禍津神ROSS 2021/10/11 20:37

擬人化競走馬の紹介その5「ナシダー」


こんにちは。本日も擬人化した競走馬を紹介していきます。

関係性


アマルガムウェーブ。弟。女癖が悪いのでいつも注意している。


クラウンゲッター。息子。溺愛しておりいっつも気にしている。


ストリークイーン。同期。弱気の自分を見せられる唯一の相手。
ストリーと会話する時は敬語を使わず素で話している。
プライベートの時も一緒に買い物に連れて行っている。


リターンアナト。先輩。尊敬すべき先輩。リターン先輩のような女性に
なりたいと目標にしている。


ドゲザ。先輩。よく世話を焼いてくれる。
父親のような目線で話してくるのがあんまり好きじゃない。


エルフィンアナト。先輩。3年間勝てなかった原因の一人。
苦手意識が強い。あと向こうが適当人間なので性格的に合わない。


リミットレスアナト。後輩。現役中ずっと一緒にいた練習相手。
同じレースにも何度も出走している。
手の掛かる後輩…というより完全にママになっている。


リヴァーアナト。後輩。アホの子なので何かやらかさないか見張っている。
やらかす度に叱っているが、その様子は完全にロリママ。


レインボームーン。後輩。同じくらいの身長なので弟扱いしている。

幼駒時代

評価額は1億200万円。
父アリダーは三冠馬アファームドの常に2着であった善戦マン。
母メタリックウェーブはリターンアナトの同期でGⅢファルコンSを
勝利した重賞馬である。
評価としてはかなり高く、ストリークイーンとの2枚看板であった。



2歳時

1990年8月にデビューし問題なく勝利。
ちなみにナシダー産まれた時から白く、デビュー時からテレビ映えしており、
デビュー戦から固定ファンが付く事となった。

2戦目にGⅢサウジアラビアロイヤルCに出走するも8着。
1勝クラスから着実に、という事で秋明菊賞に出るも3着。
評価と比べて成果が挙がっていないが、体質の弱さが影響して
コンディションを調整が難しいのが影響していた。
このコンディション問題は引退まで引きずる事となる。



3歳時

休養を経て1月の白梅賞に出るが2着と敗戦。
しかし次の若菜賞にて勝利しオープン入りする。
桜花賞への出走権を得る為に前哨戦のフィリーズレビューに出走。
今回は調子も良く勝利を収め、桜花賞への優先出走権を獲得する。
当日は3番人気。1番人気は阪神JFを勝利したファーストアナト産駒の
アナトユタカヒメ。
好位置で競馬を進めるナシダーは最後の直線で大外から進出していくが
前を走るイソノルーブルに追いつく事ができない。残り50mでさらに加速を
するが…届かず2着となった。
しかしその伸び具合から「これはオークスは分からなくなった」と競馬ファン
から高評価を受ける事となる。

迎えたオークス。なんと1番人気に選ばれた。
前回の反省を活かして先頭で競馬する事を選んだナシダー。
その作戦が功を奏し、最後の直線でイソノルーブルに並ばれるが
スタミナ勝負に持ち込んだ事で進出するのに体力を消耗したイソノルーブルは
脱落していき…ナシダーが1着でゴールし、初GⅠ勝利を獲得した。

体調を崩した事もあり夏を全休して秋はローズSから始動。
イソノルーブルと再び対決となったが、オークスと同じ展開で勝利。
秋華賞最有力候補となったナシダー。当日は当然の1番人気。
新勢力としてトロピカルホークが来ていたが…特に問題は無く勝利。
牝馬二冠を達成し、今後の牝馬戦線の主役になる…と誰もが思っていた。

ここから、ナシダーの長い苦闘の日々が始まるのであった…

古馬への殴り込み初戦は牝馬限定戦のエリザベス女王杯。
1番人気は短距離戦でダイイチルビーと激戦を繰り広げたエルフィンアナト。
ナシダーは2番人気。3番人気はまだGⅠ勝ち無しのレインボーダンサー。


他にはイソノルーブル、メジロモントレー、イクノディクタスなどの
有力牝馬が参戦。
結果はレインボーダンサー編で語ったがダンサー勝利しGⅠ初勝利を挙げた。
ナシダーは…8着であった。
疲労が出たのだろうと放牧させつつ年末のGⅡ阪神カップに出走。
しかし6着となり…陣営は表現できない不安感に苛まれる事となる。

4歳時

92年となりGⅡの京都記念は勝利し、昨年の不安は杞憂かと思われた。
しかしGⅠ高松宮記念は5着となり古馬の壁を実感する事に。
牝馬限定戦ならばとヴィクトリアマイルに出走するも、エルフィンアナトに
負け2着となる。
宝塚記念では直線で先頭になるもダンサーの驚異の粘りに負けて2着。
夏の間にGⅢ中京記念とGⅢ京成杯オータムHは勝利。
天皇賞の前哨戦毎日王冠ではGⅠ馬ヤマニンゼファーの2着。
本番天皇賞(秋)は怪我から復帰したトウカイテイオーの5着と敗戦。
エリザベス女王杯はレインボーダンサーが連覇する中、4着。
GⅡGⅢは勝利できるもののGⅠは勝てず、92年を終える事となる。



5歳時

93年。全弟アマルガムウェーブがデビューした年、日経新春杯を勝利。
京都記念を連覇して、GⅠ高松宮記念に出走。
が、短距離最強馬サクラバクシンオー出走で勝ち目は無くなった。
サクラバクシンオー、1200mG1で2着に9馬身差をつけて勝利。
これにより「バクシンオー現役中は短距離絶対勝てない」と分からせられる
羽目になってしまう。

ヴィクトリアマイルは昨年と同じくエルフィンアナトが1番人気。
しかし勝ったのはニシノフラワー。ナシダーは2着であった。
安田記念もニシノフラワーが勝ち、ナシダーはの3着となる。
宝塚記念は3年連続天皇賞(春)を勝利したメジロマックイーンの6着。
夏の小倉記念は2着になるも新潟記念は勝利。
バクシンオーから逃げて牝馬限定戦の府中牝馬Sに出走し勝利。

ここで陣営は次走をどうすべきか悩む事となる。
短距離にはサクラバクシンオー。
マイル・中距離にはヤマニンゼファー。
それ以上ならトウカイテイオーとメジロマックイーン。
牝馬限定戦にはエルフィンアナト。
各方面に有力馬がいて、ナシダーが勝てるGⅠレースが無い状況であった。
それもあり、引退すべきという意見も出始める。
二冠牝馬。実力は申し分無い。早いうちに繁殖入りさせて次代に繋ぐべきだ。
オーナーはそれらを無視して、海外遠征を決定する。

いきなり単独遠征は難しいので帯同馬…付き添いとしてエルフィンアナトを
連れてアメリカの牝馬限定GⅠメートリアークSに出走。
雨の中、海外慣れしているエルフィンが勝利。ナシダーは4着となった。



6歳時

そのまま海外遠征を続けるナシダーだが、成績は振るわない。
フランクEキルローSで8着。メーカーズ46マークマイルSで4着。
ジャストアゲームSで6着。
イギリスGⅠファルマスSで3着。フランスGⅠジャンロマネ賞で2着。
ヴェルメイユ賞で3着。
好走はしているが勝利はできず。けどちょっとずつだが変化が見られていた。

この年からリターンアナトの初年度産駒リミットレスアナトが3歳となり、
クラシックに挑んでいたが、リミットレスには馬を怖がる弱点があった。
素質は高いリミットレスをどうにかすべく練習相手に選ばれたのがナシダー
である。
年初めから遠征してない時はリミットレスと共にトレーニングをして恐怖症を
改善していった。ナシダーが選ばれた理由としてナシダーがとても大人しく、
他馬と喧嘩しないという点と、ポテンシャルが非常に高いリミットレスと練習
してGⅠに通用できるようにするという目的があった。

遠征と調教、体調管理を徹底しながら勝利を狙うナシダーと陣営。
彼等にとってGⅠ3勝目は単純な執念すら超えて、逆襲とも言える領域に
突入していた。
その苦闘の様子は競馬雑誌だけでなく、スポーツ新聞…果てはニュースの
ワンシーンとして取り上げられるようになる。
その背景には全弟アマルガムウェーブの存在がある。
この年、アマルガムウェーブは海外GⅠで初勝利を挙げ、ジャパンカップで
空前絶後の世界レコードを叩き出しており、日本競馬の中心にいた。
その姉は二冠牝馬で、しかし勝利を求めてガムシャラに頑張っている。
2頭とも真っ白な葦毛というのもあり非常にテレビ映えしており、加えて
リミットレスの相手として甲斐甲斐しく世話を焼いている様子も放送され、
苦労人+お姉ちゃんキャラとしてナシダーが世間の人気を集めていく事に。

遠征から戻ったナシダーはマイルCSに出走。なんと1番人気となった。
2番人気がリミットレスアナトと、テレビ人気が反映された内容であった。
好スタートで前に出てしまったリミットレスは終始ノーブルピットに絡まれて
苦しい状況になってしまう。
だがナシダーが中間地点から先頭に立ち、リミットレスの視界に入ると…
リミットレスがスッと落ち着きを見せる。
練習通りにナシダーを追いかけたリミットレスは最終コーナーを曲がって
先頭に立ち――追撃するトロットサンダーを抑え込んで見事に勝利した。
ナシダーは7着と敗北してしまう。
ゴール後、リミットレスがナシダーに歩み寄っていつものように甘える
仕草をしているのがテレビで放送され、「百合」だとさらに話題となる。
その所為か、以後の日本でのレースはほとんど1番人気に選ばれる事となる。



7歳時

95年はGⅢ京都金杯から始動。1番人気に答えて勝利すると、なんと中1週
で日経新春杯に出走する。普段は間を開けて体調管理に努めていたのだが、
リミットレスと行動を共にするようになって体調が上向きになる事が増えて
いったので、試しに走らせる事に。百合は健康に効くという事か。
しかしここは2着となり、過信はできないという結論に至る。

そしてGⅠ高松宮記念へ。サクラバクシンオーは引退した事で1番人気に。
強敵はエーピージェットとウマ娘になっているビコーペガサスくらい。
さらにエイシンワシントンが大逃げした事でペースはグシャグシャに。
ナシダーは元々逃げ傾向の先行馬なので問題なく好位置を確保。
エイシンワシントンを躱し、追撃する後続を寄せ付ける事無く…

ナシダー、3年5ヶ月ぶりのGⅠ勝利

翌日の新聞とテレビを賑やかす事となった。
その翌週に大阪杯をリミットレスアナトが勝利した事で、2頭の人気は
社会現象にまで上がっていく。その背景には二冠馬ナリタブライアンや
ブライアンの三冠を阻んだサクラローレル、全弟アマルガムウェーブの
存在もあった。
第三次競馬ブームと呼べるまで社会で競馬熱が高まっていく事となった。

続いてはヴィクトリアマイル。GⅠ勝利とライバルエルフィンアナトの
引退もあり1番人気に選ばれる。2番人気はファーストアナト産駒で皐月賞を
勝利したアナトペガーソス。3番人気はホクトベガ。
だが直前で体調を悪くしたのと、5番人気ノーブルアクトレスの激走により
4着と敗戦。
安田記念にも出走するが前走から体調が戻っていないのが取材でバレており、
また鞍上が外国からの参戦馬に騎乗する事となり4番人気となる。
それでもこのレースは注目を集める事となる。
ナシダーとリミットレスに加え、弟アマルガムウェーブが参戦。
さらにマイル戦に強いトロットサンダーもおり、四天王を形成していたから
である。
ここを制したのはアマルガムウェーブ。
リミットレス2着、ナシダーは5着であった。

宝塚記念はリミットレスに任せて海外遠征へ。
アメリカのロートシルト賞に出走し8着。海外適性は低いのか…と思われた。
アイルランド牝馬限定GⅠメイトロンSに出走。2番人気となる。
レースは終始ナシダーが先頭のまま進んでいき、最後の直線でさらに加速して
後続を引き離し…見事に完勝してみせた。

帰国したナシダーは春秋スプリント制覇を目指してスプリンターズSへ。
前回とさほど変わらない面子というのもあり1番人気に。
レース内容もエイシンワシントンの大逃げとなり高松宮記念と同じ展開に。
となれば結果も同じであった。直線で抜けるとそのままゴール。1着となる。
3年以上の敗北からの春秋スプリント制覇に皆が大声援でナシダーを讃えた。

続くマイルCS。1番人気ナシダー、2番人気リミットレスアナトという鉄板。
ただリミットレスは前走が先週のエリザベス女王杯と連闘参戦である。
昨年と同じように先頭走るナシダー。しかし今回リミットレスは後方待機。
またリミットレスの末脚を警戒した他陣営がリミットレスを徹底マーク。
その所為でナシダーが単独先頭となりそのまま直線へ――
カメラが全体を映すカメラに切り替えた瞬間、最終コーナー途中で囲まれて
後方にいたはずのリミットレスがナシダーの真後ろにいた。
いつもの練習と同じようにスッとナシダーの真横に付けると先頭に立ち、
リミットレスアナトが勝利した。ナシダーは2着となった。
なおナシダーと3着との差が4馬身あり、
「囲まれて怖い思いをしたリミットレスがナシダーに泣きつきに行った」
なんて茶化される事となる。

思ったより体調面が良かった影響で香港GⅠ香港マイルに出走。
ここでも1番人気となるが、アイルランドから参戦したパーシャンアローとの
叩き合いに負けて2着となる。
さらに、レース後に体調を大きく崩したのもあり、長期休養をせざるを得なく
なってしまった。



8歳時

1ヶ月の休養後、3月にオーストラリアのGⅠフューチュリティSへ出走。
ここは余裕の勝利…と思ったら一瞬の隙を突いてオートサイクロンに敗北。
3戦連続2着と勝ちきれない展開となってしまう。

連覇のかかった高松宮記念はいつもの1番人気。
そしていつものエイシンワシントンの大逃げ…しかし今回はナシダーを
フラワーパークが徹底的にマークしており、エイシンワシントンを躱した
直後にフラワーパークに躱され…2着となった。
なお翌週の大阪杯でリミットレスもサクラローレルの2着となり、
リミットレスアナト×ナシダー界隈が全盛期を迎える事となる。

続いてはヴィクトリアマイル。いつもの1番人気…ではなく2番人気。
1番人気はリミットレスアナトであった。やはり百合か…
さらにアメリカGⅠを制したオークス馬リヴァーアナトも参戦。
今回もナシダーが先頭。リミットレスは前が塞がれて進路無し。
外から伸びてくるリヴァーアナト。しかし苦しそうで勢いが上がらない。
―と思っていたらリミットレスが馬群を掻き分けて、ナシダーへと迫る。
いつも通りにナシダーの真横を抜けて…リミットレス4馬身差で勝利。
ナシダーは3着、2着はリヴァーアナトであった。
リミットレス×ナシダー界隈にリヴァーアナト勢力が加わり…新たな百合だと
界隈が拡張されていくのであった。

再び海外へ。夏に遠征が定番化しているが、日本の夏は熱くて体調管理が
難しいので、欧州に涼みに行っていると言ってもいい。
8月のアイルランドの記憶は20℃以下が多く、熱くても25℃くらいなので。
その前にアメリカでジャストアゲームSに出走し、6着となっている。
本命のプリティポリーSは1番人気。まあいつもの事である。
ただ違っていたのは展開で、先頭を奪われて複数馬からマークされてしまう。
いつもの競馬ができないナシダーは前を行くマティアラを躱すも伸びない。
このまま敗北か――と思った直後、後方から物凄い勢いで上がってくる馬が
いた。しかも進路上にナシダーがいた。避けようにも左右に馬がいて
前にしか行けない。
それに気づいたナシダー。回避の為に加速して…そのまま1着でゴールした。

※ゲーム中だと本当に激突しており、そのお陰で押し出されて勝利している。
 通称「ケツアタ(ケツアタック)」
※体型を気にしているナシダーはお尻が大きいんじゃないかと思っているが、
 その原因がこのケツアタである。

あとこれが禍津神牧場のGⅠ通算100勝目である。

ケツアタの所為で、その後調子を崩し始めたナシダー。
アイルランドGⅠメイトロンSは3着。
オーストラリアGⅠジ・エベレストは6着。
帰国したエリザベス女王杯は3着。マイルCSは2着。
香港マイルは4着となった。
有馬記念人気投票で4位となり、しかし戻らない体調もあり回避するかと
考えたが、これまで応援してくれたファンの為にもと初めて有馬記念に
出走する事に。
有馬記念当日。なんと、1番人気に選ばれた。
リミットレスアナトは3番人気。リヴァーアナトは5番人気であった。
近走5戦負けているのに1番人気となったのが、人気の現れと言えるだろう。
その期待に応えるように先頭を走るナシダー。しかし最後の直線で力尽き…
11着となり、引退となった。





7年間の栄光と苦悩、激闘を終えた事で気が緩んで、涙を見せるナシダー。
そんなナシダーにつられてグシャグシャな顔で泣き出すリミットレスアナト。
そんな二人を見て、自分も引退だと思い出して泣き始めるリヴァーアナト。

その三人を一瞥し、その場を去っていくサクラローレル。
体質の弱さ、致命傷と診断された骨折を乗り越えての栄光に、つい笑みが
零れてしまう。




「あの野郎…笑いやがった…先輩達の事…あんなに頑張った先輩の事を!」
「絶対許さねぇ…!倒す――首洗って待ってろ、サクラローレル!!!」

このレースが、1頭の怪物を覚醒させてしまった事を、まだ誰も知らない…



産駒(擬人化)

クラウンゲッター





といった感じで今回の紹介は以上になります。
次回をお楽しみに!

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