dlsiteに作ったエロゲーを投稿する瞬間が人生で一番苦しいという話
半年くらい引きこもってずーっと一人でエロゲーを作って
やりたいゲームとかも我慢してずーっとエロゲーだけを作り続けて
それでつい先日やっと新作が完成したので、dlsiteに登録してきた。
たぶんあと1週間くらい経ったら販売開始すると思う。
そんで今回、その完成品の登録作業をしてて
「やっぱこの瞬間が人生で一番苦痛だなぁ」と感じたので
その事についてでも書いておく。
世の中には「産みの苦しみ」みたいな言葉がある。
「創作物を作るのは苦しくて大変」みたいな意味である。
自分も確かにそういう気持ちはあるにはあるのだが、でもそれはそこまで感じない。
何故なら自分にとって創作とはそもそも最大の趣味であり、それ自体が現実逃避の手段みたいなものだからである。
しかしそれとは別に、自分には「産み終えの苦しみ」みたいなものがある。
創作物を作り終える時に感じる苦しみみたいなものである。
これがとにかく、毎回辛い。
まず、自分は一人でゲームを作ってるので
作り終えた後はデバック作業というものをしないといけなくなる。
このデバック作業ではひたすら自分が作った物を冷静に見返す必要がある。
まるで粗さがしでもするかのように、自分が作ったものを一人で黙々と見返し続けていたら
作っていた時はどれだけ思い入れを感じたものでも
段々と「うわこれおもんないなぁ…」みたいな気持ちになってくる。
なのでデバック作業をやっていると
自分の中にある熱みたいなものをひたすら冷やされて
なんかそういう○問にかけられているような気持ちになる。
そして、そんなデバック作業で自分の中の熱を散々冷やされた後で
満を持してやらされるのがdlsiteへの作品登録作業である。
自分は毎回、エロゲーを作ってる時は「売れたらいいなぁ」と思ってる。
何時も結構心からそう思ってる。
もしかしたらこれが一杯売れて、毎日夕食にハンバーグを食べられるような生活になるのではないかと、そんな夢を抱いてる。
しかし、デバック作業によって冷や水を滝のように浴びせられた後では、もうそんな事は思えない。
「冷静に考えて売れないだろうなぁ」という気持ちの方がずっと大きくなってしまっている。
そんな状態でdlsiteさんに向かって
「ウチの子の名前はこんな感じで、こういう事がしたい子で、これがその実際のその子なんですよ~」みたいな事を一個一個紹介していくのは
なんだか、絶対落ちる面接を自分の子供と一緒に受けているような気持ちになる。
そして、その作業は販売をする為の作業なので
当然その後直ぐに、結果も出てしまう。
ありがたい事に、自分のサークルは毎回お気に入り登録とかをしてくれる人がいて
真面目にゲームを作ったらそれを買ってくれる妖精のような人達が何故か存在はしているのだが
それでも、夢で見ていたよりは売れない。
そのお金だけで生きていけるくらいには売れない。
なので、「売れないと思ったものがやっぱりそこまで売れなかった」という現実が何時もやってくる。
あんなんでも、エロゲーを作るのには大変な労力がかかってる
具体的に言えば1000円越えのものだったら半年くらいかかってる。
(片手間に作って半年とかじゃなく、ずっとそれを作ることしかしてない生活をしていて半年である)
エロゲーを作ってる時間全部コンビニでバイトしてたら、自分は現状より遥かに大金持ちになっているだろう。
そんなんだから、自分が作ったゲームには毎回愛情がある。
思い入れがあり、積み立て続けた自分の人生の一部のようなものが籠っている。
しかし、結局お金欲しさに作っているものなので
作ったものが売れなかったらそれがぐちゃぐちゃにされたような気持ちになる。
自分そのものが世界から拒絶されたような、本当に凄く悲しい気持ちになる。
もういっそ、作ったエロゲーが1つも売れなかったしたら
こんなに悲しい事はもうやめようとなるのかもしれないが
何の因果なのか、自分の作るエロゲーは本当に全く売れていない事もない。
好きだと言ってくれる人もいて
それで生きていけるくらいに売れるという夢は叶わないのに
謎の妖精さん達のおかげで、何の成果もなかったと言えばそれはそれで嘘になってしまうという程度には売れてしまう。
そして、ただ売れない事が悲しいだけで
創作をする事自体はやはり楽しい。
次はどんなものを作ろう、次はどんな部分を改善しよう、そんな事を考えているのは現実を忘れられてしまうには十分なくらいには楽しい。
だから、結局またエロゲー製作を続けてしまう。
パチンコで100万円負けた後に10万円勝って喜んでる人みたいに、悲しい事だけ都合よく忘れて夢を追いかけ続けてしまう。
そしてまた、作品を産み終えた後で地獄の苦しみを感じる事になる。
作品を完成させて、創作という行為から解放される瞬間。
それは自分にとって、何かをやり遂げた瞬間ではあるが
それ以上に夢から現実に帰らされる時間でもある。