セクショナリズムは続くよどこまでも
この身は露と消えても……とある転生者たちの戦争準備《ノスタルジー》
さて、30年代前半はフランスほどの戦車先進国はなかった。
ドイツはⅡ号戦車、イギリスはまだまともなのがない、ソ連はBT、日本は九五式軽戦車と35年頃はどこも豆戦車や欧州大戦型のあたりくらいしかなかった頃だが、そんな中でもフランスは一歩進んでいた。
問題は量産が出来ないというところだが、まぁ、それでもドイツの悲惨な状態に比べれば大分マシだ。
戦車大国ドイツもⅣ号戦車が量産の軌道に乗ってからのことだし、今はまだ見る影もない。むしろ、39年の開戦時ですらフランスの戦車の総数に負けているはず。
まぁ、そんなフランスだが、ここもまたセクショナリズムという名の縄張り争いは無関係ではない。
特に騎兵科という存在は旧時代においては花形とも言える存在だったが、それが欧州大戦では役立たずに陥った。
だが、過日の栄光は未だに残っていて欧州だけでなく日米ですら騎兵科は廃止などになっていない。それどころか、騎兵科が装甲車両化により血路を開かんとしていた。
当然、フランスでもその動きは変わらない。
そうなれば、彼らは自分たちで作り始めた騎兵戦車に期待を掛けるのは当然のことである。そして、日ソにおける小規模ではあっても戦車を用いた戦訓がもたらされるとそれを自分たちの騎兵戦車開発と編制に組み込むのは自然なことだろう。
というわけで、史実よりもちょっとだけ戦車戦という戦訓が早くもたらされたことでフランスの戦車開発は史実と異なる方向へと歩みを進めていくことになるのであった。
と、明日更新の物語のネタバレをしてみる。