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悪魔と結んだ愛人契約の記事 (2)

make me ambitious/神流 2020/04/17 19:00

悪魔と結んだ愛人契約 後日談ミニシナリオ「雨の日の帰り道」

先日達成した300DLのお礼兼、久し振りにヴィルジールのお話を書きたくなったので作ってみました。
本編後の後日談。ある穏やかな日のお話です。その後の二人の様子が少し分かるかと思います。


◆あらすじ◆
あの事件が解決した後、無事再就職したヒロインは、新しい勤め先から帰ろうとするところだった。
しかし外は雨だったため、傘を忘れたヒロインは会社の前で途方に暮れていた。そんな時、ヴィルジールが傘を持ってヒロインを迎えに来た。

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悪魔と結んだ愛人契約 後日談ミニシナリオ「雨の日の帰り道」 音源公開

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make me ambitious/神流 2019/12/28 21:49

悪魔と結んだ愛人契約 -Bite the Bullet- 補足&あとがき

(※2019/8/15に投稿したDLsite blogの記事と同じ内容です)



こんにちは! make me ambitious の神流です。

この度は当サークルの四作目、「悪魔と結んだ愛人契約 -Bite theBullet-」をお聴きくださり、誠にありがとうございました!

毎回恒例の補足やら何やらを書こうと思います。
いつも通りネタバレを含みますので未視聴の方はお気を付けください。


今回の議題はこちら!

◆このお話を作ろうと思ったきっかけ
◆各キャラクター&キャスティングについて(各声優様方からの許可は取っております!)
◆内容補足、解説、小ネタなど

という感じでやっていこうと思います。かなり長文ですので、お暇なときに読んでいただければ嬉しいです。



◆このお話を作ろうと思ったきっかけ

私は昔からタイトルのような短い文章を考えるのが好きで、何かを思いついては日頃からスマホにメモを残しています。
そして去年の春頃に思いついたのが「悪魔と結んだ愛人契約」というタイトルでした。

これを思いついた当時、それはもうこのタイトルがめっちゃくちゃ気に入っていたんです。
語呂が良い上にミステリアスさとセクシーさと怪しさとダークさが混在している、なんて素敵なタイトルなんだ~!と自画自賛していました。

そうして7月になり、数ヶ月経ってもなおこのタイトルが気に入っていたので、いつかこのタイトルを使いたくて溜まらなくて、もし使うならどんなお話だろう……と暇な時によく考えていました。
そんな中、ふとある日突然頭の中に「全身黒ずくめのいかにも怪しそうな悪魔のような男が真夜中に1人で帰るヒロインに声をかける」という構図を思いつきました。

その瞬間、これだーーーーーー!!!!と思った私は7月頃から「悪魔と結んだ愛人契約」のプロットを考えはじめました。これが全てのはじまりです。

とにかくメインコンセプトは「一般的なシチュエーション風じゃない、ドラマみたいな音声」です。
リスナーの皆様には、聴いていてワクワクするような、疾走感溢れる物語のヒロインになって欲しいと思い、お話を考えました。

私は少女漫画ではなく少年漫画で育ったタイプの人間です。昔から少年漫画の世界観にずっと憧れを抱いていました。
けれどもそんな物語の中には、当り前ですが自分は存在しません。それならば、自分でそんな話を作ってしまえ、と前々から考えていたため、怪しい男がヒロインに声をかけるという構図を思いついたとき、この話でその夢を実現してみようと思いました。

最初はハードボイルドな話を書きたいなぁと予定していたり、悪魔のような悪い男の愛人になる契約を結ぶような色気のある話を書きたいなぁとか考えていたのですが、最終的にこのようなかなり爽やかな少年漫画チックな話になってしまいました。びっくりや。

愛人契約とか言いつつ全然そんなもんを結んでいないのは、タイトルありきでシナリオを考えてしまったからです!! しかも何が面白いって、タイトルのせいで悪魔のような男だったはずのメインヒーロー君が本当に悪魔になってしまったのが面白いですよね(白目)

そんな感じで愛人契約は、

7月~12月にプロットを考え、
1月にシナリオを書き、各キャストさんに依頼し、
2、3月~6月に編集する……というスケジュールで進みました。

そう早くは完成しないだろうとは思っていたのですが、まさか丸一年かかるとは……
頑張って作ったので、この熱意が少しでも聴いて下さった方に伝わっていれば嬉しいです!

あ、あとあれだ。バイオハザードで使用するウイルスを天然痘に決めるのに二ヶ月ほどかかりましたね……苦笑

元々、「どう見ても怪しい男と共に事件に立ち向かう」という物語の核を決めたときは「ITテロを二人で解決する」という話にするつもりだったんです。
でも、それには大きな問題がありまして……私、めっっちゃくちゃ情弱なんですよ……パソコンすごく苦手で……

そんな人間にそんな分野の話が書けるわけがないということで、自分がなんとか議論できそうな分野で勝負することにしました。というわけでバイオテロ。(とはいえ別にバイオ系が専門というわけではないので、なにかおかしい点があっても目を瞑ってやってください……)

起こす事件はバイオテロに決めたものの、肝心の細菌かウイルスに何を使おうかな~と2ヶ月程ずっと悩んでいました。
天然痘に行き着くまで、他の細菌などの候補を3パターンほど考えていましたが、説明するのが難しかったり、後腐れ無く事件を解決させるのが面倒だったりしたせいでそれらのアイディアは採用できず、最終的に「説明が楽」「最後ウイルスを燃やして処分すれば事件がちゃんと解決する」という2点を見事クリアすることが出来た天然痘を使うことにしました。

本当に天然痘さんは出来た子(?)なんですよ……世界から無くなっているけど、一部の研究室にのみ保管されてるとか、即死しない程度に致死的であるとか、日本にワクチンがほぼないとか、それはもう色んな条件が完璧で……天然痘さんには助けられました。ありがとう天然痘……絶っ対に罹患したくないけど……



◆各キャラクターについて

10月11月には、物語はまだ完成していませんでしたが、メインキャラクター三名の設定はほとんど固まっていたので、その頃はキャラクター達の配役を考えつつシナリオの調整をしながら日々を過ごしておりました。

キャスティングについてはメインキャストの皆様から語っても良いよ~との許可を得ておりますので赤裸々にお話していこうと思います~! いえ~い!


・川添日奈美に関して。

川添さんのキャラクターのテーマは「限界理系女子」です。
かなりのウイルスオタクかつ発言の端々が妙に理系っぽい……というのを目指したのですが、限界理系感のある発言がコメディシーンでの1、2台詞くらいにしか投入できなかったことが私は悔しくてなりません!

物語を考え始めた当初は、ヴィルジールとヒロインと川添さんが電話ではなく、実際に会って話すシーンが実はあったんですよ。そこで彼女に大分やべえリケジョな台詞を数回ほど飛ばさせて、ヴィルジールを困惑させるコメディシーンをつっこむ予定だったんです……
しかし、話の流れの都合上、最終決戦以前の川添さんの出演は電話のみになってしまったので、残念ながらそのシーンはなくなりました……無念……

愛人契約のシナリオで後悔することがあるとすれば、彼女の限界理系的発言をばんばん出せなかったことですね。


キャスティングに関して。

私は以前、涼貴涼さんに声のよく似たご親戚の方が主演を勤められた長編ボイスドラマを聴いたことがあります。
その作品は、物語の途中で主人公の体の中に別の人間の魂が入る展開というになるため、要は1人2役みたいな演技が求められる作品でした。そのシーンを聴いたとき、キャストさんの演技の切り替わり方に私はとても驚き、感動しました。あまりに別人のような雰囲気で、初めは違う役者さんがやっていると思ったんです。でもよくよく聴くと同じ方が演じられてて衝撃を受けました。

それよりも前のシーンから、主演の方は演技力高いなぁと思っていたのですが、その一人二役のようなシーンを聴いて、その方の演技に私はとても惹かれました。
ちなみにその作品を聴いた当時、すぐに主演の方の名前を検索して調べてみたのですが、何故か2014年頃に更新が途絶えた古いHP?にたどり着いてしまい、この方はもう活動されていないんだ・・・・・・と悲しく思っていたんです……

ですが、去年の秋頃だったかな・・・・・・以前mmaで出演していただいた某方が涼貴さんのツイートを引用RTされていたんです。

TLにそれが流れてきたのを見た私は衝撃を受けました。「いたーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!! 全然余裕で活動してるーーーーーーーーーーーー!!!!」と心の中で叫びながら高速で涼貴さんのホーム画面のスクショを取りました。あまりの衝撃に机の角に足をぶつけ、とても痛かったことをよく覚えています。

川添日奈美は、登場シーンが主に三回ありますが、それぞれのシーンでの役割が違います。
最初の電話シーンでは「弱気な様子」と「コメディ」。
クライマックス付近では「ヴィルジールとヒロインを誘導しクライマックスまで導く先導者」。
ラスト付近では「ヒロインの背中を優しく押す、頼れる友人」

・・・・・・と一作品の中で様々なことを要求する役なので、川添日奈美には幅広い演技が出来る方にお願いしたいと思いました。そう思ったとき、思いついたのが以前聴いたボイスドラマの主演の方でした。

川添日奈美を涼貴さんに依頼したのはこんな経緯です。
涼貴さんには、真面目で優しいけれども、ちょっと抜けてる所もあるという川添さんのキャラクターを完璧に演じてくださって本当に嬉しかったです……! あとコメディすっごく面白かったです最高!


・アスモレクに関して。

私が少年漫画が好きということは先ほども申し上げた通りです。
少年漫画って、比較的古い作品の敵は「闇落ちした理由が特にない、最初から悪に染まっているシンプルな悪役」が多いイメージなんですが、最近の少年漫画の敵って「何か理由があって主人公と敵対することになった悪役」が多いなぁと私は勝手に思っています。

それが原因か、数年ほど前から私は昔ながらの悪役のような「同情する余地のない超シンプルに悪!」みたいなキャラクターをかなり好むようになりました。
というわけでアスモレク先輩には純然たるドッドドドド悪役になってもらいました!!(満面の笑み)

というわけで、どなたにド悪役を演じていただこう?と考えたとき、思いました。あえてこういう悪党キャラのイメージがない方の悪役演技を聴きたいなぁと。

三橋渡さんは、優しい役とか、穏やかな役とか、悪い人であっても一見穏やかそうな役とか、そういうイメージが強い方だなぁと勝手に私は思っています(※これは個人的な意見です)
ですが色々な作品を聴いていると、この方は圧力強めの演技も絶対に上手いんだろうな・・・・・・と思うシーンをたまに耳にしていたので、「優しい役が多いイメージの三橋さんにゴリッゴリのド悪役を演じていただきたい!」と思って今回依頼させていただきました。

といった経緯です。

やった~圧の強い悪役だ~~!! こんな罵倒聴いたことない~! たぁのしい~!!と編集中は正直ものすごく楽しかったです!(満面の笑み)

……ただ、最初にサンプルを戴いたときは予想以上の圧にビビってパソコンの前で凍り付いていました。(動画の「バッカじゃねえの!?」のやつです)
本当に予想以上の圧力……具体的に言うと、期待していたものの150パーセントの圧力だったため、しばらくの間私の口癖は「150パーセント」でした。

アスモレクは中盤にスピーチするシーンがあると思うんですが、あれ実はかなりカットしてしまっているんです……
ヴィルジール達がアスモレクを見つけて、現場から逃走するまでどれだけの時間がかかるかが台本の時点では分からなかったので、スピーチ原稿は長めに書いていました。そのためアスモレクには長めにスピーチをしてもらっていました。けれど思ったよりヴィルジール達がすぐに現場から去ることが出来たので、結局スピーチは半分くらいしか使えませんでした……残念……

ちなみにあそこのスピーチは、むちゃくちゃ内容を要約すると「弊社ではこのような事業内容をしています!」というようなことを話しています。
しかし田中井製薬がやっていることは、そんなんじゃ経済難を乗り越えられるわけがないというような短慮な対策なんですね。だから本編では会社の経営は傾いていました。ちなみにあの会社は長く持ちません。いつか潰れます。なおアスモレクは「この会社のトップの判断は馬鹿だなぁ」と理解しつつも、自分の計画を上手く進めるためにその状況を利用して暗躍していました。

というわけでスピーチの内容は、実は本編での田中井製薬の様子と矛盾点を出さないようなものにしていたつもりでした……が、そんなん分かりづらすぎてリスナーに伝わるわけあるかと自分でも思いますし、そもそも半分しかスピーチ原稿が読まれていない時点で分かるわけがないという。
あとスピーチ中盤でちらっと「病気の予防が大事だよ~(=何かのワクチン開発してるぜ!)」というようなことも実は言っていました。でもその部分は全てカットされているのでその文章を書いた意味は無となりました。無です。

ここまで色々と語りましたが、スピーチ内容を全く聴いていなくても本編には一切関係が無いのでお気になさらないでください!! ただの個人的な無駄な拘りでした!!

……いやほんと無駄だったな。

余談ですが、一部でアスモレクのことを「アスモ野郎」と仰る方がおられまして、私はその呼び方結構好きで気に入っています。アスモ野郎~~!(満面の笑み)


・ヴィルジールに関して。

メイン三名のうち、他二名のキャスト様は結構すぐに決まったのですが、ヴィルジールはとても悩みました。確か2ヶ月くらいずっと悩んでいました。

そもそもヴィルジールというキャラクターをすごく簡単に説明すると、「少年漫画の熱血主人公」のようなキャラクターだと思っています。もちろんディテールを突き詰めると、よく居るわけではないキャラクターだとは思いますが(そう思いたい)、ざっくりとジャンル分けをするのなら、世の中に居るキャラクターの大人数が所属するような性格のジャンルに属していると思っています。
つまり、こういうキャラって割と多いんですよね。例を挙げろといわれたらいくらでも挙げられます。
だから、どの役者さんに依頼してもそれっぽいものは返ってくると正直に言えばそう思ったんです。

でも、それは違うな……と思いました。よくあるような特徴を持ったキャラだからこそ、同じ熱血系の系統のキャラクターたちとは違う、唯一無二の個性的なャラクターとして、ヴィルジールに命を吹き込んでくれる方を探してるんだ、ということに気付いたんです。
つまり、熱血演技が素敵かつ、声と演技に特徴を持った方ならそれが可能なんじゃないかな・・・・・・?と思いそれを念頭に置いてサンプルを聴く日々を過ごしました。

そんな中、ある日私のTLに片桐さんの「ララララのアヘンで作ったペラペラのニャーン」が偶然流れてきました。

そしてこれを聴いた瞬間、「熱血主人公キターーーーーーーーーー!!!!」と思いすぐさまサンプルボイスへ直行。そこから片桐さんの過去作を漁る日々が幕を開けました。そうなんです。全てのはじまりはパラパラのチャーハン動画だったんです……

そうして色々聞いている内に思ったのが、片桐さんの自分発信の作品での演技が生き生きとされていて私は好きだなぁと思いました。恐らく、そういうのって依頼されたものではないからこそ、ご自身を解放されて自由にやっておられるのかな~と思ったんです。

というわけで、今回私はヴィルジールを「自由に演じてください!」とかいうめんどくさいオーダーと共に片桐さんに依頼しました。(※300DLのフリートーク参照)
自分でもアレなオーダーだなと当時思いましたし、片桐さんにとって大変面倒くさいであろうことをお願いしてしまったなと申し訳なく思いましたが、それに全力で答えてくださったので、あれで良かったんだ……!と勇気を出してあのような指示をさせていただいた過去の自分グッジョブ~!と思いました。

具体的にどれくらい嬉しかったかというと、自分が予想していたものの150パーセントくらい生き生きしたヴィルジールの演技が片桐さんからいただけたため、しばらくの間口癖が「150パーセント」でした。
そう。つまり私は人生で計2回「150パーセント」が口癖の期間があったんです……!(???)


今作に関しては、シナリオを書き始めるよりも役者さんを先に決めていたので、その方に合わせて台本を書いていました。

特にヴィルジールに関しては片桐さんの演技のイメージで書いていたら、キャラクターを設定した当初より若干テンションが高めなキャラクターになりました。
ヴィルジールは元々もう少しテンションが大人っぽかったんですよね。片桐さんならこういう台詞はこんな感じがより生き生きとするかな~とか、こういう声を張るような演技が映えるよね~などと考えつつ書いたら、あんな風になりました。

でも、今回のような感じで書いて良かったんだなと音声を納品していただいた時に確信したので、テンションが若干変わってしまったことに後悔は一切していません。むしろあんな風に書いて、あんな動きのある演技をいただけたからこそ、私が想像していたよりも遙かにキラキラとしたヴィルジールというキャラクターができあがったのだと思います。

川添さんに関しても、ヴィルジールと同様書き始める前の設定ではもう少しクールなキャラでした。でも涼貴さんなら一人のキャラクターの中にテンションの振り幅が大分あったとしても、きっとそれらを全て完璧に演じてくださるだろうと思ったので、暗い話をした直後に思いっきりコメディを入れてみたりしました。

納品されたものを聴いたとき、すごく楽しかったです。特にコメディシーンは爆笑しましたよね。自分の文章でこんなに笑うことができるなんて生まれて初めての経験をさせていただいて、とてもびっくりしたと共に感動したのを覚えています。

アスモレクに関してもテンションが高くなったような気がします。構想中はもっとこう、いかにもフェロモン系な悪役でした。でも、三橋さんに演じていただきたいなと思ってからは、もっと分かりやすく悪!!という面を押し出して書きました。あれ? 今気付いたんですけど3キャラ全員テンション上がってません?

特に罵倒に関しては、捻った感じの罵倒台詞というよりも、とにかく分かりやすくシンプルに罵ってこそ圧のある演技が映えるかな~と思ったので、ド悪党らしい直球シンプルな罵倒を要所要所に入れました。

アスモレクの台詞で一番拘ったのは何?って聴かれたら秒で答えます。「バッカじゃねえの!?」です。


今回演じていただいたキャストの皆様には、もう本当に本当に素晴らしい演技をいただいたと思っております。

私が期待していたものより遙かに上をゆく演技をいただきました。納品されたものを確認する度いつも感動で、パソコンの前で本気で泣いていました。こんな経験させて頂くことが出来る人って、この世でもそんなに居ないでしょう。私はとても幸せ者です。
エキストラさんも然りです。エキストラさんにあんなに素晴らしい演技をいただいていなかったら、あんなに臨場的なシーンは出来ていませんでした!

関わってくださった全ての方々に、心から感謝しております。




◆内容補足、解説、小ネタなど


・悪魔についての設定

結構細かく決めていましたが、残念ながらほとんどが本編に生かされてないで~す!!

作中での悪魔の設定:
・魔界の底に溜まっている黒いよどみが凝り固まって生まれた存在。動物や植物のような生命体ではなく、意志と質量を持った概念。
・人の負の感情を糧にして生きる。
・一定の姿を持たず、どんな姿にでも変身できる。ただし理由が無い限りは大抵いつも同じ姿の存在に変身する。
・不老長寿。誰か、もしくは何かに殺されるまで永遠に生き続ける。変身した存在の心臓付近に核を持ち、それを壊されると死ぬ。
・五大元素の内の1つを操る力を持つ。
・人間を支配するための固有の能力を持つ。この固有の能力は悪魔には効かない。他の悪魔の支配下にある人間には効きづらい。自分の支配下にある人間は能力が効きやすい。悪魔達はこの個々で違う固有能力を『支配』と呼ぶ。

ちなみに悪魔の能力についてですが、なぜああいうものが設定されたかというと……


固有能力について

元々この話は、中盤でバリバリ銃撃戦が繰り広げられる予定だったんです。
ただ私が、熱い銃撃戦を書ける気がしない&編集できる気がしなかったため、銃撃戦は却下。そしてそれに伴い戦闘シーンはかなりライトなものになりました。

ですが最初は銃撃戦を予定していたため、ヴィルジールには初っぱなから銃を隠し持たせる予定だったんです。で、それをヒロインに気付かれたとき、

ヒロイン「それ銃刀法違反!」
ヴィルジール「見られた相手の記憶を消せば問題ねえ!」

というやりとりをさせるつもりでした。つまり銃刀法違反を合法的(合法的か?)に回避するために、記憶を消す能力をつけたという次第です。
しかし結局銃撃戦はなくなったため、何故か能力のみが残ったのです……本末転倒……


炎の能力について

理由はシンプルです。最後に天然痘を燃やすためです。
ウイルスを消滅させて、事件は全て解決さ!という展開に持って行くため、ヴィルジールに炎の能力を付加させて、ラストをサクッと締めてもらいました。
アスモレクの能力を水にしたのは普通に炎のライバルといったら水でしょ!という感じです。こちらもとてもシンプル。

物語を先に考えたのではなく、タイトルから物語を考えてしまったために物語を構成する際にものすごく紆余曲折してしまい、こんなはちゃめちゃなことになりました。


・FDの対比

(ここでのFDとはトラック18,19のことです)

これ、気付いてくださる方がいらっしゃってとても嬉しかったです~!
ヴィルジールとアスモレクは、実はやってることはほぼ一緒なんですけど、それに付随する感情が真反対だよね~ということを表していました。

気付かれないかな~と思っていたのですが、レビューや感想などでそこに言及してくださる方がいてくださって嬉しいです! 気付いてくださった皆さま、ありがとうございます~!


・クライマックスでの回想の伏線について。

要はトラック6の中に実は存在していたワンシーンですよという話なんですが……実はトラック9へ繋がる伏線になっています。
つまり、トラック9でヒロインがぶっ倒れた理由が「悪魔からの支配を何度も受けたから」なのですが、これは一見「アスモレクの支配を二度受けたから」に見せかけて、実は最後まで聴くと「アスモレクの支配を二回+ヴィルジールの眷属の契約(支配)を一回、の計三回(そのうちヴィルジールの一回は重め)」を受けたからである~みたいな伏線のつもりでした。でも自分でもこれは分かりづらいと思っています……

あとあの回想シーンでの出来事があったからこそ、ヴィルジールはトラック7であのような発言をしていました。
クライマックスでの大逆転のためだけではなく、実は中盤での展開に軽く繋がるような構成にしておりました。


・ラストシーンの場所

ヒロインの記憶が戻るラストシーンについてですが、これは映画館でのシーンのつもりでした。
ヒロインの心の記憶が示すがままに思いつく限りの場所をひたすら走り回り、最後にたどり着いた場所があの映画館でした。そこにはぼんやりとヒロインとの思い出の場所を巡っていたヴィルジールもいました。

……が、よく考えたらあのシーンでヴィルジールにしっかりと「ここは映画館」って言及させてなかったな!?と編集終盤のギリギリで気付いてしまいました。言語外でここは映画館なんだよ!とリスナーの皆様にどうにか伝えられるように、「足音を作中で最も反響させる」「映画館に入る扉の音を印象的にする」というような工夫をして、SEでここは物語中盤に二人が行った場所です!と主張したつもりだったのですが、いかがでしょうか。伝わりましたでしょうか……


・トラック8でアイドルのライブがなんとかって言ってるやつ

これは単純に、お察しの通りヒロインとヴィルジールを同じ部屋に押し込むための理由付けです。
ただし、それ以外にも元々この発言は次の日への伏線にするつもりだったんです。次の日二人が逃走中に、アイドルのライブに行こうとする人々の大群に巻き込まれてしまったおかげで、二人を追いかける部下達を捲くことが出来た~的な感じで。
でもヴィルジールが自力で対処してしまったが為に、アイドルのライブ云々はただ二人を同じ部屋に押し込むためだけの安っぽい理由になってしまったのでした……


・ヒロインのこだわり

私は平凡ヒロインが好きなので、基本的にmmaのヒロインさんたちは特に変わったところのないヒロインだと思います。
でも、平凡だったとしても、守られてるだけって嫌じゃないですか。だからと言って敵と対等以上に戦えるような女性って一般的に少ないですから、戦えるヒロインというのも理由がない限り私はあんまり採用しません。

戦えない平凡ヒロインであっても、絶対に足手まといにはさせたくなかったので、今回のヒロインさんには「絶対にヴィルジールの足手まといにはさせない」「戦闘面以外で必ず事件解決の役に立たせること」という点にこだわって書きました。


・中島五郎さんについて。

ただの適当なモブ(声なし)です。散歩中に名前を決めました。
ただし、あの事件後ヴィルジールはこの名前に愛着が湧き、以後自分の人間名として中島を名乗り始めます。下の名前は思案中です。ヴィル”ジール”と五郎から取って、日本人名っぽい「次郎」にするか、かっこよさを優先して「ジル」にするかで絶賛悩んでいます。彼的にはジルってかっこいいけど、明らかに日本人じゃないよなって思ってどっちにするかを決めかねています。現在は次郎が優勢だそうです。


・ヴィルジールとアスモレクの顔立ちについて。

ヴィルジールは約数百年前から、日本と魔界を行き来して生活していました。よって顔立ちは、時代と共に多少変えつつも日本人をベースにしています。昔から日本に居たので、和服も着れます。むしろそっちのほうが得意で着慣れています。

ちなみに何故彼があんな全身黒ずくめの格好でいるかというと、元々本人にファッションセンスがないため何を選んで良いか分からず、

・最近の流行は洋服である(彼の言う最近は彼の時間の流れを基準にした最近であり、一般的な最近ではありません)
・現代の成人男性の多くはスーツを着ている
・自分は黒色が好き

という理由を統合させた結果、全身黒ずくめスーツになりました。本人はあれが無難だと思っていますが、端から見たら怪しさMAX!
今後はヒロインさんが彼のファッションの監修を行っていくはずですので、きっと彼のファッションはもっとまともになるはず……

一方アスモレクはヴィルジールとは違い、1000年ちょっと前くらいから主にヨーロッパで活動していました。アメリカ独立後はアメリカに居たりなんかもしました。
ちっぽけな島国の日本なんて興味は全くなかったのですが、憎きヴィルジールがいるということで、200年くらいから日本に活動拠点を移して行動しています。
そんなわけでアスモレクのルーツ?はヨーロッパですので、彼の顔立ちはヨーロッパ系です。

彼の服装はかなり派手ですが、自分はこれが好きだという意志のもとあんな感じの格好をしています。本人曰く、日本人の言う「無難」というものがあまり理解できないし好きではないそうです。
なお周りの社員達は派手だなぁと思いつつも、彼があまりに堂々と赤シャツを着こなす上に立場が立場なので誰もなにも言いません。


・探偵事務所とは一体

ヴィルジールは普段、ふらふらとその辺を歩き回りながら小さい負の感情を摂取して生きていますが、本質がかなりお節介なので、困っている人を見かけたらすぐに手を差し伸べます。
そんなところを探偵の高山隆弘さんが偶然見かけ、「人手が足りないからうちの事務所を手伝ってくれないか」と声をかけました。
ヴィルジールは特に断る理由もないので二つ返事で了承し、現在もなお探偵助手として高山さんの探偵事務所を手伝っています。

ヴィルジールは探偵としては若干抜けていますが、記憶を消す能力を使ってかなり有能な助手として働いています。(尾行がバレても相手の記憶を消せば良いし、聞き込みなどで顔が割れても記憶を消せば万事解決というわけでかなりチート)


・何故ヴィルジールはゴムを持っていたのか。

結論から言うと、上記の高山隆弘さんからもらいました。
高山さんは、ヴィルジールが若干世間知らずで見ていて危なっかしいので、彼の兄貴分みたいな気持ちで面倒を見ようとしてくれる良い人です。ヴィルジールがなんだか訳ありなのは知りつつも、彼のことを「ただのお人好しな奴だなぁ」と信用して助手として働かせています。
というわけで、高山さんが一応念のためにゴムを持たせていました。兄貴分を通り越してお節介入ってない……?

なお、私は台本を書いている間、本編に一切登場しない高山さんの設定を無駄にずっと掘り下げていました。とても楽しかったです。


・トラックタイトルについて

トラックタイトルがアツイ!と言っていただき光栄です! ありがとうございます!
この記事の最初でも言った通り、私はタイトルのような短文を考えるのが好きすぎて、ストックが多くあります。

「夜を駆けるオーバーナイト」「夜の向こうで待っていて」「昨日と今日の境界線」「乱す呼吸と夢の中」「君を信じるのは怖くない」「思い出だけを追いかける」「さよならバッドエンド」あたりは元々あったストックから選んできたタイトル達です。
特に「夜を駆けるオーバーナイト」「さよならバッドエンド」はいつか絶対使いたいタイトルだったので、今回バッチリ合うシーンに使えてすごく嬉しいです。

また「来るなら一昨日どうぞ」はシーンに合わせて考えたタイトルでした。「一昨日来やがれ!」をもの凄く上品に言っただけなのですが、なんだか皮肉たっぷりで面白い感じになったので結構お気に入りです笑

どれも気合いを入れてつけたトラックタイトルなので、味わって頂けたらなぁと思います!

え? 肝心の「悪魔と結んだ愛人契約」というタイトルについてですか?

えっと、去年の冬頃まではとってもお気に入りだったんですが……なんか……すごく中二っぽくて恥ずかしいなと今年に入ってから感じ始めてきて……今では……正直ちょっと気恥ずかしい、です……


・どうでもいい小話

紹介画像にあるヒロインのシルエット画は、公開直前の時期になって画像が欲しくなってしまったため、私の個人的な知り合いであるGNRさんに描いていただきました。
GNRさんには描いて欲しい絵を説明するにあたり、参考になればと思い本編のストーリーも軽く説明しました。そのため、最初はヒロインのパンプスのヒールがかなり低かったんですよね。そしてこのような会話が繰り広げられました。

私「ヒロインさんのパンプスのヒール、もう少し高めでお願いします!」
GNRさん「それ走り回れる!?」
私「走れるか走れないかじゃない。走るんだよ!!!!!」
GNRさん「かっこいい」

こうして、ヒロインのヒールは高くなりました。

というわけで、ヒロインの皆々様には高めのヒールで全力疾走して頂ければと思います。
そして壁派の皆様には高めのヒールで全力疾走するヒロインを見守ってくださいませ。
ヒロインさん頑張れ~!!


・余談

レビューで続編についてコメントをいただきました。
正直なところ、続編、とっても作りたいです……というか構想バッチリあります(小声)
なんならヴィルジール続編とアスモレク続編の構想が既にあるよ……(小声)
彼らに与えたい真のエンディングがあるので、本当はとてもやりたいですね……(小声)

ただ、悪魔と結んだ愛人契約というお話は、制作するのに時間も精神力も余裕も気力も時間も何もかもが消費されてしまうので、しばらくは時間が無くて無理です。でも、活動休止からの復帰後に作りたいなぁと思っています。
無駄に設定を掘り下げた高山さんのことも続編では書きたいですし、今回よりももっともっとハラハラドキドキするようなお話にしたいなぁと思っています!

もし、楽しみにして頂けるようなら、待っていただけるととっても嬉しいです!


めちゃくちゃ長いあとがきになってしまいました……これ全部で13000字くらいあります。

それもこれも、私が本編中でしっかり言いたいことを全て書き切れなかったことも原因かなと思うので、これからより精進して参りたいと思います。というか、自分には足りないところだらけな自覚があるので、もっと頑張って未熟な部分を色々と補っていきたいです。


あとがきは以上です。今作もおき付き合いいただきありがとうございました!

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