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寮長日記の記事 (44)

八卦鏡 2022/07/15 00:00

寮長日記12[腐女・前編]

動画配信
スマホの画面には、配信サイトのページが表示されている。
そのサイトのトップ画面には、配信者のチャンネルアイコンが並ぶ。
トップ画面に表示されるのは、現在人気&注目の配信者たちだ。
白い指先が、一人の配信者のチャンネルアイコンをタップする。

エメラルド=ふらんの厨房

それが、その配信チャンネルの名前だ。

宇宙空間のような、幻想的な画面が表示される。
その宇宙空間で、緑色の炎がくねくねと踊っている。
不思議な音色の笛と太鼓の音楽が流れる。
意味不明だが、これは配信が始まるまでの待機画面だ。
しばらく待つと、画面が暗転して切り替わる。
暗い厨房のような場所に、3Dモデルのキャラクターが現れる。

ふらん「魔王様のヴァーチャルゾンビコック!」
ふらん「エメラルド=ふらんでぇーす!」
ふらん「とりま、お前らのお肉をよこせ!」

顔色の悪いゾンビ少女が、陽気に話し始める。
画面内の視聴者のコメント欄が高速で流れる。

■美食グール
ふらんちゃんキタ━(゚∀゚)━!

■もつ鍋大好き
今日は一人焼肉しながら見てます!

■闇の料理人
ふらんちゃん、今夜も顔色悪いね!

■ふらんちゃんのおかず
投銭:1000円
ボクのソーセージを献肉します!(ぽろん)

ふらん「キミのちんちん肉に感謝だよ!」

■美食グール
ちんちん肉キタ━(゚∀゚)━!

■腐った死体
ちんちん肉言うなwww

■死人使い
どうせなら、赤色(高額投銭)にしろよwww

■腐敗大王
投銭:10000円
これが、本物の赤いソーセージでございます!(ぼろん)

■美食グール
赤色のソーセージキタ━(゚∀゚)━!

■死肉漁り
こりっ、これは本物のちんちん肉!

ふらん「キミのちんちん肉に感謝だよ!」
ふらん「でも、キミたちの股間のちんちん肉は、オンリーワン!」
ふらん「どんな駄肉でも、ふらんちゃん大好物だからね!」
ふらん「じゃあ、さっそく本日のゾンビめしを作るぞい!」

画面内にワイプが開いた。
そのワイプ画面は、実写映像だった。

ふらん「まずは、いつもの謎肉だよ!」

まな板の上に、無造作に肉の塊が置かれる。

■美食グール
謎肉キタ━(゚∀゚)━!

■墓場のニート
まっ、まさか人肉か?(棒)

■腐った死体
普通に牛肉だろwww

■ゾンビらんど
ちんちん肉に決まってるだろ!

ふらん「まず、謎肉に下味を付けるよ!」
ふらん「下味には、もちろん謎の白い粉だよ!」

まな板の謎の肉に、両手で白い粉をすり込む。

■美食グール
謎の白い粉キタ━(゚∀゚)━!

■墓場のニート
まっ、まさか麻薬か?(棒)

■腐った死体
普通に塩だろwww

■ゾンビらんど
ちんちん粉ミルクに決まってるだろ!

ふらん「そして、お肉を包丁で切り分けるよ!」

まな板の謎肉が、包丁で適当にぶつ切りにされる。

ふらん「このお肉を、フライパンにぶち込み焼きます!」

IHコンロのフライパンに、ぶつ切りの謎肉が放り込まれる。

ふらん「お肉はちゃんと焼かないとダメだよ!」
ふらん「生はダメ!」

■焼肉のたれ
ちゃんと、お肉を焼いていて偉い!

■肉切り包丁
ゾンビなのに、生肉を食べるとお腹壊すのか?

■ぽんぽんぺいん
サルモネラ菌とかカンピロバクターこわい!

■ふらん推しの肉塊
投銭:3000円
生じゃなく、ちゃんとゴムつけます!

ふらん「コンドウさんに感謝だよ!」
ふらん「さて、お肉が焼けたら、お皿に適当に盛るよ!」

底が深い白い皿の上に、焼けた肉が適当に盛られる。

ふらん「では、このお肉に謎の赤いソースをかけます!」

■美食グール
謎の赤いソースキタ━(゚∀゚)━!

■墓場のニート
まっ、まさか血か?(棒)

■腐った死体
普通にトマトソースだろwww

■全裸の墓荒らし
投銭:10000円
ふらんちゃんの経血ごっちゃんです!

ふらん「変態吸血鬼さんに感謝だよ!」

白い皿は赤いソースで満たされ、焼けた肉が浮かんでいる。

ふらん「完成!」
ふらん「題して、赤い血の海に浮かぶ哀れな肉塊ども!」

■美食グール
ゾンビめしキタ━(゚∀゚)━!

■墓場のニート
凄く不味そうwww

■腐った死体
見た目がホラーすぎる((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

ふらん「さて、ここで実食設定タイム!」
ふらん「この謎肉の部位はどこでしょう?」

■美食グール
実食設定タイムキタ━(゚∀゚)━!

■とんかつ三昧
投銭:500円
ちんちん肉

■ハンバーグホリック
投銭:500円
ちんちん肉

■やきとり将軍
投銭:1000円
ちんちん肉

■ロールキャベツパニック
投銭:1000円
ちんちん肉

■腐敗大王
投銭:100円

■腐敗大王
投銭:500円

■腐敗大王
投銭:1000円

■腐敗大王
投銭:5000円

■腐敗大王
投銭:10000円

■美食グール
虹色投銭キタ━(゚∀゚)━!

ふらん「玉虫感謝だよ!」
ふらん「キミたち、ちんちん肉が好きすぎでしょ!」
ふらん「そんなに、ちんちん肉を食べて欲しいの?」

■死霊のお肉屋さん
投銭:500円
はい、お願いします!(ぽろん)

■失業中の水死体
投銭:1000円
さあ、ボクのをお食べ!(ぽろん)

■腐敗臭のブリーフ
投銭:100円
僕のをご試食下さい!(ぽろん)

ふらん「では、この謎肉は、今回もちんちん肉でした!」
ふらん「血の海の中のキミたちのちんちん肉」
ふらん「溺れそうだから、ふらんちゃんが助けてあげるね」

大きな銀色のスプーンが、スープの中の肉をすくい上げる。

ふらん「じゃあ、キミたちのちんちん肉を食べちゃうぞ!」

スプーンがワイプ画面から消えて、咀嚼音がする。

■死霊のお肉屋さん
もっ、もっと優しくはむはむしてください!

■失業中の水死体
あっ、もう発射しそうなんだが、たすけて!

■腐敗臭のブリーフ
191919191919191919!

ふらん「このお肉から溢れる肉汁、えっちな味がする!」

■美食グール
えっちな味キタ━(゚∀゚)━!

■奇食道楽
初見です、ちんちん肉の踊り食い配信と聞いてきました!

■珍味棒
童貞です、ボクのちんちん肉がなくなりました!

■腐った死体
それは、真の意味で童貞を捨てたなwww

皿の肉は全て食され、赤いスープも飲み干される。

ふらん「ふう、ごちそうさま!」
ふらん「キミたちのちんちん肉、美味しゅうございました!」

■美食グール
投銭:10000円
お粗末様でした!

■墓場のニート
投銭:10000円
お粗末様でした!

■腐った死体
投銭:5000円
お粗末様でした!

ふらん「じゃあ、今日のゾンビめし配信はここまで!」
ふらん「また、お腹が空いたらやるから見てね!」
ふらん「チャネル登録&高評価もよろ!」
ふらん「いあいあ、トゥールスチャ!」

■美食グール
いあいあ、トゥールスチャ!

■墓場のニート
いあいあ、トゥールスチャ!

■腐った死体
いあいあ、トゥールスチャ!

調査依頼
白い指先が、スマホ画面の配信サイトのページを閉じた。

闇犬(やみいぬ)

無彩学園の闇の情報部<コヨーテ>の部長だ。
部長と言っても、他の部員は存在しない。
もちろん、闇犬は彼女の本名ではない。
無彩学園の記録上は、彼女は既に卒業生だ。
つまり、卒業後も学園内に秘密裏に潜伏し、活動を続けているのだ。
合法違法の手段を問わず、求められる情報を集めて金で売る。
そんな活動が、生徒会に認められるはずもなく、地下部である。

闇犬「料理配信と称した、下ネタ満載の下品な配信だな」
闇犬「しかし、素人配信も飽和状態だからな」
闇犬「より過激で下品な配信の方が、逆に人気が出たりするものだ」
闇犬「チャンネル登録者数は300万人で、かなり人気の配信者だしな」
闇犬「それで、この配信者の中身の情報を集めるのが依頼か」
闇犬「彼女は、今流行のヴァーチャルストリーマー」
闇犬「基本的に、顔出し配信をしない配信者だ」
闇犬「まあ、普通に考えて、難易度が高い依頼だな」
闇犬「逆にこの情報を欲しがる依頼人から探った方が、方向性が見える」
闇犬「正体を知りたい配信者の信者か、配信者を快く思ってない人物だろう」
闇犬「まあ、普通に匿名で依頼してきているが、簡単に探り出せた」

林檎塚朱美(りんごづか・あけみ)

光彩学園に通う、3年生の女生徒だ。
光彩学園は、この地域でも有名なお嬢様校だ。
林檎塚朱美は、フルーツスターという有名飲料メーカーの専務の孫娘だ。
学園では料理部に所属し、部長を務めている。
また、光彩学園の料理部として、顔出しで料理配信をやっている。

闇犬「彼女の配信も見たが、実に真面目な料理配信をやっているな」
闇犬「退屈しないように、最近の話題も話しながらやっている」
闇犬「配信内容の組み立てが完璧で、プロの構成作家も入っている」
闇犬「チャンネル登録者数は50万人、十分人気の配信者だと言える」

闇犬は薄暗い部屋の中で、クスっと笑った。

闇犬「そりゃ、気に食わないよな!」
闇犬「下品なトークをしながら、食べ物で遊んでいる配信者」
闇犬「そんな配信者が、自分よりも6倍ものチャンネル登録者数」
闇犬「まあ、依頼人の動機は十分理解できる」
闇犬「光彩学園のお嬢様なら、報酬もたんまり請求できるだろう」
闇犬「この依頼、引き受けるとしよう」

寮長日記12[腐女・中編]

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八卦鏡 2022/07/15 00:00

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八卦鏡 2022/07/01 00:00

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八卦鏡 2022/06/15 00:00

寮長日記11[眠女・前編]


その部屋の時計の針は、夜中の12時を指していた。
ベッドの上に寝そべり、台本を読む少女の姿がある。

水谷八織(みずたに・やおり)

無彩学園に通う、3年生の女生徒だ。
演劇部に所属し、今年部長に就任した。
八織は台本から視線を外し、枕元の時計を見た。

八織「もう、こんな時間なのね」
八織「さすがに、もう寝なくちゃだわ」

八織はベッドの上で大きく背伸びをする。

八織「……………………………」

八織の顔が憂鬱で曇る。
今から眠るのが怖いのだ。
八織は夜尿症に苦しんでいた。
夜尿とは、睡眠中に無意識に排尿してしまう行為である。
いわゆる、おねしょと呼ばれるものだ。
八織のおねしょは、小学生の頃に治ったはずだ。
しかし、ここ半年前から、またおねしょをするようになった。
泌尿科に行って診察を受けたが、膀胱や腎臓に異常はなかった。
結局、今もおねしょをする原因が、特定できていない。
おねしょなんて、友達にも恥ずかしくて気軽に相談もできない。
そんな事もあり、夜尿の不安から、不眠症も併発していた。
夜中に何度も目覚め、ベッドのシーツを確認してしまう。

八織「はぁ…」

八織は大きな溜息を吐くと、ベッドから立ち上がる。
部屋着のジャージを脱ぎ捨て、下着姿になる。
そして、部屋の壁に設置してある鏡の前に立つ。
八織は色々なポーズを取りながら、ボディーラインをチェックする。
もうすぐ、演劇部の公演がある。
上演する演目は、赤ずきんだ。
八織は、ヒロインの赤ずきん役での出演が決まっている。
その為の体型維持は必須だ。
しかし、甘いものが大好きで、ついつい食べてしまう。

八織「ケーキの食べ過ぎには、注意しなくちゃね」

八織はタンスに移動し、引き出しの中から寝間着を取り出す。
寝間着のネグリジェを着ると、床の紙おむつの袋に手を伸ばす。

八織「………………………………」

紙オムツをしてれば、夜尿してもシーツを汚さずにすむ。
しかし、逆に紙おむつの安心感から、夜尿してしまう気もする。
八織は、紙オムツに伸ばした手を引っ込める。

八織「今夜は、寝ている姿も撮影しなくちゃだしね」

八織は泌尿科に通院しているが、全く夜尿が治らない。
かなり悩んだ末に、無彩学園の保健医に相談した。
保健医は、医学部の白滝聖良を八織に紹介した。
聖良は眠たそうな顔をした、頼りなさそうな女生徒だった。
しかし、医学部の部長で、生徒会からの信頼も厚いと聞かされた。
聖良は八織を問診した後、ビデオカメラを八織に手渡した。
簡単に撮影方法を説明し、寝てる姿を撮影するように言った。
そういう理由で、今夜はいつもの睡眠とは状況が異なる。
いつもは、ジャージのまま寝ているが、今夜は寝間着を着た。
紙おむつ姿を撮影したくないので、今夜は着けない事にした。

八織「ビデオカメラの位置は、ここでいいかしら」

八織は、机の上にビデオカメラを設置した。
ここなら、ベッド全体が撮影できる。

八織「…さすがに…今夜は緊張して眠れそうにないわよね…」

八織は机の上に置かれた紙薬袋から、錠剤を取り出した。
通院する泌尿科から処方された、ゾルピデムという睡眠薬だ。
八織は眠剤を口に含むと、ペットボトルの水で胃に流し込んだ。

八織「…はぁ……おやすみなさい…」

八織はビデオカメラの録画ボタンを押すと、ベッドに横になった。


八織は小屋の中に立っていた。
赤い頭巾を被り、腕に籠をさげている。
籠の中には、道中で摘んだ花が入っている。
八織は自分が赤ずきんである事を理解した。
そして、この小屋の中が舞台セットである事も。
そう、ここは赤ずきんの舞台なのだ。
八織の目の前には、毛布が大きく膨れたベッドがある。
おばあさんに扮した狼が、その中に潜んでいるのだろう。
だがこの時点で、台本とは違う想定外の事態だ。
それは、次からの赤ずきんの台詞が、全て矛盾するからだ。

おばあさんの耳は大きいのね

おばあさんの目も大きいのね

おばあさんの口も大きいのね

これらの台詞は、狼の顔が見えていなければ意味がない。
八織は慌てず、アドリブで続ける展開に切り替える。

赤ずきん「おばあさん、待ちくたびれて寝ちゃったのね」

八織はそう言って、ベッドの毛布を捲る。
これで、狼の顔が見えて台詞を続けられる。
しかし、毛布の下には、八織の予想外のものがあった。

赤ずきん「きゃあああ!」

八織は思わず悲鳴を上げてしまった。
毛布の下には、おばあさんの死体が寝かされていた。
その顔は生気なく青白く、シーツが鮮血で染まっている。
特におばあさんの股間周辺の出血が酷い。
本物の死体と見間違えるほどの特殊メイクだ。
八織は、これは舞台であると、懸命に自身を落ち着かせる。

赤ずきん「おっ、おばあさんが死んでいる!」

八織は瞬時に、おばあさんの殺人事件へと路線を変更した。

赤ずきん「いっ、一体誰がおばあさんを殺したの!」

八織はベッドの周囲を調べるように、ゆっくりと歩く。
すると、おばあさんの死体が、びくんっびくんっと痙攣する。

赤ずきん「えっ?」

おばあさんの死体が、ベッドからゆっくりと身を起こす。

赤ずきん「おっ、おばあさん生きていたの?」

改めておばあさんを見ると、腹部が妊婦のように膨れている。

赤ずきん「おっ、おばあさんのお腹は大きいのね」

八織は何とか話を繋げようと、赤ずきんらしい台詞をひねり出す。

それは、狼を返り討ちしにて、そのお肉を食べたからよ

おばあさんの演者が、そうアドリブを返す事を期待した。
本来の展開と違うが、これはこれで、面白い展開のはずだ。
しかし、おばあさんは返事をせず、沈黙したままだ。

ボンッ!

突然、おばあさんの腹部が爆ぜた。

赤ずきん「きゃあああ!」

八織は再び悲鳴を上げた。
ぱっくりと裂けた腹から、何かが這い出てきた。
それはもう、特殊メイクのレベルではなかった。
それは、とても狼と呼べる存在ではなかった。
その口は、異様に大きく裂けている。
その目は、不気味に赤く輝いている。
その体は、毛が全くなくツルツルしている。
その前脚は、細く長い。
その後脚は、太く短い。
その背中には、燃えるような赤毛が、逆立ち揺れ並んでいる。
その腹部には、ぱっくりと裂けた穴があり、大きな舌がくねっている。
それは、おばあさんのお腹に入っていたとは思えない大きさだった。
それは、ベッドからゆっくりと床に降り立った。

赤ずきん「いっ、いやあああ!」

もはや、八織は恐怖で演技どころではない。
八織は、舞台から逃げ出そうと踵を返す。
しかし、恐怖で腰が抜けその場にへたり込む。

赤ずきん「…たっ…たすけて…」

それでも逃げようと、四つん這いになって床を這う。
その進みは遅く、舞台袖までの距離が果てしなく遠い。
八織は助けを求めるように、観客席の方に顔を向けた。
観客の視線は感じるのに、観客席には誰もいない。

赤ずきん「…そっ…そんな…」

じりじり這う八織の背後から、それはゆっくり覆い被さった。

赤ずきん「えっ?」

突然、八織の視界が真っ赤になった。

赤ずきん「なっ、何なの?」

生暖かい空気と鼻を突く臭気、耳障りな粘液質な音。
それは、吐き気を催す、きわめて不快な空間だった。

赤ずきん「きゃあああ!」

赤黒い巨大な舌が、八織の身体に絡み付いて拘束した。
八織は、身体が持ち上げられるような感覚に襲われる。

赤ずきん「へっ?」

背中を焼くような熱い感覚と、身体を蹂躙する粘液質な肉の感触。
腹部の裂けた大穴に、八織の身体がすっぽり収まっている。
いつの間にか、赤ずきんの衣装が、それの爪で引き破られている。

赤ずきん「いゃあああ!」

八織は得体が知れない状況に、悲鳴を上げた。

しゅるるるるる

それの股間から、何かが伸び出る音がする。

赤ずきん「ひぎぃいいい!」

八織は、股間を焼かれるような熱さを感じた。
息を荒げながら、自分の股間に視線を落とす。
二本の赤い触手が、股間の二つの穴に入り込んでいる。

赤ずきん「あっ…ああっ…あっ…」

二本の赤い触手は、小刻みに蠕動する。
八織の子宮と直腸に、不快な刺激が広がる。

赤ずきん「あっ…あっ…あああっ…あああっ…」

背筋に悪寒が走り、下腹部を激しい尿意が襲う。

赤ずきん「あっ…あっ…だっ…だめっ…だめっ…あっ…あっ…」

八織は身をよじって、尿意を我慢しようと、股間をもじもじさせる。
二本の赤い触手は、放尿を促すように執拗に蠕動し続ける。

赤ずきん「うっ…うっ…もっ…もうっ…もうっ…うっ…うっ…」

膣口と肛門が刺激され、尿道口から黄金の尿が噴出する。

赤ずきん「ああああああああっ」

舞台の床の上に、黄金の尿が広がっていく。
放尿の快感と羞恥心で、八織は身を震わせる。

パチパチパチ
パチパチパチ
パチパチパチ

誰もいないはずの観客席から、拍手が起こる。
鳴りやまない拍手の中で、舞台の幕が下りる。


八織は、下半身の生温い不快感で目覚めた。

八織「…………………………」

部屋の時計を見ると、朝8時を過ぎていた。
そんなに、眠ったという感じがしない。
何か夢を見ていた気がする。
しかし、内容が全く思い出せない。

八織「……………はぁ………」

八織は大きな溜息を吐く。
下半身の不快感で、既に何が起きたか理解していた。
八織の股間のショーツは、ぐっしょりと濡れている。
ベッドのシーツには、黄金色の染みが広がっていた。

寮長日記11[眠女・後編]

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