現在作成中のゲームは、実妹との恋愛についての物語となります。
そこで妹の魅力をどうやって引き出すのか……、近親相○というテーマをどう扱うか……、ということを考え中で、今回はその思考のメモ書きです。
まず最初に近親相○について考えてみます。
近い親族同士の性行為である近親相○はタブー視されがちですが、日本においてはお互いが合意のもとであれば、法律上問題ありません。(ただし成人同士が前提)
とはいえ、近い親族同士での結婚(近親婚)は当然認められていません。ひょっとしたら、海外なら認めている国があるのかな……と思って調べてみたのですが、近親婚を認めている国はありませんでした。
これは社会の倫理や制度上の問題のためで、特に日本の場合は、
- 生物学的理由:奇形児が生まれやすい
- 社会学的禁忌:倫理的不快感、嫌悪感が生まれる
- 法律学的禁忌:相続など遺産の扱いで問題が起きた際に混乱が生まれる
という3つの理由で禁止しているそうです。
ということで、社会的にも法律上も認めていられないため、近親相○の物語はハッピーエンドになることが難しく、結末としては駆け落ちして心中する(心中することで愛は永遠に続くという終わり方)……というのがよくあるパターンのようです。
話が変わって「妹」という属性がなぜ最強なのかはこちらのページが詳しいです。
理由としては一番大きいのは、兄としての立場から妹が無条件で甘えてくる優越感……という理由だそうです。
じゃあ何故「妹」が流行ったの? 何が魅力なの?
って話なんですけど、やっぱり一番大きいのは
兄(主人公)を無条件に慕い甘えてくる妹ってのは
保護欲をかきたてるからだと思います。
兄という絶対的に優位な立場から甘やかしたくなるっていうか。
二次元の世界に限らず、現実世界でも姉が存在する(妹として育った)女性は「甘え上手」のため人気があります。理由としては、「姉」のように長女というプレッシャーがないので精神的な余裕が生まれ他人を気づかうことに抵抗がない、「姉」よりも年齢が下なので甘やかされやすい(=甘え上手になる)、という家族内での相対的な立場から愛されやすいキャラになるようです。
それと、どこかで聞いたのですが、「男性が求める理想の女性像の3パターン」というのがあって、
- 母:無条件で甘えさせてくれる
- 妹:無条件で甘えてくる
- 娼婦:とにかくエロい
どれも魅力的な要素なのですが、この中で最も純粋(に見える)のが妹なのですよね……。
母や娼婦は処女ではなく、妹よりも年齢が上がるので、どうしても不純に見えてしまいます。
やはり妹は、そのイメージが持つ純粋さ が一番の人気の理由とも言えそうです。
それと、妹のもう1つの強みは「近親相○」というタブー。
これを破る背徳感がたまらない……という魅力があります。
(母親との近親相○も、甘えさせてくれる成熟した女性を好む読者には好まれる傾向があるかも……?)
タブーに限らず、恋愛ものとして捉えると、愛する二人の間の障害が大きいほど恋愛感情は盛り上がります。
例えば、7月7日にしか会うことができない織姫と彦星の「七夕物語」はロマンチックですし、「ロミオとジュリエット」のような家同士の対立のため誰にも祝福されない恋愛物語のモチーフは、様々な作品で引用されています。
こうした障害により恋愛感情を抑制された二人が、奇跡(特別な状況)により気持ちを分かち合えた瞬間こそが、この手の恋愛物語のピークを作り出します。
このあたりの話は、新城カズマ先生の 物語工学論 キャラクターのつくり方 の「時空を超える恋人たち」により詳しく書かれていますね……
二人のキャラクターがあり、一方が他方を、あるいは互いに相手を求める。
と、これだけではすぐにお話が終わってしまいます。
したがって、物語が一定以上の時間継続するためには、
二人がすぐに出逢えない理由が必要となります。
これが <障壁> です。
(中略)
ここで注目すべきは、タイタニックでは、
本来出逢うはずもなかった身分差(厳密にはむしろ経済的格差)
のある二人が出逢ったのは「夜」であるという点です。
しかも、場所は他に誰もいない甲板です。
まさしく「逢魔が時」であり「境界」がそこに演出されています。
つまり、出逢うはずのない <恋人たち> が出逢うためには、
<障壁> が特殊な状態へと変換され、弱体化されていなければならないのです。
(新城カズマ [物語工学論 キャラクターのつくり方]〜「第5章 時空を超える恋人たち」)
不倫モノのドラマが人気なのも、社会的・倫理的にNGという障害に対する恋愛感情の盛り上がりが原因と考えられるかも? まあ、単に現状の夫に不満を持っていて、それを解消してくれる物語に対して共感を得ているだけかもしれませんが……。ちなみに現実の不倫は、現在の婚約者に「不安」を感じているが婚約を解消できず、より「安心」できる相手を求めてしまった結果として不倫をしてしまう、というのが主な動機となるようです。恋愛物語的な、単に刺激を求めて不倫をするだけではないみたい。
ちなみに現在開発中のゲームでは、「自分の部屋で妹がオナニーしているのを目撃する」というのを、新城カズマ先生の定義における「<障壁>の弱体化の瞬間」と想定して作っています。エッチするまでの流れが自然に描けるかどうかが、この手のゲームの大事なポイントだと思うので、できるだけうまく描写できるようにしたいですね……。
とまあ、不倫と恋愛物語の理論的な話はひとまず置いといて……。
先程書いたように、近親婚は法律上NGなので、違法行為をする物語は基本的にハッピーエンドとなりえません。 そのため、物語の終盤で「実は義妹だった」として合法にしてしまうのがよくあるハッピーエンドのパターンです。
また、単にお互いの気持を伝え、二人が結ばれたことで「その後、二人は幸せに暮らしました」という肝心の部分を濁して終わるパターンもあります。
では、どうやって近親相○の物語を終わらせるのが良いのか、ということですが、法律を破っても幸せになりたい、という展開に持っていくのも1つの方法かなと思いました。
例えば戸籍を偽造したり、戸籍を売買して法律の問題を解消する……。
調べたところ、戸籍は数百万円あれば買うことができるそうです。(もちろん違法)
ただし……。罪を背負ったまま生きていくという物語は重すぎるし、その事実を知った子供が幸せになるとは思えないし、違法行為を裁かないと読者にモヤモヤした印象を与えてしまうかもしれません。
私自身にそういった話をうまくまとめ上げる力がまだないので、このアイデアは別の機会に使うようにしたほうが良さそうです。
ということで、いろいろ考えたのですが、結局、今回の自分のゲームでは、そのあたりはごまかしつつ、何ごともなかったように幸せに過ごしました……、という終わり方になりそうです。
もしくは心中エンドですが、悲しい話は好きではないのですよね……。
ということで考察終了です。
にゃーん。