらをDLして頂くことです!
(画像貼り付けだとより見にくい気がするので;)

小説は全て各キャラ

序章~第一章までを全体公開(プランに加入していない方まで公開)

前編までを無料プランの方に公開

後編は白桃プラン以上の方に公開

*章は便宜上で分けております。

とさせて頂きます。
もし続きを読みたい!と思ってくださった方は是非続けて読んで頂けると嬉しいです💕

皆さんに楽しんで頂けますように…!(/ω\)💦✨←緊張で死にそう


DLはこちらから↓↓(DLが推奨です!圧倒的に読みやすいです)

DarksideMoon前日譚前編(全員読める).pdf (825.43kB)

ダウンロード

DarksideMoonー前日譚ー

序章

――ああ、この子達は使える。

 アイドルを目指す熱量、純粋さ、そして類を見ないほどの姉妹愛。

 児童養護施設育ちの双子というステータスにも特別感があった。
 容姿合格、演技も歌の実力も頭一つ抜けている。
 アイドルとして申し分ない逸材。

 彼女らがオーディションを受けた事務所の数は二十数か所に上る。
――だが、全て最終候補止まり。
 それは弊社で一度行ったオーディションでも同じだった。
 手に持った二人の履歴書と前回オーディションを担当した無能な役員のメモを見比べながら、最終審査のダンスを披露する双子を眺める。
 キレのあるダンスは超大手事務所である弊社所属の現トップアイドルにも劣らないだろう。
 二人が向かい合うポジションを取った時に瞳がしっかりと交差するのもプラスポイントだ。
 メモには、「妹に難あり、姉のみなら可」というふざけた書き込みがあった。
 そのメモを握りつぶし、踊り終え息を切らす双子に手招きをする。

 社交的でアイドル気質な姉とクールで無口な妹。
 硬い表情で目を見合わせた双子は、スカウトした私のもとへ来る。

「合格よ。これから是非弊社のアイドルとして活躍してください」

 明るく、優しく、好感しかもてない笑顔で二人に拍手を送った。
 二人は涙を浮かべ、手を握り合い、何度も何度も頭を下げた。
 純粋で、清く穢れのない双子の少女。
 二人はきっと、私を神のように崇めるだろう。
 報われなかった時間が長ければ長いほど、辛い思いが募れば募るほど、救いの手を差し伸べてくれた相手には恩を感じるものだ。
 後は耳障りの良い綺麗な言葉と彼女らの求めるものを用意すればいい、

 この双子はもう――私に逆うことはない。


第一章 挫折

「姉さん、これ」
 郵便配達のバイクの音が聞こえると共にポストを覗きに行った双子の妹が、軽く息を切らせて戻ってきた。
 朝から――いや、一週間前からずっとポストを覗き続け、待ち続けていた郵便物がようやく届いたようだ。
 妹が部屋を出てから、そわそわと長い銀髪を手櫛で整え続けていたアリアは渡された封筒を一瞥して、口を強く結んだ。
 エメラルド色の瞳を見合わせ、双子の姉妹は息を飲む。
 薄く平べったい白封筒には『オーディション合否通知書在中』と書かれた赤い判子が押されている。
 アリアは手紙を受け取り、中身を破かないようゆっくりと封を剥がす。
 緊張で手が震えるのはどうしても抑えられない。
 妹のエルは、その手元をじっと見つめながら、アリアと同じ色の短い髪を何度も耳にかけ直していた。
 心臓の鼓動が外に漏れそうなほど大きくなった頃、封筒が完全に開いた。
 もう一度瞳を合わせ、頷き合い――アリアがそっと手紙を取り出す。
 そして、飛び込んできた文字に、一気に落胆する。
「また、ダメでしたかぁ…」
 恨めしそうに『不合格』の文字を見つめながらアリアは大きなため息をついた。
 ドサッとベッドに倒れこみ、天井を仰ぐ。
 窓から射す正午過ぎの光の明るさが疎ましい。
射し込む光とは真逆に、アリアの心は暗く沈んでいった。
「…これで、二十通目」
 横に腰掛けたエルも、悔しそうに眉を寄せている。
 ――そう、これで二十回、オーディションに落選したことになる。
 いつも最終審査までは残るものの、選ばれない状態が続いている。
 だがこれが、単に実力不足ということであればここまでモヤついた気持ちにもならないだろう。
 恐らく、今回もきっと…
 目を細めてスマホの画面を見ると、タイミングを見計らったように着信を示す画面が表示される。
 『SNMプロダクション』
アリアは大きなため息をこぼした。先ほど不合格通知を送りつけてきたアイドル事務所が今更落とした自分に連絡してくる理由などあるはずがない。
 だからこそ、アリアにはこの電話が何を伝えるための電話なのかが予想できてしまう。
 いつものアレ  だろう。
 ――出たくない。
 でも、万が一、ということがある。
 万が一、補欠合格、ないし合格者が辞退の繰り上げ、もしくは通知ミス――そんな電話であればコールに答えなかったことを一生後悔してしまう。
 なんせ、二十回目の不合格通知だ。そろそろ心が悲鳴を上げている。
 エルは鳴り続けるアリアのスマホに表示された文字をただじっと見ていた。
 アリアは三コールの沈黙の後、意を決してスマホを握った。
 そのまま部屋を後にする。
 この電話は――エルには聞かせたくない。
「はい、もしもし」
 部屋のドアがしっかり閉まったことを確認し、玄関に向かって歩き出す。
 できれば外で話したい。
 エルに絶対に声が聞こえない場所で――
『アリアさんのお電話で宜しかったでしょうか。先日は弊プロダクション所属オーディションにご応募頂きありがとうございました。通知はもうお手元に届きましたでしょうか』
「…はい、届いています」
 ちらりと後方を確認し、エルがついてきていないことを確認する。
玄関のノブに手を伸ばすより先に、玄関が勢いよく開かれた。
 どうやら外で遊んでいた同施設の小学生が戻ってきたらしい。
「アリアちゃんただいま!」
 どたどたと流れ込んでくるチビっ子達に、笑顔で手を振る。
 ここは児童養護施設。身寄りのない孤児や何らかの理由で親の傍にいられなくなった子どもの生活を守る場所だ。中学二年になるアリアとエルもここの住人だった。
 そのまま外履きのスリッパに履き替え、玄関のドアを開けて外に出る。
 むっとする暑さが、もうそこに迫った夏の存在を主張していた。
『この度は折角最終審査まで残って頂いたのにも関わらず良い結果をお伝え出来ず申し訳ございません』
「いえ…また実力をつけて再度挑戦させて頂ければと思っております。こちらこそお時間を頂きありがとうございました」
 優等生の返答を返し、アリアは施設の庭にある水の出ない噴水の淵に腰掛けた。
 この位置からなら施設の玄関がしっかり見える。

 施設の庭のすぐ横には大きな広場がある。
 市営のもので、許可をとれば誰でも借りられる、中学校の体育館1つ分程の大きな広場だった。
 そこには遊具こそないが、小さい子やペットを連れた親子が公園代わりに遊びに来る。
 今日はいつもより人が多いのを見て、「そういえば今日は土曜日だったな…」なんてどうでもいいことを考えながら、アリアは電話の相手がオーディションで見せた二人のパフォーマンスの高さについてベタ褒めているのを流し聞きしていた。
 そんな言葉をくれるくらいなら、合格の二言が欲しい。
 適当に相槌を打ちながら、真剣に聞くふりをする。
 この流れはもう、決定だ。あの言葉がくる。
『それでなんですけど…アリアさんソロでご活動、というのは考えていらっしゃらないでしょうか。アリアさんソロであれば弊プロダクションで是非頑張って頂ければと思っております』
 ほらきた。
「…ありがとうございます~。ただ、私達は双子のアイドルとして活動していきたいという思いがありますのでソロでの活動は考えておりません。折角のお申し出ですが…申し訳ありません」
 あくまで笑顔で申し訳なさそうに返しながら、アリアは苦虫を嚙み潰した。
「妹はあまり表情を表には出しませんが、歌もダンスも私よりも実力があります。アイドルは笑顔も大事だと思いますがキャラクターもとても大切だと思うんです。個性、という見方をして頂けるととても嬉しいのですが…」
 無駄だとわかっていながら、アリアは電話の相手にエルの良さを説いた。
 歌唱やパフォーマンスの実力はもちろん、性根の優しさ、努力家であること、クール系のキャラクターで売り出せば自分よりもずっと人気になる可能性があると。
 だが電話の相手は困ったような声で否定の言葉だけを丁寧に選んでくる。

 要約すると、――笑顔が苦手な方はちょっと…。ということらしい。

「そうですか。では残念ですが… はい。はい。 はい、わざわざありがとうございました」
 気を抜けば棘のある言い方になりそうで、アリアは電話を切るまで神経を尖らせていた。
 通話終了ボタンを押し、完全に通話が切れたことを確認したアリアはスマホを投げ捨てたい衝動に駆られた。もちろん、施設住みでお金のない中学生がなけなしのお小遣いをはたいて買ったスマホを壊すことなどできるはずもないが。
「何でどの事務所もエルの良さをわかってくれないんですか…」
やりきれない気持ちを吐き出すように地団駄を踏み、膝を抱える。
妹のエルは確かに無表情で人との関わりをそこまで得意としないが、学校でもミステリアスなクール系美少女としてひそかに人気があるのをアリアは知っている。
初見では冷たく見えるかもしれないが、時間を共にすればその中で微かに変わる表情が見えてくる。紡ぐ言葉のトーンの濃淡だってくっきり見えてくる。
きっとそこまで時間をかけずともわかってもらえる。エルの可愛さ、魅力。きっとファンを虜にする。自分なんかよりもずっと――。
だがオーディションという限られた時間の中だけでその魅力を伝えきることは至難の業。
それはわかっている。
わかっているけれど…
「はぁ…」
気力なく立ち上がり、施設の玄関に向かう。
玄関のドアノブに手をかけ、もう一度溜息をついた。
振り返ると太陽が嫌味なほどにギラついていた。
 
          ***

「お帰り、姉さん」
 水を煽りたくてキッチンに行くと、エルが氷を入れた麦茶を差し出してきた。
 どうやら帰ってきたチビッ子達にお茶を入れてあげていたらしい。
 自分と瓜二つの容姿なのに、自分よりもマメで気の利く妹。チビッ子にも好かれている。
 ボーイッシュなショートカットにTシャツ+黒ショートパンツ。なのに同じTシャツに薄紫色のミニスカートを合わせた自分よりも色っぽい。
 白い雪のような肌は思わず抱き締めてすりすり頬ずりしたくなってしまうほど綺麗だし、リップも塗っていないはずの唇は思わずキスしたくなるような艶やかなピンク色だ。
 唯一無二の可愛いすぎる、大切な妹。自分の半身ともいえる双子のエルが認められないのは自分を否定されるより百倍辛かった。
「ありがとう、エル」
 先ほどの電話から吐かれた言葉を胃の中に流し込むように、一気に飲み干す。
「んっ…んっ!ぷはっ!」
「…姉さん、冷たいお茶を一気に飲むのは体に良くない」
「いいんですよ! たまにはこうしてストレス発散しないと!」
「…」
 アイドルを目指しだしてから、お茶はいつも温めて飲んでいた。
 氷の入った冷たい飲み物は喉にも体調にも良くないため極力避けていたが…今はこれが欲しかった。さすがはエル、双子の妹。以心伝心で伝わる、伝わってしまう。今のやるせない気持ち。イガつく心。
キンキンに冷えた麦茶を飲み干し、ずいっとガラスコップをエルに差し出す。
「エル、もう一杯下さい!」
「…わかった」
 こぽこぽ…カラカラ…と小気味良い音がする。

ぐいっぐいっと再度ヤケ気味にお茶を飲み干していると、エルが何か言いたそうな顔を向けてきた。
――ああ、すごく嫌な予感がする。
相変わらず表情は動かないが、その瞳の奥に陰が落ちている。
アリアはグラスから口を離し、エルを見た。
あまり気乗りはしないが、妹が何か言いたげにしているのだ。聞かないわけにはいかない。
エルはややあってぼそりと言った。

「姉さん、僕は姉さんが一人でアイドルになる方が良いと思っている」


続きは無料プランさんからお読みいただけます🌟

DLはこちらから↓↓(DLが推奨です!圧倒的に読みやすいです)

DarksideMoon前日譚前編(全員読める).pdf (825.43kB)

ダウンロード

フォロワー以上限定無料

DarksideMoon 前日譚

無料

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

1 2 3 »

月別アーカイブ

記事を検索