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ショタおねの記事 (1)

猪熊夜離 2023/02/01 00:48

コードギアス カレンとオリキャラがショタ皇子の雌奴○に

Skeb依頼より。

コードギアスの紅月カレンとオリキャラが中華連邦からブリタニアに引き渡されたあと、原作とは違って各地の蜂起で劣勢になっている帝国側が二人を寝返らせようと快楽尋問することに。

閨の教育はバッチリなショタ皇子の巨根絶倫責めにスケベな身体をした処女二人が翻弄され、媚薬も使われたりなんかしてチン負け。

リクエスト内容を詰め込もうと思ってかなり端折ったんですが、それでも3万5000文字ほどあります。



 一日を退屈で窮屈なスペースに押し込められて過ごす以外、これといって屈辱的な扱いを受けないのは眼の前に居る少女のおかげか、それとも自分がブリタニア帝国では名家と呼ばれる家の娘だからか。

 紅月カレンはナナリー・ランペルージの顔を見ながら考えた。

 カレンとナナリーの関係は複雑だ。

 貴族令嬢カレン・シュタットフェルトとして見れば、ナナリーはブリタニアの皇女であるから目上の存在となる。だが二人の間に生まれによる上下の意識はない。

 彼女たちは一人の少年を介して知り合った。ナナリーの兄であり、アッシュフォード学園でカレンの同級生でもあった少年――ルルーシュ・ランペルージは、その本名をルルーシュ・ヴィ・ブリタニアといった。

 妹のナナリーがそうであるように彼もまた、ブリアニアの皇子であった。

 しかし幼少期に宮廷の陰謀により母親を殺され、日本に兄妹ともども捨てられた恨みを持つルルーシュは、長じると自らをゼロと名乗り反ブリタニア組織『黒の騎士団』の指導者に収まった。

 黒の騎士団でゼロの側近を務めていたのがカレンである。はじめ彼女はゼロの正体を知らなかったが後にルルーシュだと気づいた。そのショックで一度はゼロの下を離れてしまったが、現在は再び黒の騎士団でゼロの指揮下に入っている。

 その彼女がなぜナナリーと顔を合わせているのか。

 先だって黒の騎士団は中華連邦と交戦。その際にカレンは捕らえられ、身柄をブリタニアに引き渡されたのだった。現在では捕虜の身である。

 一方のナナリーも数奇な運命を辿った末に皇女の身分を回復。現在は日本の新総督として振る舞っている。

 だが二人の間に政治的な緊張した空気はない。

「どうしましたか?」

 僅かに首を傾げ、疑問を浮かべた顔でナナリーが聞いた。その目は重く閉ざされている。目の前で母親が撃ち殺される現場を目撃した彼女は、精神的なショックと怪我により視力と両脚の自由を失った。

 それでも世を儚んだり他人を恨んだりすることなく、心根の優しい真っ直ぐな少女に成長したのは、彼女生来の優しさはもちろん過保護とも思えるルルーシュの献身的なシスコンぶりがあったればこそだろう。

 今も不自由な捕虜生活で退屈しているのではないかと、カレンの話し相手になってくれていた。

「自分の境遇が不思議だなと感じていたところよ。そちらから見れば、私はブリタニア人を何人も殺したテロリストなのに拘束具を付けられたのは初日だけ……それも私が逃げ出そうと暴れたからだし……ありきたりな囚人服ではなく、お姫様みたいなドレスまで着せられて」

 カレンは軽く袖を持ち上げドレスを示す。ナナリーは不自由な視力をカバーするため他の感覚が優れている。きっとこうすれば何が言いたいか伝わるだろう。

「私が自分で選んだらまず着ないタイプのドレスね」

 クスッとナナリーが笑う。

「シュタットフェルト家はブリタニアでも名家に数えられますから。手荒には扱えないという配慮があったのでしょう。それに、私も個人的にカレンさんが困る姿を見たくありませんから」

 つまり先ほどの疑問は二つとも正解というわけか。カレンは目の前の少女に感謝しつつ、折り合いの悪い父親には心のなかで毒づいた。

「困るな、ナナリー。あまり捕虜と仲良くされたら」

 少女たちの平和な会話を打ち破るように少年の声がした。カレン、ナナリーとも驚き、少年の声がしたほうを見やる。

「これだから女にまともな仕事は任せられないんだ。仲が良いとか悪いとかでやり方を変えるんだから。相手はブリタニア人を何人も殺した極悪人なんだよ。こんな手を抜いた尋問してて彼らの遺族に申し訳ないとは思わないの」

 皇族であるナナリーを仕事が出来ない女と呼び、蔑んだような目で見る少年は年のころ十二、三歳。ナナリーよりも僅かばかり年少に映る。

 見た目は混じりけのない、黄金の波のような金髪に翡翠色の瞳。まだ幼い少年らしく甘さを残す輪郭は、完全な男性になりきれていない中性的な美貌を宿す。

 並外れた美少年であるが不吉なものを感じる。それは彼の容姿にブリタニア皇族の血を嗅ぎ取ってしまうからだろう。より具体的に言うなら瞳の色こそ違えど、シュナイゼル・エル・ブリタニアを幼くしたら目の前の少年そっくりになるのではないか。

「はじめまして。僕はマリユス・デュ・ブリタニア。名前で分かると思うけど、ブリタニアの皇子だ」

「道理で性根が腐ってそうな顔をしてると思ったわ」

 カレンは強気に言い返したつもりだが、マリユスはビクともしない。囚われの身では自分に危害を加えることなどできないと高を括っているのだろうか。

「シュタットフェルトでの何不自由ない生活を捨てて、イレブンに肩入れするくらいだから相当な跳ねっ返りだと思ってたけど想像以上だ」

「気分を害したかしら? それならどうする、○問でもする?」

「カレンさん! マリユスも。感情的になってはいけません」

 ナナリーが二人の間に割って入る。看過できない事態に発展することを止めたかったのだろうが、結果的にこれはマリユスの火に油を注ぐ形になった。

「僕が感情的……」

 その言い方は気に食わないと少年皇子が肩を怒らせる。

「マンコで物を考える生き物の分際で、僕が感情的になってるって? 一度は皇室から見捨てられてお情けで復帰した出来損ないが、ずいぶん偉そうなこと言うね」

「マっ――!」

 あまりにも直球な卑語。ナナリーは顔を赤面させ固まってしまう。

「アンタたちの事情は知らないけど、ちょっと物言いが過ぎるんじゃないかしら。見たところナナリーのほうが年上よね」

「だから?」

 見かねて口を挟んだカレンにも、マリユスは冷めた一瞥をくれる。

 躾がなってない獣を冷ややかに品評するような目で見られ、カレンは背筋を氷が滑り落ちるような悪寒を味わった。

「ブリタニアが実力主義なのはカレンも知ってるだろ。特に皇族となれば己の能力を示して地位を得るものだ。僕は既に言うだけの功績は立ててるんでね。どこかの夢見がちな無能とは違って」

 彼の言う夢見がちな無能がナナリーを指していることは明白だった。まだ皇族に復帰して間もなく、確たる政治的な達成がないナナリーは言い返せないのか黙ってしまう。

「近いうちにカレンと仲間のなんて言ったっけ……」

「ナディヤ?」

 カレンが探るように尋ねると「それだ!」とマリユスは胸のつっかえが取れたように喜んだ。

「そのうちカレンとナディヤの尋問は僕が担当することになるから。いまは本国の裁可を待ってるところだけど、まあ問題ないだろ」

 マリユスの声は確信に満ちていた。絶対に断られるはずないという自信があるようだ。

「どんな女か先に挨拶だけ済ませようと思って来たけど、なるほど……屈服させがいのあるじゃじゃ馬みたいだね」

「やれるものなら、やってみなさいよ」

 どんな尋問をされるか分からないが、マリユスのような子供に口を割る私ではない。そうカレンは自信を持って答える。

「その意気だカレン。その調子でどこまで頑張れるか見せてくれよ」

 自分が勝つに決まっている、という自信の笑みを残してマリユスは去っていった。

 あとに残された二人の少女は、お互いに気まずい思いをしながら顔を見合わせる。

「あんなのが弟なんて大変ね」

「ですが、自信を持つだけあって尋問のスペシャリストだと聞きます。特に女性相手なら絶対に秘密を話させるとか。大丈夫でしょうか」

「面白いじゃない。こっちだって覚悟はできてるのよ。私もナディヤも簡単に話したりしないわ」

「頑張ってくださいとは立場上言えませんが……」

「心の中で思ってくれてるだけで充分よ」

 カレンは精一杯強がって見せる。しかし内心ではマリユスの余裕綽々の態度を思い出し、不安を感じていた。



 ナディヤ・アーベルはカレンと同じくブリタニア人と日本人のハーフとして生まれた。ただし、名門貴族のシュタットフェルト家とは違い、ナディヤの家は平民である。ここがブリタニアという国の捻くれたところなのだが、徹底した実力主義を謳っている一方で厳然とした身分制度が残された階級社会でもある。

 これは一見すると矛盾しているように思えるが、第九八代皇帝シャルル・ジ・ブリタニアに言わせれば「人は不平等であるからこそ争い、己を磨き、進化が生まれる。不平等は悪ではない。進化を妨げる平等こそが悪」らしい。

 そんな理屈をヒエラルキーのトップにいる皇帝が口にしたとして、果たして生まれながらに差別される側が受け入れられるだろうか。少なくとも一般庶民には受け入れ難い思想である。

 競えと言われたところで機会の平等さえ与えられていないのだ。最初から社会のあらゆる組織で席次は上から身分によって決まる。そこへ平民が割って入ろうとすると陰口を叩かれる。

 そんな社会でナディヤは母親と二人きりで育った。ブリタニア人だった父親は彼女が物心付く前に家を出て消息不明。日本出身の母親は蔑まれながらも女手一つでナディアを育てたが、病を得て若くしてこの世を去った。

 母親の死後、ナディヤは養護施設に引き取られたが、そこでは男たちの欲望の汚さを知った。

 彼女は女たらしで有名だったらしい父親に似て、見た目が整っていた。銀色の髪に透き通るような碧眼をした少女は、幼いうちから大人たちの目を引き欲望の対象となった。

 施設で働く男たちは事あるごとにナディヤの身体を触りたがった。

 彼女は優れた頭脳も持っていたが、肉体的な美しさ以外は一顧だにされなかった。薄汚れたナンバーズの血が流れる少女にブリタニアの男が求めるのは、己の性のはけ口になることだけだったのだ。

 思春期になるとナディヤの肉体は、ますます男たちを喜ばせる形に成長していった。同年代の女子よりも大きく膨らんだ自分の乳房が恨めしかった。男たちの目を惹き付けて止まない尻も、まるで彼らの劣情を煽って誘うためにあるような気がした。

 それでも施設内で賢く立ち回り貞操は守り続けていると思っていたある日、ナディヤは施設長に呼ばれ彼の執務室を訪れた。そこには貴族らしき男性が待っていた。

「喜べナディヤ。こちらの方がお前を養女に迎えたいそうだ」

 これは大変喜ばしいことなんだぞ、ナンバーズの血が流れてるお前でも、これからは貴族を名乗れるんだと施設長は噛んで含めるように言い聞かせた。

 私は売られたんだ。ナディヤは瞬間的に察した。施設長の表情は、良縁に恵まれた子供を祝福するそれではなかった。コストを掛け育ててきた家畜が高値で売れた生産者の顔というのが一番イメージに近いだろう。

 そしてナディヤを買った貴族の男。彼の顔は、彼女を性欲の対象として見る施設の男たちと同じだった。どんなに見た目を綺麗に取り繕っても男の中身は変わらない。そのことをナディヤは身をもって知った。

 一週間後に迎えに来ると言い残して紳士は去って行った。時間的な猶予が与えられたのは幸いだった。

 その日のうちにナディヤは施設から逃げた。当時まだ十五歳。行く宛などない。それでもここに居ては駄目だと感じた。あの男が戻って来たら私は彼の屋敷に連れて行かれ、耐え難い辱めを受け奴○同然に扱われるだろう。

 独りで生きていく。そう覚悟を決めたナディヤの足が軍に向いたのは必然だったかもしれない。世界に版図を広げんとするブリタニア軍は常に人手を募集していた。軍の教育施設に入れば無料で教育が受けられる。そればかりか在学中から給料をもらえるのだ。それに軍は、自分たちこそブリタニアの実力主義を地で行く存在、優秀なら出自は問わない、能力次第で出世も可能と喧伝していた。

 それが嘘だったことは軍の教育施設に入ってすぐに分かった。

 ナディヤは次席で入学を果たしたが、本当は歴代トップクラスの成績で主席だったにもかかわらず、身よりもない平民の女に映えある主席入学者の挨拶を任せて良いものかと物言いがついたらしい。次席の生徒と順位が入れ替えられた。彼はブリタニア貴族の息子だった。

 結局どこに行っても同じか。自身に関する噂話を聞いたナディヤは、軍は実力主義という空疎な宣伝文句を信じていた己の幼さに嘆息した。

 入学後もナディヤは優秀な成績を収め続けた。しかし公式には彼女が主席を取ることは一度もなく、常に貴族の子弟がその上にいた。

 卒業後のナディヤは何の因果か母の故郷である日本に派遣された。ブリタニアに占領されてからはエリア11と数字で呼ばれ、国名も国民だった埃も奪われた極東の島国。その地を踏めば何かしらの感慨が湧くかと思った。何もなかった。

 母と死別して数年。忙しい日々の中で既に彼女の顔さえ記憶から薄れ始めていた。その人の故郷と言えど一度も目にしたことがない、ほとんど話さえ聞いたことがない土地を訪れたからといって感傷に浸るほど、ナディヤはナイーヴな人間ではなかったのだ。

 ただし、ここに来てナディヤに二つの転機が訪れた。

 一つは黒の騎士団と名乗るレジスタンス組織との邂逅。彼らはゼロと名乗る首魁の下でブリタニア軍を苦しめ、奇跡的な戦果を上げていた。

 ブリタニアの兵士として彼らに手を焼かされ、同僚の死を経験しながらも、ナディヤは黒の騎士団に心惹かれていった。劣勢でありながら数々の奇策を弄して大国ブリタニアに挑む彼らの姿に、あっさり一度は捨ててしまった階級社会への犯行という理想を重ねてみたからか。

 二つ目はユーフェミア・リ・ブリタニアによる日本人虐殺だ。特区日本を立ち上げると虚偽の宣言で日本人を一箇所に集め、その場で大勢の市民を殺した虐殺皇女の悪行をナディヤは現地で見ていた。

 後世の歴史に長く残るであろう蛮行を目にして、ナディヤの心は完全にブリタニアという国から離れた。

 ただ皇族の血筋に生まれたというだけの畜生にも劣る人間をありがたがって、彼らの手先になる人生に意味を見いだせなくなった。

 程なくして彼女はブリタニア軍から脱走し、黒の騎士団の人員募集に申し込んだ。



「以上。ここまでの経歴で何か間違いはあるかな」

 手元のファイルを閉じながら少年が言った。金髪の美しい子供だった。絵本の王子様がそのまま飛び出してきたような美貌。だが目には狂気が宿っている。まるで私を人間とは見做していない。対等な存在だと考えていない。紅顔の美少年の本性をナディヤは瞬時に見破った。

「何も。こちらから訂正することはなさそうね」

「結構。それなら話が早くて助かる」

 少年は傍に控えていたメイドに閉じたファイルを渡す。メイドの数は五人。最も近くに侍っていたメイドが横一線の列から歩み出てファイルを受け取る。彼女はすぐに三歩退いて元の位置に戻った。

 己をブリタニアの皇族マリユス・デュ・ブリタニアと名乗る少年が訪れたのは、ナディヤが拘束されている部屋だ。カレンとともにブリタニア軍に引き渡されたあと、彼女と引き離されたナディヤは留置場のような部屋に押し込められた。

 窓はなく、三方の壁と全面強化アクリルの出入り口。天井に換気用のファンがあり、そこから空調設備のモーター音が聞こえるのみだ。簡易的なベッドにトイレと洗面台はあったが外部との連絡手段はない。

 大人が十歩も歩けば、端から端まで横断できてしまう広さの部屋で、ナディヤはお仕着せの囚人服を着せられベッドに腰掛けていた。椅子がないので座るとなったらベッドか床しかないのだ。

「それで……私は何をさせられるのかしら?」

 これから○問にでも遭うのだろうか。それだけの理由は充分にある。

 だが、彼女の予想に反してマリユスは首を横に振った。

「君を手荒に扱うつもりはない。むしろ最高に幸せな思いをさせてあげる。だから君は僕に全てを委ゆだねればいいんだ」

「……どういうことかしら」

 意味が分からない、と困惑するナディヤに向かってマリユスが一歩踏み出す。すると彼を取り巻くメイドたちが主の意を汲み、独房の鍵を開けて中に入ってきた。

 ベッドに座るナディヤを囲むようにして正面と左右に一人ずつ、残った二人は出入り口の守りを固める。

 左右の女たちに腕を掴まれた。そのまま彼女たちはナディヤをベッドに押さえつけようとする。ギシッと粗末なワイヤーベッドのフレームが悲鳴を上げた。

 抵抗を試みるものの二人の女は全く意に介さない。ただのメイドではない。きっと彼女たちも元は軍人だったのだろう。純粋な腕力勝負では到底敵いそうになかった。

「離せ! 離しなさい!」

「どうかお静かに。皇子の寵愛をいただける幸福な機会なのですよ。あまり手荒なことをさせませんように」

「何ですって……」

 聞き間違えかと、そう思った。

 目の前の少年が私を抱く? この可憐な容姿をした男の子が、なぜそんなことをするというのか。

 困惑しているうちに仰向けでベッドに押し倒される。両手をそれぞれ左右から押さえられる。正面に立っていたメイドが身体の上に跨るようにして馬乗りになった。彼女はメイド服から拘束用のバンドを取り出すと、仲間が押さえつけているナディヤの腕をベッドのフレームに縛り付けていく。

 これまでいったい何度こんなことを繰り返してきたのだろう。完璧なチームワーク。あっという間にナディヤは身動きが取れなくなった。

「乱雑な部屋で乱雑な女を抱く。これもまた一興というやつだよ」

 マリユスはメイドたちの連携プレイで安全が確保された独房に足を踏み入れる。そして優雅とも思える動作で服を脱ぎ始めた。

 ドア付近にいた二人が脱衣を手助けする。

 ベルトを外し、ズボンを落とす。下着に手が掛かると、少年はナディヤの反応を想像してか、僅かばかり勝ち誇ったような顔をした。

 それはとても子供のものとは思えないサイズをしていた。股間には成人男性の平均より明らかに大きなサイズの陰茎があった。だが処女のナディヤを怯ませたのは、大きさよりもその形状だ。カリ首が異様に張り出しており、幹全体も太く、血管が浮き出てゴツゴツしていた。同じ人間の身体の一部とは思えなかった。

 こんな凶器を相手にしたら壊れてしまう。本能的に恐怖を感じる。しかし逃げようにも両腕は拘束され、両足はそれぞれに別のメイドたちに乗られて動けない。

「そんなもので私をどうこうしようというつもり? やはり皇族などと言っても下世話な男と変わらないわね」

「これも立派な尋問官の務めだよ。僕の仕事は君たちから情報を聞き出すことと、優秀なパイロットを心からブリタニアに寝返させることなんだ」

 マリユスの口調は穏やかなままだったが、目の奥は笑っていなかった。獲物を前にして舌なめずりをする獣のようでもあった。

 彼が一歩、また一歩とベッドに近づいてくる。

 少年はベッドの上で仰向けに寝転ぶナディヤの身体に覆い被さり、まず軽く唇を合わせた。

 チュッと軽いリップ音が鳴る。キスと呼ぶのもおこがましい、本当に触れるだけのバードキスだった。だが、それだけでも幼い少年が、性的には自分よりも遥かに経験豊かな強者だと感じた。

 彼の唇が触れたところから電流が流れるような気がした。

 マリユスはナディヤの首筋に舌を這わせた。同時に両手でナディヤの大きな乳房に触れる。少年の手では掴みきれない巨乳。それを手のひらいっぱいに握り込んでグニュリと揉む。痛みはない。ただくすぐったかった。

「んっ……くうっ……」

 乳首の周りを指でクルクルなぞられると妙な気分になってくる。

「ふふ……感じてしまってるのかな」

「……そっ……そんなわけ、ないでしょう」

 否定しても声が震えてしまった。図星だったからだ。まだ触れられて間もないのに乳頭が勃ってしまっているのが分かった。

 そんな反応を楽しむかのように、指の動きが徐々に激しくなる。乳房の先端、敏感なツマミをコリコリと擦られるたびに甘い刺激が走った。時折強く摘ままれ、その痛みが快感へと変換される瞬間もあった。

「あんっ、んんっ……あっ、ああん……」

 堪えようとしても抑えきれず、吐息と一緒に小さな喘ぎ声が漏れ出る。

 胸への愛撫を続けながら、マリユスはナディヤの頬や首筋にキスの雨を降らせていく。ただ捕らえた敵兵をレ○プしたいだけならする必要ない前戯。まるで恋人を抱くような優しい行為が彼女を混乱させる。

「やっ、やめなさい……こんなことをして何が楽しいの?」

「僕はサディスティックなところがあるからね。そのくらいの自覚はあるんだ。僕に犯されて死にたいほど屈辱だと言ってた女が、嫌々ながら感じ始め、最後には自分から求めるようになる姿を見るのが大好きなんだよ。しょせん脳みそじゃなくマンコで物を考える低俗な動物なんだって姿をさらけ出す様がね」

「なっ!」

 絶句した。なんて最低な男だ。

「それに女のほうだって濡れてもないうちから無理やり突っ込まれて、痛い思いをするよりこっちのほうが好きだろ」

「馬鹿なこと言わないで。私は貴方なんかに絶対に屈したりしない!」

 そう叫んで顔を背ける。だが内心では火照り始めた肉体の反応に困惑を深めていた。

 身体が熱い。下腹部から股の間にかけて、一帯に熱が籠っているような感覚がある。こんな状態をナディヤは知らない。今まで男に身体を触らせたことなどなかったのだ。

 だから今自分の身に起こっている異変の正体を掴めずにいた。

 耳朶を口に含まれ、舌先で嬲られる。ピチャピチャと唾液の絡まる音がするたび背筋がゾクゾク震えた。未知の感覚だった。

 ナディヤは幾ばくかの自由を与えられた指先でシーツを掴んだ。固く握りしめることで、身の内から湧き上がってくる快感――そう、これは紛れもなく快感だった、絶対に認めたくないことだが――をやり過ごそうとした。

 そんな彼女の努力を嘲笑うように、そのまま少年の唇は耳から首へ、首筋から鎖骨へと自由自在に動く。彼女の細い首から肩にかけてのラインはとても綺麗だった。きめ細やかな肌の下には瑞々しい肉が詰まっており、触れば指に心地よい弾力を返すだろう。マリユスも嬉しそうに撫で回す。

(どうしてこんな奴に……)

 十歳は年下に見える少年の手管にナディヤは翻弄されていた。これは自分のような捕虜を凌○して鍛えたテクニックなのか、それとも天性のものか。いずれにしろ今のナディヤでは抗いようがなかった。

 胸の先では二つの突起がツンッと勃ち上がり、自己主張していた。そこにマリユスが顔を寄せてくる。まさか……と思った次の瞬間には、服の上から彼に乳首を座れていた。

「ふぅ、ふぅっ、ふぅ……ふぁ……あぁ……んッ……」

 布越しに舌で舐ねぶられる。もう片方の乳首は指で摘まれた。服と擦れて感じる鈍い感触とピリピリとした痺れが走る刺激。両胸に異なる快感を覚え、ナディヤは小さく喘ぐ。

「随分と敏感だね。さっきのファイルによれば男性経験はないらしいけど、本当に処女?」

 その質問をナディヤは無視した。マリユスも答えを期待している風ではない。

 マリユスは片手でナディヤの胸を弄りながら、空いた手を下半身のほうに伸ばした。貫頭衣の裾をめくり上げ、下着に手を差し入れる。今そこに触れられる訳にはいかない。知られたくない秘密がある。

「やめろ……やめなさい、そこはダメよ!」

 脚をバタつかせ少年を振り落とそうと試みる。だが全体重を掛け抑え込んでくるメイドの力には敵わない。

「そんなところ、触ったら許さないわよ」

 制止の声が届くより先に指先が割れ目に触れる。クチュリ、という音。それが己の股間から響いたものだと知り、恥ずかしさのあまり頬が熱くなった。

「あれあれ? 濡れちゃってるよ。憎いブリタニアの皇子に触られて、おまんこ濡らしちゃうなんて黒の騎士団への裏切りなんじゃないの?」

 厭味ったらしいセリフを口にするマリユスの顔には、彼の腐った性根を表すような笑みが浮かんでいる。元の美貌はそのままなので余計に卑劣さが強調された。

 彼は中指と薬指を揃えてゆっくりと割れ目をなぞる。まだ誰にも侵入を許したことない場所を優しく、時に少し力を込めて刺激される。本当に憎たらしい。いっそ乱暴に力付くで、無理やり挿入されてしまえば楽なのに。

 濡れてもない膣を乱暴に使われ、痛みと出血のなかで破瓜を迎えられるなら、懊悩せずに済む。己の身体が敵の愛撫で感じることなど知りたくはなかった。

 ナディヤの身体はビクビクっと震えた。自分でも驚くくらい鋭敏な反応だ。

 マリユスの責めは的確だった。陰唇を上下に擦ると時折指が敏感な突起に当たる。最初はくすぐったいだけだった場所が、次第にジンジン熱を持ち始めるのが分かる。そこから広がる甘美な疼き。それは快楽の前兆だ。ナディヤの呼吸も自然と浅くなり、切なげに潤んだ瞳は宙を見つめるだけになる。

「クリトリス気持ちいい? いきなり剥き身で触ると刺激が強すぎて感じるどころじゃない女もいるから、処女は処女らしく包皮の上から優しく撫でておくだけにしようね」

 マリユスは言うが早いか親指の腹を使って、ナディヤの小さなクリトリスを圧迫しだした。指全体で押しつぶすようにされると、ピリピリと電気のような鋭い感覚が脳髄を貫く。

 初めて経験する快感にナディヤは思わず声を上げた。

「ふいっ、いいっ、ああぁっ、やっ、やめっ、あああっ!」

「いい声だね」

 マリユスは楽しそうに笑う。その間も指先は休むことなくナディヤを虐め続ける。クリトリスへの責めだけで、愛液が溢れてきたのが分かった。粘り気のある透明な液体がトロトロと零れて、ベッドを濡らしていく。まるで小水を漏らしてしまったみたいで恥ずかしい。甘酸っぱいメス臭が狭い独房に広がった。

 この少年の指が触れる度に腰が跳ねる。もっと欲しいと思う。けれど、それを口に出すのだけは我慢しなければならない。こんな屈辱的なことを受け入れるなどありえないことだ。

 ――でも、ナディヤの身体はすでに堕ちかけていた。彼女は気づいていない。無意識のうちに太腿を擦り合わせ、自ら腰を振っていることに。

 少年の手が離れる頃には、彼女の下腹部は己が分泌した淫汁でベトベトに汚れていた。

「粗野な味だな」

 ナディヤのマン汁だらけになった指を舐めながらマリユスが言う。

「だが粗野にして甘美だ。悪くない」

「……くっ……はぁ、んっ……」

 彼の尊大な品評にも反応できなかった。ただ荒い息を吐くだけで精一杯。

 そんな彼女を後目に、少年はいよいよ最後の砦であるショーツを脱がせにかかる。脚の間に入り込まれれば、最早どうすることもできない。

 両脚を閉じようとするが今回もメイドたちに動きを封じられる。そればかりか、傍らに待機していたメイドがハサミを取り出すと、ナディヤの貫頭衣を切ってしまった。

「暴れませんように。傷がついた肌を主に差し出すのは、メイドの本意ではありません」

「こっちは肌をさらすこと自体が本意じゃないわよ!」

 もっともなことを言って抵抗するナディヤだが、ヒヤッとした刃先が肌に触れれば自然と身体から力が抜ける。刃物を恐れるのは人間の本能だ。

(だからって無抵抗でいるわけには)

 分かっているがどうにもならない。せめてもの抵抗の意思を示すため、顔を背けて瞼を閉じた。

 露わになった秘部を見て、マリユスが鼻を鳴らす。

「へぇ~綺麗な色じゃないか。本当に処女みたいだ」

 マリユスは感心した風に呟いた。見られている。本当にアソコを見られているんだ。羞恥心を煽られ、顔が真っ赤になる。

 秘所に触れた冷たい感触に目を見開く。慌てて股間を確認すれば、メイドがナディヤの膣口に粘液を垂らしていた。

「ご安心ください。滑りを良くするためのローションです。人体に有害な物質は入っておりません」

「僕のは見たとおり大きいからね。あって困ることはないだろ」

「……そうね、ありがたくいただくわ」

 皮肉たっぷりに言ってやったつもりだったのだが、通じなかったようだ。むしろ喜ばせたようで腹立たしい。

 ヌルリと滑る感覚があった直後、異物感が下腹部を襲う。硬く細いものが胎内に進入してきたのだ。恐らくは指なのだろう。だが初めての感覚に戸惑うナディヤには、正確な正体までは分からない。とにかく不快だった。腹の中に他人が入ってきてグニグニ押されるなど。

 こんな時間がずっと続くのか。先ほどのような快楽に襲われず、ありがたいやら苦痛やら。ナディアは一息つく思いだった。

 ――そして、それはすぐに来た。

 膣内に侵入した指が曲げられたとき、お腹側の壁を強く押されたのだ。

 瞬間、電流が走ったような感覚があった。痛みはない。それどころか未知の快感すらあった気がする。思わず甘い吐息を漏らすと、それを見計らったかのように指が同じ場所を刺激し始めた。何度も、何度も繰り返されるうちに身体が勝手に跳ねてしまう。そのたびに乳房や股の間の突起もプルンプルンと揺れた。その揺れに合わせるように腰が前後してしまうのも止められない。

(どうして――ッ?)

 自分の反応の不可解さに困惑するナディヤに対し、メイドは淡々と説明してくれた。

「クリトリスの裏側のあたりですね。ここはGスポットと呼ばれる性感帯になります。女性が腟内で感じる最も敏感な場所の一つとされていますが、人によって場所が違うため見つけるには男性側の経験も必要です」

 つまり自分は、今まで自分ですら触れたことのない場所を、他人の指で弄ばれ強○的に快楽を植え付けられているのだ。それも、あのブリタニアの皇子に。その事実が悔しくて仕方がない。

 それなのに。

「ここがいいのかい?」

「――ひぁっ!」

 不意にGスポットを指先で押し込まれる。少年の細い指先に膣内の一点を弄ばれると、鍛え上げられた肉体も精神も役に立たない。ただ身体をくねらせることしか出来ない。さらに弱点を探り出すみたいに次々と膣内への責めが行われても、抗う術はなかった。

 二本の指を抜き差しされても苦にならなくなり、あっという間に三本指のボリュームにも慣れてしまった。内蔵を押される気持ち悪さだけがあるなどと思っていたのは遠い昔。膣内に挿入された指が複雑なフォーメーションを組んだり、バラバラに動いたりする度に腰が熱くなって、堪えようとしていても情けない声が出てしまう。

「や、やめろぉ、っ! お゛ッ、お゛っっ、ぉお゛ぉおぉぉおっ!」

 最初は声を抑えようと思ったのだが全く意味がなかった。声は愛液同様に止めどなく溢れてくる。押さえつけることもできずにナディヤは、よだれで顔を汚しながら喘ぎ声を上げ続けた。

 その間メイドたちは眉一つ動かさず主人による女捕虜への調教を見守っていた。彼女らには見慣れた光景でしかないのだろう。

「さっきのローション。あれに、なにか」

「細工がしてあったんじゃないかって? ないよ。本当にただのローション。自分の身体が好色なことを他人のせいにしたらいけないな」

「う、うるさい! んんっ♡ ふぅ♡ こ、この……ひゃうっ! くぅぅ♡」

「声に甘いものが混じり始めてきたよ。もう僕の女になりたくなっちゃったのかな」

 マリユスは意地の悪い笑みを浮かべて、さらに激しく指を動かしはじめた。彼の指摘通り、先ほどまでより己の抵抗感が薄れているのが分かる。ナディヤの理性は既に限界に達しようとしていた。

 もはや快楽自体を否定することなどできない。認めた上で耐えなければならないという段階まで来ている。それでもまだギリギリ踏み止まれているのは、彼女が高いプライドと男の性欲に対する潔癖な考えの持ち主だったからだ。快楽に溺れるなどあり得ないし許せない。私は下半身でしか物を考えられない下劣な男どもとは違うんだ。

 そんな気持ちとは裏腹に身体は素直に反応していく。

「んあっ……はっ、はぁっ、んん~~っ!」

「イクときはちゃんと言わなきゃダメだよ。イキますって大きな声で宣言するんだ」

「誰がっ! そんなみっともないこと言うもんですか!」

 ナディヤの絶頂が近いことを察してマリユスが手の動きを早めた。クチュクチュと卑猥な水音が大きくなるにつれ、彼女の中で膨れ上がった何かが弾けそうになる。歯を食い縛り耐えるが、我慢すればするほどに欲求は高まり、頭の中が真っ白になっていく。やがて下腹部に熱い感覚が生まれ、それが一気に全身に広がった。脳天から足の先まで雷にでも打たれたみたいな衝撃が走る。

 視界が白く染まったあと、ゆっくりと戻ってきた。遥か高みまで浮き上がったような浮遊感のあと、イキ疲れした身体の重みがズッシリと蘇ってくる。全身が汗まみれで気持ち悪い。だがそれ以上に最悪なのは、未だに身体の奥底で燻っている熱だ。もっと強い刺激が欲しいと思ってしまっている自分がいるなんて認めたくない。しかし事実だ。

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 荒く呼吸するたびに豊かな胸が上下する。ナディヤは自分の息が発情している雌犬のように浅ましいものに思えてならなかった。屈辱のあまり死んでしまいたいくらいだ。

「……そろそろ頃合いかな」

 不意にマリユスの呟きが聞こえたかと思うと、彼は指を引き抜いた。愛液にまみれた指に舌を這わせると、満足げに微笑む。

「やっぱり、いい味だ。それにいい女だしね」

 マリユスがナディヤの脚を抑えていたメイドに指示を出すと、彼女たちは捕虜の膝を立ててM字に開脚させた。くぱぁと割れ目が広がり奥の奥まで少年に見通されても、法悦の極みに達して放心状態のナディヤには抵抗できなかった。

 ナディヤの目に生気が戻ったのは、マリユスの屹立した男根を見たときだ。脱衣した時から大きいと感じていた男根は、今や最大限に大きくなっている。その他のパーツが少年なりの肉体で構成されているため、そこだけ巨大な姿は歪で禍々しかった。

 叫びたかったが言葉にならない。代わりに出たのは声にならない悲鳴だった。マリユスの股間からそそり立つ赤黒い肉塊を目の当たりにして、血の気が引いていくのが分かった。あんなものが入るわけがない。だって、こんなに太いのよ! 恐怖で青ざめるナディヤをよそに、少年は彼女の両膝に手をついた。

「いよいよメインディッシュだ。これで男を教えて病みつきにさせてやる」

 先端が濡れそぼった膣口に触れる。それだけで、火傷しそうな熱さを感じる。そのままグッと腰を押し進められれば、狭い膣口はあっさりと異物を受け入れた。

 処女膜を突き破られる痛みに顔をしかめる。だがすぐにそれは別の感覚にとって変わった。亀頭が子宮口を押し上げた瞬間、先ほどの何倍も強烈な快感に襲われたのだ。

「あ゛っ! あ゛あぁああぁぁっ!」

 全身を痙攣させながら絶叫するナディヤを見て、マリユスは小さく笑った。彼女の目には、美少年の姿が嗜虐願望の化身に見えた。

 この女を征服してやると宣告された気がした。実際その通りなのだろう。彼女はこれから徹底的に犯され尽くすことになるのだから。

 長大な肉棒が全て膣内に収まるまで時間はかからなかった。途中何度か休憩を挟んだものの、結局一度も抜かれることなく最奥まで到達してしまった。

「ふ~ようやく全部入ったね」

 結合部を眺めながら少年が呟く。その声色はどこか満足げでもあった。一方のナディヤはといえば、完全に脱力しきっていた。初めてのセックスだというのに痛みはほとんど感じない。むしろ圧倒的な快楽に翻弄されっぱなしで、頭がおかしくなりそうだ。今も挿入されているだけで軽く達してしまいそうになっている。

「動くよ」

 宣言とともに始まった抽送に、たちまち二度目の絶頂を迎えてしまう。一度目よりもずっと激しい波が押し寄せてくる。休まず動き続けるマリユスの責めに立て続けの三度目を予期して、ナディヤは懇願するように叫んだ。

「ま、待って!」

「なに?」

 これから本腰を入れて連続絶頂させるつもりだったのだろう。マリユスは少し苛立った様子で聞いた。

「お願い、ちょっと待って……少しだけでいいから休ませて……」

 こんな男にお願いなどしたくない。さっさと私を解放しろと噛みついてやりたい。だが自力で脱出不可能な以上は彼の慈悲にすがるしかない。みっともなくても、そうすることでしか正気を保てそうになかった。

 しかし、どうやらそれが裏目に出たようだ。嗜虐的な性格をしている皇子は、弱った獲物を前にして舌なめずりをした。

「――ダメだね」

 次の瞬間、剛直が深々と突き立てられる。ナディヤの口から濁った悲鳴が漏れた。身体を逆エビに折り曲げて大きく震わせる。

「あ……ああ……」

 虚ろな瞳で天井を見上げながら、うわ言のように意味のない音を吐き出すしかなかった。

 それからどれだけの時が流れたのだろうか?

 もう分からない。時間の経過を把握する余裕すらない。ただ与えられる暴力的なまでの快感に身を委ねる。

「あ゛っ、あ゛ぁ゛っ、あ゛あ゛っ」

「最初の威勢はどうしたのさ。もう完全に僕のチンポで翻弄される肉人形になってるよ」

 嘲るような口調にも言い返す気力がない。今できることと言えば、ひたすら喘ぎ続けることだけだ。そしてまた、何度目かも分からぬ絶頂が訪れた。頭の中が真っ白になり身体が硬直する。膣内が激しく収縮し、それによってさらに快感を得てしまう悪循環に陥った。

 もはやナディヤは意識を保つことさえ難しい状態なのに、マリユスは腰の動きを止めようとしない。それどころか一層激しく突き上げてくる。

 相手が弱ってるなら追撃。とことんまで堕とす。二度と自分に反抗的な態度を取れないよう理解らせる。性格が悪い皇族の皇子らしい行動原理だった。

「あはははっ! もうイキすぎて声も出ないみたいだね」

 少年の笑い声を聞きながら、ナディヤの意識は闇に溶けていった。

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