(白澤さん、こんな夜中になにを・・・)
とっさに眠ったふりをしてしまったが、相手は完全に不法侵入だ。ここで飛び起きて、金棒を振るってもこちらは一切悪くない。
しかし今は自慰の真っ最中の姿で横たわっているので、自由にうごくことができない。今更ながら、部屋の鍵をおろそかにしていた事を後悔した。
白澤は自分の部屋を徘徊しているらしいが、早くどこかへ行って欲しいと鬼灯は心から願う。
また体は性的興奮が収まらず、下半身もズクズクと疼いて、とっとと扱いて事を済ませたい。
人の気配がこちらに近づき、白澤が自分の寝台のそばにいるのが感じ取れた。ほぼ根元まで捲り上げてしまった長襦袢が掛け布団に不完全にかかり、白澤の視線にさらされているのかと
思うと、羞恥と怒りがこみ上げてくる。
(何しにきたんだコイツ・・・とっととどっか行け・・・)
なんだか白澤が含み笑いをしている気配を感じ取り、余計に鬼灯の精神を逆なでる。
すると、あろうことか掛け布団に手をかけ、ゆっくりと捲り上げ始めたのである。
(バカ!バカ!やめろ!何してんだド変態!)
布団をこのまま捲られれば、自慰の真っ最中だった姿を見られてしまう。しかし、動こうかどうか逡巡してしまう。
起き上がって白澤を諌めるのは今のタイミングが最適だが、体が熱っぽくてなんだかダルい。これ以上の暴挙はしてくれるなと願う鬼灯だったが、次の瞬間それはバキバキに裏切られた
。
白澤がかなり大胆に掛け布団を捲り上げ、鬼灯の下半身を晒したのである。
当然、下着から露出している性器も外界にさらされてしまった。
(み、見られたっ・・・!見られたっ・・・!)
とんでもなく羞恥がこみ上げてきたが、まだ部屋が真っ暗で白澤の視界に入っていないことを願う。
だが、次の瞬間、ずらしていた褌を指にかけられ、グイグイと引っ張られて鬼灯の体が反射的に反応してしまう。
(な、なんてことを・・・!やめろ、やめろ馬鹿!そんなことするな!ぁぁぁ・・・・・)
確実に自慰の最中を抑えられ、手まで加えられてしまっている。鬼灯は恥ずかしくてたまらなかったが、自慰の瞬間をみられてしまったせいで起きるに起きられなくなってしまった。
いつも白澤を淫獣、放蕩者、快楽主義者と罵っているというのに、こんな自分を見られて鬼灯は立つ瀬がなくなってしまう。
白澤は反応してしまっている鬼灯自身を見て興味をそそられてしまったのか、フーっと息を吹きかけて柔らかな刺激を与えてくる。
(んんっ・・・息だけでも感じる・・・っていうかコイツやめろっ!)
白澤の吐息がさらに近づき、鼻をすする音が鬼灯の耳にかすかに聞こえてくる。
(まさかコイツ、匂いをかいでるんじゃ・・・っ!へ、変態っ・・・!)
恥ずかしすぎてすぐに起き上がって白澤の行為を止めたかったが、鬼灯の弱みを掴んだ白澤はおそらく開き直るだろう。
起き上がったところで「おまえ自分でしてただろう!」なんて指摘されてしまったら、羞恥のあまり寝込んでしまうかもしれない。
鬼灯は掛け布団で完全に隠れている方の手でシーツを硬く握り、羞恥の極みの時間を堪える。
(ううっ・・・もうやめろやめろ・・・・!)
スンスンと自分の香りを嗅ぎ続ける白澤に懇願しながら、ようやく両足の中心から気配が離れる気配がした。
しかし鬼灯が安心した束の間、再び近づく気配があり、次は自身になんらかの刺激が与えられた。
「ーーーーーっ!」
自慰を途中で止められたこともあって、鬼灯の性感は高められたまま放り出されて中途半端な状態だった。
そこへ刺激を与えられ、反射的に声が出そうになったが、口を引き結んでなんとか堪える。
(何?指先?)
一体何で刺激を与えられているのかわからない状況が、ますます鬼灯を不安にさせて興奮を高めてゆく。何度も同じ刺激を与えられ、足がビクつくのを止められない。
(もしかして、これ舌・・・先・・・?)
白澤の舌が自分の性感帯を刺激しているのだという事実で、余計に性感が高まって深く感じてしまう。
(はぁっ・・・やめ、感じてしまうっ・・・)
快楽に我慢できず腰がヒクヒクと震えてしまうのを止められない。また絶頂の波に乗せられ、再び濡れる感触が自身に広がってゆく。
(やめ・・・も、これ以上はっ・・・!)