官能物語 2020/05/25 10:00

息子の告白/28

 久美子は、しばらく真っ白な世界をたゆたっていた。こんな気持ちを味わったことはこれまでになかった。強いて言えば、眠っているときを意識することができたとしたら、そういう気持ちになるのかもしれない。穏やかで、心から充足された気持ちである。ずっとこうしていたいと思っていた久美子だったが、そのうちに、それこそ眠りから醒めるかのように、周囲の風景が明らかになってくるのが分かった。

「大丈夫、母さん?」

 隣からかけられる息子の声に応えようとした久美子は、自分がうずくまった状態であることに気がついて、身を起こそうとしたけれど、力が入らずに、ごろんと仰向けに横たわるようにした。そうして、何度か浅い呼吸を繰り返した。

「ずっと動かなかったから、心配したよ」

 息子の声に、久美子はまた応えようとして、今度は、喉が渇いていることに気がついた。

「水……ちょうだい」
「ほーい」

 若さのせいか、それとも、男女の違いか、あるいは、単なる個人差か分からないけれど、高典は軽快に立ち上がると、キッチンまで行って、グラスに水を入れてきてくれた。しかし、そのグラスを、そのまま久美子に渡すことなく、その縁に口をつけて、水を含むと、

「んっ……」

 久美子に口づけて、口に含んだ水を飲ませるようにしてきた。久美子はそれに逆らう体力も無くて、されるがままに、水を飲み下した。冷たい水が喉を通ってお腹まで至ると、人心地着いたようである。

「もっと欲しい?」
 
 息子の声にうなずくと、また彼の顔が近づいてきて、口移しで水が飲まされた。それを何度か繰り返されて、

「もういいわ」

 と断ったら、今度は、ただキスだけされた。唇を重ねられて、すぐに舌を入れられる。息子の舌が口内を探るようにすると、せっかく冷めたはずの体が、また火照り始めるのを感じた。久美子は、息子の胸板を軽く押すようにして、拒絶の意を示した。いくら何でもシすぎだろう。しかし、息子の体はびくともせず、舌は返って力を増して、久美子の口内を蹂躙し始めた。久美子も久美子で、彼の硬い胸板に手を触れたことで、若いオスのたくましさを再認識して、また彼に抱かれたいという気持ちを抱いてしまった。

「ふうっ……母さん、もう一回、シてもいい?」

 唇を離した息子は、さすがの若さである、ギンギンに勃起したモノを、見せつけるようにしてきた。久美子は、またあの快楽が味わえるのかと思うと、体の奥がキュンッと鳴るのが聞こえるような気がして、その音に応じて、秘所がじわりと濡れるのが分かった。

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