投稿記事

2022年 10月の記事 (10)

ダラナ 2022/10/18 15:53

BL短編集「俺にはもう おまえしかいない」試し読み


電子書籍のサンプル↑



【俺にはもうおまえしかいない】



「彼女ほしー」

学食の貧乏学生の味方、安くボリューム満点のきつねうどんを前にしながらも、食がすすまず、箸で厚揚げをつまみ、ため息をついた。

顔をあげても、狐の耳をつけた美女はいなく、いや、でも、顔立ちの端正さは劣らないイケメンが、コロッケを頬張っている。

咀嚼するイケメンは応じず、隣の奴が「また、フられたのか」と呆れたのに「『また』じゃない!大体、いつも告白すらできない!」と我ながら虚しくなるような、反論をする。

中学で思春期に差しかかってから、大学三年に至るまで、恋人ができたことがない、我は童貞。

ふつーに女子に関心があるし、ふつーに欲情をするし、その上で、節度を持って接するから「話しやすい」「おもしろい」と親しまれているはずが、先もぼやいたように、告白の段階まで辿りつけたことがない。

相手と距離を縮め、親密になって「これはいける」と踏みだそうとすると、たいてい「気になる人がいて」と相談されたり「いい人ゲットできそう!」と自慢される。
まあ、そうして出鼻を挫かれ、すぐに諦める俺も俺なのだけど。

「にしたって、こう、立てつづけだとなあ」とまた、ため息をつき、厚揚げを噛もうとしたら「合コンで知り合った子か?」と聞かれた。

コロッケを飲みこんだイケメン、幼馴染のオサムに、だ。

「そーそー。
シャイな子だったから、ひそかに連絡交換して、じっくりゆっくり仲良くなっていこうとしたのにさあ。

昨日、急に『彼氏ができそうなんです。ごめんなさい』って連絡きて、それから、一切、応じてくれなくなったんだよー」

耳たこな失敗談を茶化さないで「そりゃ、ひどいな」と宥めてくれるオサムは、見た目がとびぬけてのイケメンなら、高校から彼女一筋という心もイケメン。

周りに彼女を紹介せず、幼馴染の俺にさえ、名も顔も教えてくれないあたり、かなりの秘密主義とはいえ、それはそれで「よほど彼女を大切にしているんだ」と女子の株を上げているとか。

モテるのを鼻にかけなければ、彼女の自慢をせず、惚気もしないし、他の女子になびいたり、浮気もしない。

と、女子だけでなく、ひねくれやすい童貞にも、ありがたい存在とあって「なんか、俺、呪われてんのかなあ」とつい愚痴ってしまう。

味噌汁をすすったオサムが口を開こうとして「おっはよー二人ともー」と挨拶が降ってきた。
ふり向いて見上げれば、これまた、目が覚めるようなイケメン。

「おはよお、じゃないよ。また寝坊か?」

「朝、弱いんだから、しかたないじゃない!
ていうか、あんたこそ、寝起きみたいに、顔色悪いわよ!」

口調からして、お分かりの通り、もう一人のイケメンにして幼馴染のヨイチは、オネエ。

小学校中学年から、この調子だけど、いや、あらためて聞いたことがないから、本当のところは分からない。
キャラなのか、女になりたいのか、恋愛対象はどっちなのか、どっちもなのか。
少なくとも、幼馴染トリオの間に恋愛沙汰を持ちこんだことはない。

ジェンダーが曖昧で、オサムと同じように秘密主義だけど、長いこと問題なく親しいまま。
個人的には、オネエキャラに助けられているところもある。




「いやいや、ファーストキスだから!しかも、いきなりエロいやつって!」とツッコみたいところ、舌がもみくちゃにされて、もごもごと言葉にならず。

息つかせないよう、口づけしつつ、指で耳の縁をなぞったり、顔の輪郭を撫でたりと、上級テクニックを施されては、二十二年彼女なしの童貞が抗えるわけがない。

早々、白旗をふって、されるがまま「ふあ、あ、んあ・・・」と、すっかり乙女気分にうっとりとする。

酒と傷心で、やけにもなっているのだろう。
「初めてで失敗するより、上級者に実践で習うほうがいいかも」といっそ割りきって、粘着質に舌が絡んでくるのを受けいれつつ「にしても、がっつくなあ」と薄目に見やった。

泣きそうなのを、耐えるように目を瞑り、遮二無二、口に吸いつくさまを見て、また胸をきゅんとする。





【ショタの叔父にキスされたんだが】



俺が二十歳のときに、十歳の叔父がいるのを知った。
祖父の葬式のときにだ。

ちょうど十年前あたりから、さらに偏屈になった祖父が、親戚を寄せつけずにいたとはいえ、まさか隠し子を設けていたとは。

最期まで祖父が隠し通したものだから、親戚一同、実家にもどったところで、隠し子と初体面する羽目に。

隠し子、梢(こずえ)がいうには、物心がつく前に、亡くなった母親の記憶はなく、その名も素性も、祖父は教えてくれなかったらしい。

込みいった事情があるにしろ、自分のほうが先立つとなれば、後先のことを考え、情報開示の準備をしておくべきところ、あの偏屈爺、遺言書どころか、梢や母親について知れる手がかりを一切、残さず。

そりゃあ、降って湧いたような謎だらけの隠し子の扱いに、親戚は頭を悩ませたけど、天下一品に能天気な親が「私たち、男の子、もう一人、欲しかったのよね!」「夢は諦めるもんじゃないな!母さん!」とはしゃいだことで、場を白けさせつつも、万事解決。

で、俺にとって、十歳下の叔父ながら、弟のような存在ができたわけだ。

ここ十年くらい、親戚一同とは没交渉で、世捨て人のように暮らしていた祖父だけど、梢には抜かりなく、教育や躾をしたらしい。

幼稚園や学校に通っていなかったというも、年並みに体の成長を遂げつつ、社会的知識、勉学の知識、コミュニケーション能力、運動能力を備えていた。

とはいえ、祖父と引きこもりがちだったようなので、礼儀正しい、いい子ちゃんながらも、人に接する態度は堅苦しかった。

会ったばかりの親戚の家に住むとなれば、肩身の狭い思いもしてだろう、中々、打ちとけられず、敬語を使うのもやめられずに。

ただ、他人行儀にされるのを寂しがった親を尻目に、はじめから、俺は懐かれていた。
というか、ずけずけとタメ口を叩かれたもので。

「鉄治」と呼び捨て上等に「おっさんくさい」を口癖に、ダメだしをされてばかり。

小ざかしく、いちいち的を射た指摘をするのに「なんだよー、んなこと、いうなよー」と悔しがって、ふてくされたものを「年上の口の利きかたがなっていない」と注意したり、叱ったりはしなかった。

ふだんから、いじられやすく、後輩に子馬鹿されるのも日常茶飯事で、慣れっこだったし、えげつない先輩に比べれば、十歳児の生意気さなんて、愛らしいものだったし。

それに、二人きりのときだけ「鉄治」「鉄治」と憎たらしい口調ながら、しきりに呼ぶのが、甘えているようで、満更でもなかったし。



了承をしないうちに、胸倉をつかんで起され、抱きしめられた。
上から顔を寄せて、上唇を舐め、開いた隙間から舌をねじこむ。

まだアルコールが抜けない体は無気力だし、思春期を含めた七年を、取りもどすような勢いで求められては、逃げようがなかった。

俺だって、かなりのご無沙汰だったから、口内の粘着質な生温かさに快くなって、もっともっとと、舌を差しだしてしまう。

思えば、キスをしたのは、そう、ちょうど十年ぶり。
大学に入ると同時に彼女ができたものの、梢を引き取った直後に別れた。
それからは、梢にかまけていたこともあり、縁がなく、大学卒業後は仕事に追われて、暇がなく。

「あれ?どうして彼女と別れたんだっけ?」とほんの余所見に考えたら、背骨をなぞるように、指で撫でられた。

「は、あ・・・!」と肩を跳ね、甲高く鳴くも、すぐに唇で覆われ、息つかせず、ぐちゃぐちゃと口内を荒らされる。






【愛を知らない彼は俺を貪る】



「あらあ、もう、相原くんがくるころなのねえ」

「献血カード」を差しだしたのに、受け付けのおばさんが、にこやかに受けとる。

おばさんの言葉から、お分かりの通り、僕は、この献血センターの常連だ。
決められた期間を空けて、水曜日にセンターに通うのを、ここ一年、つづけている。

「高校生なのに、ほんと偉いわあ。
今、ちょうど、桜川くんの手が空いているから、すぐに、できるわよ」

誉めてくれたのを笑って流してから、指定された番号の診療チェアーへと向かう。

「やあ、相場くん、久しぶり」と迎えてくれた若い男は「って感じがしないな」と軽口を叩くあたり、受け付けのおばさん以上に、常連の僕とは気心が知れていた。

というのも、桜川さんは、僕専属に血を抜いてくれる人だからだ。
本来は「この人に血を抜いてもらいたい」なんて指定はできないけど、僕の場合は訳があって。

血管に針を刺しにくい腕をしているので「どんな腕だろうと刺せない針はない」と定評の桜川さんしか、対応ができなという。

「どうしても桜川さんじゃなきゃ、やだ!」と駄々をこねたわけではないものを、物腰柔らかく、人当たりがいい桜川さんが専属になったのは、棚から牡丹餅だった。

なにせ、血が抜かれるとき、体が芯まで冷えて、目が回るものだから。
堪らず「一人でいると耐えられない」と訴えたのを、聞き入れてくれたのは、お人好しな桜川さんだからこそ、だろう。

もう一年以上、献血しているとはいえ、いまだ肩を震わせ眩暈を起こす僕に、つきっきりで手を握りながら語りかけ、気を紛らわしてくれている。
語るのは主には仕事こと。

献血センターのあれこれをはじめ、本業の看護師として勤める(週一で献血センターに派遣されるという)病院での珍事件、珍患者などを、面白おかしく聞かせるものだから、眩暈より、噴きだすのを堪えるほうが、困ったり。

看護師の仕事内容自体、興味深かったし、今や、献血だけでなく、桜川さんとのおしゃべりを目的に、センターに通っている節があるほどだ。

今日の語りは、献血センターにまつわる怪談のようなもので、夜遅く、忘れ物をとりに戻ったところ、輩っぽい人を見かけたのだとか。




頬から手を滑らせ、うなじを掴んで、引き寄せた。
僕の肩に顔を埋めさせたなら、耳元に頬ずりするようにして囁いて。

「新鮮なまま飲まないと」

耳たぶを唇で食むと、顔をぶるりとしたものを、突き放したり、上体を退けることなく、僕の首に噛みついてきた。

勢いよく歯が食いこんだのに「ぐうっ!」と呻きつつ、むしろ、うなじを掴む手の力をこめる。

吸血鬼であるまいし、ましてや、桜川さんに犬歯や八重歯はないのだろう。
いくら齧っても、肌は裂けることなく、苛ただしそうに、歯で挟んで引っぱったりしている。

案外、痛くはない。
いや、桜川さんが僕の血を欲してやまずに、もたらす痛みなら快くて「ふ、あ・・・」と熱く吐息し、うなじに爪を立てる。





【血濡れた少年は嘲笑う】



俺の通うスイミングスクールには、人魚姫がいる。

もちろん、仇名だけど、相手は中学生男子だ。

そう称されるだけ、スクールで一番の成績を誇りつつ、容姿端麗。
しかも、白人と日本人のハーフで、某世界的アニメの彼女のように、赤毛で青みがかった、ぱっちり、お目目をしている。

白人特有の、透きとおった肌色をしながら、日本人らしい、きめ細かい肌質も兼ね備え、おまけに乳首はピンク。
まだ本格的な成長期に突入していないようで、同年の女子より背が低く、そう筋肉質でないとあり、スイミングスクールで上半身裸なのは当たり前でも、どこか目のやり場が困ってしまう。

長い睫毛を伏せて、流し目をしようものなら、お年ごろな男子は、くらっときそうなところ。
が、スクールの、むしろ男子のほうが、警戒をしていた。魔性の人魚姫の疑いがあるからだ。

一年前のこと。時代錯誤に精神論を至上とするコーチがいた。

「努力すれば報われる!」「諦めないことが第一だ!」と猪○節に励ますばかりで、経験や専門的知識を生かしての指導をせず、まあ、暴力や暴言をしないから、そう害でもなく。
生徒が白けようと、かまわず「元気があれば、なんでもできる!」と高笑いをするのが、どこか憎めなかったし、大会などで、お通夜な空気になっても、おかまいなしなあたり、助けられることもあって、なんだかんだ生徒は慕っていた。

が、ある日、突如、スクールをクビになってしまい。
なんでも、人魚姫にいかがわしい行為をしたのが発覚したとかで。

「人は見かけによらないな」と一言で、とても片付けられないほど、生徒らはぴんとこなかった。

頭を撫でたり、肩に手を置いたり、背中を叩いたり、生徒に触ることはあっても、ほぼ一瞬で、逆にべたべたするほうでなかったし。
なにより、人魚姫のことが眼中になさそうだったし。
スポ根漫画のキャラのようなコーチと、リアル少女漫画の人魚姫との相性は、見た目通りによくなかった。

というか、あの博愛主義なコーチにして、人魚姫を疎んじていた節がある。
曰く「お前は心から、水泳を愛していない」と。

百歩譲って「純粋な水泳馬鹿に見えたコーチにも裏の顔があったのだろう」と飲み込んだとして、それでも、どうしても拭えない疑問がある。

騒動発覚後も、一日も休まず、人魚姫がスクールに通いつづけたこと。

こういう場合、好奇の目を向けられ、変に気遣われるから、被害者であっても、なんとなく疚しく、居たたまれなくなるもの。
はずが、コーチがクビなったのを知らされた直後も、なにくわぬ顔をして、心なし、口角が上がっているように見えた人魚姫。

自分の美貌と華麗な泳ぎに魅了されない、とくに男が許せない。
そう思っているのではないか。

突然のコーチ解任騒動で、そんな印象を持ったスクールの男子らは肝っ玉を冷やし、コーチの二の舞になるまいと、人魚姫の機嫌を損ねないよう、日々、注意を払っている。

距離を置きすぎず近づきすぎず、顔色を窺って揉み手を欠かさない。

で、まさに「姫」のように彼は、中学生グループに君臨をした。
コーチも口ごたえできない、独裁的な空気だったのが、新たなコーチがきてから、風向きが変わって。

新たに就いたコーチは、人魚姫が恋する王子うってつけの、脳天からつま先まで清涼感溢れる若いイケメン。

精神論至上主義とは真逆に、大学院で研究をしていたとあって、インテリらしいアプローチをした。

やや理屈っぽいとはいえ、的確で分かりやすい指導をしてくれるし、親しみやすくもあり、人懐こい笑みで、男子らもきゅんとさせている。

見た目も性格も満点の新コーチは、気高い精神もしており、できるだけ、公平平等に生徒を扱った。
そう、人魚姫がぶりっ子をしても、鼻の下を伸ばすことはない。

ショタコンホイホイに引っかからず、独裁的な空気も読まないコーチは、さらに異例なことに、俺に目をつけた。

しかも、練習が終わって「先生、僕、分からないことがあってえ」と腕を組んできた人魚姫を「悪い、今度な」と退けて、だ。




水着にトレーナーを羽織った格好で、胸と腰、太もも、手を後ろに、足を前に縄でくくられている。

身動きがとれないながら「やめてくれ!」「なにを怒っているんだ!?」と滝のように汗を滴らせるコーチを、頭の先から足のつま先まで写してから、「コーチは俺に指導をしたでしょ?」と喚く口に手を当てた。

「もっと指先まで神経を使って、一つ一つの動作を丁寧にしろって。

なに?
人魚姫という、あだ名のくせに繊細じゃなくて、みっともなく泳ぐ、がさつな奴って、ディスっているわけ?」

「そんなこと・・・!」と声高に返そうとして、口から滑らせた手で、首を絞められ、息を飲む。

さほど力は込められてなさそうとはいえ、対面する人魚姫がどんな顔をしているものやら。

顔を青白くし、震えるばかりで、口を利かなくなったのを、笑ってか、画面が揺れる。
しばし首を撫で、つっと滑らせ、鎖骨、肩、脇へと、指を伝っていった。

なるほど、見惚れるほど、繊細でしなかや、躍るように肌を這う優美な指使い。
と、前にした指導を前言撤回したいところ、涙目で頬を上気させる新コーチは、胸を揉まれて、唇を噛んだ。

顔を振って、涙を散らし「う、ぐう」と呻く。

「ほら、身を持って、俺が人魚姫の名にふさわしいかどうか、判断してよ」

尖った爪で乳首を引っかかれて「は、あ、う、ん・・!」と口の隙間から、濡れた息と涎を漏らし、顔の赤みを首まで広めていく。

ちょうど縄に引っかかるものだから、身悶えるにつれ、いじっていないほうも、乳首を腫れさせ、そのうち腰を揺らしだした。
気づいて、画面が下を向き、閉じた足の間から、せり上がったのを写す。



DLsiteで電子書籍を販売中↓
https://www.dlsite.com/bl/work/=/product_id/RJ404625.html

ギフト券発行中!
先着一名様が無料で小説を。
「送信する」ボタンを押すと、すぐに読めます↓
http://dlsite.jp/c7abgav/DWT1-I2Q5-MBBJ-2CB0

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

ダラナ 2022/10/17 21:00

BL短編集「おいしい少年をつくろうか」試し読み


電子書籍のサンプル↑




【おいしい少年をつくろうか】



妖しい色合いのネオンきらめく夜の街。

その路地裏にひっそりと店をかまえる「リトル・メン・ラブ」。
下のほうに小さく「さあ紳士たち、おいしい少年を召し上がれ」と書かれている。

ご察しの通り、小さい男、少年が男に接待をする店。

どストレートな、そういう趣味の人、やや方向性やタイプが異なる人、そうでもない人と、個性豊かな男どもが夜な夜な、足しげく通ってくるが「おにーちゃん、お帰り!」とマニュアル挨拶する間もなく「どうか、僕をおいしい少年にしてください!」と土下座されたのは初めて。

男だらけの職場で、女子に劣らない甲高い響きを耳にしたのも初めて。

しかも相手は少年にほど遠く、重量級プロレスラーのような体格に「ええ!ちょっと、やめてくださいよ!」と上げさせた顔つきは、殺気立つ熊のように獰猛。

ぽろぽろ涙をこぼしたところで、いかつい表情のままでいたから、尚のこと恐かったものを、床に正座して縮こまり、不憫な境遇を語ったもので。



「ああ、やあ、あん」とショタボイスが耳に快く、興に乗ってきて「いつから、ナオニ―していないの?」とセクハラ発言を畳みかけ、下をもみもみ。

「もしかして、俺とエッチしてから、ナオニ―していない?

大人の男に揉まれないと、満足できない、やらしー体になっちゃったかな?
ん?どうなのかな?」

「や、やあ、ん、ひ、一人、でえ、ナ、ナオ、ナオニー、で、できる、もん・・・」との返しは百二十点満点。

「どんな少年になりたいか、まだ分からない」と初心ぶっていたくせに、これは相当、よからぬ妄想をして淫夢を見てきたのだろう。
と思えば「嘘つきの悪い子だ」とチープな台詞も自然にでてくる。

「嘘つきじゃないと云うなら、手をどけなさい。
溜まっていて、射精したくて堪らないわけじゃないと、身をもって証明しなさい」

冷ややかな囁きに、肩を震わせつつ、股間から手をはずして腕をだらり。

「いい子だね。ほら、丸見えの膨らんだ、おちんちんを引っこめなさい」と命じながらも、下の揉みこみをやめず、サスペンダーをつまんだ。

強く引っぱり放すと、サスペンダーがしなって「ひゃあ、あん!」と一段と甲高い鳴き声があがる。
そう、ちょうど胸の突起に当たってのこと。




【鬼を愛して食われる男】



地元には、鬼にまつわる言い伝えがある。

山深くに暴れん坊の鬼が住んでいた。

たまに下山しては、村の畑を荒し、家畜を八つ裂きにし、家のものを売り物を強奪し、食料用に村人を二、三人攫っていった。
大人、二人半くらいの巨体で怪力だったから、とても太刀打ちできず、村の防御もしきれず。

打開策として、村人は週に一回、捧げものをすることにした。
搾取されるのに変わりはないが、鬼の気まぐれで不定期に村を破壊されたり、襲われる恐怖に見まわれるよりはましだと。

「お供え物をされる仏のようだ」と満更でもなく思った鬼は手打ちにしてくれた。
貢物のなかには生贄の村人も一人。

あるとき生贄として差しだされたのは、奉公先から「せめて鬼に食べられるくらいして、村の役に立て!」とほっぽりだされた、みなしごの少年。

人を食べたばかりで、鬼の気が乗らなかったことから、しばらくは身の回りの世話をさせられ、こき使われた。

足枷があっては、逃げられなかったものを、酒のお酌をしているときに、酔って油断した鬼から秘密を聞きだせた。

「ここらに金山があるのを知っている」「でも、絶対に見つかることはない」「岩で入り口を塞いでいるから」と。

村は貧しい。
鬼の云う通りのとろこに金山があり、見つけだせれば、潤って栄えるだろう。

と、少年は考えなかった。
なにせ、彼はみなしごとあり、奉公先では虐められ、村人にも冷たくあしらわれ、返すべきと思うほどの恩を与えられなかったから。



学校で有名な双子だ。
施設育ちと知られ、不良ほど荒れてはいないが、目つきも柄も悪く、人を寄せつけない独特の雰囲気をしている。

そう、俺が見なす、人の皮をかぶった生まれつきの鬼でもある。

ふだんは、横柄な態度をとり、人を威圧、威嚇するくらいで、そう悪さをしていないが、やはり化けの皮を剥がしやがった。

人に見咎められてもなんのその「たく、うっせえよ」「萎えたわあ」とへらへらするのに、俄然、つめ寄る。
胸倉をつかんで迫りたかったところ、尻から流血しているのを目にとめ、とりあず、自分の学ランをかけてやった。

「ひゅうー紳士い!」「やだあ!惚れちゃうー!」と冷やかす双子とあらためて対峙しようとしたら、机に突っ伏す彼が、ひどく咳きこんだ。

呼吸困難になるのを放っておけず、介抱をするうちに「おだいじにー」「今、いれてもがばがばだよー」と去られてしまい。

双子に乱暴をされたのは、同じ施設育ちの久野だった。
同級生ながら、学校では疎遠のように見えたが「おねがいだから、教師には報告しないで」と号泣してまで双子を庇おうとして。

「俺を痛めつけることで、まだ抑えられているんだ。
そうじゃなきゃ、手がつけられなくなる。

周りが被害にあうのも心配だけど、あいつらを中退させたくないんだよ。
これからの人生のためには。

ぎりぎりで保っているのを、どうにか維持して、高校卒業するまで、どうにか」

健気のようで、なかなか狂った発言をすからに、噂はまことだったのだなと、せつなくも身に染みて思った。




【経理は今日も憂鬱で社長におねだりを】



すっかり心が荒んでいたところに「いやあ、親父もまだまだお盛んだねえ」と目の前で領収書をひらひらさせられた。

領収書の発行者は「料亭『いぶし銀』」になっているが、若いおねーちゃんとウッホホイするお店なのは百も承知。

「会社の金でおねーちゃんにパフパフしてもらいましたあ!」と堂々と宣言してくれれば、まだ溜飲がさがるものを。
しょーもない小細工に、手を貸しているのが、ほとほと馬鹿らしくなり、社長の手を叩いて、ため息。

「会長、高血圧なんでしょ。
あんまり刺激の強いことさせると、鼻血を噴いて死にますよ」

大きく瞬きした社長は「それはそれで親孝行じゃねーか」とにんまり。

明日から永久欠勤しようかなと思っていたに「クビだ!ぼけえ!」と罵られてもかまわなかったのが、怒るどころか、一笑に付したのが意外。

いや、不遜は不遜だが、悪意たっぷりな笑みは、俺を歯牙にかけないとか、皮肉っているでもなさそう。

「そうだよ、死なせたいんだよ」と認めんばかりで 天下の親馬鹿会長に、どこまでも甘える、すねかじりドラ息子のように見えて、反感を持っているのだろうか。

違和感や疑問から好奇心を持った俺は、翌日、無断欠勤することなく、相変わらず経営幹部の臭いケツを拭くような仕事をしつつ、あらためて経理のデーターを見直すのはもとより、できる範囲で会社について調査。



バンッとノートパソコンが閉じられた。
顔をあげれば、社長。

酒臭いのに顔をしかめて「しゃ」と呼ぶ間もなく、胸倉をつかんで立たされ、デスクに尻をがつんと。
酔っぱらいの横暴に、むっとして睨みつけたら、唇をふさがれた。
社長の火照った唇を押しつけられ、薄く開けた口から、ころりと球体を入れられて。

滑らかさと甘さからして飴だろう。
ただ、自社製品ではない。

変哲ない味とはいえ、正体をなくした酔っぱらいに急襲され、口に放られたものなんて、すぐに吐き捨てたいろころ。
たまに息継ぎをさせるように、放れても一センチも満たないほどで、舌でぐいぐい押しこんでくるから、お手上げ。

強○的に飴を舐めさせられているというか、二人して口内で飴を舐めあっているというか。
酔っぱらいの悪ふざけで済まされない、セクハラの域を超えた、もうセックスのようなもの。

いや強○だご強○!と思うも、口内で舌を絡めあい飴を舐めあう甘ったるさたるや、エロレベルも高すぎて、陶酔感に浸りそうになる。




【初恋の味はレモンキャンディ】



デニム生地の(ジャケットの袖を手で裂いたような)ノースリーブとホットパンツをはき、ピンクの鉢巻きを巻いて、今は元気溌剌に、狭い舞台上をローラースケートで滑っている。

デビュー曲「初恋の味はレモンキャンディ」を(サブいぼものの)ぶりっ子な振り付けで踊って(女子のようなキーで)熱唱をしながら。

アイドル「レモンくん」として、デビュー曲のMVをネットで公開したところ、一週間で一千万回再生突破。
八十年代風のツッコミどころ満載さを盛りこみ、ふりきって全力全開アイドルをしたのが、人心をつかんだらしい。
こうしてイベントを催せば、会場は狭いライブハウスとあって、チケットの争奪戦で死闘が繰り広げられるとか。
血みどろでチケットをゲットしたファンは、圧死しそうにライブハウスでぎゅうぎゅう詰めになりながら、ペンライトを振って、白目を剥き奇声を上げている。女性だけでなく、男性も割と目について・・・。

「なんで俺が、野郎に半ケツを晒して、ずりネタにされなきゃなんねえんだ!心が死ぬ!」

全身汗だくになり、息を切らしつつ、一気飲みした栄養ドリンクをテーブルに叩きつけた。
イベント終わりの楽屋でのこと。

他の出演者、事務所の先輩らは不在で(レモンくんの変装をして、出待ちのファンを分散させにいった)俺とパンチパーマグラサンと二人きり。
「ファンとの交流はいいが、もっと質問を選定しろよ!」との稼ぎ頭のクレームをガン無視し、週刊誌のグラビアから目を逸らさないザ・YAKUZAは、そう、芸能事務所社長だ。

「これしきで精神病なったら、俳優になれるわけないやろ。
その糞ったれた青臭い根性、叩き直すんには、頭のねじ、一つ二つふっとんだようなファンと絡むのがええねん」

「なあああに、偉そうに教育論ぶった物言いしてんだよ!
俺が強○射精させられた映像を人質に、こき使いやがる外道のくせに!」



「愛していたんですか」

鼻で笑われ「幻滅したか?」と。

とたんにダウンコートを脱いで、身をひるがえしたなら、隣のベッドにとび乗った。
一見、芸人のス〇ちゃんのような格好で、仰向けの体に馬乗りになり、暗い部屋でサングラスをかけっぱの社長に口づける。

額を合わせて「俺なら、子供はできませんよ」と頬を撫でれば、社長が無表情のまま、俺の肩をつかみ、ベッドに押し倒した。
あっという間にボタンを外して、胸を撫で回しながら、耳をしゃぶって、足で股間を擦りあげてくる。

性急な愛撫に加えて、アイドルの糞ださい衣装で犯される羞恥ったらなく「は、ああ、あ、あん!」と早くもお漏らしをすれば、ファスナーを下ろされ、さらに先走りを搾りだすように扱かれた。





DLsiteで電子書籍を販売中↓
https://www.dlsite.com/bl/work/=/product_id/RJ405994.html

ギフト券発行中!
先着一名様が無料で小説を。
「送信する」ボタンを押すと、すぐに読めます↓
http://dlsite.jp/c7abgav/MAD7-5EDF-PM19-XMAV

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

ダラナ 2022/10/17 20:58

BL短編集「おいしい少年をつくろうか」販売中


ショタから狂気めいたの、オフィスラブにアイドル物語とバラエティなBL小説、四作を収録したBL短編集。
描写はすくなめながら、バイオレンスなものもあるのでご注意。

全119ページ。
読書時間の目安は50分です。


【おいしい少年をつくろうか】

合法で紳士の趣味を嗜む店「リトル・メン・ラブ」。

いろいろなリトルメンに、いろいろな客が会いにくる中で、立場が逆転するような頼みごとをしてきたお客がいて・・・?

合法ギャップショタな話。


【鬼を愛して食われる男】

鬼にまつまるイイツタエ。

その教訓に反発する男子高生が、鬼のような同級生、餌食になる同級生の複雑怪奇なトラブルに巻き込まれることに。

惨い単語、描写がでてくるので、ご注意。


【経理は今日も憂鬱で社長におねだを】

日々、会社のお偉いさんの片棒を担ぐようなことをして、限界が近い経理の男。

とくに主犯格の社長を忌まわしく思っていたのが、ふと違和感を持って、見る目が違ってきて・・・。
オフィスラブエロな話。


【初恋の味はレモンキャンディ】

一流の舞台役者を目指していたはずが、アイドル・レモンくんでデビュー?

やくざ風な社長と迷走する役者志望の若者の、馬鹿げたような、甘酸っぱいような恋物語。


DLsiteで電子書籍を販売中↓
https://www.dlsite.com/bl/work/=/product_id/RJ405994.html

ギフト券発行中!
先着一名様が無料で小説を。
「送信する」ボタンを押すと、すぐに読めます↓
http://dlsite.jp/c7abgav/MAD7-5EDF-PM19-XMAV

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

ダラナ 2022/10/02 20:52

BL小説「好色サラリーマン」試し読み


電子書籍のサンプル↑



思春期まっただ中、姉に自慰を見られて、指を差し大笑いされてから十年ずっと、童貞のままでインポだ。

重いトラウマのせいで、女性不信になったし、写真や動画で女体を見ても胸がつまるほど。
十年まえに自慰をして以降、一回も射精も、勃起さえしていない。

はじめは焦ったとはいえ、あまりにもインポがどうにもできず、だんだんと改善に努めなくなり、今や「童貞のまま死ぬのかもしれん」とあきらめの境地に。

そこまでの心境に至ったなら、とことん女性との接触をはじめ、性的なことを避けまくり。

といって、トラウマを引きずる重症のインポとばれたくはなく、下ネタもどんとこいなノリのいい陽気な野郎を装って、学生時代を乗りきり、今は工場勤め。
工場勤務を選んだのは、もちろん従業員に異性が一人もいないから。

仕事をするとなれば、学生時代よりは、女がどーだこーだとばか騒ぎをしなくなったし、真面目に勤務することで、そういうノリから距離をとれたし、平穏な日々を。

というわけには、いなかった。

恋愛や性的なことを徹底して回避しつづけたインポの童貞にして、まさかモテ期が到来。
工場内で、となれば、もちろん相手は同性で、カクシンができるのは、すくなくとも十人。

そのなかでも個性的で、アプローチの仕方が印象的だった野郎どもを紹介しよう。



【同僚×俺】


一人目は同期にして、同じ事務員の宮野。

眼鏡をかけたインテリっぽいイケメンだが、必要最低限にしか口を利かず不愛想。
空気を読まないマイペースくんで、まわりが騒いでも冷めた顔をして、サービス残業や自分の管轄外の仕事の手伝いはしないし、飲み会や集会の誘いには頑としてNO。

男社会な工場にあって「ノリが悪い」「かわいげがない」と浮きまくっているものの、なにせ仕事ができるので、表だっては、まわりと揉めてはいない。

まわりに「今どきの若者は」と不評な宮野だが、俺にすれば、つきやいやすかった。

陽キャラぶっているとはいえ、本性は心を固く閉ざしたインポの童貞なので、必要以上に干渉してこないのが、ありがたいし。

男だらけとあり、たまに、えげつない下ネタもとび交う職場にあって、宮野だけは、そういうネタを振ってこないから、むりに合わせなくていいし。
また、宮野のそばにいれば「あいつ、冗談が通じないんだよな」とわるのりしがちな先輩が寄りつかないし。

「宮野が同期で、同じ部署の人間でよかった」と思いつつ、警戒心の強い猫のような相手なので、仕事で連携する以上は、親しくなろうとはせず。

宮野も、俺に対して、周りにそっけないのと変わりない態度をとっていると思っていたのだが・・・。




「くそ、これじゃあ、大人の男にいたずらされる男の子みたいだ・・・!」と想像したのがオオマチガイ。
不本意にも興奮してしまったようで「あ、ふあ、あ、ら、めえ・・・!」ととうとう十年以上経って、勃起を。

インポが治ったのを手放しにはよろこべず、複雑な心境だったものを、心の整理をつける暇をくれず、相手は口づけも股間のすりすりも追いこみを。
すこしもせず、股間が濡れて、太ももを擦られるたび、にちゅにちゅと。

頬を熱くしつつ「なんで!?射精のまえに、お漏らしするの!?」と頭は大混乱。




【先輩方×俺】


すこしの移動で疲弊し、自動販売機に手をついて息を切らしていたら「よお、反省する猿みたいな格好して、どうしたんだ?」とにわかに夏目先輩が出現。
挨拶代りに腰を抱いて引きよせる、なんて常習セクハラを噛ましたのだが。

とくに腰のあたりの筋肉痛がひどいだけに「ひぎい・・・!」と呻いて、崩れ落ちそうに。
どうにか自動販売機にしがみついて、膝は折らなかったものを、さすがの夏目先輩も「ええ!?なになに!」と腰から手を引いた。

腰のいたみを噛みしめていると、こんどは夏目先輩が「ぐあ!」と呻きを。
やおら視線だけやれば、うつむく夏目先輩と、その頭に手刀を打ちつけている藤原先輩。

「たく、考えなしにフザケテ人を触るもんじゃないって、何回いえば分かるんだ」とたしなめる藤原先輩は、夏目先輩と同じ工場の作業員ながら、見た目と性格は対照的。

夏目先輩がセクハラマスターのチャラ男なら、藤原先輩は眼鏡をかけたインテリっぽい硬派。
よくいえば、良識のある常識人、わるくいえば「堅物」とやや煙がられるほどにコンプライアンスを重んじている。

そりゃあ、コンプライアンス糞くらえな夏目先輩の所業を見過さず、こうして注意をしてくれるわけで。

「ほんと、夏目がすまないな、だいじょうぶか?」と心配そうに俺の顔を覗きこむ。つづけて「にしても、体どうしたんだ?」と質問を。

「もしかして、昨晩の飲み会でなにかあったのか?」

つい停電したトイレの件を思いだして、言葉をつまらせてしまい。
すこし間が空いたのに「まさか・・・!」と目を見開いた藤原先輩は、後方の夏目先輩を睨みつけた。

「おまえ、酒の勢いにまかせて乱暴なことをしたんじゃないだろうな!」

毎度毎度、夏目先輩の目に余る蛮行を藤原先輩が叱りつけているとはいえ、二人は同期だし「工場の凸凹コンピ」と囃されるほど親しい。
俺の誤解を招くような言動で、その仲に亀裂をいれたくはなく「ち、ちがうんです!」と慌てて藤原先輩にしがみつく。

「王様ゲームで夏目先輩とディー・・・キ、キスをしただけで!」



「あ、ああ、だ、めえ、な、夏目、せんぱ、や、やあ、つねら、な、でえ・・・!ふあ、あ、あ、あう、藤、原、しぇ、ん、ぱ、そ、な、爪、さ、で、あふ、ふう、は、はひ、も、もお、ら、らめえええ・・・!」

昨晩までインポだったのが嘘のように、男二人に胸を揉まれて早早、発射しそうに。
二人はそれが分かりつつ、四つの手を止めて、左右それぞれの耳に濡れた熱い息を吹きかけた。

「こんなに乳首をはちきれそうに膨らましやがって、宮野とことん開発されたのか?
おまえは、ガードの固いサラリーマンだと思っていたのによ。
男に胸を触られただけで股をびしょ濡れにするなんて、とんだ堪え性のない、色魔のサラリーマンだな?」

「夏目、これだけ感度上上な罪深いほどの淫らな体を、宮野くん一人で、しこめたわけないよ。

きっと俺ら腐れ縁童貞より、さぞ経験が豊富で、節操なくさまざまな男に抱かれてきたんだろう。
この工場だって、宮野くん以外の男どもが、このぴっちりとしたスーツを乱して、むしゃぶるように犯してきたにちがいない」



【経理部長×俺】


前工場長への忠誠を貫く姿勢が武士のようだと評判なことから「経理のもののふ」との愛称で呼ばれるように。

まあ、なんたって見た目も屈強なもののふのようだし。
噂では柔道の段持ちの、筋骨隆々の熊のような体つきにして、師匠のような風格。

顏がいかめしく、言動がぶっきらぼうながら、ハラスメント的に人を威圧するようなタイプではない。

経理の人にいわせると「性格は温厚で、めったに怒らない」らしいものの、領収書を持っていく身にしたら「こんなもの経費ではない!」と一本背負いされそうで、こわい。
が、俺はこわくない。

なぜなら、俺が持っていく領収書はかならず権田課長の判子が押されるから。

俺だけが経費無双なのは、工場の七不思議のひとつ。
親しいどころか、とくに接点のない二人だけに、まわりは首をひねるし「どうやって、経理のもののふを落としたんだ」と聞かれても俺も困る。

とはいえ、心当たりがないでもない。
具体的になにがあったとかは覚えがないが、おそらく権田課長は俺に惚れているのだろうと。

思春期からインポの童貞だったのが、就職をきっかけにモテ期が到来。
好意を寄せる人は、なにかと俺を優遇してくれ、権田課長もその一人にすぎないわけ。

かといって「贔屓してくれてラッキー!」と思えないのが、俺の難儀なところ。
ずっと恋愛も性的なことも遠ざけていただけに、どう対応したらいいか分からないし、相手が貢ぐ分を返せないのが心ぐるしい。



無数の触手をぬちゃぬちゃねちょねちょ全身に這わせるも、胸と股間には伸びてこず、こそがしいだけ。
ハードなエロ漫画のような展開で、変な気分になるとはいえ「くう・・・ま、まあ、勃起するほどでは」と思っていたのが。

腹を撫でていた触手が、露わになったヘソをかすめたとき「あう、ひいん!」とみっともなく鳴いてしまい。

一斉に触手を止めて「ふーん、そこが性感帯ねえ」とにんまりしたなら、ヘソに猛攻を。
細い触手を多くもぐりこませて、ばらばらに蠢かしたり、太いのをじゅぶじゅぶ突っこんだり。

「ああん、だ、だめえ、やあん・・・!」と首をふりつつ、むくむく膨らむズボンに、みるみると広がっていく染み



【工場長×俺】


身の危険と温泉ラブと天秤にかけて、結局、慰安旅行に参加することに。
ただし、俺を襲った四人には寄りつかず、酔うとつけこまれそうだから、酒も一滴も飲まず。

最大限に警戒するとなれば、温泉に入るのも避けるべきだが、入浴がメインの目的。
なんとか、人目を盗んで、じっくりゆっくり温泉に浸かれないものかと頭を悩ませていたところ。

「やあ、やあ、たのしんでいるかい?」と背後から弾んだ声が。

ふりかえれば、相撲取りのような太鼓腹の工場長。
五十代にして、見た目も言動もふるまいも、年相応におっさんくさい人だ。

で、工場長の背後に控えるのは、同じ顔をした美人秘書二人。
こちらは四十代ながら、二十代の美青年のように若若しく、雰囲気が中性的で、浴衣姿だとなお色っぽい。

「げ」と思いつつ、ぎこちなく笑えば「聞いたよお」とにじりよってきて。

「事務長がきみの実直な仕事ぶりを、とっても褒めていた。

どうだい?ご褒美に、ここのお風呂貸しきってあげようか。
工場長の俺がじきじきに背中を流してあげるよお」

どうやって、ひそかに入浴しようかと考えていたので、願ったなりな申し出。
が、工場長もまた俺に惚れているとなれば、意味はない。

なんと工場長は、就職の面接のときに「一目惚れした」と告白。
「人材として」と思っていたのが、入社すると、用もなく会いにきたり、なにかと食券やお土産をくれたり、高級店のランチやディナー、休日のドライブに誘ったり。

入社間もなく、モテ期が到来したに「工場長もか」と気づかざるをえず、頭をいたくしたもので。



うしろに倒れたのを二人の固い筋肉に支えられながら、双子の手のひらと工場長の視線に犯されて、あんあんタオルの下でお漏らしこぼしまくり。

「いいねえ、いいねえ、双子の美人秘書に体を洗われて、たまらず股を濡らして鳴いて悶える、いたいけなサラリーマン。

ヘソを指でぐりぐりされるたび、床に先走り散らしちゃってさあ。
なに想像してんの?双子秘書の太くて固いのを深く飲みこんで、しゃぶりついている、みっともなく淫らな自分とか?」

双子秘書に耳を舐められ、しゃぶられながら、工場長のねちっこいエロ発言に羞恥心を煽られ、タオルの膨らみがケイレンしてやまず。

もう四人の男に犯されたとはいえ、濃厚接触を避ければ、またインポの童貞にもどれたかもしれないのにいいいいい!

胸のうちで恨み言を叫ぶも、双子秘書の指にヘソを強く突かれて「ふああ、そん、なあ、奥、らめえええ!」とぶしゅううと噴いて、タオルを宙に浮かせたもので。




DLsiteで電子書籍を販売中↓
https://www.dlsite.com/bl/work/=/product_id/RJ423074.html


ギフト券発行中!
先着一名様が無料で小説を。
リンク先の「送信する」ボタンを押すと、すぐに読めます↓
http://dlsite.jp/c7abgav/XDLE-IDGP-0ODJ-ZTUI

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

ダラナ 2022/10/02 20:51

BL小説「好色サラリーマン」販売中


思春期から恋愛もセックスも縁遠かったサラリーマンが、就職をしたとたん、モテ期が到来。
ただし、職場の工場は同性しかいなくて・・・。

職場の野郎どもに狙われて襲われて、性に目覚めてしまう、難儀なサラリーマンのBL小説です。R18。
四組の相手による四作の短編仕立てになっています。

「同僚×俺」
不愛想で無口な同僚が、珍しく飲み会に顔をだし、酒屋のトイレで・・・。

「先輩方×俺」
チャラ男の先輩とインテリっぽい先輩。
タイプのちがうガテン系男二人に迫られて、言葉責めをされて、大人のおもちゃで・・・。

「経理部長×俺」
柔道の段持ちで、いかつい部長の正体を知り、まさかの触手が襲いかかってきて・・・?

「工場長×俺」
慰安旅行で旅館に行き、工場長に誘われて、双子の美人秘書と四人で温泉に入ることになり・・・。

全151ページ。



電子書籍のサンプル↑




DLsiteで電子書籍を販売中↓
https://www.dlsite.com/bl/work/=/product_id/RJ423074.html


ギフト券発行中!
先着一名様が無料で小説を。
リンク先の「送信する」ボタンを押すと、すぐに読めます↓
http://dlsite.jp/c7abgav/XDLE-IDGP-0ODJ-ZTUI

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

1 2 »

月別アーカイブ

記事のタグから探す

限定特典から探す

記事を検索