投稿記事

女性上位の記事 (3)

サークルSBD 2012/07/26 23:30

『さよなら人類』 第五話 前編

第五話前編 :SBD・著



「カイト・・・! カイト・・・!」


穴ぐらの中で座りこみ、うなだれるように一人うとうととしていたカイトは、何者かの呼ぶ声に気付いて振り返った。

「カイト無事か!?無事なんだな!」

「ハムサン、お・・おまえなのか・・!?」


入口の扉が、いつのまにか開かれていた。
その向こうから聞こえる懐かしい仲間の声に、カイトは思わず弾かれるように立ち上がっていた。
「ハムサン、こんなところで何してるんだ!死にたいのか!」

「馬鹿野郎!そいつはこっちのセリフだ!いいからさっさと来いっ!!」

そう言ってハムサンはカイトの腕を掴み、穴ぐらから引きずり出した。


ショットガンを構えたハムサンは、素っ裸で無防備なカイトを先導しつつ、生き物の体内めいた複雑に入り組んだ回廊を慎重に進んでいった。

「あの後・・・・あのナイルスネイルとお前の後を、こっそり尾けてみたのさ・・・」

ハムサンは、緊張した面持ちで辺りをうかがいながら、低い声で言った。

「すまん、カイト・・・。
お前があそこに閉じ込められているのがわかっていてみすみす、今の今まで手が出せなかった」

「わかってるさ・・。おまえは最高の相棒だ」

カイトは、目頭に熱いものを感じながら、同じように声を低めて言った。
ハムサンは、鋭い目つきのまま唇の端だけをきゅっと歪め、無理に笑顔をつくって言った。

「へへ・・・。だろ?」


二人は、曲がりくねって奇妙なでこぼこのある、洞窟というよりは虫の腹じみた通路を、暗がりから暗がり、物陰から物陰へと移動しつつ、ハムサンが侵入してきた外界への出口へと、着実に歩を進めていた。

「儀式の日・・・・連中は、そう言っていた。ちょうど今がその儀式とやらの真っ最中なんだろう。今のうちさ・・・」

「・・儀式?・・そういえば、ナプラマージャもそんなようなことを・・・・。なるほど・・・」

ナプラマージャという聞きなれない語に、ハムサンは一瞬首をかしげる仕草をしたが、また口の端をきゅっと歪めるようにして言った。

「それにしてもあのナイルスネイルは、妙な奴だったな・・」

ハムサンは、低い声で続けた。

「お前をここに連れ去った奴さ。
奴がお前の腹を殴ったあの時・・・俺はてっきり、お前は殺られたとばかり思ったが、違った。
あのナイルスネイルが、それからお前に何をしたと思う?カイト」

「・・・・ナプラマージャが・・俺が気絶している間・・・に・・・・?」

「奴は、お前にまずキスをして・・・とびきりのお熱いやつをな。
脅えながら見てた俺までもとろけそうになるような、濃厚なのをさ」

「な、な・・」

「それから、キスする場所が、だんだん下にさがっていった・・ 首から胸、胸から腹、それから腹の下、股間・・・・」

「・・・・」

「いくらも経たないうち、すぐにお前はぶちまけちまった。だが無理もないさ。気を失ってるとはいえ、あんな濃厚なのをくらっちゃあな・・。
ナイルスネイルは、飛び散ったお前のあれをきれいに舐め取った。あいつは笑っていた・・・・ううっ・・あの微笑みときたら!」

「・・・ハムサン、おまえ・・」

「頭から離れない・・・畜生・・・・・ 俺は・・・・・・・ちくしょう・・」

ハムサンは、指から血の気が失せて真っ白になるほど、ショットガンの銃身を固く握りしめていた。
その顔に何ともいえない苦悶と迷いの表情が浮かんでいるのを、カイトは見た。

「そうはいかない・・・・フッフッ、そうはいくもんか。
そうそう簡単にナイルスネイルどもに踊らされる俺かよ、なあカイト?
心までは絶対に屈しない。
・・・証拠が見たいか、カイト・・・?」


ハムサンが手招きした方へ歩み寄ったカイトは、墓穴のような凹みの底に横たわる女体を見て、ギクリとして立ちすくんだ。
窪地になった床の、赤黒い血だまりの中に倒れ伏している大柄な女性。
身につけている装身具は、たしかに地球人のものではない。ナイルスネイルだ。
しかしカイトは、何ともいわく言い難い気分の悪さを感じていた。

「ハムサン、こ、これは・・・・!?」

「仕留めてやったのさ」

ハムサンはショットガンを構えて言った。

「至近距離から心臓の辺りにありったけぶち込んでやった・・悲鳴も上げずに即死したぜ」

ナイルスネイルはうつぶせになっていたので弾痕は見えなかったが、凹みに溜まった大量の血が、彼女の受けた傷の深さを雄弁に物語っていた。
ナイルスネイルの血も赤いのか・・・と、カイトは一瞬、不思議な感傷にとらわれた。

「まあ、ラッキーだったってこともあるか・・・・
こいつはマヌケなヤツで、ショットガンが胸に押し当てられるまで、てんでボーっとしていて、俺に全然気付きもしなかったのさ。
ちょうど、ばかでっかい乳がサイレンサーがわりにもなったしな。
・・・・柔らけームネ、しやがって・・・・化け物のくせに・・・!」

ハムサンがそう言ってショットガンの銃口でナイルスネイルの後頭部を小突いた、その時だった。


バシッ・・!

打撃音と共に、ショットガンがハムサンの手を離れて宙を舞い、床に落ちた。
カイトの目には、その一部始終がスローモーションのように映っていた。


ゆらり・・・

ショットガンをなぎ払った腕を凹みの縁にかけ体重を支えると、赤い雫を滴らせながら、ナイルスネイルの上体が、ゆっくりと血だまりの中から起きあがった。

「ふぅぅぅ・・・・・」

ナイルスネイルは溜息をつくように、大きく物憂げな呼吸を繰り返した。
上目遣いにハムサンを睨んだ目が、ニヤリと笑った。

後退りしようとして足がもつれ、ハムサンは床に尻餅をついた。

「うそだろ・・」

ハムサンは目を剥き、口がOの字になっていた。

「死んだはずだ・・・胸に大穴開けてやったはず・・!」

「ふ、ふ・・・どこに?」

立ちあがったナイルスネイルはこれ見よがしに、ふっくらとまるい乳房を強調して言った。
確かに、胸部の装身具や布がメチャメチャに裂けてはいたが、その破れの向こうに見える薄い褐色の肌は、傷どころかシミ一つ見当たらなかった。


ピシャッ!

血だまりから引き上げられたナイルスネイルの足が、乾いた床の上で濡れた音を立てた。
鮮血にまみれてもなお美しいナイルスネイルの端正な足。
その時、カイトは見た。
生々しい血の赤が、その足にすぅっと染み込んで消えていくのを。

全身の肌からダイレクトに液体を吸収する、その能力。
いちいち物を咀嚼し消化する事で、やっと幾ばくかの栄養を吸収する事ができるようになる人間などとは、わけが違う。
エネルギー変換効率のみに着目してみても、圧倒的に優れているはず。
それがナイルスネイルの脅威的な運動能力、そしてカイトらが今回目のあたりにした恐るべき治癒能力を生み出しているのだ。

「ば、化け物・・・」

「口に気をつけなさい、ナプラマージャのペット」

ナイルスネイルは耳もいいらしい。
カイトのつぶやきを聞きとがめた彼女は、目を細めて言った。

「命ある限り覚えておくがいい。私は誇り高きナイルスネイルのディーバ・ル。
お前達人間の言葉で、豊穣なる者という意味よ!」

ディーバ・ルはそう言うなり、未だ申し訳程度に胸を覆っていた布の残骸を破り捨てた。
透き通るように美しい柔肌の、二つのふくらみが露わになった。

「ち・・」

カイトは我知らず、間の抜けた声を出していた。
血と言ったわけではない。ディーバ・ルの肌の上にはもはや、一片の血痕も見当たらなかった。
彼が思わず声を漏らしてしまったのは、彼女の乳首を目にした衝撃からだった。
本能を刺激する薄桃色をした花の蕾のようなそれは、全く地球人の女と変わりが無かった。
本当に、敵なのか?こんなにも美しいのに。
カイトの脳裏をそんな、訳のわからない口惜しさのような思いがよぎった。

半裸のディーバ・ルが、まぶしい程の愛らしい微笑みを浮かべ、両手を差し伸べて歩み寄ってくる。
まるで、愛しい男と再会した娘のように。
可憐にして妖艶としか言いようのないその迫力に、二人の男は一瞬、恐怖も何も忘れてただただそれを見つめている事しかできなかった。


「さぁ、お前。つかまえた。つかまえたよ」

ディーバ・ルは、地面に尻餅をついたままのハムサンを抱きしめ、のしかかるようにして地面に押し倒すと、優しくささやいた。

「お前だけは・・・さあ、どうしてやろうかしら。
人間ごときが、よくも儀式の邪魔をしてくれたわ。
おかげで私は、もう絶対に次期シ・ケーニョにはなれない。
種族全体とリンクする精神和合の儀式に乱れを生じさせた私が、選ばれることはもうないのよ・・」

微笑んだ顔のまま、ディーバ・ルの目がきりきりと、糸のように細められた。

「ナプラマージャ・・・これできっとあなたがシ・ケーニョに・・・」

「カイト!!逃げろ!逃げるんだぁぁっ」

呪縛から解けたように我に返ったハムサンは、カイトの方を向いて叫んだ。
その声に弾かれたように、カイトは脱兎のごとく走り出した。

「振り向くな、走れぇぇっ!!」

ふり絞るような叫びを背中に聞き、カイトの脳裏に、ハムサンとの訓練の日々がよぎった。
悪い冗談の好きだったあいつ。勇敢だったあいつ。死を賭して、救援に来てくれたあいつ・・・・・

カイトは足を止め、後ろを振り返ってしまった。


ひゅっ!

風のうなりのような音が聴こえたかと思うと、次の瞬間、カイトは地面に突き倒されていた。
胸を強く打って、肺に空気が入っていかない。
苦しみに見開かれたカイトの目に映ったのは、奇妙な動物だった。
二本の脚の上に乗った歪んだ胴体からは、ばたばたとねじれ動く腕が何本も生え・・・・

いや、違う。
よく見れば、ベアハッグの体勢でハムサンを抱え上げたディーバ・ルがそこに立っていたのだった。
ただ、両者の体があまりにぴったり密着していたのと、ハムサンの頭が見当たらなかったために、一個の生き物のように錯覚したのだ。
ハムサンの首から上は、ディーバ・ルの大きな二つの乳房の間にはさまれ、完全に埋まってしまっていた。
ハムサンは両手両足で何とかディーバ・ルを引き剥がそうと暴れるが、圧倒的な力の差の前になすすべもない。
そして、どんどんと息が詰まってきているのだろう、暴れ方が無茶になっているのがカイトには見て取れた。
そんな事には一向にお構いなしといった顔で、ディーバ・ルは、カイトを見下ろして言った。

「逃げられるとでも思ったのかしら?・・まあいい。今は殺さないでおくわ。
いずれ、ナプラマージャにもまた会わせてやる。その時まではね・・・・・」

ディーバ・ルはハムサンを抱えたまま、くるっとカイトに背を向けた。
不安と安堵が入り混じった表情でカイトが息をついたその時、彼の胸の上に、ディーバ・ルの尻が落ちてきた。

ボム!!

奇妙な柔らかさを持つこの建造物の床の構造とディーバ・ルの豊満な尻の脂肪でいくぶん衝撃が吸収されたとはいえ、カイトは再び、今度はもっと手酷く肺にダメージを受け、深刻な呼吸困難に見舞われていた。
二人ぶんの体重にモロにのしかかられたのだ。むしろ、肋骨が折れなかっただけ幸いだったとも言える。
ディーバ・ルはさらに、いったん尻を上げると、仰向けのカイトの股の上へと、優しく腰を下ろした。

ムニゥ・・ムニムニ・・

ディーバ・ルの尻肉は、波打つように動きながらカイトのペニスに吸いつき、尻割れの間にそれを運び、挟み込んだ。
ナイルスネイルだからできる、地球人には不可能な動きだった。
その動きの延長で、尻に挟みこまれたカイトのペニスは、ゆっくりと搾られ始めた。
えもいわれぬ尻の感触に裸の股間を刺激され、苦悶の中にあってなお堪らない快感に、カイトは声無き声を上げて身悶えた。

カイトの反応を見て満足げに微笑んだディーバ・ルは、ベアハッグを解いてハムサンの顔を胸の谷間から出してやった。

「ゲホ!ゲーホッ!ゲホッゲホ・・・」

ハムサンは、ゼイゼイと喉を鳴らし、咳き込むように息を吸い込んだ。
愉悦の眼差しでそれを見ていたディーバ・ルは、笑って言った。

「あらあら大丈夫?あっけなく殺しちゃうところだったわねぇ。
ダメよ。お前だけはね・・・楽はさせてやらない」

ディーバ・ルは、ハムサンの肩を捕まえていた手を彼の腰へ回すと、履いていた軍用の迷彩パンツを引きちぎれんばかりに引っ張り、力任せに脱がせてしまった。
突然の事にハムサンの上体はあっけなくひっくり返り、床に叩きつけられた。
すかさずディーバ・ルの腕がハムサンの両の太腿に絡み付き、自分の胴体をその間に挟ませる格好になるよう、彼の腰をさらに引き寄せた。
むき出しになったハムサンの股間を自分の胸にピッタリと引き寄せたディーバ・ルは、身をよじると、豊かな乳肉を全てハムサンの腰の上へと乗せた。

ハムサンはまるで彼女のテーブル代わりだった。
そしてカイトはまるで、彼女の椅子だ。
ディーバ・ルの尻はなおも淫らに波打ち、カイトの精を搾ろうとうごめいていた。

「う・・・お・・おお」

ようやく声の出るようになったカイトはうめいて、何とか起き上がろうとした。
目の前に、ハムサンの両足が突き出されていた。

「ハ・・ムサ・・ン、無・・事・・か!?」

「黙れ。動くな」

振り向いた肩越しにカイトの方を見据えて、ディーバ・ルが警告を発した。

「お前はまだ殺さないと言ったはずだ。私の気が変わらないよう、おとなしくしていることね。口で言ってもダメなら・・・」

ディーバ・ルは、サッと尻を上げた。

バリバリッ!

あっという間にディーバ・ルは、自分の尻から股間にかけてをピッチリと覆っていた布様の装身具を片手で破り捨てた。

露わになった生尻を、すかさず再びカイトの股間に下ろす。


ヌチャ・・!

「ひっ・・・!?」

ぬるりとした熱い粘液の感触に、思わずカイトは息を呑んだ。
愛液だ。ナイルスネイルの、愛液!
カイトはそう直感した。

ディーバ・ルの尻の筋肉が再び動き出し、カイトのペニスを誘導し始めた。
愛液に濡れそぼった、ナイルスネイルの会陰部へ。
それを悟ったカイトは、ハムサンの両足につかまり、必死に体を起こそうとした。
が、

「わ、あぅ!!」

カイトの上体は、もんどりうって再び床に叩きつけられた。
ディーバ・ルの陰唇が彼の亀頭を捕らえ、呑み込みはじめたのだった。
それを見てディーバ・ルは、くすくすと笑っていた。

「ほら、そんなに反抗したいのなら、してみなさいよ。・・どうしたの?私だって感じるのよ。
お前も戦士なら、もっと突いて、私をめちゃめちゃに乱れさせてみればいい。
仲間を、助けたいんでしょう?助かりたいんでしょう・・・?」

「あぅ、あぅ!あぅ!」

カイトは、脳が蕩けるような熱い快楽のうねりに翻弄され、全身を突っ張らせてがくがくと震えるだけだった。


ゴツッ!!

鈍い音がした。
カイトの方に目をそらしていたディーバ・ルの頭を掴んでの、ハムサンの頭突きが決まったのだ。

「うおお!!」

よろけたディーバ・ルにもう一撃叩き込もうと、すかさず頭突きを繰り出すハムサン。
しかしもともと無理のある体勢だったため、スッと首を後ろに引かれ、今度は簡単にかわされてしまった。

ディーバ・ルの顔から微笑みが消えた。
代りに、凄艶とでも呼べばよいのだろうか、名状しがたい雌の表情がそこに浮かんだ。

「ち・・く・・しょぉおおお!!」

ハムサンは、破れかぶれの拳骨を振りかざした。
鼻っ柱を狙ったつもりだったがまたもかわされ、拳は結局、ディーバ・ルの巨大な乳房の上に深々とめり込んで止まった。


「・・・お前、なかなか面白いわね。
いいわ。さあ、それじゃご褒美の時間。
素敵なお仕置きをプレゼントしてあげようかしら?」

「な・・・あ!?く・・!あ・・!」

ハムサンは、自分のペニスが突然、強大な圧力で締め上げられ始めたのを感じた。
しかしディーバ・ルの両腕は依然として、彼の太腿を脇に抱え込んだままだ。手ではない。

「む、ムネ・・だと!?」

ハムサンは見た。
ディーバ・ルの二つの胸のふくらみが、まるで別の生き物のように自ら波打ち、妖しくうごめいているのを。
ハムサンの肉棒を両側から挟み込んで万力のごとく締め上げていたのは、彼女の巨大な乳房に他ならなかった。
総じて大柄な事や耳の形が多少尖っているのを除けば、見かけ、体つきはまるで地球人と変わり無く、妙齢の娘そのもの。
しかし、やはり異星人なのだ。ハムサンはそれを改めて思い知らされた。

睾丸を潰されそうなまでに圧搾され、痛みと恐怖に脂汗を流しながらも、ハムサンはぎらりとディーバ・ルを睨みつけ、言い放った。

「ぐ・・・く・・・貴様・・・俺を殺しても、人類は・・死なない・・!
いつの日か・・・貴様らナイルスネイルを打ち滅ぼす方法が・・・必ず・・!!
その日が来るのを・・・地獄で笑いながら待っているぜ・・・・貴様らの最期を・・!」

口の端をきゅっと歪めて無理に笑顔を作ると、ハムサンは静かに頭を垂れ目を閉じた。


「・・・・本当に面白い人間ね。でも、ちょっと大袈裟じゃない?
うふふふふ。アハハハハハ!
だって・・・私のお仕置きはまだ、始まってさえもいないのにね?」

ディーバ・ルがそう言ってハムサンの股間に顔を近づけると、乳房がふるふると動き、谷間からハムサンのペニスの先端が顔を出した。
乳肉が緩み、ペニスにかかっていた圧力が、マッサージのような優しく揉みしごく動きに変化した。



続く

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

サークルSBD 2012/07/15 23:30

『さよなら人類』 第一話

第一話:レミングス・著



時は21XX年。地球上のほとんどは不毛な砂漠と化していた。
至る所に建物の名残りのような物が転がっていたが、ただのコンクリートの塊とも呼べる有り様で、昔のような機能を果たすことはまったく無い。

人間同士が憎み合い、結果としてこうなってしまったのか?
いや、
世界的な緊張が高まったこともあったが、我々が恐れていたような終末戦争は、各国の首脳の間で何度も行われたサミットにより、奇跡的に免れることができた。人間は話し合いによって平和を導く事が出来る、そんな誇らしいニュースが世界中を駆け巡った。

しかし、いくら人類がほんとうに兄弟の契りを交わしたとしても、人類の滅亡は現実の物として起こってしまった。

それは、巨大な飛行物体が晴れた日の太陽を隠した時から始まった・・・・。


「まったく今思い出しても背筋が凍るよ・・・そして現在の人類は・・・」
いつもの昔話が始まった。古く朽ちた感じのベレー帽の下から白髪がはみだす、太いまゆ毛が人間の奥深さを感じさせるラーク教育官は、うんざりしている教え子の前で話を続けていた。

「・・・・ちっ」
反抗的な態度が気になると、上官との折り合いが悪いハムサンは聞こえないように舌打ちをした。
「ふぁ・・・・」
優等生だったカイトも、そのアクビを止めることはできなかった。

「コラ!カイト!聞いているのか!?」
「イ、イエッサー!聞いております!!」

ふいを突かれ、慌ててカカトを打ちつけるカイト。
「では! お前達の任務は何か?答えよ!」
「イエッサー!我々人類から地上を奪った、憎き異星の者、ナイルスネイル共を駆逐する事であります!」
「うむ!」

満足そうなラークを横目に、ヤレヤレとため息をつくハムサンだった。


ここは地下120メートルにある、人類希望の基地。
巨大な飛行物体が上空に現れてから、何千年も積み重ねてきた人類の歴史は、その圧倒的な火力によって屑のように吹き消されてしまった。その後にも人類は抵抗を続けたがついに追いやられ、現在は世界に数カ所あるホコリ臭いシェルターが最後のトリデである。

一通り、地上の物を破壊しつくし、抵抗もだいぶ小規模化したのを見計らって飛行物体を操っていた本人達が地上に現れ始めた。
人類は彼等をナイルスネイルと呼んで恐れた。彼等は残った少ない人間を、しらみつぶしに捕獲していった。彼等に捕まった人間は、誰ひとりとして帰ってこなかった。

「とくにお前らのような若い者が危ない。」
歯茎を見せながらラーク教育官の説教が続く。
「はいはい、わかってますよ、そのナイルスネイル共は見た目は美しい女の形をしていて、俺達みたいな発情期の若者はついフラフラと捕まってみたい気になっちゃう、って言うんでしょ?」
「バカモン!!そんな浮ついた話ではないわ!!だいたいなんだ貴様の態度は・・・」
「ラーク教育官!我々はあなたの御指導により、あなたが言われるような軽率な行動を取るようなことは無いでしょう。我々は大変感謝しております!!」

カイトは、話に合わせ、部下の心得まで語り出そうとしたラークの言葉を止めた。



上官の熱い声援を背に、二人は久しぶりに開かれる地上への出口の前に立っていた。
二人のりりしい姿をモニターが写し出す。
二人にはそれぞれショットガンが渡されていた。
「やれやれ、大いなる任務を背負って、持たされるのがこんなショットガン一丁かよ・・・」
「文句を言うなよハムサン。これでもたいしたもんだ。見ろ、弾が入ってるぜ。」
「ホントだ、こないだ出てった奴なんか、オドシに使える、っていう理由で弾を抜かれてたからな、おれたちは幸せ者だよ。」

古惚けたシャッターが金属音を放ちながら少し開く。これ以上は開かない。
二人はそれをくぐった。シャッターはすぐに閉る。二人は指示どおりにその上に砂を運んでかけた。

「フウ、これでナイルスネイル達からは見つからないと・・・・」
「はあ、人類の技術も最後にはかくれんぼと同じだな・・・・」
「よし、いこうか。」

二人の任務は背負いきれないほど多かった。
「ナイルスネイルを殺すこと、生存者を見つけること、使える武器を探すこと、食料を探すこと、そして・・・・」
ハムサンは首を振ってつなげた。
「食い扶持を減らすこと。」
「・・・・・・・・・・」

人間に出来ることは、食べ物を確保する事ぐらいだった。
こんな御時世でも、権力を握っている人間の考えることはいかに自分の分の食料を多く残すかという事で、食べ盛りの若者は邪魔なのだった。

「やってらんねえや!!こうなったら意地でも死なんぞ!」
「ハムサンそのいきだよ、これは頼もしい仲間だ・・・・・ナ」

カイトの言葉がつまった。ハムサンはカイトの視線の先見た。
「ナ・・・ナイルスネイル・・・・」

遠く離れた砂山の上に、髪が靡くシルエットが見える。それは二人を確認すると、恐ろしいスピードでこちらに向かってきた。

「いそげ!急いで走るんだ!!」
「ハムサン・・・・・」
「あ!?なんだこんな時に!?」
「ハムサン・・・さようなら・・・」
「カ・・カイト」

カイトはハムサンとは逆の方向に走りだした、それは基地とも逆の方角で、ハムサンがそのまま基地に逃げ帰れるようにと考えての行動だった。もちろんナイルスネイルがハムサンを襲いにいけば捕まるのはハムサンだが、どちらか一人は確実にいき残れるのだ。
そのカイトの考えを素早く察知したハムサンは基地に向かって走り出した。

二人は全く後ろを振り返らなかった。砂が足を掴む、息がすぐにあがる、訓練の時より緊張感が高いせいで疲れが早い。それでもカイトとハムサンは走りつづけた。

人間の走るスピードよりも、ナイルスネイルの方が早い。彼女達は、運動神経に関しては人間を遥かに凌駕していた。二人のうち一人は生き残れる。しかし確実に一人は捕まる。

「ハァハァハァ・・・」
カイトは恐怖で押しつぶされそうだった。今、自分の後方で砂を駆ける音が聞こえているからだ。
(こ・・・・こっちに来たか・・・ハムサン・・・お前は助かる。よかったな・・・・)

砂をわける音はどんどんと近付いてくる。カイトの呼吸ももはや限界だ。
砂漠の丘の頂上に着いたとき、
ガチャ
引き金に指をあて、後ろを振り返りつつ特訓されたフォームを一瞬のうちに作った。

バン!バン!

すでに女の顔は銃の横にあった。バランスを崩したカイト、とびかかる異星の者、ナイルスネイルはその人間を押し倒した。

「うげ!」

カイトが背をついた場所にはちょうど人の大きさの鉄板の破片があった。カイトとナイルスネイルは、丘の上からソリのように一気に滑りおちた。

ザザザザザーーー・・・・
ガッシャーン!!!

丘の梺にあった廃虚にそのままつっこんだ。交通事故のように跳ね上がる二つの体、その衝撃でカイトは気を失ってしまった。

ナイルスネイルはこれくらいの衝撃では気を失わなかった。フラつきながらホコリを払い、立ち上がるとカイトを見下ろし、ニヤリと笑う。
「フゥ、人間のくせに私から逃げられるとでも思っていたの? ックックック・・・」
ナイルスネイルが呟いて、カイトの体にその手を伸ばそうとしたとき、

ガラガラガラガラ・・・・!!!

二人がぶつかった衝撃で廃虚の不安定なバランスが崩れた。高い場所から大きな鉄塊がいくつも降ってきた。
突然のことでさすがのナイルスネイルも避ける間がなかった。人間の比にならないパワーを持ったナイルスネイルが、身動きがとれないくらいに鉄塊の下敷きになってしまった。

しばらくホコリが立ち篭めていたが、やがて人間が起き上がった。

「うう・・・・痛てぇ・・・。 そ、そういえばナイルスネイルは!?」
カイトは銃を構えて周りを見回したが、女の姿は見えなかった。
「ど・・・どこだ、どこにいやがる!??」
時計周りに体を回す。ガレキひとつひとつに神経を尖らす。わずかな動き、物音を探す。
・・・・・・・・ガラ、

「!!」
バンバンバンバン!!! バンバンバンバン!!! バンバンバンバン!!!

恐怖のせいであらんかぎりの弾を撃った。
「うわーーー!!!!」

ナイルスネイルが埋まっていた鉄の山に向かって弾の嵐が吹く、その中から声が聞こえる。
「ちょっと、腕に刺さっている鉄芯が邪魔で力が入らないの、こいつをなんとかしてよ」
しかし銃を乱射するカイトの耳にはそんな声は聞こえない。ガレキの中から腕が見えて、刺さっていた鉄芯がショットガンの弾で弾け飛んだことにも気がつかなかった。

バンバンバンバン!!! バンバンバンバン!!! カチカチカチ・・・・
「あ・・・そ、そんな・・・・」
今さらに自分の愚行に気付いた。弾を全て打ち尽くしてしまったのだ。

ガラガラガラ・・・

立ち篭める硝煙とホコリの中から、背が高く、褐色の肌を持った美しい女が、マゼンダの髪をなびかせて立ち上がった。

「あ・・・あ・・・」
初めてみる人類の敵、そして自分には頼みの綱である武器はもう無い。カイトはすっかり戦意を喪失していた。
「クックック・・・・。やあ、人間。」
女は笑っていた。なびく髪の間から尖った耳が見える。
見なれない装飾物で身を飾っているが、露出が多く、思わず唾を飲むように抜群のプロポーションを持っている。太ももを伝う汗が、魅力的に光っていた。

呆然とするカイトに構わず、その女はカイトの目の前まで寄ってきた。
(も、もうこうなったら逃げることすら不可能だ・・・)
カイトは心のなかであきらめた。
その女が近寄ると、カイトは見上げた。自分の身長は確か177cm、非常に大きいというわけではないが、こんなに女を見上げたのは初めてだ、いや、女といってもコイツらはそういう異星人なのだ。

「人間よ、ありがとう。」

・・・・・・・・・・・・・・え?
想像もしなかった言葉をかけられ、とまどうカイト。
「お前のおかげでガレキの下から脱出することができた。まさか獲物の人間に助けられるとは思わなかったぞ。しかも、銃を持っているのに、今だって私を撃たないじゃないか。」

カイトは思わず銃を背中にまわした。(もう弾がないだけなんだが・・・・)

「フフフ・・・面白い人間もいたものだ、捕獲する我々を救おうとするとは・・・」
ハッキリ言ってカイトに自覚はなかった。何を感謝されているのかまったくわからなかった。
「うん、面白い、実に気に入ったぞ。」
女はガッシリとカイトの両肩を掴んだ。
「お前、名はなんという?」
「カ・・・カイト。」
「カイトか。私の名はヘレンニソ・ゾ・ナプマラージャだ。」
「ヘ・・・レ?」
「ナプラマージャでいい。本当はもっと人間には発音しにくい名前なのだが、簡単に言えばそうなるのだ。」

実に意外な自己紹介となった。しかしあくまで相手は危険な人類の敵である。命の心配はしなければならない。


続く

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

サークルSBD 2011/12/05 00:00

フェチサイト探訪 TTLさん

常日頃より当ブログを御愛顧下さっている皆様にはもう御周知の通り、私SBDは極めて重度のおなら責めフェチ且つドMな人間なわけですが、そうした"ドM男性向け""ドS少女萌え""臭い責め"のジャンルにおいて熱い注目を集めておられる絵師様、「TTL」さんのサイトについてご紹介をさせて頂きます。

『苦しむには死ぬことよりも、もっと勇気がいる』(ナポレオン・ボナパルトの言葉)
『生まれた時から地獄に慣れているから、天国へ行けなんて言われると恐怖で震え上がってしまう』(映画監督・黒澤明の言葉)

自らのコケティッシュな肉体やそこから発散される強烈な臭気を武器に、獲物となった男の子を嬲り、汚辱し、蹂躙する女子様(主にJS。たまにおねーさんも。)たち・・・・・。苦悶する獲物の、何とうまやらしいことか。
そうしたフェチにはたまらないシチュエーションを、美麗なイラストと妄想を刺激して止まない文章とで表現し続けられてきたTTLさんの作品群には、かねてより私も大変お世話になっています。

個人的な趣味からくる見解ではありますが、やはり何と言ってもオナラ責め描写のあるイラストの破壊力は凄まじいものがあり、獲物くん頼むからそこを代わって下さいよと心底願わざるを得ません。
特に、得意技がガス責めという設定のある少女・・・長めのショートヘアといいますか短めのミディアムの髪を、こめかみ辺りに髪留めでちょっと留めているあの娘。
名前は「寺島みずき」ちゃん(11)というそうですが、みずきちゃん萌え。何度でも言います。みずきちゃん萌えー!自分の好みの髪型は定番ながら黒髪のストレートロングヘアだったのですが、みずきちゃんによってそれが覆された気が致します。


TTLさんはpixivでの御活躍のほか、最近ではブログも開設しておられ、今後ともますますの御発展が期待されます。
TTLさんのブログ「加虐少女」のトップページはリンク集欄またはこちらからどうぞ。
pixivページのトップ(プロフィール画面)はこちら。(要pixivログイン)
また、本日発売のムック『別冊秘性 女神の愛』にも書き下ろしのイラストとSSが掲載されているとの事です!私も当然予約しております!早く届かないかな~。
それにしても、ドM業界にこの人ありというあの春川ナミオ先生たちと同じ土俵で競演されるとは、何と羨ましいのでしょうか。くぅっ!
私ももっと絵を描くぅ!そんでもって、激アツいコンテンツをいっぱい出すんだぁ!
そんな私の指針であり目標な方の一人が、TTLさんなのです。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索