どうも、ナマけものです。
今回は皆さんお使いの(?)マイクロフォンの指向性について、
私の妄想も混えながらご紹介していこうと思います。
まず、「指向性とはなんぞや?」というところからですが。
マイクでいう指向性は、「マイクの振動板(ダイアフラム)から見た各方向に対する音の拾い易さ」という認識でしょうか?
要するに「マイク正面は音が大きくて、横とか後ろだと小さい」みたいなものです。
ただ、必ず横や後ろが小さい訳ではないのが困るのですが…。
というわけで、指向性には主に以下の3種類があります。
単一指向性(カーディオイド)
特性:前を良く拾う、多分一番よく使われる指向性
用途:なんでもござれ(歌もセリフの大体これ)
双指向性(フィギュアー8)
特性:前後を良く拾う、リボンマイクとかの指向性
用途:そんなに使われない?2本あればブルームライン方式でステレオ録音可能
全指向性、又は無指向性(オムニ)
特性:全周囲から良く拾う、部屋鳴りを良く拾う為、音声収録ではまず使わない指向性
用途:ホール録音時のアンビエントとか
※例外的にバイノーラルはこいつ
ここに単一の指向性をもっと鋭角にしたに
超単一指向性(スーパーカーディオイド)
用途:マルチマイクでの収録時(被りを最小限に出来る)
さらに鋭角にした
超々単一指向性(ハイパーカーディオイド)
用途:遠くの音を拾う(ドラマの撮影とかゴルフのカップインとか)
なんていうのもあります。
詳しくは下記URLをご確認ください。
https://www.audio-technica.co.jp/microphone/navi/whatis/02.html
さて、参考ページを掲載した事で、「ナマけものいらねーじゃん」的な空気になりそうですが、ここから副題のマイクに声を当てるのくだりのご説明。
★単一指向性の“罠”
皆さんが一番よく使われるであろう単一指向性。
先の参考ページにもあった、マイクのカタログで見かける「桃」みたいなマーク。
これが指向性の感度を表しているのですが、実は周波数帯域毎に形が違うんです。
音が高くなるほど形が細くなって、指向性が狭くなってくる。
つまり高い音になればなるほど正面から外れると感度が悪くなる。
結果、抜け感も芯もない「外れている」音になってしまうんです。
残念な事に、プロの声優さんでも「マイクの前で声出してれば拾ってくれるんでしょ?」とばかりに下を向いたり横を向いたり、挙句の果てにはエンジニアが良いバランスでとれる位置にマイクをセッティングしてるのに、「もう少し離してもらえます?」と言って来て、ベテランさんだから声をちゃんと飛ばしてくれる※1のかな?と思いきや斜め下向いて収録始めるとか………流石プロ(笑)
…………失敬、エンジニア時代の恨みつらみが……
結局何が言いたいかというと、ちゃんとした音声が取れるスタジオ※2であれば、役者さんがある程度好きな姿勢で演技をしても、エンジニアがマイクを調整してくれるのでいい音で録れる(録ってもらえる)のですが、宅録の場合そこらへんもご自身でやるしかないので、どこにマイクのダイアフラムがあるのか、その正面延長線上に自分の口があるのかを注意しつつ収録しないとなかなか良い音で録れないという事。
大体20〜30cmくらいの距離(寄りの時はお好きに)でダイアフラムの真正面に口が来るようにセッティングするようにしてみて下さい。(吹いちゃう時はその場で口先を軸に15〜30°くらい回転すると回避出来ます)
少しの知識と少しの意識でクオリティーが大きく変わってきますので、参考にしていただければ幸いです。
※1 声を飛ばす
大御所レベルの役者さんが良くやるのですが、明らかに距離が離れていたり角度が悪いのに、何故かいい音で録れてしまう“技術?”
若干部屋鳴りと回り込んだ分低域が増えるのですが、芝居の説得力でNGにはならない(させない)。
おそらく離れていてもダイアフラムの位置の把握し、距離を加味した声量調整で実現させていると思われます。
※2 ちゃんとした音声が取れるスタジオ
声のお芝居やナレーションを専門で収録するスタジオやエンジニアって歌や音楽を録音するそれに比べて少ないのです(特に地方)。
音楽のエンジニアさんは、歌サビとか高音部分になると上を向く習性を考慮してか、鼻先からデコくらいの位置にセッティング方多いのですが(経験則)、音声収録でこれをやるとかなり外れた音になってしまいますので注意が必要です。
※もちろん音声収録を難なくこなす音楽エンジニアさんもたくさんおみえです。
★余談
ナマけものが好きな指向性は双指向性です。
(ラジオもC−414の双指向で収録しています)
理由は帯域に係らず均一な指向性、且つサイドの音は拾わないから。
リボンマイク欲し〜〜〜!(20/3/8追記:買った)
※セッティングは単一よりシビアです