DL同人攻略法(未経験者、超初心者向け)
DL同人の活動を開始してから、1年半とそこいら。完全に、ゼロからのスタート。
ギリギリのラインとはいえ、紛いなりにも専業のDL同人作家として一定期間、活動できている自分が、攻略法なるものを書き綴りたいと思います。
まあ多分、これからDL同人をはじめたいって未経験者さんや、はじめたばかりの超初心者さんには、それなりの道標みたいなものを提示できるかもしれない。
ってことで、早速いかせてもらいます。
肩肘張らず、気軽に読んでくださるとありがたいです。
攻略法その1:ページ数を少なくする
過去の記事で、僕は事あるごとに売れる確率を高めるためには、とにかくボリュームを増やすことが重要かもしれないと言ってきました。
読者さんのニーズは、「値段が多少高くてもいいから大ボリューム」ってところにあると考えられるからです。
ランキングの上位にある作品は、おおむねそういうタイプだったりします。まあ、そこは価格が高いから、ランキングの上位に食い込みやすくなるだけじゃないのかって味方もあると思いますが。
とにかく、大ボリュームは売れやすい。ここは間違いないでしょう。
でも、つくりにくい。売れやすいけど、つくりにくいわけですね。だって、単純にボリュームが多いから、それだけでも完成にかかる作業時間は膨大なものとなりがちです。
特に未経験者の方は、作品を完成させるといった成功体験をもっていないから、なおさら大ボリュームものを仕上げるのは困難に思えてしまう。
「売れる確率を高めることを意識した大ボリューム作」よりも、まずは「作品を完成させる」ことを優先させたい。
つまり、目標を細分化させるというのかな。売れることよりも、未経験者の方は、作品を完成させることを第一目標とする。
1作めを完成~販売したあとに、売れること、もしくはDL同人作家としての継続性を考えていく。
他方、作品を完成~販売したことのある超初心者帯(という自覚をもつ)の方は、「作品を完成させる」という成功体験をつかんでいるので、次のステップへと進んでいただきたい。
この場合の次のステップは、個人的には、売れなくてもいいから作品を量産して、データを収集することに焦点をあてるのがいいのかなって思う。
攻略法その2:質より量を重視する
質より量を重視するってことは、手抜きしてもいいのか。
ではありません。違わないけど、違うというか。言葉のあやというか。ちょっと説明の難しいところではあるんですけど。
あと、ここでいう「量」とは、ボリュームのことではありません。そのあたりもあわせて説明できればと思います。
先述の「売れなくてもいいから作品を量産してデータを収集する」の続きになるんですが、要は、生のデータがほしいわけなんですね。
生のデータというのは、事前の市場調査等で得られる情報とは別の、自分自身の体験からくるデータのことです。
つまり、この生のデータというのは、自分が作品を完成~販売しないと得られない経験からくるものなので、当人用にカスタマイズされたデータなんですね。だからめちゃくちゃ貴重だし、参照すべき情報に満ちている。
ってこともあって、最初期の活動指針みたいなものは、生データの収集を優先させるといい気がします。
より多くの生データを短期間で収集するために、質より量というか、短い作品を連発するという売り方が、ある程度有効かもしれないって話です。
つまり、ここでいう「量」というのは、ひと作品あたりのボリュームではなく、作品本数のことなんですね。
大ボリューム作品には、じつは弊害もあって、それは作品を量産しづらいってことです。その分、生データも収集しづらくなるわけですね。
今まで書いてきたことと違うじゃないかって思われるかもしれないですけど、大ボリューム中心の販売方針って、生データを収集し終えた、強者の戦い方なんですよ。
だから大手のDL同人作家らは、「ボリュームを増やせ」、「価格を上げろ」、あるいは「価格をあげるためにボリュームを増やせ」と異口同音して主張するのです。
でも我々は、弱者です。
「あんたは専業でやれてるから弱者じゃない」と思う方もいらっしゃるでしょうが、僕としては、まだまだデータを収集しきれていません。
それでも僕の場合でいうなら、16作品販売してきたなりの「僕用にカスタマイズされたデータ」をもってはいます。
16作品の中には、想定以上に売れたものもあれば、当然その逆もあります。はっきり言ってしまうと、想定以上に売れなかった作品がほとんどです。
ただ、故野村克也監督の「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」という言葉がありますが、売れなかった作品はある意味、生データの宝庫ともいえます。
売れなかった原因を事前に予測できたらいいんですけど、そうそううまくいきません。
ただ、販売して売れなかったという体験を経ることでしか得られない知見もあるわけですね。それが、何度もしつこいですが、生のデータということになります。
だから、質より量なわけです。いや、だからってこともないんですけど。
要は、何が言いたいのかっていうと、未経験者さんは、まずは作品を完成させる。そのためには、短い作品がつくりやすい。
超初心者さんは、生データの収集を優先させるため、短い作品を量産していきたい。
つまり未経験者さんも、超初心者さんも「短い作品をつくろう」って結論になります。
失敗してもいいんです。失敗したほうが、生のデータが詰まっているから。
成功しても、その成功した理由の発見が、意外と難しかったりします。
不思議な勝ちなのかもしれないし、そうじゃなくて、本当に売れる要素が詰まっていたから成功したとも考えられるし。どちらにせよ、成功したときのデータは、原因の解析が難しい。
ひるがえって、失敗したときは解析が簡単です。多分、そこは経験したらわかると思います。
そのあたりのデータの向き合い方みたいなものも、別の機会でお話しできたらなと思います。
質より量って話は、じつはDL同人おいては、まだまだ多様性があったりします。
そこを全部話すと長くなるので、今回はその一部だけの言及に留めさせてもらいました。
あと、攻略法にかんしては当然、まだ続きがあります。今回は2つしか紹介できませんでしたが、機会があれば、また続きを書きたいと思います。
最後に読み直して気づいたんですけど、攻略法のその1もその2も同じこと言ってますね。要は、最初のうちは短い作品をつくっていけって。
行き当たりばったりで書くと、こういうことになる悪例ですね。失礼しました。