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作劇の記事 (1)

幻想灯屋(イチ) 2021/06/22 16:35

試聴版(※一部のみ)公開!!!

試聴版が公開されました!!!
↓↓↓
『Live×Re-Live -ミト- 反抗的なオレっ娘さんは悔しいけど犯されたい』

田中さんは良いぞ……

ご無沙汰しております
幻想灯屋のイチです
今回ようやく試聴版を公開できるところまで漕ぎ着けました!(でもトラック1だけ…😇)

その代わりノーカットで公開です!
ミトのカッコ良さ、そしてエッチさが堪能できる内容になっているので是非ご試聴ください。
**田中さんは良いぞ……**

今作は徹底的にキャラの解像度を高めて演出意図を反映して頂きました。
声優様にはかなりの無茶にお付き合い頂いて……本当に感謝ばかりです🙏
サークルの制作姿勢としては、宅録声優さんへの負担がかなり大きいので決して褒められたものではないですが……先方のご好意によってそういう環境を構築することが叶いました。

なので今回のミトは渾身の出来栄えです。
こういう声が、キャラが好きな人に突き刺さるものになったと自負しております。

**頼む、聴いてくれ!!!!!(大声)**

制作秘話的なやつ

今回はオーディションのことでもお話ししようかなと
オーディションさせて頂くにあたって何を審査していたかの部分。
少々偉そうに聴こえると思います。
でも、すみません真剣なので。

SNS上でゆるく募集しつつ(低音のクールな声が得意な方)
前々から聴いてみたいなと思っていた複数名の方にお声掛けしました。
ご参加いただきありがとうございました。
自分にとってもすごく勉強になりました!

今回意識して重視していたのは4項目です。


  • 1、声のイメージがキャラに重なるか
    キャラ画像に合った低音のカッコイイ声を合わせて貰えるか。
    キャラデザのイメージに合わない声だと試聴で踵を返されるので拘らないといけません。
    なので、声優さんの読解力が試されます。
    キャラの方向性を理解できるか?
    それに合った声を武器として持っているか?
    同人界隈は声優さん自身が低い声を敬遠しがちに感じます。
    磨けば光りそうなのに可愛い声やお姉さん声ばかりに注力している……。(※需要が圧倒的にそっちの方が多いから仕方ないことかも)
    だからこういうキャラの引き出しがまだ少ないのかもしれません。
    実際頂いた声のほとんどがカッコイイ声ではなく可愛い声でした。
    こうなってくると例え好きな声優さんでも、イメージの修正をしていくのが大変です。
    その方の魅力をどう引き出せばいいのか、完成形が見えてこないので寄せてもらうのも難しい……。
  • 2、台本の読解力や指示への対応力
    今回ここについての収穫が一番大きかったです。
    台本の演技指示への対応には【フィーリングで大きく差が出る】。
    それが良く分かりました。
    言葉一つとってもそれに抱く印象は人それぞれです。
    例えば【甘い雰囲気で】と指示を書いておくと、可愛い猫撫で声を意識する人や優し気なトーンを意識されたりします。
    (※この場合は指示が曖昧なので、【甘い雰囲気・声のトーンに差をつけるのではなく、芝居の雰囲気で】と求めたい方向性に向けていろいろ付け加えます。)
    だからディレクションは難しい。
    例え詳しく書いたとしても伝わらない人には伝わらないし、下手すると逆に迷走しかねない。
    でも自分の書いている意図をなるべく近くで汲み取ってくれる方々もいるのです。
    そういったフィーリングの合う声優さんは安心感が違います。
    あ、この方にお任せすればスムーズに修正できそうだなと思うわけです。
    自分は作り上げたいものが鮮明にあるので、声優さんの解釈がズレたときは修正するのが基本です。
    そこにはシナリオの展開とキャラ性を含めた【演出意図】があるので、そのまま行くと何を描きたいのか分からないチグハグなものになります。
    それにあまりに大きくズレているとやはり修正が大変です。
    この辺りはひたすら物語に触れて、作劇の何たるかを感覚的に咀嚼できるセンスが試されてると思います。
    こちらの演出意図の上をいく表現であればそれを大事にしますが、それも声優さんのキャラ造形パターンと作劇への理解が無ければ難しいです。
    演じることは【演者がキャラを演出する】ことでもあると思うのです。
    だから台本の解釈はクォリティに直結します。
    宅録でお任せするとなると特に重要なスキルだと思います。
    しかし限界があるのが現実です。難しいね……!!
  • 3、表現力
    【行間を読める】
    台本の解釈とほぼ一緒ですが、これは本当に大事です。
    どんなに声がマッチしていても、キャラクターの表情の変遷が読めないと頓珍漢な芝居になります。
    演出上、ここでこの表情になるのはおかしいなという場合、問題は――
    ・シナリオの出来が根本的に悪いか
    ・行間を読めていないか
    ・表情を声で演じる技術が伴ってないか
    このどれかだと思います。
    声優さんである以上、三つめは最低限持っていないとどうにもならない。
    そのうえで行間を読む、雰囲気を整えていく、気持ちを載せて演出する。
    そういう力を求めたい。
    商業の現場でも難しい部分のようです。
    でも、そこで活躍する声優さんたちはやっぱり対応力がすごいですよね。
    大勢の目に触れるコンテンツで、激しい競争を経てプロとして第一線で活躍している方々の技術はやはり違うと思います。
  • 4、喘ぎ声
    何といっても成人向けですから、超大事な部分ですよね。
    ときどき喘ぎの上手い下手は最終的に企画者の好みの問題だとされる声を聞きます。
    それも間違いないと思うのですが、それだけじゃないと思います。
    企画のイメージに擦り合わせられるかどうかの問題と、喘ぎの表現力の上手い下手は違うんじゃないかなと。
    実際、商業エロコンテンツや外画の吹き替えで経験を積んでこられた方は一味違います。
    二つともまったく違う方向性に思えるかもしれませんが、それはデフォルメ加減の問題でしかなく……表現技術の高さは同じだと思うのです。
    喘ぎの上手い人は表情が多彩です。
    エロさのツボを押さえているから表情の変化に富みながら扇情的です。
    キャラの艶めかしい姿や、涙を浮かべたり、喜んだり、興奮したり、より感じたり、優しい快感や強い快感の声の違い、そういう部分を繊細に喘ぎに載せられます。
    上擦る加減、勢い、質感、雰囲気など、細かく声を使い分けてキャラが味わっている快感とその場のエロさを演出されます。
    絶頂セリフもそうです。
    【抑揚のツボ】を押さえていないと悲鳴に近い声になったり、キャラの快感の表情が迷子になったりします。
    【ツボ】……定型、パターン、外してはいけない部分をどれだけ理解しているかだと思います。
    それこそ好みじゃないの?と思われるかもしれませんが、例えば手塚りょうこさんなど、高い技術を持っている方はやはり違うなと思わせられます。
    ツボを押さえられていない喘ぎはキャラの表情が浮かんできません。
    それっぽい声をただ出している機械じみたものに感じます。
    ディレクション次第で変わりますが、やはりより上手いなと思える方にお任せするのが安心です。
    トップ集団の声優さんに依頼が集まるのも、経験に裏打ちされた技術があるからでしょう。
    引き出しが確認できれば修正は容易なのです。

小さなオーディションでしたが、これだけのことは考えていました。
今回それを通して、まさにこの人だ!という演者さんにご依頼できたのは奇跡だったかもしれません。
本当に素晴らしいご縁を頂いて、紹介くださった方には感謝ばかりです……。

今回はこんなところで。
進捗が進めばまた何か書き散らしたいと思います。
では苦しい編集作業に戻りますね……。(拙者、ミックスなんも分からん侍)

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