有坂総一郎 2023/05/13 07:00

ベルトリンク

ベルトリンク

史実の二次大戦において英米は機関銃用に布製ベルトリンクを使っていた、そしてドイツは金属製ベルトリンクを使っていたという。

日本もベルトリンクを航空機用機関銃には積極的に採用しているが、その形状を見比べるとM13リンクと三式十三粍固定機銃で用いられているベルトリンクはぱっと見で同じ構造をしているように見える。

■M13リンク
https://en.wikipedia.org/wiki/M13_link#/media/File:MG3_Zerfallgurt.jpg
■M27リンク
https://shinchanfareast.militaryblog.jp/e953194.html

■三式十三粍固定機銃
https://ja.wikipedia.org/wiki/三式十三粍固定機銃#/media/ファイル:三式13.2mm機銃.jpg

空中投棄していたのか、使用済みを薬莢とともに翼内で保管していたのかそれは正直わからないのだが。

■九九式20mm2号4型機銃
http://cb1100f.b10.coreserver.jp/collection2_z_10.html

これを見る限り、それほど構造は変わらないといえるだろうか。なんというか、キャタピラの接続と同じ理屈なんだよなぁと。

■MG34用ベルトリンク
http://steiner.web.fc2.com/uni/w/a003/a42/a-042.html

スケッチブックや一部のノートと同じでスプリング状の接続具でつなぎ止めている。

構造自体は非常に簡便なものであることがわかるが、これって大日本帝国という国家と産業にとってハードルが低いとは思えないのだよね。何故かと言えば、同じ精度、硬度である必要があることを意味している。

ボールベアリング一つ、場合によってはプレーンベアリング一つで苦労していた国情を考えるとこの水準の代物を寸分違わず大量に用意するというのは容易なことではないと思えてならない。実際、当のドイツでも変形などで装弾府領になったこともある様だ。

そういう意味ではM13/27リンクみたいな形状であれば、プレス加工的なそれでまだなんとかなりそうな気がする。

仮に採用するとしたらM13/27リンクと同じ構造の方が量産向きであると思う。ただし、7,7mmと12,7mmや20mmではサイズが全然違うから大口径ほど製造難易度は低くなると思う。

そう考えるとやはり重機関銃や軽機関銃にドイツ式のベルトリンクを採用するのは非常に困難であり、同様にM13/27リンクの様な構造でも開発しない限りは重機関銃や軽機関銃に活用するのは適当とは言えないと断言出来る。

■ブローニング用布製ベルトリンク
http://regimentals.jugem.jp/?eid=3451

また、布製ベルトリンクだが、これも欠陥がある。水濡れに弱いと言うことだ。帝国陸海軍の様な戦術を採用する軍隊にこんなモノを適用したらそれこそ使い物にならなくなるだけだと言えるだろう。また保弾性は一番弱い。

しかし、生産の容易さと繊維産業の発展具合から採用難易度は一番低いのかも知れない。

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