有坂総一郎 2024/02/03 20:00

「このはと」捜索連隊の装甲兵員車

■「このはと」捜索連隊の装甲兵員車

先日から少し検討している装甲戦闘車/装甲兵員車だけれど、少し方向性が見えてきた。

一〇〇式観測挺進車(九七式軽装甲車のファミリー)をベースとしたそれをでっち上げることで乗車定員8名(歩兵半個分隊+乗員)の考えている。

一〇〇式観測挺進車:諸元

全長4.00 m
全幅1.90 m
全高1.99 m
重量4.10 t
速度40 km/h
行動距離200 km
主砲無し
装甲6mm
エンジン空冷直列4気筒
ディーゼルエンジン
65 馬力/2300 rpm
乗員最大8名

史実が上記の性能であるが、全長を1m程度延長して、池貝一〇〇式空冷直列4気筒85馬力統制発動機に換装して、重量を概ね5-5.5t程度と見積もるとそこまで性能低下しないのではないだろうか。

恐らく、38-40km/h程度の速度性能を確保できると思う。発動機を日野一〇〇式空冷直列6気筒130馬力統制発動機に換装すれば余裕が更に出来るが、サイズの大型を招くから、そこまで求めるなら一式装甲兵車/一式半装軌装甲兵車で実現すれば良いだろう。

装甲も簡易装甲の6mmではなく、米独標準の12-15mm程度は欲しいけれど、そこまで求めると米独のハーフトラックが8-9t台(一式半装軌装甲兵車は6mm装甲で7t)であることから、一〇〇式観測挺進車「改」が6mmで5.5tとして12mmに増厚した場合6.5-7t台になってしまうだろう。

恐らくその場合、速度性能も低下して35km/h台に落ち込むことが見込まれる。これは追撃や電撃戦を考える用兵側にとって受け入れがたい問題ではないだろうか?

よって、車体延長・発動機換装のみとすべきかも知れない。

そして、最終的に一式装甲兵車/一式半装軌装甲兵車を発動機換装して12mm装甲で8t程度で登場させるという方向が適当ではないだろうかと考えた。

この場合、一〇〇式観測挺進車の種車である九八式装甲運搬車の積載/牽引能力を向上させることが出来る。

尤も原点である九七式軽装甲車についてはまだどういう扱いが適当か、判断に迷う点があるので一旦棚上げとする。不採用で九四式軽戦車(史実九八式軽戦車)を装甲車代用として配備するというのもあり得る話だからね。

九七式中戦車(甲及び乙)が作中に登場しているから玉突き転出という格好も十分あり得るわけだしね。そうした方が戦力的に考えるとプラスになる。尤も予算的には結構きついかも知れない。

まぁ、直接戦争状態にないとは言っても、ソ連と事を構えているから史実の支那事変臨時予算と同じで通常予算とは別枠で予算計上があるとすれば、問題は解決するのだが。実際、チニが不採用になったのも予算増で我慢する必要がなくなったからでもあるし。

そうすると、捜索連隊用に生産しようとしていた軽装甲車の予算を兵員輸送車に転換して改設計の後に量産化、ついでに機械化が進展する経緯で装甲運搬車の需要増のために、同様に量産体制構築という方向も考えられるか。

であるならば、試製装軌自動貨車TC、試製装軌自動貨車TE、試製装甲兵車TG、試製九八式装軌自動貨車と試作開発を続けていた史実の経緯も考えて、満足な性能ではないけれど、とりあえず兵員輸送可能な車両も出来たことだし、それを当面生産して、その運用結果を本命である装甲兵車に反映させるという流れで一式装甲兵車/一式半装軌装甲兵車の開発につなげることが出来そうだ。

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