【催〇わ~るど】あるバレンタインデーの風景 2024 ~ドスケベ幼馴染・花ちゃんの告らせ大作戦~
「はい、小城戸君もどうぞ」
「おぉ、ありがとう! 花! 開けていい?」
「んふふ、どうぞ~。喜んでもらえるといいんだけど」
私が差し出した箱は無事に受け取ってもらえた。真っ赤なラッピングペーパーに、ピンクのリボンを施したハートの箱。中を開くと金色の緩衝材の中に、一口サイズのチョコが並んでいた。目の前の男子はそれを見ると目を輝かせながら一つ取り出して、口に放り込む。すぐに満面の笑みが彼の表情に現れた。彼の茶色い前髪の間。爛々とした黒い瞳には、金髪を揺らして柔らかく微笑む私の姿が映っていた。
「美味い! すっげー美味いよ!」
「よかったぁ。一応レシピ見て作ったんだけど、ちゃんとできてるか不安だったから」
「へへ、花の手作りチョコ、絶対美味いと思ったわぁ。サンキューな」
「んふふ……小城戸君とはよくセックスしてるでしょ? いつも気持ちよくしてもらってるから、そのお礼もかねて、ね?」
「へへ♪ じゃあ今日は、バレンタインセックスでブチ犯してやっから。な?」
「ん~……♡」
小城戸君は、少年らしい整った顔を輝かせていた。おチンポを勃起させて、私にアピールさせてきている。そっと手を取って、大きくなったその場所を、ゆっくりと撫でさせてくるのだ。まあ、そりゃそうだよね。当然、大きくなるよね……だって……♡
「おっ、ぉお、いいッ、ンっぐ♡」
「ああ、やっべぇ、きもちぃ~……♡」
「お、チンポッ、ちんぽいい、ちんぽ、ぃいいッ♡♡♡」
「はやくっ、はやく舐めてッ!」
「あっむ、んっぢゅ、ぢゅるるる、ずっぢゅ、ぢゅるっ、ぢゅぞぞぞぞぞっ♡」
クラスの中では、あちらこちらで女子と男子がセックスに明け暮れているんだから♡
今日はバレンタインデー。ほとんど毎日、誰かしらがセックスしたり、オマンコするような日常を送るの私達だ。今日はいつも以上に大手を振ってセックスできるイベントの日。ともなれば、クラスの子達が我慢なんてできるはずがない。仲良しグループの女の子達が、義理チョコ渡した男子達と乱交していたり、あるいは彼氏に媚薬入りチョコレート渡して、ギンギンになったオチンポをしゃぶっていたり。ともあれ授業を終えた教室は、帰宅部や部活のないクラスメートたちの乱交の場と化していた。
私だって、目の前の小城戸君とは何回もセックスしたことがある。体育の後とかは興奮しているから、保健室に誘われてシたり、トイレに連れ込まれてシたこともあったっけ。結構性欲強い男の子だから、下校中にファミレスで勉強する時にも誘われて、そこでシたこともあったかなぁ。
でも、今日だけは、ダメ……♡
「ごめんね、バレンタインセックスの相手は、もう決めてあるの」
「……え?」
「だから、ごめんね。今日は一緒にできないんだ。普段のセックスなら、いつでもいいから。それじゃ」
「え……あ、お、おお、それじゃあ」
「……へへ、振られてやんの」
「残念だったな~、小城戸」
「っせぇな……くそっ」
後ろの方で小城戸君が友達にからかわれているのが聞こえる。ちょっとかわいそうなことしちゃったかな。でも、多分大丈夫。小城戸君は結構かっこいいし、イケメンでおしゃれな男子だし、勉強も運動もできるタイプだ。別に私がしなくても、バレンタインセックスの相手としては、いろんな女の子が求めるだろう。だからこそ申し訳ないけれど……私がわざわざ相手する必要はない。
私がするべき相手は、もっともっと、別にいる。
階段を下って、昇降口へ。ロッカーで上履きからスニーカーに履き替える。特別な日、特別な時間。校門に待っている彼に、私は声をかけた。
「たっくん、お待たせぇ」
「……は、花、ちゃん……」
でっぷりと太った、地味な男子。同じ学年の肝田卓郎君。幼馴染の私はたっくんと呼んでいる。私は彼に微笑みかけると、そのふくふくと太った腕に、私の腕を絡めてみせた。
「行こっか?」
「……いい、のか? クラスの奴らに誘われてたりとか」
「いいのいいの。だって今日は年に一度のバレンタインデーだもん。それに、毎年の事でしょ? 私だって、たっくんにチョコあげないと、なんだか落ち着かないもの」
「……ん……」
緊張しているのかな。彼は遠慮がちに、私の手を握りながら、一言だけ声を漏らした。そういえば、ここ一か月の間は、あまりセックスすることもなかったっけ……。したとしても、フェラとか手コキとかだけだったし……そう思うのも仕方ないか。私は彼の手に絡めるようにして、そっと微笑みかける。
「じゃ、行こう?」
まだほんのりと肌寒い冬の午後、私達はクラスの皆よりも一足先に帰路へとついた。
学校から歩くこと15分、隣り合った一軒家が、私達の家だ。私達が入っても、家の中からは返事はない。静かなものだった。外の車はなかったし、多分おばさんは買い物にでも行っているんだろう。玄関で靴をそろえて上がると、たっくんは首後ろを掻きながらリビングへの扉を開く。
「先、行ってて。飲物、持っていくから」
「あ、手……洗わないとだめだよ、たっくん」
「いやそれは花ちゃんもだろ……ちゃんと持っていく前に洗うよ」
「うん、それならいいでしょう。飲物だけでいいからね?」
「ん……わかった」
鞄を手にしたまま、勝手知ったる家の中を進む。手を洗い、軽くうがいをしてから二階のたっくんの部屋へ。いつ見てもかわらない、彼の部屋に入ると、私はまず深呼吸をしてみた。鼻腔をくすぐる、雄の匂い……多分これは、昨日の夜にオナニーしたな、さては……♡
壁にはアニメやゲームの女の子が描かれたポスターやタペストリーが飾られている。私はあんまりアニメとか漫画って詳しくないんだけど、それらの女の子に共通しているのは……金髪で、優しい女の子。そんな子達が所狭しと並んでいるお部屋の中、一枚の写真が飾られている。
「……♪」
もう見慣れた写真だけど、私はついつい、それを手に取ってしまった。
太っちょな男の子と、肌の白い金髪のおかっぱ少女が、並んでザリガニを持ってピースしている。これは何歳の時だっけ……。確か、小学校一年生とか、二年生とかの時だったと思う。もうあれから、十年は経っているんだよね……。私はしみじみと……いや、もうしみじみとかじゃない。私はそっと耳をそばだてた。下の方からは水道の音がしてきている。まだもう少し、登ってくるまでには時間がかかるだろう。私は写真を元に戻すと、ゴミ箱の一番上にあるザーメンティッシュを鼻に当てつつ……ベッドに突っ伏した。
「はぁ~~もぉ、ヤバいなぁ、可愛いなぁ、たっくんてばぁ♡ もう思いっきり私の事意識してるじゃなぁい♡ やばいやばいやばい♡ いつ見てもこのお部屋、私で抜いてるの丸わかりだしっ、ていうか抜いてるの見てるしぃ、知ってるしぃ~抜いてるしぃ~~♡ あっはぁ……んふ、んふふふふぅ……たっくぅん、たっくんたっくんたっくぅん……♡」
「お待たせ、牛乳でよかっ……何してんの?」
「ありがとう。ちょっと、ベッドに皺があったから、気になっちゃって」
「ん……あ、ご、ごめん、ちゃんと掃除してなくて」
「もう、本当だよ? 男の子だから、オナニーすることはあるだろうけど、ちゃんとごみ箱に捨てないと」
危ない……思わず顔に出すところだった。たっくんのタイプは、金髪で優しくて、そして……大人しくておしとやかな子なんだから。彼からの告白を待つこと、早十年。こんなところでボロを出すわけにはいかない。今日こそ、今年のバレンタインデーこそ、彼から告白をもらう! そのためにいろいろと準備してきたんだから! 気張っていくのよ~~~、花ァ~~~!
「はい、花ちゃん」
「うん、ありがとう」
私はおっとりとした笑顔の裏で、情熱の炎を燃やし続けていた。